2007年01月15日
江川卓に学ぶ
何だか学生スポーツがおかしい。 というのは年始からのスポーツの「福袋」を改めて見た率直な意見だ。 そして、その違和感の渦巻きの中心にいるのは早稲田大学でもある。 特に衝撃的だった、一つの試合の話をしたい。 それは1月7日大学選手権準々決勝が国立西ケ丘競技場で行われた。 その日ピッチに立った早稲田大学ア式蹴球部の選手14人(交替選手含む)の内、 13人が推薦制度入学者であり、13人が2003年に設置されたスポーツ科学部の所属であった。 早稲田大学ア式蹴球部は高校サッカーのオールスターと揶揄されてさえいる。 昨日行われた大学選手権大会では優勝こそ叶わなかったが、 3年前まで東京都1部リーグにいた早稲田の躍進はこういったところに端をなす。 無論、この様な大学アスリート達が高校時代に血のにじむ様な努力をしてきたこと、 それを評価する制度としてのスポーツ推薦枠やAO入試制度を否定するつもりはないが、 それにしても度が過ぎるのではないかという一言に尽きる。 この現象の背景には一つに大学経営がある。 近年少子化による大学全入時代到来に向けて、 大学経営の方法としてスポーツを取り扱う学校が増えている。 簡単に言えば、スポーツの「良いイメージ」を自らの身に纏わせようとしているのである。 早稲田大学は2007年が創立125周年であり、 その成功の一つとして「早稲田スポーツの成功」を掲げている。 各学校建前はどうであれ、それは一つに大学のシンボルとなる大学スポーツの強化であり、 それに伴う学生アスリートの受け皿の捻出である。 近年スポーツや健康に関して学ぶ場が倍近くに増えいえているというのはそんな背景がある。 “スポーツの発展”の為には喜ばしいことかもしれないが、 卒業後のスポーツ界の受け皿を考えると非常に無責任でもある。 自身の広告・宣伝の為に勝つことだけに捕われていては スポーツからは何も生まれないのではないか。 それどころか…と思ってしまうことの方が多い。 大学アスリートを「体育会」と一括りにしてしまうことを嫌う人もいるかもしれないが、 体育会の不祥事は絶えない。 Yahoo検索によると「体育会・不祥事」だけでも30600件にものぼる。 仮に教育機関がその活動の一環としてスポーツをするのであれば、 その存在意義には疑問符を付けざるをえない。 スポーツをすると馬鹿になるという風評被害の要因はこんな所にあるのかもしれない。 それだけではなく、彼らに内在する伝統と言う名の悪癖や、 OB界などと呼ばれるグレーゾーンが少なからず、 大学アスリートの印象を社会の中で下げているのではないか。 そして、いつしか一般学生と体育会と呼ぶようになり、 大学において部活動は「特別な人たちのもの」になってしまったのである。 また、それはアスリート個人の問題ではなく、その制度にも問題がある。 アメリカにはNational Collegiate Athletic Associations(NCAA) という大学スポーツを統べる組織があり、 各大学のSports Departmentを通して大学スポーツの管理・経営などを行っている。 例えば、NCAAが定める一定基準の学業成績を残さないと選手登録を認められない。 一方で、日本の大学スポーツは、競技ごとの団体が乱立しているだけである。 これは大学スポーツだけではない、 スポーツ政策に於ける省庁でさえも日本においては文部科学省や厚生労働省、 経済産業省と乱立している状態であり、横の連携がまったくないのである。 したがって、不祥事が起きたときの対応も各部の判断の末に 「棄権」という一点で収められてしまう。 勿論、NCAAがあるからと言って アメリカの学生スポーツがまったくの潔白だとは言わないが、 一定の基準を設け、それを守ることはスポーツの「フェア」な部分まもることや、 大学にいったからこその得られる スカラーアスリートとしての振る舞いができなければならないと言う願いもある。 話は変わるが、かの「怪物」江川卓は神宮で行われる六大学野球に憧れ、 多くの球友と共に慶応大学を受験し、 六大学野球を優勝へ導こうと考えていたという話がある。 しかし、周知の通り「慶応の江川」は生まれることなく終わる。 当時、これは一大ニュースとなり、その合否をNHKが放送したという伝説までもある。 江川はペーパーテストの点数で規準を満たしていたが、 慶応の品位を保つ為にと敢えて江川を不合格にしたなどの説もあるが、 揺るぎない結果として江川は法政大学を受験し、進学することになる。 もっとも、この話の中で興味深いのは、 やはり慶応大学は品位として何を守ろうとしたのであろうかということである。 事実この一件で慶応大学の評価は高まったと言われている。 これを古きよき時代のものとしておくにはもったいない昔話ではなかろうか。
posted by yamagiwaboy1012 |23:50 |
雑感 |
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2007-04-02 02:35 | 続きを読む
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Re:江川卓に学ぶ
突然で恐縮でございます。ブログを拝見しました。素晴らしい観点で興味を抱き共感しました。いきなりで申し訳ないのですが…、もし可能ならばwww.clafeasmagazine-tokyobay.netで草の根スポーツを応援する小冊子で、このブログに書かれていることを紹介したいのですが…。もし良ければclafeas@magazine.nameにご連絡を頂けると嬉しいです。それでは失礼します。
posted by suzuki | 2007-01-22 23:31
Re:江川卓に学ぶ
コメントありがとうございます!!
自分で力になれることがあれば、よろしくお願い致します。コメントでもいいので、連絡下さい。
posted by 管理人 | 2007-01-26 00:39


