2007年11月23日

スポーツ選手という職業

ガンバ大阪に所属するマグノアウベスが移籍する(決定事項のようだ)。
事実解釈に誤解がないようにニュースソースを引用する。

マグノアウベスが退団へ G大阪、3日練習不参加
 Jリーグ1部(J1)G大阪のエースFWマグノアウベス(31)の今季限りでの退団が23日、確実になった。21日から3日間連続、無断で練習に参加せず、西野監督は23日の練習後に「チームの1人とは考えにくい」と話した。
 マグノアウベスは移籍先としてサウジアラビアの強豪クラブ、アルイテハドと接触したとみられ、同クラブのホームページは関係者と同選手が談笑する写真などを掲載。西野監督は「誰も知らなかった」と困惑した表情だった。
 残り2節のJ1でG大阪は優勝の可能性を残すが、天皇杯全日本選手権を含めた今季の残る公式戦で同選手を起用しない方針。J1の神戸戦(万博)が行われる24日に対応を協議する。
 マグノアウベスは大分からG大阪に移籍した昨季J1で26得点を挙げて得点王に輝いた。今季はけがをした影響もあり、第32節終了で10得点にとどまっている。 
[ 共同通信社 2007年11月23日 19:18 ] (掲載元 スポーツナビ)


外国人スポーツ選手にしばしばよくみられる個人行動である。日本ではこれは非難の元になる。
しかし、仮にマグノアウベスは契約の為にサウジアラビアへの渡航を
ガンバ大阪から許されたであろうか。きっとそれはNoだ。
もちろん、契約違反という意見もあるだろうが。
では、今季限りで退団濃厚だったマグノアウベスは来季どうすればいいのであろうか。
慶応義塾大学の清水龍螢教授は『企業倫理と日本型経営』(三田商学研究第40巻第5号)の中で、
日本型経営と企業倫理の発生の中で問題の所在を
グローバル化によるアングロサクソン型経営との意識の違いだと述べ、このように指摘している。
取引には3種類あり、それは不安定な環境で行われる『現金取引』、
環境がある程度安定している状態での『信用取引』、
一回の取引では利益は出なくとも、数回の取引の末に利が出ればいいと考える『信頼取引』である。
日本では古くから『信頼取引』が行われており、
「貸し・借りの原理」はまさにその現われの一つであるとも述べている。
ただ、この考えが温床となって、その企業間で損失補填が行われること、
また一見客などとは同様の取引を行うことが出来ないことから、
特定株主に対する優遇策、また他の株主に対する損害を与える可能性があり、
それはアングロサクソン型経営の論理にはそぐわず、
グローバル化の中で日本でも1991年の商法改正で禁止されたとしている。
(現在のサブプライムローンの問題はまさにこれではないか)

話を戻そう。

つまり、これが昨今「スジ」と呼ばれるものの正体である。
日本において契約の前提には『信頼』がある。これが今回のマグノアウベスの問題の奥にある。

でも考えて欲しい。
セカンドキャリアということがスポーツ界ではよくいわれる。
一方で、それよりもファーストキャリアをもっと大事にしなければならないという意見もある。
キャリアトランジションを考えれば、
マグノアウベスのとった行動は正当化されるべきなのではないか。
もはや日本も終身雇用の世界ではない、
キャリアの短い時間にいかに自分の最大効果を出すかは切実な問題である、
ましてや彼らは外国から来た外国人だ、その括りが日本国内では邪魔にもなる。
名古屋フェルホーセン監督がPSVと契約する際に抱えている問題も同様だった。
(もっとも、氏はそれを考慮していたが)

一方で、日本人はJという組織に入ればいいと思っている選手が多いような気がする。
その考えに対して、平均引退年齢24歳というJリーガーの一生はあまりにも短く、厳しい。

                              
11月23日  篠 雄也

posted by yamagiwaboy1012 |23:34 | 雑感 | コメント(10) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
スポーツ選手という職業

キャリア云々は別にして、契約違反をしていることが問題なのではないでしょうか。公式戦が残っている状況でそこを放り出すことは疑う余地なく問題です。
ただ、篠さんの指摘している問題点は事実。マグノアウベスの今件がきっかけとなって議論が起こればいいですね。

posted by nozomu | 2007-11-24 00:36

スポーツ選手という職業

契約には多くの細かい条項があるのですが、セカンドキャリアを考慮するのならば、それらの条項のハードルを下げ、且つ範囲を広げることが選手には求められるでしょうね。

>外国人スポーツ選手にしばしばよくみられる個人行動である。日本ではこれは非難の元になる。

「日本では」とありますが、代理人が単独で行くのならまだしも、シーズン中の選手自身が移籍先を訪問するのは、欧米でも非難の対象となりえます。基本的に良い行為とはされていません。

posted by F | 2007-11-24 01:23

スポーツ選手という職業

契約云々は関係ない。単なる職務放棄。
何のための代理人制度なのか?

posted by ちゃっぴー | 2007-11-24 02:32

スポーツ選手という職業

話を大きくしすぎじゃないでしょうか。契約上選手は練習に参加し、試合に出場する義務があるはずです。それを履行しなかった以上は非難、処罰の対象となるのは国、文化を問わないはずです。

posted by s | 2007-11-24 02:50

スポーツ選手という職業

浦和のエメルソンの時もシーズン中に移籍だったよね?

マグノの行動というよりもこんなんが簡単に起こることに問題あるでしょ?

posted by D | 2007-11-24 06:21

スポーツ選手という職業

ベッカムもシーズン途中でLAのチームと契約をして
監督に試合で起用しない口実をあたえました。
こういう行動が批判されるのは
日本に限らないのではないでしょうか?

サッカー選手の引退の平均年齢は
他の国では何歳なのでしょうか?
他のスポーツはどうでしょうか?
決して高くないのではないか、と思います。
20歳前後で解雇されても、
逆に、そこから別の道に進むのは容易ではないでしょうか?

>日本人はJという組織に入ればいいと思っている選手が多いような気がする。

チームに入っても努力をやめれば
試合にも出してもらえない。
サッカーに集中するのが悪いとは思いません。
それ以外に、どういうオプションがあるのでしょうか?
マグノの様に海外のリーグに容易に誰でも移籍できるわけでもありません。

posted by 音速キック | 2007-11-24 06:49

スポーツ選手という職業

ガンバの関係者に対する裏切り行為としかいいようがない。どこの国でしても非常識。許せないです。

posted by G | 2007-11-24 08:13

スポーツ選手という職業

マグノアウベスがより良い契約を求めることに関しては気持ちはわかりますが、
今回の行為を「正当化されるべき」とまで言ってしまうのは行き過ぎだと思います。

本人にしても非難されることは覚悟の上で、行動を取っているのでしょう。

後ろめたいことが何一つないのなら、ガンバに何と言われようが、空港からでも一言伝えればいい。

クラブが許そうが許すまいが、選手の一挙手一投足を完全に管理することなんて、現実的には不可能なんだから。

そこまで擁護されたらマグノ本人も戸惑ってしまうのでは?

posted by rnm | 2007-11-24 08:34

スポーツ選手という職業

マグノアウベスのやったことは批判されるべきということだと思います。しかしながらガンバ大阪が移籍の情報を知らなかったということに関しては非常に疑問に思います。英語版のアル・イテハドのウィキぺディアページ(http://en.wikipedia.org/wiki/Al-Ittihad_%28Jeddah%29)をを見ると11月19日にマグノアウベスが新たな加入選手として追加されています。三日間の練習不参加とちょうど日程的もあっています。ウィキぺディアに乗るような一般情報をガンバが把握できていないとなるとガンバの経営管理の甘さも問題ではないのでしょうか?選手だけではなくクラブが信用に値されるだけのレベルの運用がされているかも議論されるべきでは?

posted by hmmm | 2007-11-24 21:57

スポーツ選手という職業

当ブログでは基本的には匿名のコメントに関してはご返答しかねます。

が、あまりにもコメントが多いので、ご返答させて頂きます。

私がこのように主張する背景には、選手よりも圧倒的にクラブに有利な規約があるからです。興味ある方はどうぞhttp://www.j-league.or.jp/aboutj/2007pdf/04.pdf
また、日本では世界とのサッカーのシーズンのズレという問題もあります。
加えて、代理人制度は肉体的な「代理」ではなく、知識としての「代理」であると考えております。
それらを背景にこういったことが正当化されるべきだと主張しています。

もちろん、クラブ側・サポーター側としては不都合なことでしょうが、私はその視点にはおりません。

さて、コメントを下さった皆様に総じていえることですが、物事の本質をみようとしていません。のでご注意下さい。

posted by 管理人 | 2007-11-28 00:09

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