2009年04月19日

アーセナルvsチェルシー~ミスの数の差~

アーセナルのスタメンはファビアンスキ、エブエ、トゥーレ、シルベストル、ギブス、ウォルコット、セスク、デニウソン、ファンペルシー、ディアビ、アデバヨール。サブはマンノーネ、ソング、ラムジー、ヴェラ、ナスリ、ベントナー、アルシャビン。

チェルシーのスタメンはチェフ、イバノヴィッチ、アレックス、テリー、Aコール、エッシェン、ランパード、バラック、マルダ、ドログバ、アネルカ。サブはイラーリオ、カルバーリョ、マンシエン、ミケル、ベレッティ、カルー、ディサント。

ヴェンゲルの選手起用
アーセナルはソングを休ませました。DFラインに怪我人が続出している現状では、CBもできるソングは貴重な存在です。このチャンスにデニウソン、ディアビはしっかりアピールしたいところ。
最大のサプライズはアルシャビンのベンチスタートでした。守備を考えてのことかと思いましたがチェルシーRBのイバノヴィッチは本来CBです。攻撃参加してくることはあまりありません。アネルカ対ギブスを気にしたという見方も出来ますが、結果的にギブスは堅実なプレーでアネルカをほぼ完封。DFラインで一番の出来でした。
怪我がちなファンペルシーはミッドウィークもプレーしていた、これからは日程が詰まっているためローテーションが必要、アルシャビンは休養十分だった。にもかかわらずこのスタメンをチョイスしたヴェンゲルには、やはり疑問を感じざるを得ませんでした。体調不良のナスリとは事情が違う気がするのですがどうでしょうか。

ウェンブリーのピッチ
何回かアップになっていましたが、芝生が簡単にめくれるなど非常に劣悪なコンディションでした。そのため両チームともパスミスやトラップがやや多く、特にDFラインの近くでボールをまわすときは慎重になっていた印象を受けました。
こういったピッチでは、細かくパスを繋ぐよりロングボール主体のほうが有利。ボールがどんなバウンドをするか予測するのが難しいからです。アーセナルはショートパスが信条ですが、この日はいつもに比べるとロングボールがやや多かった印象。しかしアデバヨールはアレックス、テリーに勝てずほぼ完封されていました。ファビアンスキは非常にフィードの精度がよかっただけに、少し残念でした。

一方のチェルシーは、開始直後に裏へのボールにファビアンスキが飛び出し、DFと交錯しているところへドログバのヘッド→ギブスがライン上でクリアと決定的なチャンスをつくっていました。今は少し違いますが、もともとチェルシーはドログバへのロングボール主体のチームです。気をつけないといけないとは思っていましたが…

先制するまで
アーセナルのシステムは4-2-3-1で流動的でした。基本形は、ファンペルシー、ディアビのいずれかが左サイドにいて、セスク、デニウソンが中央にいる形です。ドログバ対策として明確に3センターにするのかなと思いましたが、やや攻撃的に試合に入ります。チェルシーは4-1-4-1というよりは、ランパードがやや高い位置に張っていて4-2-3-1気味。ヒディンクチェルシーの特徴でしょうか。

ピッチコンディションもあり、慎重な立ち上がりを見せる両者。チェルシーはやや守備的に試合に入ってきました。ほぼ互角の展開でしたが、先制したのはアーセナル。アデバヨールがサイドでためて、エリア内に進入していたギブスにパス。マーカーのアネルカは出足が遅れ、ギブスはフリーでクロスをあげる→ファーでフリーになっていたウォルコットが左足でボレー。これがAコールの膝、そして手にあたってコースが変わり、チェフはわずかに及ばずアーセナルが先制します。18分。チェフはここ2試合で7失点と叱責の対象になっていますが、これはどうしようもありませんでした。

守りに入ったヴェンゲルと攻撃的なヒディンク
先制したアーセナルは、セスクを前に上げて4-4-1-1気味に変えてきました。ミッドウィークの疲れもあるし、少しペースを落としてしっかり守ろうということでしょうか。
これを見たヒディンクは、すかさずバラックをアンカーにしてエッシェンを前にあげてきました。手でポジションを入れ替えろという仕草をしていましたね。ランパードをドログバに近い位置でプレーさせるのが狙いだったと思います。
そしてAコールも高い位置に上がってくるなど、チェルシーのストロングポイントである左サイドから攻撃を組み立てるようになりました。エブエ、ウォルコットの守備は軽いです。それまで全体的なラインがやや下がりすぎていたチェルシーですが、アーセナルの変化もあいまって徐々に試合のペースを握っていきます。Aコールのフリーランニングからマルダの決定機や、ランパードのスルーパスからドログバがシュートをふかした場面など、流れはチェルシーへ。それにしても、ランパードは本当にいい選手ですね。

ウォルコットに何かを起こしてもらうしかないアーセナル。このシステムの最大の問題点は、セスクがボールに触る回数が減るということです。アーセナルはセスクがボールに触ってこそのチームです。デニウソン、ディアビではビルドアップの質が格段に下がります。
デニウソン、ディアビに任せてられるかってことでセスクが下がってきて、ディアビが前に行くシーンは流れの中で何回か見られました。なぜ最初からその形にしないのか。アーセナルは、セスクのロングボールからウォルコットが裏をとり、シュートを撃つもチェフに防がれる(オンサイドだったがオフサイドで取り消される)ぐらいしかチャンスはありませんでした。

また守備の場面ではセスクが下がってくることでバラックのところが空くわけで、チェルシーはバラックを起点に左サイドから徹底的に攻めます。セスクはポジショニングに迷いがあるようでした。凌いでいるものの、アーセナルは劣勢。

33分にチェルシーは同点に追いつきます。ランパードのロングボールをマルダがトラップし、内に切れ込んで右足でニアを狙ったシュート。これがいいところに飛び、ファビアンスキは及ばずチェルシーが同点に追いつきます。リプレーでは角度的にオフサイドくさかったですが、実際にはちょうどオンサイドでした。この場面は、エブエのマーキングが甘かったのがすべて。すこしだけ、昨シーズンのリバプール戦、センデロスがマークを外してトーレスに決められた場面が頭をよぎりました。
失点直後にも、デニウソンとディアビの意味不明なプレーからアネルカにエリア手前でボールを奪われ、シュートがDFの足に当たってバー直撃なんて場面もあり、チェルシーが試合を支配し始めますが1-1で前半を折り返します。前半40分ぐらいに、ファンペルシーがイバノヴィッチのかにばさみにあって右足をかなり痛がっていたのが心配。その前から、膝に手をついて足を気にする仕草を見せていたのも気になりました。
アーセナルはハーフタイムでどう修正してくるのか。解説者の方々は、セスクの位置を下げろと何回も言っていましたが同感です。

続きを読む前に1クリックお願いします!→→→→人気ブログランキングへ

気になったこと
デニウソン、ディアビは不用意にボールを失うことがあり、見ていて非常にひやひやしました。ディアビは無理やりキープしようとして、デニウソンは後ろから来ているのが見えていなかったのが原因だと思います。守備を期待されて出ているのだから気をつけてもらいたい。DFラインの前でああいうプレーは有り得ません。
セスクにも同じことが言えます。ビジャレアル戦でも、不用意なボールロストが多かったです。

アーセナルのマイナーチェンジと選手交代
後半、アーセナルはシステム的に変更はなし。強いて言うならセスクのポジショニングが少し下がり、ハーフタイムで気持ちを切り替えができたのか、受けてしまっていた前半の反省を生かし、前に出てくるようになります。アンカーがバラックなんだから、攻めないともったいない。セスクは前半の迷いを払拭し積極的にボールに触り試合を組み立て、ディアビはそのぶん前に行くようになりました。チェルシーはそんなアーセナルの変化に少し押され始めます。
デニウソンがとんでもないところでボールを失うなど、ミスも多いアーセナル。しかしディアビのテクニックからウォルコットのクロスにファンペルシーが飛び込んだ場面や、セスクのバックヒールからウォルコットがテリーのタックルを交わした場面など、アーセナルが決定機をつくります。
立ち上がりこそ押されていたものの、ランパードのスルーパスからバラックのクロス→アネルカのヘッド、ランパードのパスからドログバのクロスをランパードがダイレクトボレー、裏狙いのボールをドログバと競っている間にシルベストルがエリア内でハンドをした場面など、ほぼ互角の試合展開ながらもチェルシーも盛り返す。エブエはマークを何回も外すなど穴になっていました。押され始めてイライラしたアーセナルは、ファールをとられたデニウソンが主審を手で小突くもイエローどまり。

残り15分になり、延長戦も視野に入ってきたヴェンゲル、ヒディンクはこの微妙なバランスを崩すのを避け、ファンペルシー→アルシャビン、アネルカ→カルー、アデバヨール→ベントナーと選手交代を行います。ファンペルシー、アデバヨールは交代に不満そうでした。この直後に試合が大きく動きます。

続きを読む前に1クリックお願いします!→→→→人気ブログランキングへ

裏狙いへの対応
アーセナルの高いDFラインの裏を狙ってくるチームは多いです。開始直後の決定機もそうでした。実は、ウィガン戦でもあれと全く同じ場面があり、このときもミドのヘディングをギブスがクリアしました。ミドは接触で流血していましたね。アルムニア、ギャラス、ジュル、サニャ、クリシーとレギュラー4人が離脱中な急造DF陣がゆえに、裏への対応を不安に挙げている人は多かったですが、この試合はそれが現実になってしまいました。
決勝点は、ボールをもらったランパードがすぐに裏へ出し、ファビアンスキが飛び出すもドログバに交わされ、無人のゴールに流し込まれたものでした。ビジャレアル戦では思い切った飛び出しでピンチの芽を摘み取っていたファビアンスキでしたが、これはミスでした。ファビアンスキはこの日24歳になりましたが、おそらく人生最悪の誕生日になってしまいました。
それにしてもまたドログバ。アーセナル戦は9試合8ゴールだそうです。天敵。ユニフォームを脱いで逆サイドまで疾走。テンションあがりまくりでした。
アーセナルは慌ててデニウソン→ナスリと動くも時すでに遅し。アーセナルは1-2で敗れ、FAカップ制覇の目標は脆くも崩れました。久しぶりの決勝進出に、まるで子供のように大はしゃぎするランパード、ドログバを見てむなしさだけが残りました。

試合が終わって
スタメンに少し疑問はありましたが、後半の選手交代は非常に難しいところだったと思います。結果的にアデバヨールを下げた直後に失点したことで、弱腰になっていたとか勝つ気はあったのかとヴェンゲルを責める人は多いかもしれませんが、それは間違いです。あの時間帯は確かにチェルシーに押されていましたが、結果論だけで語るのは間違っています。結局は、ミスの数の差で負けたということですね。ファビアンスキはさっさと忘れて次に繋げてください。
そして試合が終わってほとんど人がいなくなったスタンドで、鉄柵に頭を押し付けて泣きじゃくっているアーセナルファンの男の子が印象的でした。親御さんも困っていました。

これで残されたのはCLだけになりましたが、その前にプレミアです。リバプール戦は、またしても精神的な強さが試される試合になります。アストンビラがドローに終わっているだけに、最低でもドローで差を広げて欲しいですね。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
人気ブログランキングに参加しています。ブログ更新の励みになるので、もしよろしければ1クリックお願いします。→→→→人気ブログランキングへ

posted by worldwidefootball |20:59 | プレミア/アーセナル(08-09) | コメント(2) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL: (表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/worldwidefootball/tb_ping/230
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
アーセナルvsチェルシー~ミスの数の差~

コメント投稿者ID :

アーセナルは3日後にリバプールのリーグ戦がありますからね、延長までファンペルシーとアデバヨールを酷使するのはきつかったのでは?(とくにファンペルシーはまだ復帰したばかり)

前半からですが1-1になったあとセンカンドボールがほとんどキープできず、繋がらない状態のアーセナルでしたからこの負けはある意味納得の結果でしょうか
なによりこの一番きつい時期になり、そろそろ他のビック4とのベンチの差が出始めてる気がします
スタメンの能力、若さや将来性はNo.1だと思いますが・・・

posted by とーりすがり | 2009-04-20 06:05

アーセナルvsチェルシー~ミスの数の差~

コメント投稿者ID :

自分はこの試合に関しては
次のリバプール戦を無視してでも勝ちに行ってほしかった
と思うのが正直なところです。

理由としては
①アルシャビンが出れる、準決勝が一発勝負
他チームはPL,CL等の日程の都合で
FAcupを軽視する可能性がある等の理由で
一番可能性を感じるタイトルだと思われる。

②仮に優勝できなくても
決勝進出することにより5月30日まで
選手のモチベーション維持、管理がし易くなる。
それによってPLにも好影響が出る(気がする)。

なので、正直なところ先発、交代も含め
選手起用にはやはり不満が残ります。。。

せめてアルシャビンは先発にしてほしかったです。

でもそんなこと言ってもしょうがないですね!

PLでの強豪をぶっつぶして
少しでも上を目指してほしいです。
そして勿論CLも。

posted by (-益-;)エェー | 2009-04-20 13:04

コメントする

「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。

※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
  例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」

※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
  例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」