2007年11月22日

We got it !北京へ!!

◆2008北京五輪アジア最終予選 U-22日本代表 0-0 U-22サウジアラビア代表 @東京国立競技場 ◆

20071124-00.jpg 守備的なゲームで、こんなに感動したのは久し振りの気がします。結果はスコアレスドロー。確かに得点チャンスの数はそれほど多くなく、決定機を外す場面もあり、攻撃面ではイマイチでした。しかし、90分間イレブン全員の協力で守りきった守備は感動モノでした。

 正直言って、堅守を武器とする反町ジャパンのサッカーは個人的には好きではありません。しかし、これもサッカー。負けてしまえば、北京はパーだったわけですから、非常に現実的かつ冷静な試合運びをしたと思います。「人もボールも動く」は日本サッカーの代名詞になりつつありますが、それをベースにして、守備的に戦うか、攻撃的に戦うかは、選手の特性や監督の好みによるものだと思います。現時点での反町ジャパンは明らかに後者。反町監督は今でも色々批判されていますが、それでも結果を出したのですから、ここは評価すべきでしょう。U-22の選手も良くやりました。

 今のサッカーでメダルが穫れるほど、北京五輪は甘く無いと思います。でも、今日のところは、素直に”おめでとう”と言いたいです。 本当におめでとう! U-22日本代表!!


■日本版カテナチオ?

 下書きしたまま書き終えられず、すっかりUPするのが遅れました。もはや古新聞ですが、折角書いたのでUPします。

20071124-01.jpg 行ってきました。五輪予選最終決戦! 舞台は聖地国立競技場。
 11月も半ばなので、当然と言えば当然ですが、今日の国立はとても寒かったです。気温も一桁台だったと思いますが、風も強く、時折ブルブル震えながらの応援になりました。

 観客は4万人越えのほぼ満員。U-22代表戦を見るのは、これで4試合目になりますが、こんなに観客の入った試合は初めてでした。青く染まったホーム側ゴール裏はもちろんのこと、アウェー側ゴールからも大声援が鳴り響き、やっと代表戦らしい雰囲気が出てきた感じでした。アウェー側のゴール裏には、黄色いイビチャオシムの横断幕(おそらく、横浜FM戦でジェフのゴール裏に掲げられていたものと同じものだと思います)が掲げられ、スタンドからは五輪切符を願う気持ちと同じ位、オシムの無事を祈る気持ちが伝わってきました。

 さて、U-22日本代表のフォーメーションですが、ベトナム戦の4-4-2ではなく、前回のサウジ戦同様、3-5-2でした。GK西川、3バックは、青山直、鼻骨骨折でバットマンとなったキャプテン水本、リベロの伊野波、Wボランチは青山敏と細貝、右サイド水野、左サイド本田圭、トップ下に柏木、2トップは李と岡崎。一方のU-22サウジアラビア代表は、中盤ボックス型の4-4-2。

 立ち上がりはボールが落ち着かない忙しい展開でしたが、前に出てきたサウジの圧力に日本は押されっぱなしでした。サウジは、ロングボールを主体にした(中東的な?)カウンターサッカーではなく、どちらかといえば今年のJリーグでトレンドとなったショートカウンターの様な戦術で攻めてきました。サウジはバックラインを高めに設定し、FWを含めて、前線からボールにチェイシングをかけて、サイドに追い込むと、人数をかけたプレスでボールを奪い、素早くカウンターを仕掛けるということを徹底していました。攻撃も狙いもはっきりしていて、ミドルパスをつないで、日本の3バックのサイドをドリブルで突破するということを徹底してやっていました。

 前半9分。右サイドで水野がドリブルをミスって、サウジにボールを奪われると、雪崩の様にサウジが日本ゴールに襲いかかりました。右サイドからのシュートはGK西川が跳ね返しましたが、そのこぼれ球をサウジの7番がシュート! これは大ピンチでしたが、危険を察知して戻った青山敏がシュートをブロック!! これは大きなプレーでした。立ち上がりは圧倒的にサウジペースだったため、ここで点を入れられていたら、どうなっていたか分かりません。

 その後、15分過ぎ位からは、サウジの出足も一段落し、ようやく日本も落ち着きを取り戻します。日本は前への勢いはありませんでしたが、守への切り換えはいつも以上に早かったです。引き分け以上で北京切符という状況を考えれば、最悪ドローでOK。ならば点を取られないことを徹底しようという作戦だったのでしょう。

 サウジの7番や20番にサイドを突破されましたが、Wボランチ+3バックで固めた中央の守備ブロックは殆ど崩されませんでした。さらに、両SBには岡崎と柏木がついて上がりを抑え、仮に水野や本田がサイドを破られても、ストッパーが飛び出すのではく、Wボランチの1枚がカバーリングに行くという徹底ぶり。とは言え、ドン引きだったかと言えばそうではありません。どちらかと言えば、浦和のサッカーに近い様な感じでした。イタリアのカテナチオの様に身体能力を生かして抑えきるというのではなく、前線からの運動量を武器に徹底的に抑え込むという作戦は、確かに”日本版カテナチオ”と言っても良いのかもしれません。

 一方、攻撃はイマイチでした。両サイドを起点とするという意図はあった様ですが、サウジの守備もしっかりしていたので、ビルドアップが上手くいかず、サイドでなかなか1対1の場面を作れませんでした。さらに前半は風上に立っていたこともあり、ロングボールが流れて敵に渡ってしまうシーンが多かったです。それから、水野がイマイチでした。気合が凄く入っているのは分かりましたが、何か空回り気味でした。ボールを持ってから仕掛けるまでに時間をかけ過ぎてチャンスを逸したり、一発を狙ってボールロストを繰り返す悪いときのコーキが出ていました。前半9分の大ピンチを招いた張本人ですから、反省しなくちゃいけません。サポートが少なかったので、仕方無い部分もありましたが、もう少し1タッチ2タッチでリズムを作っても良かった気がします。左サイドの本田圭は良かったと思います。本田は体幹が強く、簡単にはボールを奪われないので、タメを作れる所が良いですね。Wボランチは守勢に回ってしまったため、前半の攻撃の起点は殆ど柏木と本田が作っていました。

■残り10分、チームが1つになった

 後半は日本のペースでしたが、頭からの選手交代も無く、試合展開そのものは大きく変わりませんでした。サウジは前線プレスから日本の両サイドを狙う攻撃、日本も前線プレスからサウジのSBが上がった裏を狙う攻撃でした。サウジは運動量こそ落ちませんでしたが、後半はミスが多く、徐々に日本ペースになっていきました。日本が風下になったことも、大きかったです。前半は伸び過ぎてトップに入らなかったロングボールが、良い感じでブレーキがかかってトップに収まるようになりました。

 日本は、李と岡崎の2トップが前線で動き回り、何回か決定的なチャンスが訪れましたが、サウジGKの好セーブなどに阻まれ、惜しくもゴールならず。最も惜しかったのは、左サイドからの崩しから、岡崎がフリー走り込んだ場面。あれは少なくとも枠には飛ばして欲しかった。ただ、前半からSBを追いかけ回した岡崎の守備への貢献度を考えると、あの時点ではもう体力的に精一杯だったのかもしれません。

 その後、サウジはボランチを削ってFWを投入。完全に3トップの形になりましたが、日本は左サイドの本田が最終ラインに下がって4バックで対応。終盤のサウジはさらに中盤を前線に上げ、4トップの様な形でパワープレーにきましたが、そこでも日本は水野が下がって5バック気味で守備をするという柔軟な対応を見せました。

 残り10分で得た右斜め45度からのFK。ここで、本当にU-22日本代表チームは1つになった気がしました。キッカーの水野はゴールを狙うフリをして、フリーの柏木にパス。そこから2人でボールキープに持ち込みます。さらに、守備陣は一斉に帰陣。”残り10分を凌ぎ切る”という信念を感じました。残りの時間、サウジは次々とゴール前にボールを放り込んできましたが、日本は前線からボールホルダーへの厳しい守備を敢行し、決定機を作らせませんでした。DF陣も集中して、サウジのボールを徹底して大きく跳ね返し、二次攻撃を許しませんでした。以前は別々の方向を向いていた選手のベクトルがこの時は北京という1つの方向を向いていました。そして、最後まで堅守を貫き、0-0で試合終了。U-22日本代表は見事に来夏行われる北京五輪の切符を獲得しました。

 水本が号泣していました。水野も泣いていました。反町監督も泣いていました。オシムと関係が深かった選手やスタッフは試合以外のことでも頭を悩ます辛い一週間だったに違いありません。試合内容は反町監督の言う通り無骨でしたが、チーム一丸となって苦難を乗り越えた姿は本当に美しかったです。おめでとう。U-22日本代表! 反町JAPAN!!

■今後に向けて

 まずは、以前のエントリーで、五輪予選に関しては否定的なことばかり書きましたが、謝りたいです。本当にごめんなさい。試合後の選手を見て、何か一回り逞しくなったというか、タフになった気がしました。選手には、この厳しい予選が無ければ、得られなかったものがきっとあるはずです。それを、今後のJリーグや五輪本選で生かして欲しいです。

 不安を抱えながら戦ったジェフ組もよくやりました。水本は完璧な仕事ぶりでした。キャプテンシーについても、この試合は上手くチームをまとめたと思います。水野は気合が入り過ぎて空回りという感じでしたが、終盤の全員守備に積極的に参加して守りきったことは評価したいです。水野のスタイルではありませんが、守備意識という点で何かが変わる気もしました。今後に期待したいです。

 その他では、柏木の運動量は凄かったです。MOMは文句無しでしょう。左右に長い距離をワイパーの様に動き回り攻守に獅子奮迅の大活躍でした。岡崎は絶好のチャンスを逃しましたが、守備での貢献度はもの凄く高かったです。サウジのSBは攻撃では殆ど仕事ができませんでしたからね。
 それから、ボランチ細貝の活躍はちょっとした驚きでした。ボランチで見るのは初めてでしたが、良い選手ですね。展開力はありませんが、ピンチの芽を摘む危機察知能力の高さに驚かされました。さすが鉄壁の守備を誇る浦和の選手だけありますね。青山敏は前半9分のビッグプレーにつきます。北京切符の半分は青山敏のものでしょう。残念なことに、この試合で骨折してしまったそうですが、細貝と違って展開力もあるので、もう一回り成長したら、良い選手になる気がします。おそらく、このポジションは梶山との争いになると思いますが、真っ向勝負で頑張って欲しいです。

 逆にちょっと心配だったのはリベロの伊野波。伊野波はA代表にも選ばれるくらいですから、もともと持っている身体能力は凄く高いんだと思います。ですが、ちょっと自信を無くしているのか、ファールが多過ぎでした。確かによく笛を吹く主審でしたが、もう少し我慢しても良いのかなと。あの位置でのFKは即得点に結びつく可能性が高いですから。折角、FC東京には今野という良いお手本いますし、もう少しプレーを見習って欲しいと思いました。

 さて、来夏の北京五輪では、当然オーバーエイジも入ってくるはずです。反町監督は色んな選択肢を持っているでしょうが、このチームの特性を生かすのなら、更にディフェンス力を高める方向で補強するのもアリなのかなと思います(本人の好みはモウリーニョ時代のチェルシーらしいですが)。リベロ、ボランチ、左SB辺りは補強ポイントになるかもしれません。あとは得点能力の高いFWですね。90分動ける必要は無いので、終盤戦で一発勝負にいける傭兵が一枚必要かなと。

 まあ、勝手なことを書きましたが、今日の試合は本当に素晴らしかったです。本当に感動的な試合を見せて頂きました。ありがとうU-22日本代表!


posted by winbyall |01:50 | 日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL: (表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/winbyall/tb_ping/68
この記事に対するコメント一覧
We got it !北京へ!!

オーバーエイジが入ってくるのは当然なんでしょうか。過密日程が問題になってるのになんでこんなものが認められてるんだろ。

posted by c | 2007-11-24 18:55

We got it !北京へ!!

>cさん

 勝ちたいのなら、当然でしょうね。過去2大会を見ても、オーバーエイジの活躍は大きいし、もし入れないのなら、それがハンデになってしまいますから。
 ただ、このルールに関しては、私も疑問です。その辺については、以前のエントリーに長々と書きましたので、良かったら読んで下さい。↓

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/winbyall/article/62

 オーバーエイジの導入に関しては、色んな側面があったみたいですが、一番大きいのはスター選手の出場枠を確保するという興業的要素のようです。

posted by winbyall@管理人 | 2007-11-25 11:42

コメントする