2007年11月10日

質の差、層の差、力の差 →11位

◆J1第31節 G大阪 2-0 千葉 @万博記念競技場 ◆

 カップウィナー相手にどこまでやれるか、今のジェフの実力を知る良い機会ということで、個人的に期待していたのですが、ガンバとの差を思い知らされた試合でした。完敗です。

 ジェフは怪我人だらけでベストメンバーが組めない苦しい状況でしたが、それでチーム力がガクンと落ちてしまうというのは層が薄い証拠。相手の戦術変化でドタバタしてしまうのも、チームとしての対応力がまだまだだということ。ガンバにしても、水曜日の天皇杯で120分を戦っており、決して万全の体力面で不安が残る状況でしたが、プレーの質は最後まで落ちなかったし、前半我慢して、後半の勝負所をしっかりモノにして、後は守り切るというゲーム運びの上手さは敵ながら見事でした。

 しかし、ガンバは一昨年のナビスコ決勝で倒した相手です。あれから2年。相手チームは、大黒も、アラウージョも、フェルナンジーニョも、いなくなりましたが、チーム力は衰えるどころか、一層強くなっています。何でこんなに大きな差がついてしまったのか考えると、少し残念な気にもなりますが、この強いガンバを倒すことを目標に、来季に向けてレベルアップを図って欲しいです。


■意表を突いたガンバのシステム

 関東地方は一日中雨でしたが、大阪はなんとか雨が上がり、TVで見る限り、ピッチコンディションはまずまずの様でした(今回もスカパーでTV観戦でした)。

 さて、ジェフのスタメンですが、また前半戦の悪夢が蘇ってきたかの様に、相次ぐ怪我人でチームは野戦病院と化し、苦しい布陣で挑まざるを得ない状況でした。勇人が怪我で離脱、下村は出場停止ですが、内転筋を痛め、立石も怪我、水本は五輪合宿で右膝を痛め、水野は肉離れから復帰したものの、まだ本調子ではないといった状況。しかしね・・・、カップ戦は早期敗退したし、熾烈な優勝争いや残留争いをしているわけでもないのに、この怪我人の多さは何なんでしょう? 

 話は逸れましたが、スタメンは、GK岡本、3バックは負傷した水本に代わり、久々ジョルジェビッチ、中島、斎藤、右サイドは怪我明けの水野、左サイド山岸、トップ下キャプテン羽生、Wボランチに伊藤と工藤、2トップは巻と新居の3-5-2。

 一方のガンバは、大方の予想に反して、加地を最終ラインに落とした3-5-2の布陣。これはナビスコ決勝の川崎戦で試したシステムですが、これをジェフ戦に使ってくるというのはやや予想外でした。ジェフのサイドを抑え込むためのシステム変更だったみたいですが、アマル監督も「想定外だった」と語っていたくらい、やや驚きの布陣でした。

 3ー5-2同士ですから、当然の様にガップリ四つ。マンツーの千葉は中盤で、二川に伊藤、遠藤に工藤、明神に羽生、安田に水野、橋本に山岸というマッチアップができあがり、序盤は両者とも中盤の狭いエリアでボールを奪い合う展開でした。

■蘇った右サイド

 この数試合、立ち上がりのジェフは動きが今一つでしたが、この試合は幾分が改善された気がしました。15分まではややガンバに押し込まれましたが、集中して守っていたため大きな破綻はありませんでした。

 攻撃面では、やはり右サイドに戻ってきた水野は頼りになります。今、ノリにノっている安田に終始付かれていたため、縦への効果的な突破は1度もありませんでしたが、逆サイドの山岸への正確なパスや中央に切れ込んでのシュートなど、本調子では無いものの、存在感を見せました。セットプレーも、水野が戻ってやっと得点の匂いがする様になりました。山岸も、やはり逆サイドには水野がいた方が生きますね。

 リーグ戦先発2試合目の伊藤淳嗣は大分落ち着いてプレーできる様になった気がします。この試合では、伊藤が攻撃を組み立てられない分、中島が中盤に上がることが多かったのですが、空いたスペースのケアは無難にこなしていました。枠には飛びませんでしたが、思い切りの良いシュートもありましたし、パスに難があるものの、力強いプレーは今後に期待が持てました。

 前半は30分過ぎから、ややジェフの流れになりました。この時間帯で特に目立ったのは工藤浩平。遠藤への繋ぎのパスを寸断しつつ、勢い良く前線に飛び出し、チャンスを作りました。

 久し振りにジョーレが入った3バックは、1本のパスからバレーやマグノに裏を取られる場面がありましたが、ガンバがミスったり、岡本の判断良い飛び出しがあったり、何とか守りきったという感じでした。やっぱり水本不在は大きい気がしました。

 前半は、お互いに守備的にゲームを進めたこともあり、スコアレスで終了。相手が3-5-2でピタっとマークしてきたこともあり、両サイドでゲームが作れなかったのが気掛かりでしたが、後半、先に疲れるのはガンバだと思っていたので、充分勝機がある様に感じた前半でした。

■フロンターレみたいなガンバ

 しかし、大きな勘違いでした。前半0-0はガンバにとって折り込み済みだった様です。前半のガンバはそれほど良い形が作れませんでしたが、安田と橋本でジェフの両サイドを封じ込めるという作戦は成功したので、体力はある程度温存できたみたいでした。そのせいか、ガンバは後半になっても一向に疲れませんでした。寧ろ、1週間も間があったジェフの方がフリーランが減り、動きに生彩が無くなってしまいました。

 ただ、これには、ガンバが前半と戦い方を変えたことが大きく関係していた気がします。後半のガンバは、いつもの細かなパスワークで崩すのではなく、2トップめがけてのロングフィードを多用する作戦に切り変えてきたのです。それも、単発ではなく、何度もしつこく繰り返す徹底ぶり。平凡な選手ばかりなら、この単純な攻撃にDFが翻弄されることはありませんが、パスの送り手はヤットや二川で、受けるのはバレー&マグノですから、マークについてはいても、数回に1回はピタッと合って大チャンスになってしまいます。

 この攻撃どっかで観た様な・・・。そういえば、ナビスコ決勝の前半に、フロンターレがガンバ相手にやっていた戦術がこれでした。フロンターレはもともとそういうチームですが、中村憲剛が前を向くと、すかさずジュニーニョ、テセめがけて、ロングスルーパス。決勝前半のガンバはこのシンプルな攻撃に相当苦しめられていました。ガンバは、その時のフロンターレの攻撃を今度はジェフ相手にやってきたわけです。もともと、ジェフとガンバはスタイルの似たチームですから、効果的と考えたのでしょう。西野ガンバ恐るべし。マグノとバレーは、いつでも裏に抜けられる3バックの間にポジションを取り、ガンバの選手が前向きでボールを持つと同時にダッシュ!これが何回も繰り返されました。

 後半序盤から危ないシーンは相次ぎました。それによって、バックラインはずるずる下がりだし、前線と中盤も間延びしてしまいました。アマル監督は、ジョーレがバレーに2回位裏をとられたところで、痺れを切らし、水本を緊急投入。水本は右ヒザに包帯をグルグル巻きにしており、とてもマトモにプレーできる感じではありませんでしたが、失点しそうな雰囲気だったので、仕方が無かったのでしょう。ん~、しかし、無理して水本を使わなくても、池田で良かったんじゃないかな・・・。それでも、バランスの崩れたジェフは守備を立て直すことができず、マークが甘くなったガンバの中盤に良いようにボールを拾われ、さらにガンバペースに。

 そして58分、ついに流れの中から失点。ジェフの左サイドを二川が抜け出すと、フワっとしたパスを遠藤に折り返す。遠藤は絶妙なトラップでボールをコントロールすると、見事なシュートフェイントからフリーのバレーに絶妙のパス。それをバレーが左足でダイレクトに蹴り込み、ガンバ先制。

 さらに61分、ヤットが再三繰り返していた2トップの頭上を越えるロングパスがバレーと水本の前に落ち、バレーが水本を吹っ飛ばして、豪快なシュートを叩き込み、ガンバ追加点。あっという間の2失点でした。バレーは、ワシントンほど上手さはありませんが、あの体幹の強さはワシントン以上かもしれません。ついていたのが怪我を抱えていた水本とは言え、全く軸ブレしませんでしたから。巻もあの位強ければなぁ・・・。

 しかし、二川にしても、遠藤にしても、ガンバの選手は本当に技術が高いです。完全にプレーの質で負けた感じです。フリーにしてはいけないことは分かっていても、局面を技術で打開されてしまうと、ジェフの選手はマンツーだけに、すぐにボールウォッチャーになってしまう。これは、どうしようも無かったですね。

■ゲームをコントロールされ、何もできず

 その後は、ジェフが捨て身の猛攻で逆襲・・・ と言いたいところですが、相手がガンバなので、ボールポゼッションもままならず、ガンバにしっかりゲームをコントロールされて、為す術無し。後半から巻に代わったレイナウドも周囲との連動性を欠いてボールを失うことが多く、この日は殆ど見せ場を作れませんでした。

■この敗戦をどうつなげるか?

 怪我人という不運もありましたが、このゲームは明らかに完敗でしょう。改めてガンバとの力の差を思い知らされる結果となりました。試合前のコンディショニングやモチベーションの高め方、監督の戦術・ゲームプラン、ゲーム運び、選手の技術、フィジカル、ゲーム以外の所でも、若手が続々出てくる育成システムや外国籍選手選びなど ・・・ ジェフは全てが劣っている様な気にさえ、なってしまいます。西野監督のアイデアもさることながら、それを確実に遂行してしまう選手も凄いし、最後は完全にゲームをコントロールして、勝ち切るという所までガンバは徹底していました。全ての面でレベルアップしないと、このチームには来季も勝てない気がします。

 それと、リーグで上位に食い込みたいのなら、ジェフもガンバの様に上手なゲームコントロール術を身につけないといけないでしょうね。今はチームも若く、そういう勝負勘に秀でた選手が少ないので、致し方無い気もしますが、来季優勝争いをする気があるなら、遠藤の様に勝負所を見極められる選手が絶対に1人は必要な気がしました。

 もう来季の話をしなければいけないのが寂しいですが、スタートを切るのは早い方が良いに決まっています。そろそろ、来季を見据えた動きを見せても良いのではないでしょうか?

 歯切れの悪い文章ですみませんが、今回はこの辺で。

 Win By All!

posted by winbyall |20:46 | 子犬の生活 2007 | コメント(5) | トラックバック(0)
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質の差、層の差、力の差 →11位

おじゃまいたします。

今回は天皇杯の疲れも有りあのような戦術になりましたが、浦和のようなハードスケジュールはこういったオプションがないと乗り切れないと正直思います。

管理人さんの仰る通り千葉と(超攻撃的スタイルの)GAMBAはよく似たスタイルといえる側面がありますが、こういったスタイルは疲労等による微妙なズレがチーム全体として大きなズレになってしまう危険性があります。

ディフェンスは精神力でカバーできる面がありますが(今の浦和はまさにそうです)チーム全体の連動性をもって攻撃する場合、疲労による影響は致命的です。

そういう面でシンパシーを感じる千葉には頑張って欲しいといつも思っています。

posted by Gサポ | 2007-11-12 11:13

質の差、層の差、力の差 →11位

ガンバ戦、私もTV観戦でしたが率直に感じた印象は流れを落ち着かせる選手の有無が大きかったように感じました。カンバで言えば遠藤が、ジェフで言えば工藤がその役割を担っていたのかなと思います。
方や日本代表の中心選手で一方は今季の成長が目に付く若手ですから軍配は遠藤に上がるのも当然ですよね。
遠藤はためるところはためて、はたくところは簡単にはたく、そして、ボールを取られると危険なエリア・場面でボールを失うことは無かった。一方の工藤は何本か通ればというようなスルーパスを見せていましたが全体的にボールに絡む時間が少なかった、言い換えれば消えている時間が多すぎたように思いました。
ここ数試合で強く感じていることですがジェフにはフリーランのうまい選手がいるのにそれを有効に使いこなせるゲームメーカーがいない。昨年で言うハースのような選手がいないことが大きいんじゃないかなと・・・・。上位チームには質の高いゲームメーカーが必ずいるんですよね。
浦和のポンテ・ガンバの遠藤・鹿島の小笠原と信頼度の高いゲームメーカーがいるチームは上位でしっかり戦えているのでジェフにもそういった選手が欲しいですね。工藤や米倉の成長に期待するのもレイナウドのフィットを待つのも良いですがやはりあと一人くらい欲しいです。
後は両翼、特に左サイドの選手の補強・ストッパーの補強が急務でしょうね。ボランチは勇人・下村に工藤・伊藤と少しは厚くなってきたのでここはひとまず置いておいても問題はないと思うのでもうこの時期から補強に関しては動いて欲しいです。毎年毎年ジェフは動きが遅いのでそういうところでも来季にかける思いを見せて欲しいですね。

posted by 東北の愛犬家 | 2007-11-12 11:14

コメントありがとうございます。

>Gサポさん

はじめまして。

 確かに長いシーズンを勝ち抜くには、多少守備的な戦術も織り交ぜる必要もあるのかもしれません。僕は攻撃サッカーが好きなので、納得はできませんが、理解はできます。ホームゲームで毎試合そんなゲームを見せらたらたまったもんじゃありませんが、アウェー連戦などでは、そういう柔軟な戦い方も考慮に入れるべきなのかもしれません(アマルの頭には全く無いと思いますが)。考えてみれば、欧州リーグでも、ホームで攻撃的なチームが、アウェーに行くと不思議なくらい守備的になるのを見かけますが、ひょっとすると体力面から必然的なことなのかもしれませんね

 疲労等による微妙なズレがチーム全体として大きなズレになってしまうというのは凄く納得です。もう2つ付け加えるなら、今年のジェフは怪我と代表ですね。この3つが重なって前半戦は微妙にズレっぱなしでした。

 首位に立つチームというのは、Jリーグを代表するチームなわけで、私はそれに相応しいサッカーをしたチームが最後にトップに立って欲しいと思っています。そういう意味で、リーグは超攻撃サッカーを信条とするガンバに獲って貰いたいと思っています。可能性は低いですが、残り3節頑張って下さい。

posted by winbyall@管理人 | 2007-11-13 01:05

質の差、層の差、力の差 →11位

管理人さん

どうもご丁寧に、ありがとうございます。
私も「超攻撃的」サッカーが大好きですが、といってこの様なハードスケジュールをこなして全タイトルを狙わなければいけない浦和を責める事はできないと思うのです。

よく「条件は相手も同じ」といいますが、あれははっきり言って嘘。ハードスケジュールや酷暑のゲームはGAMBAや千葉のようなチームの方が守備的戦術のチームより不利。
(理由は上に記した通りです)

魅力的なサッカーをする事ができない環境をつくっている協会・Jリーグはもう少し選手のコンディションを考慮して欲しいものです。

posted by Gサポ | 2007-11-13 01:16

勝負勘を持った選手

>東北の愛犬家さん

 個人的な考えですが、今のジェフのスタイルだと、ボランチにゲームメイカーをやらせたいですね。そういう意味では、浩平のボランチ起用は悪くないと思います。ですが、やっぱり浩平はトップ下で生きる選手の気もします。勇人&下村も悪くないですが、攻撃サッカーを目指すのなら、ボランチの1人は守備力はそこそこでも、展開力のあるタイプが欲しいです。イメージ的にはシャビ・アロンソとか、ピルロみたいにプレッシャー受けても、長短のパスを正確に出せる選手です。

 それと、エントリに書いた勝負勘に秀でた選手ですが、分かり難い表現ですみませんが、言い換えれば、ピッチを俯瞰できて展開を読める選手という意味です。
 昨年まで、この役目を務めていたのは、阿部でした。阿部がいなくなった今、ジェフでその穴埋めができるのは勇人しかいないと思っています。甲府戦の劇的ゴールも、あの時間帯で前線に飛び出せば、誰もついてこれないと思ったそうですし、6連勝中の攻守のバランスは勇人がもたらしていたと言っても過言では無い気がします。ですから、勇人がいない今、一端バランスを崩すと立て直せないのは仕方の無いことなのかもしれません。本当は若手でそういう良い勘を持った選手が出てきてくれると良いのですが・・・。

posted by winbayall@管理人 | 2007-11-13 13:15

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