2007年10月27日
2-0は危険なスコア →11位
◆J1第30節 広島 2-2 千葉 @広島ビッグアーチ ◆
サッカーでは、『2-0は危険なスコア』と良く言います。2点差で勝っているチームは、1点取られるとリードしている優位性を認識できくなって浮き足立ち、逆に苦しみながらも1点差に追いついたチームは俄然勢いづいて、大逆転や引分けに繋がることが多いことを表現した言葉なのでしょう。本当に2-0からの大逆転劇が多いかどうかは怪しい気もしますが、今日のゲームは、まさにその言葉通りでした。
しかし、こういうゲームは勝ち点以上に、チームに与えるメンタル的な影響が大きいです。主力4人が欠けた中で終盤に追いついたジェフはおそらく自信を深めたであろうし、2点のリードを守り切れなかったサンフレッチェの精神的ダメージは図り知れません。これで広島は降格圏へ転落し、J1残留は黄色信号。広島は、柏木、青山、槙野など、若手に良い選手が多く、攻撃的スタイルなので、個人的にはJ1に残って欲しいチームですが、残り4節のカードが厳しいので、凄く気掛かりです。
千葉にとっては、伊藤淳嗣が90分、米倉が20分と、今までなかなかベンチにも入れなかった若手が貴重な実戦経験を積むことができました。これは来季に向けても非常に大きいです。残り4試合、若手の底上げを期待しつつ、大切に戦って欲しいです。
■またしても、怪我人続出 関東地方は季節外れの台風が訪れ、一日中、雨風でしたが、広島ビッグアーチは秋晴れの非常に良い天気でした。・・・と言いつつ、今回はスカパーでTV観戦です。 さて、リーグ戦も終盤戦、優勝争い、残留争いが一段と激化する時期になりました。今節対戦するのは、降格ラインがヒシヒシと迫ってきている15位のサンフレッチェ広島。12節ホームで対戦したときは、ウェズレイにハットトリックを決められ、オマケにジェフは勇人と羽生が怪我をして、完膚無きまでにやられました。最後は大雨が降り注ぎ、肩を落として帰ってきたのを覚えています。その時のジェフは、チーム状態がどん底でしたが、今はサンフレと状況が逆転した感じです。と言いいながら、ジェフも前節浦和戦で、勇人が怪我、下村が累積イエロー4枚目を貰い、主力ボランチが2人とも不在、水野も怪我ということで、降格の心配は殆ど無くなりましたが、現実的にはやや苦しい布陣で挑まざるを得ないゲームでした。 千葉のスタメンは、立石が怪我の為、久し振りにGK岡本、3バックはキャプテン水本、中島、斎藤、Wボランチには、工藤とリーグ初スタメンの伊藤淳嗣、右サイド楽山、左サイド山岸、トップ下羽生、2トップ巻とレイナウドの3-5-2。2トップは色んな選択がありましたが、アマル監督は長身ポストにスピードタイプを組ませるのではなく、巻とレイナウドというどちらかと言えば強さに特徴のあるコンビにしてきました。 一方、広島のスタメンは、ほぼベストメンバー。GK下田、3バックに森崎和、戸田、槙野、1ボランチ青山、右サイド駒野、左サイド服部、2列目に柏木と森崎浩、2トップ寿人とウェズレイの3-5-2。前節はトップ下にストヤノフを入れたりしていましたが、ペトロビッチ監督は以前のスタンダードに戻してきました。 ■またやっちまった 前半立上がりから序盤は、中盤のボール争いで上回った広島のペースでした。運動量の多い広島のプレスが上手く機能し、逆にジェフはリズム良くボールを回せませんでした。これは、楽山、伊藤といった普段出ていない選手が入った影響もあったのかもしれません。ジェフは攻撃時に起点を潰され、組み立てがなかなか上手くいきませんでした。 広島はボールを奪うと、柏木、森崎浩が流動的に上下動して、後方からのビルドアップに参加し、2トップに当ててはサイドに開くという形の速攻を徹底し、これをジェフは止めることができません。特に、ジェフの左サイドを俊足の駒野が突破するシーンが多く、サイドから多くのチャンスを作られました。 しかし、ジェフの守備陣は、肉を切らして骨を断つとでも言うのか、再三サイド突破されましたが、ペナルティエリアでは3バックが広島の2トップを自由にさせなかったため、決定的ピンチはそれほど多くはなかったです。20分過ぎ位からは、やっとゲームが落ち着き、ジェフも少しづつボールを回せる時間が増えてきました。 ところが、少しづつ流れが良くなってきた前半31分、久々出場のGK岡本がまたやっちまいました。 森崎浩からの何でもないロングボールだったのですが、落下地点で岡本と斎藤大輔がカブってしまい、ボールがこぼれると、それを難なく佐藤寿人が拾って、無人のゴールへシュートし、広島が先制。これは完全に岡本のポカミスでしょう。ペナルティエリアの外に飛び出すこと自体が悪いわけではありませんが、判断が悪い。斎藤が処理できるボールだったのですから、あそこはDFに任せるべきだったと思うし、飛び出すのなら、声をかけるとか連携の仕方は色々あったはずです。 岡本は今シーズン前半にも、痛恨のミスを何回かやらかしましたが、このプレーを見る限り、その時の苦い経験が生かされている感じがしませんでした。フィードのセンスが良いのは認めますが、それ以外は不安定でした。GKにポカが多いと、DFはGKを信頼できなくなります。岡本は実戦から長いこと遠ざかっていて、試合勘が鈍っていたのかもしれませんが、復活のチャンスを折角与えられたのですから、もっとドシっとした所を見せて欲しかったです。岡本の今後にとっても、残念な失点だった気がします。 ■羽生復活? 失点直後、ジェフは立て続けに決定機を作りました。このチャンスを演出したのは、怪我明け2戦目の羽生でした。 33分、楽山からのフワっとしたスルーパスを飛び出した羽生が受けてフリーでシュート。これは狙いすぎて、枠を外れました。 続いて1分後、右サイドで細かくパスを繋いで崩し、またしても楽山からのクロスに羽生がゴール前まで走り込んでダイビングヘッド。しかし、これも枠を外れました。 さらに、後半の立上がりには、羽生の積極的な前線プレスが広島DF戸田のミスを誘うと、レイナウドがこぼれ球を拾ってGKと1対1の大チャンス! しかし、レイナウドのシュートは下田にブロックされ、得点ならず。 2本のシュートを外した羽生は、まだ完調ではないみたいですが、ようやく動きに本来のキレが戻ってきました。今後に向けて好材料ですね。 ■機能しなかった巻とレイナウドの2トップ アマル監督は後半頭から、巻を新居にスイッチしました。前半の2トップですが、正直言って、余り機能したとは言い難いです。どうも、プレーエリアがカブってしまう傾向があり、特に巻は持ち味を出せず終いでした。相手にもよりますが、やはり2トップはパワータイプとスピードタイプを組ませる方が良いと思います。つまり、巻orレイ+新居or青木という組み合わせですね。パワータイプ同士だと、裏やサイドに飛び出す選手が不足するため、攻撃にバリエーションが無くなる気がします。 新居が入った後半は、千葉ペースでした。広島のプレスが前半ほど厳しく無くなったこともあり、ジェフが主体的に前線でボールを動かし、次々とチャンスを作っていきました。52分のレイナウド、55分の工藤と立て続けにシュートを放ちますが、ゴールネットを揺らすことはできず。でも、だんだん良い感じになっていきました。 しかし、65分。右サイドで楽山がボールを失うと、中央のウェズレイから右サイドをトップスピードで駆け上がった駒野に絶妙のスルーパス。駒野はそのままの勢いでドリブルシュートをゴールに突き刺し、ジェフ2点ビハインド。カウンターの様な形で、俊足の駒野にボールが渡ってしまったため、止めきれませんでした。 これは、最初のボールの奪われ方が悪かったですね。ボールホルダーのラクは主導権を持っていたのだから、中途半端なことをせず、大胆に1対1で仕掛けていって欲しかったです。ただ、何となくラクは体力的に前半45分でいっぱいいっぱいの感じでしたが。 ■2-0は危険なスコア さて、0-2になりました。正直、この展開は予想していませんでした。やはり、主力不在で質の低下は避けられないのかという感じです。この試合を観ていて、アマルが怪我をしていても、主力をスタメンに固定する理由が、何となく分かりました。水野、下村、勇人といった主力と、ラクや伊藤では、プレッシャーがかかった中でのパス精度やパススピード、動きの質など、やっぱり何か違う気がしました。結果的にも、2失点は、崩された失点というより、ミスもしくは自滅ですからね。 その後は、66分に羽生に代えて青木、73分に楽山に代えて米倉を投入し、ジェフは総攻撃体勢に移りました ・・・と言いたい所ですが、なかなか攻撃のスイッチは入らず、広島の守備ブロックを崩せない展開が続きました。今日は、このまま若手の勉強会で終了かと思ったくらい、良い攻撃の形はなかなか作れませんでした。しかし、ドラマはロスタイムに待っていました。 85分過ぎから、やっとジェフの猛攻が始まりました。というか、広島守備陣に異変が起きたというべきでしょうか。疲れからでしょうか?広島のバックラインはズルズル下がりだし、前半に効果的だった中盤プレスも全くかからなくなって、棒立ちになる選手が多く見られるようになりました。 そして、ロスタイム目前の89分、バイタルエリアで米倉が粘ってボールを繋ぐと、工藤が前線に走り込んだ新居に絶妙のスルーパス。これを新居が冷静に決めて1点差! 時間はあと僅かですが、ゲームは分からなくなってきました。 その1分後、今度は左から右へ斎藤の大きなサイドチェンジから、水本が右サイドを駆け上がり、工藤とのワンツーで抜け出して、GKと1対1の大チャンス。角度の無い所から放った水本のシュートは下田の好セーブに阻まれましたが、勢いが止まらなくなってきました。 ここで、ペトロビッチ監督は、守備の引き締めを図るべく、FWウェズレイに代えて、DF吉弘を投入。しかし、ジェフの勢いは止まりません。 そして、ロスタイム。水本のロングフィードを前線に上がった斎藤が競り、そのこぼれ球をレイナウドが工藤にバックパス。工藤はダイレクトで前線に走り込んだ山岸に絶妙のスルーパス。2分前の水本と同じ場所に抜け出した山岸は右足一閃。サイドネットに突き刺さる同点ゴール!!! 前節浦和戦では、見事なゴールが、オフサイドで幻になりましたが、これは文句無しのビューティフルゴールでした。 それにしても、後半終盤の工藤は凄かったです。前半はパスミスが多ったのですが、終盤の工藤は別人の様でした。ボランチの位置から精度の高いキラーパスを次々通し、同点劇の全てに絡む大活躍でした。やはり、前を向いてプレーすると、工藤の攻撃センスは光りますね。 ■ガンバ戦に向けて 「2-0は危険なスコア」とは、まさにこのことでしょう。 ゲーム終了の笛とともに、広島の選手は皆ガックリと肩を落としていました。残り3分でまさかの2失点。そして、大宮が勝ったため、遂に降格圏に落ちてしまいました。目の前で逃したこの勝ち点2が、最後の運命を決めることにならなければ良いのですが・・・。 逆に、勝ち点1を拾ったジェフは、気持ちよく次の試合を迎えることができそうです。主力が4人も抜けて、質の高い試合ができたとは言い難い今節でしたが、伊藤淳嗣が90分、米倉が20分と、今までベンチにも入れなかった若手が貴重な実戦経験を積むことができ、結果も残しました。これは大きな自信に繋がると思います。楽山も前半は右からチャンスを作りましたし、岡本も最後の方は少し落ち着きを取り戻した感じだったので、次に繋げて欲しいです。 次は、アウェー万博でのガンバ戦。怪我人も多いし、下村も出れませんから、厳しいチーム状況は続きますが、浦和戦同様、良い腕試しです。天皇杯もあるので、リスペクトし過ぎず、伸び伸びとプレーして欲しいです。 Win By All!
posted by winbyall |22:55 |
子犬の生活 2007 |
コメント(5) |
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この記事に対するコメント一覧
2-0は危険なスコア →11位?
いや~痺れましたね(いい意味で)!!
今日はこの一言に尽きます。。
posted by 侍 | 2007-10-28 01:39
2-0は危険なスコア →11位?
>侍さん
確かに色んな意味で痺れる試合でした。
しかし、伊藤淳嗣はよくやりました。運動量の多い柏木には決定的な仕事をさせませんでしたからね。守備は○です。課題はビルドアップですね。
来週は天皇杯の4回戦です。相手は大分トリニータ。昨年みたいなことにならないよう、気を引き締めて頑張ってもらいたいです。
posted by winbyall | 2007-10-28 09:23
2-0は危険なスコア →11位?
「よく追いついた」速報での結果だけしか見てないので印象はこの一言です。
正直、面子不足の中、残留争い真っ只中の広島に2点差を追いつけたことは評価に値すると思います。
今シーズンはここまで若手やサブ組に中々出場機会が与えられない状況だったので連携面での課題は絶対に出るだろうと予想はしていました。
今後はやはり薄い選手層を厚くするためにもサブや若手にドンドン実戦経験を積ませて来季に備えて欲しいですね。
来季は櫛野も帰ってくるしGKは立石・櫛野・岡本・中牧で少しは安定するでしょうし後は手薄な左右両サイドとボランチ・トップ下・ストッパーの補強を進めて欲しいですね。
次節で残留を確定させるためにも天皇杯でしっかりとした結果を残して欲しいものです。
posted by 東北の愛犬家 | 2007-10-28 13:53
2-0は危険なスコア →11位
浩平の成長はうれしい限りです。どんどん自信をつけて飛躍して欲しいですね。気持ちよく次を迎える、というのは選手もファンも一緒で、この追いつきドローはほんと大きい。残り4試合、天皇杯、気を抜かずベストを尽くしましょう!
posted by 品川の愛犬家 | 2007-10-28 21:32
2-0は危険なスコア →11位
>東北の愛犬家さん
残り4試合ですが、マリノス戦は五輪組が出られないでしょうから、若手はチャンスですね。今回は久々に充喜もベンチに入っていたし、水本の代わりに使っても良いんじゃないかと思います。
相性の悪い天皇杯ですが、今年こそ、元旦の国立に行きたいですね。
>品川の愛犬家さん
浩平は今年一番伸びた選手かもしれないですね。この数試合の姉崎のマラドーナは凄く安定したプレーをしていますし、中盤のリンクマンとして、パスを回すアマルのサッカーには欠かせない選手になったと言って良いでしょう。
天皇杯でも、浩平の活躍期待しています。
posted by winbayall | 2007-10-28 23:14



