2008年10月06日

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

ここらで一度確認しておきたいなと思い、UEFAチャンピオンズリーグ(以下CL)に06-07シーズンから段階的に導入され、今08-09シーズンをもって導入が完了した「自国育成選手枠」ルールについて調べてみました。   長文失礼!!


 自国育成選手枠とは・・・

目的
 近年台等・増加してきた、莫大な資金を元に他国から完成された有能な選手をかき集め戦力強化をはかるクラブへの抑止力。クラブ内の下部組織で選手を育成することに重きを置いたチーム運営の促進。

概要CL出場登録選手25人(Aリスト)の中に最低8人の自国育成選手を登録する。自国育成選手はクラブ内育成選手と協会内育成選手で構成される。クラブ育成選手とはそのクラブ内で育成した選手を指す。協会内育成選手はそのクラブが所属するのと同じサッカー協会に所属する別のチームで育成した選手(同じ協会主催の下部リーグに所属するチームも対象)を指す。協会育成選手が自国育成選手8人のうち4人以上になってはいけない。(言い換えればクラブ内育成選手が4人以上必要。クラブの生え抜き選手が5人以上いれば、協会育成選手が4人未満で良い。クラブの生え抜き選手が8人以上いれば協会育成選手はいなくても良い。)

「育成選手」の定義
 当該チームに15歳~21歳の間に継続的・断続的問わず3シーズンまるごと、または36ヶ月間所属。この条件を満たしていればその選手は国籍や年齢に関係なく当該チーム、協会の育成選手として登録が可能になる。

ペナルティ
 自国育成選手が8人に満たない場合、その分の選手登録枠が減らされる。


Bリスト・・・若手登録枠。1987年1月以降に生まれた選手で、15歳の誕生日以降中断期間無しに2年間以上所属している選手を何人でも登録出来る。

追加登録・・・決勝トーナメント以降はAリストに新たに3人の選手を追加出来る。


この「自国育成選手」ルールがCL参加クラブにどういった影響を与えたかというと、各クラブはこのオフ自国育成選手枠の帳尻合わせに奔走。
・構想外の自国育成枠対象選手の放出を見送る。自国育成枠対象選手を優先的に獲得する。
・ユース選手を大量昇格させる。・・・等の動きが見られました。     
また新ルールの導入が予告された3年前から、クラブ内育成選手枠に不安のあるクラブを中心に18歳以下の有望選手の獲得が相次ぎました。



ケース1 FCバルセロナ (選手育成に力をいれているクラブの場合)

クラブ内育成選手
GK ビクトール・バルデス    26歳
GK アルベルト・ジョルケラ  29歳
DF カルレス・プジョール    30歳
MF シャビ                      28歳
MF アンドレス・イニエスタ   24歳
FW リオネル・メッシ          21歳 

協会内育成選手
GK ホセ・マヌエル・ピント(レアル・ベティスユース) 32歳
FW サミュエル・エトー(レアル・マドリードユース)  27歳

 バルセロナは昨シーズンからの主力6人がクラブ内育成選手、2人が協会内育成選手に該当しこのメンバーだけで自国育成選手枠8人が埋まります。しかもバルセロナはこの夏の移籍市場でクラブ内育成選手の対象であったジオバニ・ドス・サントス、オレゲール・プレサス、マルク・クロサスの3人を放出しています。
 また他のクラブが戦力ダウンを受け入れユースから昇格させた若手選手をやむなく登録し枠を埋めているなかで、バルセロナは昇格させた選手をBリストでの登録にまわすことが出来、戦力を低下させることなく若手にCLの大舞台でプレーするチャンスを与える準備が出来ています。


ケース2 チェルシー (外部からの選手獲得に頼っているクラブ)

クラブ内育成選手
DF ジョン・テリー 27歳
3名不足

協会内育成選手
DF アシュリー・コール (アーセナルユース)   27歳
DF ウェイン・ブリッジ    (サウザンプトンユース) 28歳
MF フランク・ランパード(ウェストハムユース)  30歳
MF ジョー・コール    (ウェストハムユース)  26歳

ペナルティ Aリスト登録選手3枠減 25人→22人

 チェルシーは2003年のアブラモビッチのオーナー就任以来、豊富な資金に物を言わせて移籍市場での選手獲得によってチームを築いてきたクラブです。近年そういった姿勢が問題視され、この新ルール導入以降18歳以下の有望な選手の獲得に動くなどの対策を行いましたが間に合わず、今大会は3枠減の22人のAリストでグループリーグを戦うことになりました。ただでさえ選手層の薄さが懸念されるところに故障者が続出。エッシェンの故障長期離脱を受けて特別措置でミネイロを獲得するなどチェルシーの選手層は現在非常に危険な状態です(ミネイロはCLグループステージの出場は不可能)。ローマ以外に脅威のチームのいない比較的楽なグループに入ってのがせめてもの救いでしょうか。


 
 
 このチェルシーの置かれた状況を見れば分かるように、「自国育成選手枠」の新ルールは育成に力を入れず選手獲得によって戦力を維持してきたクラブに対する抑止力としてはなかなかの効果があるようです。
 そしてUEFAはこのルールを各国リーグでも同じように導入するよう働きかける方針だと3年前の導入告知の文書に書かれていました。もう導入されてますかね?聞いたことないんですけど・・・ただ今シーズンの名鑑を見ていてどのクラブも88年や89年生まれの若い選手が例年にないような人数選手リストに載っているような気がしていたのでもしかして導入されてる?一応プレミアリーグのレギュレーションを調べてみたのですが量が膨大すぎて関連する文章を見つけられませんでした・・・
 もう1つ、21歳まで特定のチームに3年所属することがなく、移籍でいろんなチームを転々とした選手はこのルール下でどのように扱われるのかが不明です。
 
 あと何故インテルがあのメンバーで登録可能なのかも不明。クラブ内育成選手が足りないような気がするが・・・
 
 
 またプレミアリーグに話を限ればこのルールだと外国人選手の流入には多少歯止めがかかっても、育成選手にイングランド人と外国人の区別がないため近年問題視されているプレミアリーグの外国人化→優秀なイングランド人選手が育たない→イングランド代表のレベル低下という負のスパイラルを食い止められるまでの効果はないでしょう。アーセナルなんかは実際クラブ内育成選手の頭数は十分でもほとんどが外国人な訳で。FA(イングランドサッカー協会)は何か別の対応策が迫られるでしょう。

posted by willsfield |13:40 | UEFAチャンピオンズリーグ | コメント(10) | トラックバック(0)
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自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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結局このルールに従うなら、若年層の青田買いが更に進展するということになると思います。

posted by とおりすがり | 2008-10-06 14:29

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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UEFAの目指そうとしているところはわかるが、自分も青田買いが助長されるだけだと思う。また、能力ある選手のステップアップが障害されたり、試合に出られず飼い殺し状態になってしまう選手も出てくると思う。まあ、結局ビッグクラブは抜け道や、被害が少なくなる方法見つけるんだけどね・・・。

posted by プレミアファン | 2008-10-06 15:09

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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バルサの場合、生え抜きと外部の血を融合してチームを活性化させるに重きを置いてるんだと。
自国育成選手枠というのは裏を返せば、ボスマン判決がもたらした弊害のような気が。いっそ国籍云々のような条項は取り払ったらどうでしょう。ブンデスでは、最低限のルール設けた上で外国人枠廃止したはず。成功したかはさておき、「は?」と言いたくなる『EU圏内選手』現れる抜け道あるシステムよりは明朗だと思いますが。

posted by マティヒェン | 2008-10-06 15:19

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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青田買いどころか、若くて有望な選手がつぶれるだけだと思いますね

特にレンタルで下位・下部チームに1年間出した場合にはクラブ内育成選手と数えられないのでは?
それでは結局良い若手選手が出場機会を得られにくくなりますし、飼い殺しが増えてしまう

こういうルールを作りたがる気持ちは分かるけれど、サッカーの中身を後退されるだけでしょうね

posted by とーりすがり | 2008-10-06 16:58

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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自国育成選手枠の目的はわかりますが、国内リーグならともかく、チャンピオンズリーグはやっぱレベルの高い試合をやって欲しいですね。
無名の選手=能力が低いとは必ずしもなりませんが、
お金払って深夜TV観戦している身としては、ね(笑)

posted by う~ん | 2008-10-06 17:42

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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>とおりすがりさん

 おっしゃる通りです。そもそもこのルールは青田買いを容認する前提で作られているルールに感じました。青田買いの象徴のような選手であるセスク・ファブレガスはバルセロナユース出身でありながらこのルールの下ではアーセナルのクラブ内育成選手にあたる訳ですし。青田買いに対してはまた別の対応が必要でしょうね。

posted by 管理人 Will | 2008-10-06 22:29

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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>プレミアファンさん

 金満補強に対してなんらかの対策が必要なのは間違いないと思いますが、これだと結局ビッグクラブ間の格差是正がいいところかと思います。
 ただ飼い殺しに関しては、どうせ1人の選手がシーズンの全ての試合に出場するのは無理があるので、コンペティションごとに違う選手を使うような感じになっても良いのかなと個人的には思うんですが・・・まあ今やCLのタイトルにリーグタイトルを上回る価値を見出している人が多いですから、選手個人はそんな扱いには納得しないんでしょうが・・・

posted by 管理人 Will | 2008-10-06 22:48

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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>マティヒェンさん

 ステップアップを求めてやって来る外国人選手と、自国リーグで出場機会を求める地元選手。なんとも難しい駆け引きですね・・・ただこのまま金満補強・サッカーバブルを放って置いても最終的に何か大変なことになりそうなので、なにかしら対策を講じてみる姿勢は必要かと思いました。やはり難しい舵取りでしょうが、この新ルール導入に満足せず、チューンナップするなどその都度柔軟に対応して欲しいものです。

posted by 管理人 Will | 2008-10-06 23:06

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

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>とーりすがりさん

 この新ルールが各国リーグに本格導入されればレンタル移籍に対する考え方も変わってくるかもしれませんね。一見若手にチャンスが与えられるようなルールに見えますが、実は逆に出場機会が与えられない可能性とも紙一重な気もします。やはりどこかでしわ寄せを食らう若手選手がいると考えると導入に際しては真剣に話し合いがなされるべきでしょうね。

posted by 管理人 Will | 2008-10-06 23:13

自国育成選手枠~CL新ルールの確認~

コメント投稿者ID :

>う~んさん

 CLでの「自国育成選手枠」の導入で、真っ先に考えられるデメリットが試合レベルの低下なんですよね。監督もベストメンバーで試合に望めないことを嘆いているようです。お金を払って遠く海外から見るファンの側からすればたまらないでしょうね。でももしこのルールでクラブが若手育成に積極的に乗り出すのであれば、現地のファンにとってはチームにより愛着が出たりという良い効果も考えられなくはないと思います。

posted by 管理人 Will | 2008-10-06 23:25

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