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4.8決戦②~避けられなかった決別とブーイング~

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「横浜の為に戦う覚悟はあるか?」

2010年に欧州から帰ってきた中村俊輔に対して横浜Fマリノスサポーターが出した横断幕だ。半年後に控えた南アフリカワールドカップを意識しての帰還だったのは間違いないにしても「マリノスを強くしたい」と復帰会見以外でも公言していた中村に対しサポーターは辛辣だった。

そのシーズン終了間際に事件が起きる。マリノスサポーターが愛し、中村俊輔が慕う”ミスターマリノス”松田直樹の戦力外。 松田だけでなく山瀬功治ら功労者に対する心ない仕打ちは冷たいクラブとして有名なマリノスが再び起こした一大事件だった。

翌年から中村俊輔はキャプテンマークを巻いた。 南アフリカワールドカップ目前のリーグ戦で古傷の足首を再び負傷。南アフリカではベンチの日々を送り、帰国後もプレーは精彩を欠いた。

それでもチームを勝たせようと必死だった。懸命にディフェンスに走り、身を投げ出しスライディングもする。

そんな想いが2013年、実を結ぶ。

トップ下に君臨し自身初の二桁ゴール。マリノスを優勝目前まで導き二度目のMVPを獲得した。

「俺達は俊輔と優勝したい」

三ツ沢でマリノスサポーターが掲げた横断幕は両者の雪解けだったか。俊輔の想いは届き、サポーターの想いもまた届いていた。

それからも紆余曲折はあった。 何しろ中村俊輔。活躍してもトルシエに嫌われ、高熱を出してもジーコに起用され、自身が輝かなければチームは機能不全に陥る。そんなドラスティックだがファンタスティックな選手がいれば賛否両論はある。 それでも中村俊輔はマリノスを愛し、サポーターも中村俊輔を愛した。

風向きが変わったのは2014年のシティフットボールクラブの介入か。2015年には強化にも手を染めモンバエルツ監督が招聘された。アデミウソンのように素晴らしい選手が来たり、マリノスにとってマイナスばかりではなかった。だがそのアデミウソンがガンバ大阪に引き抜かれることになったり、どこかマリノスが制御できない部分は大きくなっていった。

モンバエルツ監督は縦に速いサッカーや若手起用を嗜好した。中村俊輔と合わないのは明白だった。それでもモンバエルツも中村俊輔もプロフェッショナルだ。モンバエルツは中村俊輔を起用し中村俊輔も彼のサッカーに適応しそれに応える。2015シーズンは両者歩み寄ることで2ndステージは上位に迫った。浦和に4-0大勝、川崎に敵地で1-0。僅か2シーズン前の出来事。いかに両者の融合が凄かったかはわかるはずだ。

ただ永くは続かなかった。

2016年は特に若手起用が顕著になり、中村が怪我で離脱するとチームは再び速攻に舵を切った。鳴り物入りでシティが連れてきたカイケは造反し、マリノスタウンを捨てたクラブは練習環境やクラブハウスを整備できずにいた。 そしてシーズン終了間際に歴史は繰り返された。小林は戦力外、中澤には半額提示、榎本にはコーチ兼任とシティに変わっても悲劇は繰り返された。 さらに長年尽力したスタッフも切られ、それなのにモンバエルツは続投。

それでも中村俊輔がマリノスを出るわけがない。いまだに戻ってこいと言う古巣セルティックですら動かせない中村俊輔だ。マリノス愛を信じるがゆえに出ていくわけがないと誰もが思っていた。チーム内の人間以外は。

マリノスを去った中村俊輔の発言に対してマリノスサポーターは過敏に反応した。 そうして再び中村俊輔に対する辛辣さ、いやさらなる憎しみを持って対峙するに至った。

もちろん愛あるブーイングが含まれてなかったわけではない。それでも愛から変わった憎悪で膨れ上がったブーイングだった。

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この記事へのコメントコメント一覧

「4.8決戦②~避けられなかった決別とブーイング~」へのコメント

個人的にはその見解ほぼ間違ってないと思います。特に中村俊輔選手の発言に対してのところはちょっと同感すぎてグッときました。ありがとうございます。またよろしかったら読んでもらってコメントいただけたら幸いです。

「4.8決戦②~避けられなかった決別とブーイング~」へのコメント

スポーツ新聞のような文面と思っていただき光栄です。こちらこそ読んでいただいてありがとうございます、としか言いようがないです。

4.8決戦②~避けられなかった決別とブーイング~

すべてはチームの若返りという聞こえのいい言葉のもとに作られたフロント陣のシナリオ通り。
いかに直樹の時のようにフロント批判されないようにベテラン勢を追い出すかという事でしょう。
まず小林の解雇。次に中沢への5000万提示(マスコミに漏れたため慌てて謝罪文を発表)。
結局中沢は残りましたがフロントからしてみればメディアコントロールだったのか。
そして俊輔、契約交渉が長引く中、こっそり榎本、兵働を放出。
2度目のメディアコントロールは契約に引退後の監督・・・、この報道でフロントは頑張ってると思わせる。
しかし問題は契約内容ではなく、もうこの壁は越えなくていいと思わせる大きな壁なのに。
そして移籍を決断。
その後勝っても嬉しくなかったという発言でサポーターは怒る。が俊輔は出場した試合で手を抜いてたでしょうか?サポーターならわかるはず。
最後に斎藤の海外移籍をさせないように期限ギリギリまで待ってこっそりシティが邪魔すれば簡単。
見事にフロントは何も言われずフロントに色々言ってきた数人選手の中心人物を放出することに成功したのです。
長文、個人見解で申し訳ありません。


4.8決戦②~避けられなかった決別とブーイング~

スポーツ新聞の記事をサンプリングしたような文章を書いていただいて
お疲れ様です、としか言いようがないです。

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