2007年11月02日
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
Jリーグには百年構想があるということを説明しました。 地域に根差したスポーツクラブを目指して、現在Jリーグのクラブ中である一定の成果を上げているクラブを紹介したいと思います。 今回は「ヴァンフォーレ甲府」です。 ヴァンフォーレ甲府がJリーグに加盟したのはJ2が誕生した1999年。 山梨県初のプロスポーツクラブが誕生したわけですが、その道のりは一寸先は闇というべき厳しいものでした。 まず初年度の成績は10チーム中10位。つまり最下位に終わりました。 そして2000年。ヴァンフォーレ甲府は経営危機問題が勃発します。 この年も最下位に終わったヴァンフォーレ甲府。 入場者数の不振・チーム順位の低迷・クラブ経営の赤字と泥沼の状態に陥りました。 そんな、ヴァンフォーレ甲府に対し自治体やスポンサーが支援打ち切りを検討。 ヴァンフォーレ甲府の破産の危機が現実的になりました。 その後、なんとか一時的なチームの存続は確保されたものの提示された条件は非常に厳しいものでした。 この条件を達成できなければ、ヴァンフォーレ甲府の破産あるいは売却となることになります。 その条件は以下の通り ・平均観客動員数 3000人以上 (前年度実績 1850人) ・クラブサポーター会員数 5000人以上 (前年度実績 2698人) ・スポンサー収入 5000万円以上(前年度実績 2600万円) どの数字も現実的に考えて達成できるには大変厳しい数字であり、ヴァンフォーレ甲府の破産は既定路線とも言われました。 こんな条件は達成できるわけがない。そう誰もが考えました。 しかし、2001年。ヴァンフォーレ甲府は見事にこの条件をクリアします。 なぜこんなことができたのか?しかもこの2001年も再び最下位。 どう立て直したのか。それは筆頭株主の山梨日日新聞の親会社の山日YBSグループの役員だった 海野一幸さんが出向し社長に就任したことによって大いに変わることとなります。 以下に続きを書きます。 トップページからご覧のかたは続きを読むをクリックしてください。
まず彼がやったのが元マスコミ関係者という人脈を生かしたスポンサーの獲得。 ですが、潰れるクラブにどこもスポンサーになるわけはありません。 かなりの混迷を深めますが、海野社長の積極的な営業もあって まずメインスポンサーに「はくばく」が名乗りをあげます。 このユニフォームの胸にロゴをつける胸スポンサー契約を結んだことで 内外にやる気をアピールすることができました。 その後、積極的なスポンサー獲得作戦のかいもあって数多くのスポンサーを獲得することに成功しました。 その数はスポンサーが前年度15社だったのが一気にに200社にまで増えました。 工夫として、たとえばピッチ看板スポンサーに関しては 安い値段にして、多くの企業が出せるようにしました。 さらには、担架の裏にスポンサーのロゴをつけることもありました。 中でもユニークなのが、金は出せない会社でもその会社の事業である 清掃やクリーニングや選手の銭湯無料使用など 現物なら支援できる企業に、金銭ではないスポンサー契約を締結したことです。 スポンサー契約に目処はついてもまだ、観客動員数とクラブサポーター会員の獲得という 人気面での課題がありました。 この課題に関しては、選手が積極的にチームの地域のイベントやボランティア・学校訪問に出かけました。 その数なんと年間90回近く。 地域に愛されるために、ふれあいを大事にし愛着を持ってもらう努力をしました。 その他山梨独自の小集団のネットワークを使い、積極的にクラブサポーター会員になってくれるよう 頼んでいきました。「あそこがやったらならうちも・・」と続々と輪が広がり クラブサポーター会員を増やしていきました。 そして見事にどの条件も目標達成。 地域に根差し活動を行ったヴァンフォーレ甲府、そして必死に支えてくれた甲府市民・山梨県民 地域貢献には素晴らしいものがあると判断され、活動継続が決定しました。 その後胸スポンサーである「はくばく」の工場が火災に見舞われて撤退か?と騒がれた時には サポーターが「ヴァンフォーレ甲府を助けてくれたはくばくを今度は俺たちが救う番だ」という運動を開始し 近辺ではくばく商品売り切れ続出。 「こんなにも助けてくれるサポーターは裏切れない」と、はくばくは支援継続を決定。 そして成績も万年最下位から徐々に上がっていき 2005年、超攻撃的なサッカーで仙台との入れ替え戦進出圏内となる激しい3位争いの末 見事にJ1・J2入れ替え戦に進出。 そしてで2戦合計8-3(第1戦2-1で甲府勝利)で柏レイソルを下し見事にJ1昇格! ついこの前までJ2万年最下位で、経営の危機に瀕していたチームが J1に昇格するということが実現しました。 その後2006年のJ1でもパスワークと走るサッカーでサッカーファンを魅了。 この年最後まで浦和と優勝を争ったガンバよりも面白いサッカーだという人がいたほどです。 成績もダントツの降格候補といわれながら見事に残留をはたしました。 そして現在、甲府の平均観客動員数は1万人を超え、 今年(11月2日現在)1万3570人となっています。 ちなみに山梨県の総人口が約88万人。甲府市の人口が約20万人です。 甲府のように地域に自ら積極的に飛び込んでいき、そして地域が甲府を必死に支えたことで Jリーグ百年構想の一つの理想とも言われる地元との素晴らしい関係が生まれました。 甲府はJリーグのどのクラブにもない新たな地域に根差すスタイルを示しました。 これはJ2だけでなく、J1のクラブにも大きな衝撃を与えました。 さらには今この甲府を目標にJリーグを目指す多くのクラブがあります。 甲府が残した功績は非常に大きいです。
理想のクラブを探して 甲府編 湘南編 岐阜編 千葉編 川崎編 大分編 新潟編 浦和編
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posted by wert-j |22:13 |
クラブの重要性 |
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理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
私はサンフレッチェのファンなんですが、見てて一番楽しいサッカーをするのは甲府だと思います。運動量豊富で連動したパスサッカーに時折みせる茂原などのドリブル! 見てて本当に楽しいです。
現在お互い残留争いしてますが来年もJ1で美しいサッカーで魅せれるように頑張りましょう!!
posted by サンフレ | 2007-11-02 23:19
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
>AAさん
敬語が使われていませんでしたので削除しました。
内容に関してはその通りだとおもいます。
>サンフレさん
面白いですよね。
まあその分弱点があるんですが。
サンフレッチェのポゼッションもなかなか面白いと思いますよ。
残留争いは本当に大変ですよね。大分もまた巻き込まれそうで・・・
posted by J観@管理人 | 2007-11-02 23:25
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
今回のエントリー「プロジェクトX」みたいでちょっと感動しました…(映像化したら完全にプロジェクトXでしょう)。
「続きを書きます」以下が秀逸です!
posted by まるめ | 2007-11-03 00:04
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
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地方のクラブが経営を成り立たせるのは、まだまだきびしい状況ですが、新潟・仙台などを見てると地方都市の方が「俺が街」を発揮させやすく、身の丈経営が出来れば、可能性があるように思います。むしろ都会チームの方がコアなファンを育てるのはしんどいのかも知れませんね?(浦和は例外?)
身の丈経営の基礎はやはりスタジアムかな~と、くどい!(゜ー゜;)
(同じHNがあったので一文字追加しました。DmD)
posted by DmDm | 2007-11-03 01:24
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
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いい話ですね。確かに甲府のサッカーは見ていて面白いです。ストライカーとまではいかなくとも、そこそこのFW(←曖昧な表現…)がいれば、もう少し上の順位にいるクラブではないでしょうか。他の小規模クラブの励みにもなるので、甲府には是非ともJ1に残留してもらいたいです。
甲府といえば、バレーのダブルハットもそうですが、入替戦第1戦での停電や、札幌ドームでのロスタイムの3得点など、個人的に印象の強いクラブです。
posted by 深 | 2007-11-03 01:47
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
ここまで地域密着したクラブも他に類をみませんねえ。フォワードの話についてですが須藤選手も泥臭くて好きなんですがね茂原選手だけではきついとおもいます。あとカードが非常に多いという印象があります。ただ非常に魅力的なサッカーをしますよね。パスワークはJでもトップクラスだと思います
posted by としろー | 2007-11-03 02:35
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
お話を良くまとめていただきました。ご苦労様です。
甲府はここまでの平坦ではない道のりをよくがんばっていると思います。
ただ、今年の残留争いは厳しいですね。各クラブの甲府対策がはまり勝てなくなっています。
大木監督は目立った補強をせずに良くがんばっていますが、
2006年度ですが、クラブ経営状況をみますと
http://www.j-league.or.jp/aboutj/jclub/2006-7/pdf/club2007.pdf
J1残留組では大分を除くと他のクラブの半分以下の人件費でチーム編成している状況が見て取れ、限界を感じます。
特徴有る甲府サッカーの人気は全国区だと思いますので、地理的な弱点にとらわれない戦略を立てて何とかがんばって欲しいと思います。
posted by がんばれバクバク | 2007-11-03 08:25
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
>まるめさん
その言葉助かります。
最初は軽くやるつもりだったんですが調べているうちに、長くなりましてね。
本当に「はくばく」という企業はスポーツを分かっています。
今年胸スポンサーから背中に移ったのもこんな理由だそうです。
http://hakubaku.cocolog-nifty.com/shacho/2007/01/post_874c.html
さらに、今年胸になった「NIPRO」も「はくばく」は「はくばくさんは苦しい時から支えてくれた会社です。値段はこのままで今年ははくばくさんが胸でもいいですよ」
といったらしいです。
結局「はくばく」も上のブログにかかれている理由でその申し出を断ったそうです。
本当に素晴らしい関係。まさにスポーツと企業の理想的な関係です。
ここにもヴァンフォーレ甲府が持っている理想の関係がありますね。
>DmDmさん
再びの書き込みありがとうございます。
そうですね。やはり地方都市だからこそのメリットがありますね。
最大の問題はスポンサー料ですね。
都市は、浦和は結構田舎だと聞いています。
旧浦和市の人口が50万人ぐらいで、現在さいたましになって新たに区を作ったことで浦和市は分裂して浦和区はありますが旧浦和市のあくまで一部だそうです。
なのでやはり50万以下の都市だと結構末端まで活動が広がりやすく、魅力が伝わるのかなあと思いますね。
浦和は浦和で独自の観客動員作戦がありますからその成果がありますが。
都市部でいったら川崎が新たなモデルケースを出していると思いますね。
あそこは確か135万人ぐらいですよね。
>深さん
まあフィニッシュを決める選手がいれば菜跡は感じますね。
須藤・茂原といるんですけど。やはりバレーのような選手がいて欲しいです。
>札幌ロスタイム
あれをしっているからこそW杯の3失点も耐えてるように見えました(笑)
>としろーさん
甲府はサッカー面白いんですが戦力面の問題がありますね。
ただ練習環境も非常に大変だそうですし良くやっていると思います。
茂原の長期出場停止がやはり痛かったですよね。
>がんばれバクバクさん
大変でした。すぐ完成させる予定が大分かかりました。
甲府は、フロントよりも現場が1歩も2歩も先に言っていてフロントが必死に追いつこうとしているのが見て取れます。
ですがなかなかそううまくいくものではないので、人件費はそんなに出せないでしょうね。
ですが選手にとってはハングリーだし地域の温かい支えがあるといっていますので
これはこれでいいかなと思いますね。
今後の行方を見守りたいです。
posted by J観@管理人 | 2007-11-03 12:33
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
今までの記事も興味深かったですが、今回のは秀逸です。
素晴らしい。
これからも、面白い記事を楽しみにしています。
posted by kenken | 2007-11-04 10:36
理想のクラブを探して 「ヴァンフォーレ甲府編」
コメント投稿者ID :
>kenkenさん
ありがとうございます。
とはいえ甲府が頑張ったことを私が書いただけですからね。
posted by J観@管理人 | 2007-11-05 23:53
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