サッカーこそ我が命

ヤヌザイと宇佐美

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厚い雲に覆われた空から時折小雨が降りしきるリバプールのGoodison Parkスタジアム。 2017年2月25日。 エバートン対サンダーランドのプレミアリーグの試合をスタンドから見ていて、見覚えのある選手がいることに気付いた。サンダーランドの右サイドMF44番、ヒョロとした左利きの選手。 アドナン・ヤヌザイ(22才)である。 ヤヌザイ

彼の名前を憶えている日本人サッカーファンも多いだろう。 マンU在籍時には香川をベンチに追いやり、一時はイングランドとベルギーの両国どちらで代表デビューさせるかと騒がれた逸材である。 記憶が正しければ、マンU監督であったD・モイーズか解任された後、ドルトムントに レンタル移籍するも評判は芳しくなく、短期間で放出されたような。 どうやら、今期途中からモイーズがサンダーランドの監督に就任したので、かつて自分の下で輝いていたヤヌザイを呼び寄せたようだ。

彼のプレーの最大の特徴は、敵陣で前を向いてボールを持たせたら、ドリブルやスルーパスに決定的な仕事ができること。 ところが、この試合では、ドリブルにはマンU時代の切れはなく、DFに引っかかってばかり。スルーパスも味方の動きだしと合わずにアタッキングサードでは無力化されていた。そして、何より目立つのは、ボールロストした後に天を仰ぎ、敵を追う努力を放棄してしまう姿。

その姿に思わず、宇佐美貴史(24才)の代表でのプレーがダブってしまった。 ハリルジャパンの試合中、サイドから切り込む得意のドリブルが止められると、悔しげに頭を抱える。しかし、ボールを奪い返して、次の攻撃に移る動きは二の次。 まさしく、デジャブ。 わずか19歳で欧州のビッグクラブであるバイエルン・ミュンヘンにスカウトされるほどの才能の持ち主ながら在籍クラブを転々としているのは、ハードワークしない、攻守の連動がきかないために監督の信頼が得られていないからではないか。

たとえば、ペップのバルセロナがなぜ栄華を極めたのかといえば、攻守の一体感につきる。相手ボールになった瞬間が味方の攻撃の第一歩。そこでボールを奪い返せば、相手ゴールに近いので得点のチャンスも多くなる。チーム全体にその認識が浸透しているから、メッシも含めて守備をサボる選手はいない。 クロップのゲーゲン・プレスも然り。 従って、これら欧州サッカー最高峰の戦術にフィットする選手のタイプは自ずと決まってくる。 つまり、天才肌だけが取り柄の二人とは真逆のタイプだ。 この試合に限定すれば、今売出し中の若手で、ボックスtoボックスで攻守にハードワークを厭わなかったエバートンのT・デービス(18才)は、その戦術にフィットする一番手かもしれない。



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