2011年08月11日
昨日(9日)、「エスタディオ・ナシオナル」(国立競技場)で行われたポルトガル代表練習では、とにかくカピタォン(主将)のクリスティアーノ・ロナウドの笑顔が目につきました。Aマッチ前日の練習とは言え、セレサォン(代表)では今や唯一無二の「絶対的存在」ですから居心地が良いんでしょうね。とてもリラックスして見えました。
極東の母国、北海道の日韓戦では、日本が3-0と韓国に圧勝したようですね。日本が3点以上獲って韓国に勝利したのは約37年ぶりのようです。
こちらユーラシア大陸のの西の端ではあと30分で『ポルトガルvsルクセンブルク』の親善試合がキックオフされます。ポルトガルにとっては、格下相手のこの試合自体にさして重きを置いているわけではありませんが、貴重なスパーリングの機会だと思って数多くの選手をテストしてもらいたいものです。
ちなみに過去、ルクセンブルクとは11回対戦して、ポルトガルの9勝1敗1分けという成績が残っています。もしルクセンブルクが今日の試合で勝つようなことがあれば、ポルトガル相手には50年ぶりの勝利になります。
ポルトガル代表のスタメンが発表されたようです。
GK:ルイ・パトリシオ
DF:ジョアン・ペレイラ、ぺぺ、ブルーノ・アルヴェス、ファビオ・コエントラォン
MF:アンドレ・サントス、ジョアン・モウティーニョ、ルーベン・ミカエル
FW:ダニー、エルデル・ポスティガ、クリスティアーノ・ロナウド
EURO予選とは大幅にメンバーを入れ替えてきました。このチームでは不動のボランチ、ラウール・メイレレスを温存してアンドレ・サントスを起用してきたのがサプライズでしょうか。システムは4-3-3になると思われます。
果たしてこの二人のベテラン(ヌーノ・ゴメスとキム)に出場機会はあるのでしょうか?この試合が「最後の代表試合」にならないことを祈るばかりです。
指揮官のパウロ・ベントは何思う?
現在、コロンビアで開催されているU-20W杯では、若きポルトガル代表が16年ぶりのベスト8進出を決めました。『ポルトガルvsルクセンブルク』は21時(現地時間)、「アルガルヴェ」スタジアムでキックオフです。フル代表にも期待しましょう!
posted by 鰐部哲也 |03:29 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年08月09日
昨日(7日)、ポルトガルのシーズン開幕を告げる最初のタイトルマッチ、「スーペルタッサ2011」の試合がポルトガル北部の「運河の街」、アヴェイロで行われたので取材に行ってきました。イタリアの「スーパーカップ」のように中国の北京で行われていたらさすがに観に行けませんでしたが。。。
昨年度のリーガ覇者とポルトガル杯覇者(リーガ覇者と同じ場合は、準優勝チーム)が対決するポルトガルの「スーペルタッサ」は、1979年に始まりました。過去の最多優勝クラブはポルトの17回で、他を圧倒しています。続いてスポルティングが7回、ベンフィカが4回、ボアヴィスタが3回、ギマラエスが1回、それぞれ優勝しています。現在「三部」に低迷するボアヴィスタが3回優勝しているのが少し驚きですね。
33回目の今年は『ポルトvsギマラエス』の対戦となりました。ちなみに、この両チーム、5月のポルトガル杯でも対戦していますが、今週末開幕のリーガ第1節でも対戦することになっており、お互い公式戦三連戦同カードということになります。
試合前のアヴェイロの街は、運河を観光客の乗ったゴンドラが行ったりきたりするのんびりした空気が流れていましたが、圧倒的にポルトユニフォームを身にまとったポルティスタの姿が目立ちました。18,313人を集めたスタジアムでもポルトサポーターが詰めかけたゴール裏のスタンドはぎっしり埋まりましたが、ギマラエスサポーター側のゴール裏のスタンドには空席が目立ちました。
この試合の両チームのスタメンです。
【ポルト】
GK:エウトン
DF:サプナル、ロランド、マイコン、フシレ
MF:ソウザ、ジョン・モウティーニョ、ルーベン・ミカエル
FW:フッキ、クレーベル、ヴァレラ
カピタォン(主将)はエウトン。ポルト鉄板のの4-3-3のシステムです。コパ・アメリカから帰って間もないファルカオとグアリンのコロンビア代表コンビはベンチスタート。優勝したウルグアイ代表のアルヴァロ・ペレイラはベンチ入りメンバーからも外れました。さらに現在、自国開催のU-20W杯に参加中のジャメス・ロドリゲスももちろん帯同していません。ボランチのフェルナンドは移籍(退団)濃厚ということで招集メンバーから外れ、ソウザが入りました。ポルトガル代表に招集されたカストロもメンバー入りしていません。
【ギマラエス】
GK:二ルソン
DF:アレックス、ンディアイ、ジョアン・パウロ、サンタナ
MF:エル・アドウア、ファオウジ、レオネル・オリンピオ
FW:トスカーノ、バリエントス、タルジーニョ
カピタォン(主将)はアレックス。システムは4-3-3ですが、ファオウジとトスカーノが頻繁にポジションチェンジを繰り返し、レア尾根ル・オリンピオもボランチの位置に下がる場面が多かったので、4-2-3-1にも見えました。ポルトガル杯のときのチームには、エドガーという昨季チーム得点王の勝負強いゴールゲッターがいましたが、今季のチームは前線の3人が流動的に動いているようです。昨年の南アフリカW杯メンバーの元ポルトガル代表で、今季古巣に戻ってきたペドロ・メンデスはベンチスタートです。
昨シーズンのリーガ最優秀審判のペドロ・プロエンサのホイッスルでキックオフされた試合は、前半4分に右サイドからのフッキのクロスをファーサイドのロランドが押し込み早くもポルトが先制します。
この日のポルト、前半はCK、FKのセットプレー時の相手DFラインとGKの間を狙うクロスが絶妙でした。特に右サイド、フッキからのクロスは正確無比でした。さらに、そのセットプレーで中央で打点の高いロランドの相手マークを外す動きが秀逸で、必ずファーサイドに流れてフリーになってクロスに合わせていました。実際、前半33分にギマラエスがバリエントスのCKからニアのトスカーノが頭で合わせて同点に追いつくのですが、その8分後に、距離のあるフッキの右サイドからのクロスに合わせたのは、またもやDFのマークを外してフリーになったロランドでした。結局、この試合、このロランドの二点目のゴールが決勝点になりました。
ポルトは、相変わらずパス、トラップの基本技術がしっかりしているのと攻守の切り替え時に攻撃に移った時のリズムとスピードのシフトアップが健在というのが印象ですが、課題も見えました。
まず、フェルナンドの代わりにボランチに入ったソウザのプレス時の体の入れ方やマイボールにするときのキープの仕方は心もとない気がしました。常にソウザのカバーリングでジョアン・モウティーニョとルーベン・ミカエルが下がってしまうので中盤のセントラルMF起点の”タテ”を狙う動きというのがほぼなかったような気がします。同じボランチならギマラエスのエル・アドウアのフィジカルを活かした泥臭い守備のほうが効いていたように思います。
さらに、トップに入ったクレーベル。プレシーズンマッチで評価を高めた今季マリティモから加入した選手ですが、この試合は完全に試合から消えていましたね。なかなかDFラインの”ウラ”へ抜け出すことが出来ないので、フッキがなかなかクロスを合わせることができませんでした。ポルトの戦術の肝であるCFのターゲットマンの動きが悪いと、攻撃のオプションが減って苦しくなりますね。
後半67分にポルトは、ファルカオとグアリンを揃って投入しますが、二人ともまだ、本調子ではありませんでした。局面の打開には至らなかったようです。二人とも随所に”らしい”プレーは見せましたが。。。
試合は、2-1でポルトが勝利。後半はほとんど見どころを作れませんでしたし、”決定機”もほぼ皆無でした。本来のポルトの圧倒的強さは感じられませんでしたが、それこそポルトへの期待値のハードルが上がりまくっている証左かもしれません。それでも、きっちり今シーズンの「初タイトル」を獲得したのですから、勝負強さは相変わらずです。
試合後、公式会見場にまず現れたのは、ギマラエス監督のマヌエル・マシャドでしたが、記者が質問をしようとうかががっているときに少し間が空いてしまい、「質問がないのなら話すことはない。」と、突然立ち上がって怒気を孕んだまま何のコメントも残さずに退席するというハプニングもありました。
一方の勝利監督、ポルトのヴィトール・ペレイラのコメントです。
「私の”魂”であるクラブの監督として、初めてのタイトルを獲得して大いなる満足感と幸福感を感じている。ポルトが勝利に慣れているとは言っても、勝利してシーズンに入れるのはとても重要なことだ。このチームはすでによく組織されているし、クオリティーも高い。今季はリーガもCLも難しい戦いになるだろうが、まだ、現時点ではいろいろ試している段階だ。監督の私がトレーーニング中であるようにね。」
33回目の「スーペルタッサ」を18回目の優勝で飾ったポルト。今シーズンもこのチームを軸に「カンピオナート(優勝争い)」は展開しそうですね。いよいよ、今週末には2011/12年シーズンのリーガが開幕します。8月12日(金)の『ジウ・ヴィセンテvsベンフィカ』戦を皮切りにポルトガル国内で熱戦が繰り広げられる。のを期待しましょう。
posted by 鰐部哲也 |05:39 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年08月05日
今日(4日)は、8月10日に行われる親善試合、『ポルトガルvsルクセンブルク』戦に向けたポルトガル代表招集メンバーの発表があるということで、リスボン市内にあるFPF(ポルトガルサッカー連盟)本部ビルに取材に行ってきました。
6月4日のノルウェー戦で内容はともかく勝利して、EURO2012予選グループHの首位に立ったポルトガル(現在のグループHの順位表はこちら)。次の予選試合は9月2日のアウェー、キプロス戦になります。8月7日のスーペルタッサ(スーパーカップ)と8月14日の週末のリーガ開幕戦の間に無理やり代表戦をねじ込んできたのも、セレサォン(代表)の試合勘を鈍らせないのと選手のテストの意味合いが強いのでしょう。
ちなみに今回の対戦相手、ルクセンブルクは、先月30日に行われた2014年のブラジルW杯の欧州予選で奇しくもグループFで同組になりました。
それでは、今回のポルトガル代表招集メンバー21人です。
GK:エドゥアルド(ベンフィカ)、キム(ブラガ)、ルイ・パトリシオ(スポルティング)
DF:ジョアン・ペレイラ(スポルティング)、リカルド・カルヴァーリョ、ぺぺ(レアル・マドリー)、ブルーノ・アルヴェス(ゼニト)、ファビオ・コエントラォン(レアル・マドリー)、シルヴィオ(アトレティコ・マドリー)
MF:ラウール・メイレレス(リヴァプール)、アンドレ・サントス(スポルティング)、カストロ、ジョアン・モウティーニョ、ルーベン・ミカエル(ポルト)
FW:ナニ(マンチェスター・ユナイテッド)、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)、ダニー(ゼニト)、ヴァレラ(ポルト)、エルデル・ポスティガ(スポルティング)、ウーゴ・アルメイダ(ベジクタシュ)、ヌーノ・ゴメス(ブラガ)
6月4日のノルウェー戦の招集メンバーからは、GKのヴェントゥーラ(オリャネンセ)、ロランド(ポルト)、ドゥダ(マラガ)、カルロス・マルティンス(ベンフィカ)、パウロ・マシャド(トゥールーズ)が外れました。カルロス・マルティンスはクラブでも負傷離脱中で、イタリアのキエーヴォが獲得に動いているようです。
今回の招集メンバーで、サプライズはやはりGKのキムとCFのヌーノ・ゴメスの代表復帰でしょう。6月中旬に地元紙が行ったインタビューで監督のパウロ・ベントは、「キムはまだ、セレサォン(代表)に戻る夢を持っていても良いだろう。私は彼の代表復帰を拒んだりしない。ヌーノ(・ゴメス)はここ二シーズン、(サブとして)試合に使われなかったので、(代表で)プレーするには非常に難しい状態にあるが、これから彼の復活を見守りたい。もちろん彼に対してもいつでも(代表の)門戸を開いている。」とコメントしています。
キムは元々、リカルドの控えGKでしたが、ブラガでは今季、正GKの座が約束されています。ポルトガル代表の正GK、エドゥアルドがベンフィカに移籍して第2GKの座に甘んじているだけに、ルイ・パトリシオ共々、今回の代表選出はチャンスでしょう。ヌーノ・ゴメスはEURO2000とEURO2008では主力として活躍、代表Aマッチ通算77試合出場(歴代10位)、29得点(歴代4位)の記録を残しています。ちなみにヌーノ・ゴメスの代表での最後のゴールは、2008年6月、EURO2008決勝トーナメント1回戦のドイツ戦、最後の代表出場試合は2009年10月の南アフリカW杯予選のホーム、ハンガリー戦となっています。
ただ、今回のキム、ヌーノ・ゴメスのベテランの代表復帰が、「代表引退の最後の花道」としての招集というシニカルな見方もありますが。。。
他のメンバーでは、ポルトで昨季、リーガ1試合しか出場機会のなかった、ボランチのカストロの選出もサプライズでした。
ポルトガル代表監督、パウロ・ベントのコメントです。
「EURO予選と同じ強い気持ちで、今回の試合に臨むつもりだ。内容の良い試合をして無失点で勝つこと。親善試合だからといって試合に対する姿勢は変わらない。ヌーノ(・ゴメス)を呼んだのは、このプレシーズン、移籍して非常に良い準備ができていると判断したからだ。昨季は試合出場に恵まれなかったが、彼は”セレサォン(代表)の文化と精神”を知り尽くしているクオリティーの高い経験豊富な選手。キムについてもこれまでの(代表での)貢献に敬意を表して呼んだわけではない。戦力として呼んだんだ。」
ポルトガル代表の予定です。
8月8日(月):12時 選手集合(ラゴアスパーク・ホテル/オエイラス)
18時 公開練習(エスタディオ・ナシオナル)
8月9日(火):9時30分 公開練習(エスタディオ・ナシオナル)
12時30分 公式記者会見(ラゴアスパーク・ホテル/オエイラス)
8月10日(水):21時 ポルトガルvsルクセンブルク(アルガルヴェ・スタジアム)
この試合、スケジュールの都合で私は取材には行けません。ただ、練習がリスボン近郊の「エスタディオ・ナシオナル(国立競技場)」であるので、こちらには取材に足を運ぶ予定です。
posted by 鰐部哲也 |01:01 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年08月04日
昨日(2日)、松本山雅FCの松田直樹選手が練習中に倒れ、心肺機能停止のため病院に救急搬送され、現在、病院の集中治療室で回復に向け治療中です。依然、意識不明の重体のままで予断を許さない状態のようです。。。
このニュースは、ポルトガルのスポーツ新聞でも報じられました。
・『A BOLA』(ア・ボーラ紙)
・『Record』(レコルド紙)
・『O JOGO』(ウ・ジョーゴ紙)
この三紙の中で、唯一『A BOLA』だけが「練習中に倒れ、心肺機能停止に陥った」と報じており、他の二紙は「元日本代表、松田直樹が練習中に亡くなった」と打電し、さらに今日(3日)付けの『A BOLA』の紙面では「松田直樹が死去」と短い記事が掲載され、ポルトガルにいる私は激しく混乱しました。Twitter等の同業者の方のツイートで、「まだ亡くなってはいないが、重体で予断を許さない状況にある」ことが分かりましたが、今日は一日中、何か気持ちの持っていきどころがない状態でした。
居ても立ってもいられなくて「ルス」スタジアムの「ミキ」の銅像の下に足が向いていました。「ミキ」の銅像の前でひたすら祈りました。
「ミキ」とは、かつてベンフィカでプレーしたハンガリー人FWの「ミクロス・フェヘール」。
2004年1月25日にギマラエスの「アフォンソ・エンリケス」スタジアムでの試合中、イエローカードを受けた直後に突然、ピッチに崩れ落ちました。その後、ギマラエス市内の病院での必死の蘇生措置も叶わず翌26日早朝にこの世を去りました。「ミキ」の背番号「29」はベンフィカの永久欠番となっています。
その試合で、「ミキ」にイエローカードを出した主審のオレガリオ・ベンクレンサは、実は昨年の南アフリカW杯で、日本代表が海外初勝利を収めたカメルーン戦の主審ですが、後に「審判人生で一番後悔したイエローカード」と述懐しています。
あの悲劇から7年半が経ち、かつて銅像を埋め尽くしていた献花も花輪もなくなり、ベンフィカの試合で背番号「29」のレプリカユニフォームを着て応援するベンフィキスタもすっかり見なくなりました。「ミキ」の死は風化しつつあります。
2005年6月27日には、当時ウニオン・レイリアのMFだったウーゴ・クーニャが友人との草サッカー中にやはり心肺機能停止で突然死しています。これ以後、ポルトガルサッカー界でのドーピングチェックも含めたシーズン前、シーズン中のメディカルチェックが厳しくなりました。 LPFP(ポルトガルプロフットボールリーグ)とFPF(ポルトガルサッカー連盟)主催の試合では、無観客の練習試合であろうと、スタジアムにAEDと救急救命士の配備が義務付けられました。
サッカー選手の突然死がクローズアップされるきっかけとなったのが、2003年のコンフェデレーションズカップのカメルーン代表、マルク・ヴィヴィアン・フォエのコロンビア戦での突然死でしょう。その後、2007年8月25日には、セビージャ(スペイン)のアントニオ・プエルタがヘタフェ戦で意識を失い、病院に搬送。3日後に亡くなっています。同年12月29日には、マザーウェル(スコットランド)のフィル・オドネルがダンディー・ユナイテッド戦で意識を失い、そのまま帰らぬ人となっています。
試合中以外にも、2009年8月8日に遠征先のホテルで心筋梗塞でダニエル・ハルケ(当時エスパニョール)が突然死しています。
私は特別、松田直樹選手のファンというわけではありません。しかし、まだ一サッカーファンに過ぎなかったときに、アトランタ五輪やスタジアムで観戦した日韓W杯で彼のプレーに少なからずインスパイアされたのは事実です。さらに現在、サッカーに携わって禄を食むものとして「生還」を祈らずにはいられません。
現在、松田選手は「脳死状態」であるとも伝えられています。しかし、彼は必死で彼岸から此岸に戻って来ようと闘っています。
だから、私は祈り続けます。「ミキ」のような悲劇を繰り返さないように「ミキ」の銅像にも。。。
一日も一時間も一秒も早い松田直樹選手の「回復」を祈っています。
posted by 鰐部哲也 |07:53 |
コメント(1) |
トラックバック(0)
2011年08月01日
昨日(7月30日)は、2011/12年シーズンのスポルティングのサポーターへの「お披露目試合」=『スポルティングvsヴァレンシア』が行われたので、久しぶりに「ジョゼ・アルヴァラーデ」スタジアムに取材に行ってきました。
昨日、「ジョゼ・アルヴァラーデ」に集まった観客はなんと48,952人。昨シーズンのスポルティングの1試合平均観客数が24,857人であることを考えると、スポルティンギスタの期待の大きさがうかがえます。もちろん昨シーズンの公式戦のどの試合よりも多くの観客数を集めたことになります。
試合前の開幕セレモニーも、まず、スポルティングソシオ、会員番号1番のサルヴァドール・マルケス氏がピッチ中央の壇上に上がり、続いてスポルティングの往年の名選手が勢ぞろい。それぞれ、今シーズンのスポルティングの選手に新しいユニフォームを手渡していくという、華美なダンスやマスゲームとは無縁ですがスポルティンギスタの心をくすぐる演出を見せました。
その後、サプライズ演出でクラブのシンボルである”本物のライオン”がトラクターに牽引されてスタジアムに登場。さすがに檻の中に入っていましたが。。。
これには、スポルティングのライオンのマスコット、「ジュバ」も唖然。主役の座を”本家”に奪われ悔しそう?
一昨シーズンはリーガ4位、昨シーズンも最終節、ブラガとの直接対決を制して青息吐息でのでの3位滑り込みで低迷が続いたスポルティング。会長も昨年3月のソシオ選挙で当選したゴディーニョ・ロペス、SD(スポーツディレクター)には出戻りのカルロス・フレイタス、そして新監督にはブラガ躍進の立役者、ドミンゴス・パシエンシアを招聘。広報責任者にもポルトガルのテレビ局、TVIの美人リポーターだったイレーネ・パルマを据え、フロントの人事を刷新しました。
プレシーズンも積極的に選手補強を敢行。国内外から15人の選手を獲得しました。昨季からの残留選手を軸にしながら、各ポジションの層を厚くするという補強プランは明確で、国内メディアの下馬評も高かったのですが、このヴァレンシア戦は。。。
今シーズンのスポルティングの選手の背番号も発表されたので列記します。
1:ルイ・パトリシオ(GK)
2:アルベルト・ロドリゲス
3:ダニエル・カリーソ
4:アンデルソン・ポウガ
5:オグチ・オニェウ
6:エヴァウド
7:ボジノフ
8:スタイン・スハールス
9:ファン・ヴォルフスヒンケル
10:イズマイロフ
11:ディエゴ・カペル
12:マルセロ・ボエック(GK)
14:マティアス・フェルナンデス
16:ティアゴ(GK)
18:アンドレ・カリージョ
20:ヤニック・ジャロー
21:リナウド
22:ルイス・アギアール
23・エルデル・ポスティガ
25:ブルーノ・ペレイリーニャ
26:アンドレ・サントス
28:アンドレ・マルティンス
33:ディエゴ・ルビオ
34:ティアゴ・イロリ
47:ジョアン・ペレイラ
89:アティラ・トゥラン
カピタォン(主将)は、3:ダニエル・カリーソ。新顔が増えましたが、生え抜きの右ウィングで右SB、ブルーノ・ペレイリーニャをレンタル先のカヴァラ(ギリシャ)から呼び戻し、こちらも生え抜きのMF、アンドレ・マルティンスをレンタル先のピニャルノヴェンセから呼び戻しています。このアンドレ・マルティンス、166cmと小柄なんですが「ジョアン・モウティーニョ二世」と呼ばれている21歳の有望株です。
このメンバーの中に、移籍合意したと伝えられているバルセロナのFW、ジェフレンが加入する予定です。
この試合のスポルティングのスタメンです。前半と後半でメンバーを入れ替えたので前後半、それぞれ記すことにします。
【前半】
GK:ルイ・パトリシオ
DF:ジョアン・ペレイラ、ダニエル・カリーソ、オグチ・オニェウ、エヴァウド
MF:リナウド、イズマイロフ、スハールス、ヤニック
FW:ルビオ、ポスティガ
【後半】
GK:マルセロ
DF:ペレイリーニャ、ポウガ、ロドリゲス、エヴァウド
MF:アンドレ・サントス、アンドレ・マルティンス、カリージョ、ルイス・アギアール、カペル
FW:ヴォルフスヒンケル
前半のカピタォン(主将)はダニエル・カリーソ、後半は後半82分に交代するまでジョアン・ペレイラがキャプテンマークを巻きました。前後半共に4-4-2のシステムでしたが、後半途中で4-2-3-1にシフトしました。
この試合、結論から言ってしまうと、ファンの「お披露目試合」に選ぶ対戦相手の選択を間違ったということです。ヴァレンシアはスポルティングよりも一枚も二枚も上手。昨季のリーガ・ポルトゥゲーザ3位のクラブとリーガ・エスパニョーラ3位のクラブとの間には埋めがたい「実力差」があることを実感させられました。
前半5分にヴァレンシアのベルナットに押し込まれゴールを許してから、スポルティングは攻撃を組み立てるどころか「チームの体」を成していませんでした。スポルティングDFラインの選手がいずれもスピードがないので、いいようにDFラインのウラを取られて、そこに面白いようにスルーパスを通されます。スピードのあるヴァレンシア攻撃陣の突破を止めるのにいっぱいいっぱいで、攻撃どころではありません。全員守備に追われたと言っても良いでしょう。
また、ボールコントロールとトラップといったテクニックとってみても、ヴァレンシアに一日の長がありました。スポルティングは、中盤でのパスミスとトラップミスが多く、そこを狙われて相手の速いターンオーバーのきっかけを与えていました。
ヴァレンシアは、前半30分にエースのソルダードが個人技でゴール、前半41分にはスローイングからツープレーでピアッティが押し込み3点目。前半で3点のというビハインドは、スポルティングサイドもさすがに予想できなかったのではないでしょうか。
後半に入ると、65分にヴァレンシアは7人を一気に選手交代。これにて「一方的なスパーリング」は終了。あとは軽くパスを回して”パンチを出さずに””相手のパンチももらわず”ゲームセット。
せっかくホームの観客に「いいところ」を見せたかったところが、逆に完膚なきまでに叩きのめされたスポルティング。このヴァレンシア戦までにプレシーズンマッチ5試合を戦ったスポルティングは5戦5勝で、得点19、失点はわずかに1で、ちょうど一週間前には、カナダのトロントでユヴェントスを下しています。ある程度、自信を持って臨んだはずですが、”眠れる獅子”を叩き起こすには十分な3失点での完敗でした。
ただ、現時点でヴァレンシアはスポルティングが「勝てない相手」だったのは間違いありません。
試合後のスポルティング監督、ドミンゴス・パシエンシアのコメントです。
「とても悲しい結果になってしまったが、現時点で私が心配してるのは、私の考えや戦術を選手がちゃんと吸収しているのかということだ。サポーターに言いたいのは、私たちを信じて欲しいということ。スポルティングは今よりも必ず強くなるし、勝者として生まれ変わることをお約束する。タイトル獲得に向けてさらなるトレーニングを積んで努力していきたいと思う」
いよいよ、シーズン開幕まで二週間となりました。8月7日には、今シーズンの初タイトルを賭けた試合、「スーペルタッサ」(スーパーカップ)が『ポルトvsギマラエス』のカードで行われます。今度は”前年度王者”(ポルト)の仕上がり具合をチェックしてこようと思っています。
最後に告知&宣伝です。今日(8月1日)発売の『ワールドサッカーダイジェスト9月8日号増刊 2011-2012 ヨーロッパサッカー選手名鑑』にポルト、ベンフィカ、スポルティングの「トレス・グランデス(三強)」の新シーズンの紹介記事を書いてますので、ぜひ、ご覧になってください。
さらに今週水曜日(8月3日)発売の海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)に「U-20 ポルトガル代表」の特集記事及び「ジャメス・ロドリゲス(ポルト・U-20コロンビア代表)、「ヴィトール・ペレイラ(ポルト新監督)の記事を書いてますので、ぜひ、ご覧になってください。
posted by 鰐部哲也 |05:35 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年07月22日
昨日(20日)は、2011/12年シーズンのベンフィカのサポーターへの「お披露目試合」がフランスのトゥールーズを迎えて「ルス」スタジアムで行われたので取材に行ってきました。
今年のリスボンは冷夏です。昼間は気温はそれなりに上がるのですが、夜はぐっと冷え込む毎日が続いています。昨夜も寒風吹きすさぶ中での試合だったのですが、新シーズンへの期待でしょうか、33,416人の観客が集まりました。
二年ぶりのリーグ優勝を目指すベンフィカは、「トレス・グランデス(三強)」の中では、いち早く新シーズンを始動し、このプレシーズン、ここまでなんと19人の選手を補強(レンタル移籍の出戻りも含む)しました。現時点でトップチームに35人の選手を抱えています。このうち、10人以上はシーズンイン前に確実にレンタルもしくは売却されると見られています。この闇雲にも見える選手補強に疑問符を投げかける国内メディアや識者は少なくありません。この選手補強が奏功するかはもちろん、シーズン終了後に答えが出るわけですが、この「お披露目試合」では、その弊害が出たように思います。
まずは、今シーズンのベンフィカの選手の背番号も発表になったので列記したいと思います。
1:アルチュール・モラエス(GK)
3:エメルソン
5:ルーベン・アモリム
6:ハビ・ガルシア
7:オスカル・カルドーソ
8:ブルーノ・セザール
9:ノリート
10:パブロ・アイマール
11:フランコ・ハラ
12:ロベルト(GK)
13:ジュリオ・セーザル(GK)
16:ヌーノ・コエーリョ
17:カルロス・マルティンス
18:ダニエル・ワス
20:ニコラス・ガイタン
21:マティッチ
22:ロドリゴ・モラ
23:ウレッタ
24:ガライ
26:ダヴィド・シマォン
27:ミゲル・ヴィトール
28:アクセル・ウィトセル
30:ハビエル・サビオラ
33:ジャルデウ
34:アンドレ・アルメイダ
35:エンツォ・ペレス
37:ルーベン・ピント
40:ファビオ・ファリア
47:エドゥアルド(GK)
この中に、コパ・アメリカ参加で合流が遅れている4:ルイザォンと14:マキシ・ペレイラ、さらに契約合意したスペイン代表SBのジョアン・カプデビラ(背番号は38番になる予定)が入ってくることになります。サラゴザにレンタル移籍が決まっているGKのロベルトはベンフィカのユニフォームを着ての最後の試合になる予定でしたが、結局、出場機会はありませんでした。
ベンフィカの”10年選手”だったモレイラの「1番」、マントラスの「9番」、ヌーノ・ゴメスの「21番」を違う選手がつけているのを見るとベンフィカのサイクルがひとつ終焉したのを実感させられます。
この日のベンフィカのスタメンです。前半と後半で選手を7人入れ替えたので、前後半でそれぞれ記すことにします。
【前半】
GK:アルチュール・モラエス
DF:アンドレ・アルメイダ、ハビ・ガルシア、ファビオ・ファリア、エメルソン
MF:マティッチ、ウレッタ、アイマール、ノリート
FW:オスカル・カルドーソ、ブルーノセザール
【後半】
GK:エドゥアルド
DF:アンドレ・アルメイダ、ハビ・ガルシア、ガライ、エメルソン
MF:マティッチ、エンツォ・ペレス、ウィトセル、ガイタン
FW:サビオラ、ハラ
前半のカピタォン(主将)はアイマール、後半のカピタォンはハビ・ガルシア。前後半ともに昨シーズンと同じ4-4-2のシステムです。
この試合はあくまでプレシーズンのテストですから、内容は看過しなければいけないのでしょうが、特に前半のベンフィカは”酷い”という表現がぴったりでしょう。
ルイザォンの不在、ミゲル・ヴィトールの前試合(アンデルレヒト戦)での負傷で、主力のCBが欠場したこともあり、不安定なDFラインを指摘する国内メディアは多かったですが、私は、本来ボランチのハビ・ガルシアも左SBのファビオ・ファリアの「急造センターバック」は決してスマートとは言えませんでしたが、まずまずの守備を見せたと思います。特に今シーズンの戦術オプションとして、ここまでのプレシーズンマッチでCBでプレーする機会が多いハビ・ガルシアはヘディングでの競り合いに強いところを見せていました。
それよりも中盤の連携がお粗末でした。監督の指示なのか分かりませんがトップのブルーノ・セザール(本来はトップ下の選手)が二列目に下がってきてしまうので、ゲームメイカーのアイマールはボランチの位置でボールを回すしかありません。ボールを回している位置が低いので相手にとっては何の脅威にもなりません。相変わらずビルドアップは遅い(遅くならざるを得ない)ですし、球離れも悪いです。味方の動きや空いたスペースを見ていませんし、「狭いところに無理にパスを通そうとしてカットされる」の繰り返しでした。ダイレクトプレーがほとんどなかったのではないでしょうか。
やはり新戦力との連携、コンビネーションはまだまだ。戦術とシステムは昨シーズンと変わらないのですが、新戦力への浸透度が課題となりそうです。
前半で唯一光った選手がノリート。左サイドで自分でドリブルで切れ込んでシュートを打つ機会が何度もあり、この日、前半にCFに入った二人よりシュート意識の高さがうかがえました。ノリートのボールを持ってからのスピードのシフトアップは攻撃のアクセントとして有効でした。
後半は一転、トップ下にウィトセルが入り、左サイドにガイタン、トップにハラ、サビオラが入ったことでようやく歯車が噛み合い、スピーディーな攻撃ができたように思います。特にウィトセルは今月14日に合流したばかりのベルギー代表の新加入選手。早くも味方を上手く使い、左右にボールを散らしてピッチをワイドに使って攻撃の起点となっており適応能力の高さを見せました(アイマールとプレースタイルが違うので簡単に優劣はつけられませんが)。
しかし、「中盤での遅いボール回し」というのは指揮官のジョルジュ・ジェズスの志向する戦術なのでしょうか。攻撃のリズムを整えるのには有効ですが、どこかでフィニッシュを狙う動きを起こしたときにこのリズムを変化してスピードアップしなければいけないと思うのですが。。。
試合結果は、後半88分にガイタンの縦へのクロスをハビ・ガルシアがヘディングで中央へ折り返し、ジャルデウが混戦の中押し込んでゴール。1-0でベンフィカが勝利しました。
相手トゥールーズはその5分前にポルトガル代表で、ベンフィカ入りも噂されていたパウロ・マシャドがDFを引きつけ、絶妙の横パスをフリーのパントゥコートに送ったのですが”流し込むだけ”のシュートを外し、最大の得点機を逃していました。
試合後のベンフィカ監督、ジョルジュ・ジェズスのコメントです。
「一試合、一試合、(サポーターの)期待に応えられている。われわれは能力と資質の優れたチーム。新しい選手もまずまずの適応能力を見せて、持てる最高のプレーをしてくれたと思う。ディフェンシブな相手に対する今日の結果はポジティブに捉えている。」
ポルトガル国内の各クラブも合宿がひと段落して、実戦のプレシーズンマッチが真っ盛りです。
ちなみにポルトの「ホームお披露目試合」は7月24日(日)のペニャロール戦。スポルティングの「ホームお披露目試合」は7月30日(土)のヴァレンシア戦。ブラガの「ホームお披露目試合」は8月6日(土)のアストン・ヴィラ戦となっております。
posted by 鰐部哲也 |05:03 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年07月14日
今日(13日)は、U-20W杯に出場するU-20ポルトガル代表の壮行試合が「エスタディオ・ナシオナル(国立競技場)」で行われるということで取材に行ってきました。
先月30日で、自国開催の1991年のワールドユース(現U-20W杯)でポルトガルが優勝してからちょうど20周年になりました。12万7000人の観客が集った決勝の舞台、当時の「ルス」スタジアムは、ルイ・コスタのPKが決まってブラジルを下した瞬間、興奮と熱狂の坩堝と化しました。ちなみにこの大会以来、ポルトガルはU-20W杯での優勝はありません。
さらに、今日の壮行試合のカード『ポルトガルvsナイジェリア』は、ポルトガルがワールドユースで初優勝した1989年サウジアラビア大会の決勝とまったく同じカードになりました。1989年、1991年のワールドユースを連覇したU-20ポルトガル代表は「黄金世代」と呼ばれ、後のポルトガル代表の中心選手としてポルトガルを世界の強豪国へと押し上げたのはみなさんご存知のとおりです。
今回のU-20W杯コロンビア大会が2大会ぶり8回目の出場となるポルトガル、予選となったU-19欧州選手権ではオーストリアと同じ5位でかろうじて出場権を手にしました。
今日の試合のスタメンです。
GK:ミカ
DF:セドリック、ヌーノ・レイス、ティアゴ・フェレイラ、ルイス・マルティンス
MF:ダニーロ、セルジオ・オリヴェイラ、ペレ
FW:カエタノ、ラファエル・ロペス、ネルソン・オリヴェイラ
カピタォン(主将)はスポルティングユース出身で現在はブルージュ(ベルギー)にレンタルされているヌーノ・レイス。システムはフル代表と同じ4-3-3です。
一方、今回のU-20W杯コロンビア大会が4大会連9回目の出場となるナイジェリア、予選となったアフリカユース選手権では優勝。堂々の首位で出場権を手にしています。
こちらはスタメンは割愛させていただきますが、キーマンは背番号12番のウチェ。今シーズンからベンフィカに加入したFWの選手です。試合後の会見に参加したウチェ、「ベンフィカは偉大なクラブで入団することが出来てとても光栄に思う」とコメントしながら、憧れの選手にはスポルティング出身の「クリスティアーノ・ロナウド」を挙げ、メディアの失笑を買っていました。
ナイジェリアはトップ下を配した4-4-2のシステムでした。
18時(現地時間)にキックオフした試合は、前半から一見するとポルトガルがゲームを支配しているように見えましたが、ナイジェリアの最終ラインの堅守が光りました。打点の高いヘディングでのクリアと泥臭いタックルでのボールカットにポルトガルの攻撃陣は手を焼きました。
ポルトガルは攻撃が単調でしたね。最終ラインから中盤を省略したロングボールを最前線のカエタノ、ネルソン・オリヴェイラの両ウィングに当てて、あわよくばこぼれ球をCFのラファエル・ロペスが押し込むという攻撃に終始し、およそ”ポルトガルらしくない”サッカーをしていたように思います。確かにCBのティアゴ・フェレイラの前線へのフィードは性格なのですが、前線の三人がボールが足元に収まらない。トラップミスが多かったです。
中盤のナイジェリアのプレスはそんなに激しくなかっただけに、もっと中盤で速いパスを回してしっかりビルドアップしたほうが良かったように思うのですが、ボランチのダニーロは常に後ろを向いてボールをもらってバックパスを繰り返すばかり。CBのヌーノ・レイスとティアゴ・フェレイラのカバーリングがしっかりしていただけにもっとリスクを冒して攻めても良かったのではないでしょうか。
前半の終盤になるとウィングのネルソン・オリベイラが中央に絞って長身を活かしたクサビのポストプレーで攻撃の打開策を図ったのですが、味方との呼吸が合いませんでした。昨シーズン、レンタル先のパッソス・デ・フェレイラでまずまずの活躍を見せ、今シーズンからベンフィカに戻ってきたネルソン・オリヴェイラ。今日の”お目当て”のひとりだったんですが、DFの裏へ抜け出すタイミングは及第点でしたが、トラップミスが多く、シュートを打ちきれなかったのが課題として残りました。
試合の方は、後半52分、53分にナイジェリアがGKも含む7人を交代してから動きます。
後半59分にペナルティエリア内でナイジェリアのフェリックス・オドゥが悪質なファウルで一発レッドカードで退場。ポルトガルは最大の”得点チャンス”であるPKを獲得します。しかし、ゴール左上を狙ったセルジオ・オリヴェイラのシュートを交代したばかりのGK、ガンボがスーパーセーブ。ポルトガル痛恨のPKミスで先制のチャンスを逃してしまいます。
後半68分には、先ほどスーパーセーブを見せたナイジェリアのGK、ガンボが負傷。GKの交代枠を使い果たしていたナイジェリア、なんとフィールドプレーヤーのジャミウ・アリミを”急造GK”として送り込みます。当然、嵩にかかって攻めたてるポルトガル。しかし、ナイジェリアDF陣の鬼気迫るディフェンスもあって、とうとうゴールを割ることは出来ませんでした。
非常にフラストレーションの残る、課題山積みの0-0のスコアレスドローに終わりました。
今日のU-20ポルトガル代表。フル代表と同じくCFの決定力不足が浮き彫りになりましたし、両SBの攻撃参加が少なく、攻撃にバリエーションを与えることができませんでした。特に昨シーズン終盤、スポルティングでトップデビューを果たした右SBのセドリックには期待していたんですが。。。
昨日までポルトのドイツ合宿に参加し、アニバル・カペラ(ブラガ)の合宿中の負傷離脱で、今日の試合のため急きょ緊急招集されたCBのティアゴ・フェレイラのコメントです。
「アニバルの負傷で急にセレソン(代表)に呼ばれて驚いたよ。昨日、ドイツでポルトのスタッフから『明日、リスボンに飛べ』って言われて最初は訳が分からなかった。U-20W杯のメンバーに入るかどうかは分からないけど、出場できるなら今度はコロンビアに飛ぶよ(笑)。ダヴィド・ルイス(チェルシー)に風貌がそっくりだって?まだ、彼のような世界レベルのプレーは出来ないんで同じような期待はしないでほしいね(笑)。」
ちなみにU-20ポルトガル代表の本大会最終メンバーは明日(14日)か明後日(15日)に発表される予定ですが、監督のイリディオ・ヴァレは今日の試合後の会見で、U-20代表合宿には参加せずにベンフィカのスイス合宿に帯同していた、CBのロデリックの招集を明言しました。
U-20W杯コロンビア大会は、7月29日から8月20日にかけて開催されます。
ポルトガルはグループBに入りました。対戦カードは以下のとおり。
・7月30日:ポルトガルvsウルグアイ(カリ)
・8月2日:ポルトガルvsカメルーン(カリ)
・8月5日:ポルトガルvsニュージーランド(カリ)
ポルトガルは、今週金曜日(15日)に直前合宿地のパナマに入り、メキシコ、パナマとのテストマッチを行って、大会開催地のコロンビアに入ります。
ぜひ、若きポルトガル代表の本大会での活躍にも注目してください。
posted by 鰐部哲也 |10:24 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年07月06日
散々、もったいぶらせたブラガ首脳のインタビュー取材ですが、今日(5日)の昼過ぎに無事に終わりました。
今回、単独インタビューに快く応じてくれたのは、トップの写真を見ていただければもうお分かりですね。
現ブラガSD(スポーツ・ディレクター)で元ポルトガル代表、「黄金世代」の頼れるカピタォン(主将)ことフェルナンド・コウトです!
大学の卒業旅行でポルトガルを旅してポルトガルにシンパシーを感じ始めていた私にとって、その翌年にTVで観たEURO1996のポルトガル代表のサッカーは衝撃的でした。ピッチで披露される「美しすぎるパスサッカー」に魅了され、すぐさまその虜になりました。そのポルトガル代表の中心選手が、1989年、1991年のワールドユース(現U-20W杯)で連覇を成し遂げ、「黄金世代」と呼ばれたフィーゴ、ルイ・コスタ、パウロ・ソウザ、ジョアン・ピント、ジョルジュ・コスタ、そしてフェルナンド・コウトといった選手でした。
私にとって、ポルトガル代表の「黄金世代」の選手たちは現役を退いた今もなお、憧れの存在であり続けています。ですから、今日の約1時間超のインタビューは、本当に夢のような時間であったと同時に「ジャーナリストとして“憧れの存在”にインタビューする」という夢が叶った瞬間だったのかもしれません(プロのサッカージャーナリストがこんなことを言っていてはいけないのは重々承知しています)。
フェルナンド・コウト。見た目は強面なんですが、口調は穏やかで私の拙いポルトガル語の質問にも真摯に丁寧に答えてくれました。質問内容は多岐に渡り、質問事項も多かったので(個人的に聞いてみたい質問も用意していたので)、かなりの時間を拘束してしまったわけですが、嫌な顔ひとつせずに応対してくれました。
これまで何人かのポルトガル代表クラスの選手にインタビューしてきましたが、皆、取材者へのさりげない気遣いを怠らない“いいひと”なんですよね。フェルナンド・コウトもその例に漏れず、非常に男気のある親切な好人物でした。しかも、今日は急きょ予定されていたブラガの練習が中止。私のインタビューのためにわざわざスタジアムまで出向いていただいて気持ち良く取材をさせていただいたことに、ただただ感謝です。
非常に興味深い、サプライズとハプニングもあったのですが、それはこのインタビューの掲載媒体(雑誌)で記事にして発表したいと思います。掲載媒体名は、また追って当ブログでもお知らせします。来月8月に発売予定の雑誌に掲載される予定です。
posted by 鰐部哲也 |03:21 |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2011年07月05日
ただいま、ブラガに取材に来ております。
本来のミッションは、とあるブラガ首脳のインタビューなのですが、インタビューは明日(5日)にアポを取っているので、前泊前乗りで今日(4日)リスボンからブラガに長距離バスで約4時間半かけてやって来ました。
まずはトップ写真のヌーノ・ゴメス。6月30日にブラガと一年契約で合意、7月1日のブラガの新シーズン始動に合わせてチームに帯同していますが、意外とブラガのトレーニングシャツ似合っているのではないでしょうか。
今日の17時30分からの練習はファンにも公開されたのですが、練習中、「ヌーノ!」の声援が止むことはなく、練習後も写真とサインを求めるファンが長蛇の列をなして移籍早々、ブラガ一の人気選手になってしまったようです。
3年前にインタビューをしたこともあってか、私の顔を見るやいなや驚いた顔で肩を叩きながら声をかけてくれました。「(ポルトガルの)北部に引っ越してきたの?」と聞いてきたので、「いや、まだリスボンにいるんだ。」と答えたら、「なんだ。早くブラガに引っ越しておいでよ。」と笑顔でかましてきました。「ブラガには慣れた?チームの雰囲気はどう?」って質問すると、「見てのとおり。ファンの心はつかんだみたいだね(笑)。チームメイトも僕をリスペクトしてくれるし、キム(元ベンフィカの同僚)やウーゴ・ヴィアナ(元ポルトガル代表の同僚)がいるからすぐにチームに溶け込めたよ。何の問題もないね。」と答えてくれました。
ポルトガル国内では相変わらずの人気者、そして相変わらずの好漢です。ヌーノ・ゴメス、明日(7月5日)の誕生日で35歳になります。
ブラガの練習を取材した感想ですが、とにかくバリエーションが多いのと新監督のレオナルド・ジャルディンがホイッスルとストップウォッチを両手に選手の中に入って細かく指示を出しているのが印象的でした。あとは練習時間が三強と比べると長いですね。17時30分に始まった練習が終わったのが19時30分前でしたから約2時間みっちり練習したことになります。
今日練習に参加したのは25人。黄色ビブス組(8人)、オレンジビブス組(8人)、ビブスなし組(9人)の3組に分かれてシュート練習とミニゲームを行ったのですが、このチーム編成で各チームの重点が分かりました。黄色ビブス組のトップに入ったのはヌーノ・ゴメスとリマ、トップ下にウーゴ・ヴィアナを置いて攻撃のコンビネーションを強化、オレンジビブス組は中盤下にクストディオ、最終ラインにヌーノ・アンドレ・コエーリョを置いて守備のコンビネーションを強化。ビブスなし組はアラン、モッソロを両サイドに置いて昨シーズンまでのシステムの強化。非常に練習目的が明確で分かりやすかったです。と同時にこの時期に早くも戦術確認に時間を割いていることから新シーズンへのブラガの本気度を垣間見ることができました。
練習中、日本人記者の取材が珍しいのか、明日のインタビューのアポをすでに取ってあるからなのか、ブラガの広報統括責任者となんと会長のアントニオ・サルヴァドールが私の横につきっきりで、チームの現状や裏話等を懇切丁寧に説明してくれました。私は、ポルトガル国内ではブラガはすでに「三強」(ポルト、ベンフィカ、スポルティング)に次ぐ強豪クラブという認識があるので、会長自らが一ジャーナリストに説明してくれるということ自体、恐縮すると同時に新鮮で好感を持ちました。「三強」なら会長に近づくことさえ許されませんから。。。
メディアに対して「取材していただいてありがとうございます」という謙虚な姿勢がまだ残っているんでしょうね。ブラガは。そしてこちらも「取材させていただいてありがとうございます」という態度で取材に臨めばお互い非常に良好な関係が築けますよね。「三強」の取材の規制と管理が年々厳しくなっているだけに、余計に考えさせられました。
ブラガは、7月16日まで地元で練習を行い、7月17日から7月24日まではポルトガル最北部、スペインとの国境に近い田舎町のメルガソという場所で合宿に入ります。7月27日から8月2日までは南アフリカのヨハネスブルクで二回目の合宿があり、二試合のプレシーズンマッチ(相手未定)を行う予定。8月6日にホームの「アクサ」スタジアムでアストン・ヴィラと最後のプレシーズンマッチを行って翌週、リオ・アヴェとのリーガ開幕戦に臨みます。
明日はいよいよメインのインタビュー取材。私がポルトガル代表の一ファンとして日本でTV観戦していたときにポルトガル代表として活躍していた憧れの元選手のひとりにインタビューを敢行してきます。また、当ブログでも追って「誰にインタビューしたのか」発表したいと思います。
posted by 鰐部哲也 |07:43 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年07月02日
まず最初にお詫びと訂正がございます。
当ブログの2011年6月15日のエントリー記事で今シーズン(2011/12年シーズン)から、リーガの呼称が「LIGA BANIF(リーガ・バニフ)」に変更になるとお伝えしましたが、「BANIF(バニフ)」はリーガのネーミングライツを獲得したわけではなく、ポルトガルリーグの筆頭スポンサーという位置づけのようです。ですので、今シーズンもポルトガルリーグ一部は「LIGA ZON SAGRES(リーガ・ゾン・サグレス)」、ポルトガルリーグ二部は「LIGA ORANGINA(リーガ・オランジーナ)」という呼称に変更はありません。「BANIF(バニフ)」は、リーガのオフィシャルバンク(銀行)として「リーガ・ゾン・サグレス」と「リーガ・オランジーナ」を財政的にサポートしていくことになりました。
もちろん、来シーズン以降ネーミングライツも獲得して「LIGA BANIF(リーガ・バニフ)」となる可能性は大いにありますが、現時点では変更はございません。確認不足で間違った情報を掲載してしまいましたことをお詫び申し上げます。
さて、そのポルトガルリーグですが、昨日(6月30日)にLPFP(ポルトガルプロフットボールリーグ)の総会がポルトで開催され、昨シーズン(2010/11年シーズン)の表彰者が発表されました。
まずは、昨シーズンの「リーガ・ゾン・サグレス」(一部)表彰選手は以下の通りです。
・リーガMVP:フッキ(ポルト)
・リーガ最優秀GK:エウトン(ポルト)
・リーガ新人王:ニコラス・ガイタン(ベンフィカ)
・リーガ最優秀監督:アンドレ・ビラス・ボアス(ポルト)
・リーガ最優秀審判:ペドロ・プロエンサ
・リーガ最優秀クラブ責任者:アントニオ・サルヴァドール(ブラガ)
MVPは得点王とアシスト王を獲得したフッキで異論はないでしょう。EL(ヨーロッパ・リーグ)の活躍でファルカオ選出も噂されましたが、あくまでもリーガの表彰なのでフッキに分がありましたね。新人王が少し意外でしたが、実質リーガ1年目の選手というとあまり該当者は見当たりません。強いて挙げればパッソス・デ・フェレイラのU-21ポルトガル代表のダヴィド・シマォン(現ベンフィカ)ぐらいですが、一年トータルで見るとガイタンのパフォーマンスと貢献度が高かったということでしょう。最優秀審判のペドロ・プロエンサは1998年にFIFA公認レフェリーになり、昨シーズンもCL準決勝の2nd.レグ、[マンチェスターユナイテッドvsシャルケ」戦の主審も務めた国際経験豊かな審判です。最優秀クラブ責任者はアントニオ・サルヴァドールに諸手を挙げて賛成です。この二シーズン、クラブ史上最高位のリーガ2位、CL本戦出場、EL準優勝と数々のクラブの歴史を塗り替え、「三強に次ぐ位置」を不動にしたブラガにおけるクラブマネージメントの手腕は大いに評価できます。
リーガMVPを受賞したフッキのコメントです。
「この賞を受賞することができてとてつもなく大きな満足感でいっぱいです。神様のおかげで、過去のシーズンでは起こりえなかった素晴らしいシーズンを送ることができました。スーペルタッサ、リーガ、EL、ポルトガル杯と数々のトロフィーを勝ち獲れたのは、ポルトというひとつの結束したグループのおかげです。私一人の力ではありません。(ポルトから)去ることを考えているかって?まだ(ポルトとの)契約は5年あります。」
リーガ新人王を受賞したガイタンのコメントです。
「こうしてサッカー関係者の前で紹介されるのは光栄です。しかし、スピーチのために壇上に上がるよりプレーするためにピッチに入るほうが楽ですね。ヨーロッパ挑戦一年目でこうした賞をもらったことに嬉しい気持ちと同時にとても驚いています。今シーズンは最高のシーズンになるようモチベーションを強く持って、日々のトレーニングに励みたいと思います。」
昨シーズンのリーガ表彰と共に今シーズン(2011/12年シーズン)のドローと日程も発表になっています。リーガ開幕は8月14日(の週末)で、開幕カード(左がホームチーム)は、
・ギマラエスvsポルト
・ジウ・ヴィセンテvsベンフィカ
・スポルティングvsオリャネンセ
・リオ・アヴェvsブラガ
・フェイレンセvsナシオナル
・マリティモvsベイラ・マール
・ヴィトリア・セトゥバルvsパッソス・デ・フェレイラ
・ウニオン・レイリアvsアカデミカ・コインブラ
となっています。
さらに注目カード、クラシコとデルビー(リスボンダービー)は、
・ポルトvsベンフィカ(第6節、9月25日の週末)
・ベンフィカvsスポルティング(第11節、11月27日の週末)
・スポルティングvsポルト(第14節、2012年1月8日の週末)
となっています。
ちなみに「LIGA ZON SAGRES(リーガ・ゾン・サグレス)」(一部)の日程はこちらで確認できます。
新シーズン開幕まで、約一ヶ月と二週間。待ち遠しいです。
posted by 鰐部哲也 |05:56 |
コメント(0) |
トラックバック(0)