2007年12月16日

ブログ「冬休み」のお知らせ

20080106-01.jpg


 突然ですが当ブログ「ポルトガル “F”の魂」は約3週間ほどお休みさせていただきます。
私事ながら、管理人の私、日本に一時帰国することになりました。ポルトガルに戻ってくるのは来年の1月4日の予定です。
いつも当ブログをご愛顧いただいている皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、来年、2008年もよろしくお願いいたします。

 それでは良い年末年始をお迎えください!

 「ポルトガル “F”の魂」管理人/鰐部哲也


  • 共通ジャンル:

posted by 鰐部哲也 |09:43 | コメント(6) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年12月13日

CL最終節-終わりよければすべてよし-

ジョゼ・アルヴァラーデ 2007・12・12


 たった今、「ジョゼ・アルヴァラーデ」スタジアムから帰ってきました。それにしても今夜のリスボンは寒かったですね。今年一番の冷え込みだったんじゃないでしょうか?昨年の今頃も同じスタジアムでスポルティングvsスパルタク・モスクワのCL最終節を取材して、同じくめちゃくちゃ寒い夜で翌日風邪を引いたのを覚えています。

 というわけで、CL最終節、スポルティングvsディナモ・キエフの試合を取材してきました。この試合、スポルティングはグループFの3位は既に確定しているので、負けても順位変動のない言わば「消化試合」でした。
さらに最近のスポルティングのリーガでの不調もあってこの日の観客はCLの試合というのにたったの19,402人。
ただ記者席だけは「満員御礼」で、なぜか多くのウクライナ人記者が集まってしまいました。まぁ、彼らも一様にスポルティングのオフィシャルショップの袋を抱えて、取材ノートを取るでもなく、完全に「ポルトガル観光モード」全開だったわけですが。。。

 ただ試合のほうは、予想に反してスポルティングが頑張りました。それも「一軍半」のメンバーで。スポルティングが完全に相手を叩きのめした”快勝劇”を観たのは本当に久しぶりのような気がします。

 この日のスポルティングのスタメンは、
GK:ルイ・パトリシオ
DF:アベウ(左SB)、アンデルソン・ポウガ、トネル(CB)、ロニー(右SB)
MF:アドリエン・シルヴァ(ボランチ)、ジョアン・モウティーニョ(トップ下)、ファルネルド(右W)、イズマイロフ(左W)
FW:プロヴィッチ、リエドソン(トップ)
カピタオン(キャプテン)はジョアン・モウティーニョ、4-4-2の布陣です。まず、GKではストイコヴィッチが完全に監督の構想から外れましたね。生え抜きの19歳GKを本気で正守護神として育てるようです。DFラインはいつもと同じですが、ボランチにはこれまた弱冠18歳のアドリエン・シルヴァを大抜擢、さらにファルネルドを今季のリーガ、CLの試合では初のスタメン起用。
今やスポルティングの大黒柱であるミゲル・ヴェローソも攻撃の核であるロマニョーリもベンチ温存という思い切った選手起用をしてきました。

 19時45分、いわゆる「CL時間」にキックオフされた試合は、序盤は凡庸な球蹴り合戦に終始します。確かにスポルティングのイズマイロフとジョアン・モウティーニョは頻繁にポジションチェンジを見せて速い攻めを試みましたが、右SBのロニーのクロスが精度を欠いたり、プロヴィッチがトラップミスを繰り返したりと、ゴールの”匂い”全くしませんでした。
ただ、完全に試合を支配していたのはスポルティングでした。
そして前半34分、右サイドからペナルティエリアに侵入したリエドソンが相手DFのネスマチニーに体当たりされて倒されます。
当然PKの判定。前半35分、これを蹴るのは、10日前に同じ場所でPKを外しているアンデルソン・ポウガ。しかし今日は決めました。ゴール!1-0。
ポウガは今日の試合がスポルティングでの公式戦出場175試合目で通算2ゴール目を決めました。ちなみにスポルティングでの初ゴールも今季のCL第2節のアウェーのディナモ・キエフ戦、よっぽど相性が良いのでしょう。

 後半に入ると51分に左サイド、シャツキフのクロスに合わせたフリーのレブロフがシュートを放ったのを皮切りに、左右からのCKなどからチャンスを得てしばらくは「ディナモ・キエフの時間帯」が続きます。
しかし、後半61分、周りが見えていない独善的なプレーを見せていたロニーに代えてミゲル・ヴェローソが満を持して投入されると、再びスポルティングがペースを握り返します。
そして後半67分、左サイドをドリブルで抉ったイズマイロフのクロスに中央、走りこんだジョアン・モウティーニョがシュート。これが鮮やかにゴールネットを揺らしました。2-0。
そして試合終了間際の後半89分に、途中交代で入ったブクチェビッチが左サイドをドリブルで上がってファーサイドへ低い弾道のクロス一閃、これに右足を投げ出すような形で押し込んだのがリエドソン。ゴール!3-0。駄目を押しました。リエドソンはこのシュートの瞬間に相手GKと衝突してそのまま担架で運ばれ退場してしまいました。
そのまま主審のスチュアート・デューガルのタイムアップの笛がリスボンの寒空に響き渡り、スポルティングが3-0でディナモ・キエフを下しました。まさに”完勝”です。

 ただ、この日の対戦相手、ディナモ・キエフは弱すぎました。勝っても負けても最下位でCL敗退が試合前から決まっていたので、モチベーションは著しく低下していたのは分かりますが、それにしても酷いチームでした。
パス回しもオーソドックスでアクセントがありませんし、速いカウンターアタックも皆無でしたし、クロスの精度もトラップの精度もありませんし、前線はウラへ抜け出すスピードもありません。全体的に「遅くてのろいサッカー」を展開するチームでした。
これでは、相手は全く怖くもないでしょうし、観ているほうからしたら全くつまらないチームです。
この日、あえてディナモ・キエフで良かった選手を探すなら右ウィングのグゼフともっと大量失点をしていてもおかしくなかった試合で何度も好セーブを見せたGKのルツェンコだけでしょう。
結局、今季のCL本選参加32チーム中、唯一6試合全敗で勝ち点0となったディナモ・キエフ。こんなチームがなぜCLの舞台に上がってこれたのか不思議でなりません。
だいたい、現在絶不調の上、主力を温存した「一軍半」のスポルティングに3点も献上して完敗している時点で「弱すぎる」というのはこの目でしっかり認識できましたが。。。
1998/99年シーズンにシェフチェンコを擁してCLでベスト4まで進出した「ウクライナの雄」もすっかり落ちぶれてしまったということでしょう。

ルイス・パエシュ 2007・12・12


 実はこの試合で、個人的に楽しみにしていた選手がいました。後半86分に途中交代で入ったルイス・パエシュ(写真)という選手です。
今年の9月27日に、スポルティング、ジュニアチーム監督のジョゼ・リマさんに「ストライカー」をテーマにインタビューさせていただいた(当ブログの10月23日のエントリーをご参照ください)のですが、そのときに『今、あなたのチームで将来、トップチームでプレーできる可能性を持った有望なストライカーはいますか?』という質問に真っ先に名前を挙げたのがこのルイス・パエシュでした。ジョゼ・リマさんは『パエシュは高さがあってフィジカルが強く、ヘディングが素晴らしい。トップチームでプレー出来る可能性を持った選手だと信じています。』と答えてくれました。
このルイス・パエシュ、パラグアイ出身の189cmの大型CFで、まだ17歳。実は先週土曜日のポルトガル杯4回戦でトップチームでの公式戦デビューは飾っているのですが、17歳でのCLの桧舞台出場は感激もひとしおでしょう。
私も多分ジョゼ・リマさんもこんなに早くトップチームデビューを飾るとは思っていませんでした(いなかったはずです)。
今日(12日)の試合では、4分間の短い出場時間の中で後半88分には、左サイドのミゲル・ヴェローソの長いクロスにダイビングヘッドでシュートを撃って”可能性”を大いに感じさせました。
試合後、ルイス・パエシュは「とてもいい気分だったけど、上手くプレーできるか少し不安だったよ。CLの舞台に立つなんてことは夢の中での出来事だったからね。でも現実に起きたことなんだね。」と初々しいコメントを残してくれました。
将来、オスカル・カルドーソではなくてロケ・サンタクルスを超えるようなパラグアイを代表するCFになって欲しいものです。
個人的にはポルトガルに帰化してポルトガル代表のユニフォームに袖を通すのを見てみたい気がしますが。。。

 昨日「ドラガオン」スタジアムで行われた、CL最終節、ポルトvsベジクタシュ戦ではルチョとクアレスマのゴールでポルトが2-0で勝利。余裕のCLグループリーグ首位通過を決めました。
これで、ポルトガル勢は先週のベンフィカも含めて、3チームとも最終節を勝利で飾ったことになりました。

 今シーズンのCLグループリーグのポルトガル勢の結果です。
【グループA】
1位:ポルト(勝ち点11)→CL決勝トーナメント進出
2位:リヴァプール(勝ち点10)
3位:マルセイユ(勝ち点7)
4位:ベジクタシュ(勝ち点6) 

【グループD】
1位:ACミラン(勝ち点13)
2位:セルティック(勝ち点9)
3位:ベンフィカ(勝ち点7)→UEFAカップ出場権獲得
4位:シャフタール・ドネツク(勝ち点6)

【グループF】
1位:マンチェスター・ユナイテッド(勝ち点16)
2位:ASローマ(勝ち点11)
3位:スポルティング(勝ち点7)→UEFAカップ出場権獲得
4位:ディナモ・キエフ(勝ち点0)

 チーム力やグループの組み合わせを考えれば、ポルトガル勢は3チームともそれなりの結果を出したのではないでしょうか。
ポルトは比較的楽なグループで、途中のリヴァプールの躓きもあり運も味方しました。その中できっちり首位でグループリーグ突破を決めたのはやはり「王者の貫禄」でしょう。
ベンフィカは当初のチーム状態からしたらUEFAカップ出場権獲得は上出来でしょう。残り2節のミラン戦、シャフタール・ドネツク戦では「強いベンフィカ」を見せることが出来ました。もう少し早くチーム作りが形になっていればセルティックよりも上に行けたとは思います。
スポルティングは、一番厳しい組み合わせの中で、CLでは好ゲームを展開しました。ホームのローマ戦も「勝っていた試合」でしたし。ただ上位2チームとの地力の差は明白ではありました。その中でクラブ史上初のCLでのアウェーゲームの勝利を飾り、グループリーグでの勝ち点7もクラブ史上最多タイ記録です。UEFAカップ出場権獲得は大いに胸を張っていいと思います。
 というわけで、それぞれ目標は違いますが、2008年もまだポルトガルの3チームを「ヨーロッパの大舞台」で観ることが出来るのは本当に良かったです。
私事では、来年も取材に飛び回ることになりそうで”嬉しい悲鳴”です。
来年もこの3チームを応援しましょう!

【告知】
最後に告知&宣伝です。日本では昨日(12日)発売のサッカー雑誌『ワールドサッカーダイジェスト エクストラ』1月号の特集「EURO2008選手名鑑」にてポルトガル代表GKのリカルド(ベティス)のコラムを書いております。ぜひご覧になってみてください。


  • 共通ジャンル:

posted by 鰐部哲也 |08:35 | コメント(3) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年12月11日

ポルトガル杯4回戦

オスカル・カルドーソ&ベンフィカ選手 2007・12・9


 
 先週末に行われた、ポルトガル杯のレポートです。この4回戦からリーガ(一部)のクラブが登場するとあって、リーガ(一部)同士の対戦となったベンフィカvsアカデミカ・コインブラの一戦の取材に行ってきました。
ちなみに1939年6月15日に行われた初めてのポルトガル杯決勝で初代王者となったのは実はアカデミカ・コインブラ。
そのとき4-3で下した対戦相手はベンフィカでした。
つまり昨日(9日)行われたカードは、最初のポルトガル杯決勝のカードと同じだったわけです。
 
ルススタジアム 2007・12・9


 とは言っても客足は非常に鈍かったです。私が乗った「ルス」に向かうメトロ(地下鉄)の車両の中でベンフィカのマフラーを巻いたポルトガル人がひとりもいなかったことから、「あれ?日にちと時間を間違えたのかな?」と本気で心配したぐらいです。結局、キックオフ5分前のスタジアム(写真)も一向に埋まる気配はなく、今季最低の観客動員の11,516人に止まりました。
ちなみにこの新しい「ルス」スタジアムが出来てからの史上最少の観客動員記録は5000人というのがあります。2004年10月28日のこちらもポルトガル杯、オリエンタル戦です。私もすでにポルトガルに住んで、ベンフィカのソシオになっていたと思うのですが、この試合が開催されたことすら覚えていません。

 この日のベンフィカのスタメンは、
GK:ブット
DF:ネルソン(右SB)、ルイザオン、エドカルロス(CB)、レオ(左SB)
MF:ビニャ、プティ(ボランチ)、ヌーノ・ゴメス(トップ下)、ヌーノ・アシス(右W)、ディ・マリア(左W)
FW:オスカル・カルドーソ(トップ)
カピタオン(キャプテン)はヌーノ・ゴメス、4-2-3-1の布陣です。
クリスティアン・ロドリゲスとマキシ・ペレイラのウルグアイ代表コンビとカツラニスは「休ませる」ということで招集メンバーからも外れ、ベンチ入りもしませんでした。ルイ・コスタは元々、使う気はなかったでしょうが温存でベンチスタート。練習試合でハットトリックをしたマントラスが久しぶりにベンチ入りしました。

 20時45分にキックオフされた試合は、序盤からアカデミカが中盤で激しいプレスをかけてきましたが、程なくベンフィカが試合のペースを握ります。前半8分にはディ・マリアの左CKにエドカルロスガアタマで合わせて、このシュートがゴール右ポストを叩いて惜しくもシュートなりませんでしたが、「いい形」で試合に入ることになります。
この日は、トップ下に入ったヌーノ・ゴメスの「ゲームメイカー」としての動きが秀逸でした。攻撃の起点となって左右に上手くボールを散らしていましたし、時にはトップのカルドーソとスウィッチして、自らがターゲットになったりと、チャンスを数多く演出していました。
 そのヌーノ・ゴメスの絶妙な横パスをフリーで外したり、プティの技ありのループ気味へのタテへのクロスをトラップミスして自滅したりしていたのが「お約束の」オスカル・カルドーソだったんですが。。。
前半40分にヌーノ・アシスの左CKに合わせたルイザオンの見事なヘディングシュートが決まって、ベンフィカが1-0と先制すると、
前半終了間際の45分でした。中央でボールを拾ったレオがそのままドリブルで上がって長いスルーパスを左に通します。これに抜け出し、反応したオスカル・カルドーソ、今度は得意の左足できっちり決めました。ゴール!2-0。

 まぁ、これで試合は「決まった」と誰しも思っていたはずです。しかし、あきらめていなかったアカデミカ・コインブラ。既に「勝負が決した」と弛緩し、油断したベンフィカの隙を突いてきました。
後半47分の中央、ヌドイェの右サイドへのパスにペドロ・コスタがすかさずクロス、リトがシュートを放ったのを皮切りに、怒涛のシュート攻勢を見せます。(終わってみればベンフィカを上回る12本のシュートを放っていました)
そして後半53分、ヌドイェのミドルシュートにその位置から撃ってくるとは思っていなかったかのような遅れた反応を見せた、ブットの指先をかすめてボールはゴールネットを揺らします。2-1。アカデミカ反撃です。
このヌドイェ、セネガル国籍の選手ですが、2004/05年シーズンにベンフィカが11年ぶりに優勝を決める直近の試合で、当時ペナフィエル(現二部)所属で決勝ゴールを決め、優勝争いを最終節までもつれ込ませた張本人でもあります。
その後も、アカデミカペースで試合は進み、ベンフィカは「攻撃の意図」を持ってボール回しがまったくできません。
しかし、後半86分、プティが放った左CKはファーサイドヘ大きく流れます。これを拾ったヌーノ・アシスからボールを受けた右サイドにいたヌーノ・ゴメスがセンタリング、これにヘッドで押し込んだのがまたもやオスカル・カルドーソでした。ゴール!3-1。
結局、後半ほぼワンチャンスをゴールに結びつけたベンフィカがアカデミカ・コインブラを3-1で下して次に駒を進めました。

 後半だけを見ると、アカデミカ・コインブラも十分同点どころか、逆転できた試合でした。特に動きが良かったのが、背番号7、左ウィングのエルデル・バルボーサ。ポルトユース育ちの現U-21ポルトガル代表選手ですが、こんなにテクニックもあってスピードのある選手だとは思いませんでした。ベンフィカのDF二人に囲まれても簡単にフェイントでドリブルで抜き去っていきますし、積極的にミドルシュートを撃つ姿勢も好感が持てます。
後半65分、このエルデル・バルボーサがフェイントで二人を抜き去って放ったミドルシュートがゴールポストを叩いていなかったら、アカデミカは同点に追いついていたわけですから。
まだ20歳の選手ですが、この日、同じ左ウィングに入ったベンフィカのディ・マリアよりも技術、スピード、シュート力は全部レベルは上だったように思います。
しかし、ポルトガルは「ウィングの逸材」は次から次へ出てきますね。

 その他の試合ですが、先週金曜日(7日)に行われた試合では、明日(11日)のCL、ベジクタシュ戦を見据えて実に主力を9人も温存した、ポルトがアウェーでデスポルティヴォ・ダス・シャベス(三部)に2-0で勝利。
土曜日(8日)にはホームでスポルティングがロウレタノ(三部)に4-0で快勝、ポルトガル杯二連覇に向けて好発進をみせました。
今回の4回戦では「大物食い」の波乱はなかったのですが、昨季のポルトガル杯準優勝チーム、ベレネンセスがホームでパッソス・デ・フェレイラ相手に2-2、延長でも決着がつかずに、PK戦で4-5とまさかの敗戦。昨季のファイナリスタが早くも姿を消すことになりました。
ポルトガル杯5回戦の組み合わせ抽選は12月12日(水)、12時30分よりFPF(ポルトガルサッカー協会)本部で行われます。

 さて、明日(11日)、明後日(12日)はCL最終節です。明日、ポルトはホームでベジクタシュに引き分け以上で、CL決勝トーナメント進出が決定します。
明後日、スポルティングはディナモ・キエフと対戦。すでにUEFAカップ出場が決まっていますが、勝利で締めくくって欲しいものです。


  • 共通ジャンル:

posted by 鰐部哲也 |01:55 | コメント(2) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年12月05日

ベンフィカ UEFAカップ出場決定!

オスカル・カルドーソ 2007・11・28


 正直なところ、全く期待していませんでした。試合直前にポルトガル国内メディアに入ってくる情報と言ったら「ベンフィカの選手の寒そうな写真」とか「長旅で疲れきった表情」とかそんなものばかりでしたから。
実際、11月24日のリーガ第11節のアカデミカ・コインブラ戦から今日(12月4日)のCL最終節、シャフタール・ドネツク戦までの11日間で、ベンフィカは4試合もこなしています。タフな試合の連続で選手の疲労はたまる一方です。さらに先週土曜日(12月1日)のポルト戦でホームで約2年ぶりに負けたことで、精神的にもいっぱいいっぱいだったはずです。
それが、アウェーのウクライナで勝ってUEFAカップ出場権を得るとは思いませんでしたね。これは評価していいと思います。
多分、昨季までのフェルナンド・サントスが監督だったらベンフィカは悪いスパイラルに入り込んでいたのは間違いないですから。
そんな御託を並べるより、まだUEFA主催のコンペティションでベンフィカを観られるのは「めちゃくちゃ嬉しい!」です。

 ちなみに今日(4日)試合が行われたウクライナのドネツクでは、先月18日に炭鉱のガス爆発事故があって約70人の死者を出す大惨事がありました。
試合前には当然黙祷が捧げられたのですが、シャフタールにとっては絶対勝たなければいけない試合だったんですが。。。
さらにどうでもいいことですが、ドネツクは現在も陸上棒高跳びの世界記録6m14cmを保持している、ウクライナの誇るアスリート、セルゲイ・ブブカの故郷だそうです。この日の試合会場のオリンピスキースタジアムの正面にはブブカの銅像が建っています。

 というわけで、この日のベンフィカのスタメンは、
GK:キム
DF:ネルソン(右SB)、ルイザオン、ダヴィド・ルイス(CB)、レオ(左SB)
MF:マキシ・ペレイラ、プティ(ボランチ)、ルイ・コスタ(トップ下)、カツラニス(右W)、ディ・マリア(左W)
FW:オスカル・カルドーソ
カピタオン(キャプテン)はプティ、4-2-3-1の布陣です。
CL前節、ミラン戦、ポルト戦と全くメンバーが変わらなかったベンフィカですが、この日は3人を入れ替えてきました。
クリスティアン・ロドリゲスは、W杯南米予選で傷めた左股関節のケガがポルト戦で悪化し、今回の遠征メンバーには帯同していません。

 19時45分(ポルトガル時間)、TV画面に映し出される、センターサークルにボールを置いたルイ・コスタとオスカル・カルドーソは揃って手袋をはめて、防寒用のヘアバンドをつけているといういで立ちでした。
このブログでも散々こき下ろしてますが、オスカル・カルドーソがスタメンだった時点で私は試合への興味の半分を失っていました。
しかし、です。前半6分、シャフタールのボランチ、レワンドフスキーのGKへのバックパスのミスを中央から上がったオスカル・カルドーソがひろって、GKと1対1。これを落ち着いて左足でゴールに蹴り込みました。ゴール!1-0。
さらに前半22分には右サイドのネルソン起点のマキシ・ペレイラのクロスにどんぴしゃでヘッドで合わせて、アタマを振りぬいてまたもやゴールネットに突き刺したのはオスカル・カルドーソ。2-0。
神がかかったオスカル・カルドーソの活躍に狐につままれた思いでした。
前半29分には左サイドからのクロスに合わせようとしたルカレッリをダヴィド・ルイスが倒して、PKを与え、これをルカレッリにきっちり決められてしまいます。(本当はキムが逆を突かれながら足で弾いていたんですが。)2-1。

 しかし、ベンフィカはカルドーソの速い時間帯でのゴールのおかげで、落ち着いてゴール前で守備を固めることが出来ました。
こんな守備的なベンフィカを見るのは今季初めてのような気がします。
結局、前回ホームで右サイドを自由に抉られたダリヨ・スルナもディ・マリアとルイ・コスタが高い位置でプレスをかけてオーバーラップを封じていましたから、きちんと「敗戦から学んだもの」が生かされていました。
シャフタールは確かに、ジャドソンを中心とした速い攻めでトップのブランダオンとルカレッリに当ててシュートを矢継ぎ早に撃ってきましたが、これにはベンフィカDF陣が落ち着いて対応していました。
結局、このCLで2連勝した後、4連敗してグループDの最下位に沈んだシャフタール・ドネツクの攻撃はワンパターンだったということです。
両サイドをオーバーラップさせて、ジャドソンを起点にして速いクロスで崩すという攻撃はさすがに二戦目になると対戦相手も研究してくるでしょう。
逆にミドルシュートや大きなサイドチェンジで揺さぶりをかけるといった攻撃をされたら相手は相当イヤだったはずなんですが。
 この日のベンフィカにしても、リードを奪ってから完全に守備で読み勝ちしてましたし、右ウィングに入ったカツラニスにいたってはこの日攻撃参加は一度もなかったと言っていいぐらい守備に専念していました。
さらにベンフィカが得た決定機はこの試合で3回だけだったと思います。カルドーソがゴールを二度決めたシーンと前半42分、左サイド、ルイ・コスタからの横パスにフリーのマキシ・ペレイラがシュートを放った場面だけでした。
まさに、選手を温存してのベンフィカの作戦勝ちでしたね。
まさか、ポルトの「老獪さ」を踏襲したわけではないでしょうが。。。

 とにもかくにも今日のヒーロー、MVPはオスカル・カルドーソ(写真)です。今日は手放しで褒めまくっていいでしょう。
CL第5節まで、全出場選手の中で2位の21本のシュートを放ちながら(ちなみに1位はリヨンのジュニーニョ・ベルナンブカーノの24本)たったの1ゴールしか決めていなかった193cmのパラグアイ代表FWはこの試合で枠内シュート2本で2ゴールを決めました。
思う存分、故郷の両親に「やったよ!」と電話してください(笑)。

 グループDは結局、ベンフィカがシャフタール・ドネツクに2-1で勝利したため、この日、ミランに0-1で負けたセルティックが決勝トーナメント進出を決めました。
そんなことより、ベンフィカ、スポルティングが揃ってUEFAカップ進出を決めたのはUEFAランキングにおけるポルトガルリーグの順位の貢献という意味でも非常に大きいです。来週はポルトがホームでベジクタシュを下してCL決勝トーナメント進出を決めて欲しいですね。

 最後に。ベンフィカがウクライナで試合をするのは実に16年ぶりのことでした。1991年11月27日、この日はソ連崩壊を受けたウクライナ初の大統領選の4日前という時期でした。首都キエフで、ディナモ・キエフと対戦し、試合は1994年アメリカW杯の得点王、オレグ・サレンコのゴールで0-1で負けています。この試合で後半66分に途中交代でピッチに送り出されたのが当時19歳のルイ・コスタ。そのルイ・コスタと交代した選手は当時のベンフィカのキャプテンだったアントニオ・ヴェローソ。現在、スポルティングのボランチとして活躍するミゲル・ヴェローソの父親でした。
ポルトガルサッカーの歴史は続いているんですね。


  • 共通ジャンル:

posted by 鰐部哲也 |09:34 | コメント(10) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年12月03日

リーガ第12節-1強2弱-

ポルトベンチ前(ゴール後) 2007・12・1


 日本ではJリーグが今年の全日程を終了しましたが、ポルトガル国内では今がサッカーシーズンの佳境です。国内リーグ、CL、UEFAカップさらには来週からポルトガル杯も始まり、私のような記者にとっては目の回るような忙しさです。

 さて、先週末から今週始めにかけて行われているリーガ第12節、今節の見所は何と言っても「クラシコ」、ベンフィカ(2位)vsポルト(首位)の直接対決です。というわけで、もちろん私も試合会場の「ルス」に足を運びました。

ルススタジアム 2007・12・1


 この試合、CL前節のミラン戦でベンフィカが予想以上の好パフォーマンスを見せたこともあり、久しぶりに国内最大のスタジアムが超満員の観客で埋まりました。この日(12月1日)の観客動員数、60,116人はもちろん今シーズン、代表戦、CLも含めた公式試合で、最多の数字です。
この日のマッチスポンサーだったビール会社の「サグレス」が入場口で観客に紅白のプラカードを配ったため、久しぶりに「ルス」で見事なコレオグラフ(写真)を目にすることが出来ました。
発炎筒が投げ込まれたのも”久しぶり”でしたが。。。

 この日のベンフィカのスタメンは、
GK:キム
DF:ルイス・フィリペ(右SB)、ルイザオン、ダヴィド・ルイス(CB)、レオ(左SB)
MF:カツラニス、プティ(ボランチ)、ルイ・コスタ(トップ下)、マキシ・ペレイラ(右W)、クリスティアン・ロドリゲス(左W)
FW:ヌーノ・ゴメス(トップ)
カピタオン(キャプテン)はヌーノ・ゴメス、4-2-3-1の布陣です。
スタメンは3日前のCL第5節のミラン戦と全く一緒でした。

 一方、ポルトのスタメンは、
GK:エウトン
DF:ボジングワ(右SB)、ペドロ・エマニュエル、ブルーノ・アルヴェス(CB)、フシレ(左SB)
MF:パウロ・アスンサオン(ボランチ)、ルチョ・ゴンザレス、ラウール・メイレレス(攻撃的MF)
FW:タリク・セクティウィ(右)、リサンドロ・ロペス(中)、リカルド・クアレスマ(左)
カピタオン(キャプテン)はペドロ・エマニュエル、4-3-3の布陣です。
ポルトは3日前、大敗したCL、リヴァプール戦のスタメンと4人を入れ替えてきました。これが勝負の分かれ目となったわけですが。。。

 ちなみにこの試合については、今週水曜日、12月5日発売の海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)12月12日号にてマッチレビューを書いていますのでご覧になってみてください。
 というわけで、試合経過を細かく追うことはしませんが、ベンフィカはポルトの術中に見事はまってしまったという印象でした。
本来なら、首位を窺うベンフィカのほうが3日前のミラン戦で主力を温存しながら、この「クラシコ」にモチベーションのピークを持ってこなければいけなかったはずです。しかし、この日のベンフィカは、序盤のポルトの速い仕掛けにお付き合いするような形で、攻め急いで体力を消耗していきました。
一方のポルトは、フレッシュな選手を4人投入できたわけですから、フィジカルコンディションは万全です。
 ベンフィカも最初は、左サイドのクリスティアン・ロドリゲスが対峙したボジングワとのマッチアップに競り勝って、フリーでクロスを上げる場面が多々ありました。さらに最前列の3人を頻繁にポジションチェンジさせて速い攻撃を仕掛けるポルト攻撃陣、特にリサンドロ・ロペスへのラストパスに対して、CBのルイザオンとダヴィド・ルイスが落ち着いてきっちりカットしていましたから出足は悪くなかったのでしょう。

リカルド・クアレスマ 2007・12・1


 しかし、前半31分のクアレスマのミドルシュートを皮切りに、いわゆる「ポルトの時間帯」が前半終了まで続くことになります。
前半32分にはルイザオンに競り勝って奪ったボールをリサンドロ・ロペスが右サイド、フリーのクアレスマにパス、これをすかさずシュートしたクアレスマ。これは惜しくも枠を外れますが、結局この9分後の「いいシュート練習」になったようでした。
後半41分、右サイドをドリブルで駆け上がったクアレスマ、1対1でダヴィド・ルイスをワンフェイント入れて交わしてフリーになると、トーキックに近い右足インフロントで実に「美しい」シュートをゴールに流し込みました。

 後半に入ると、ポルトはがらりと戦術を変えてきました。無理に追加点を狙わず、守備を固めたわけです。逆にゴールを奪わなければいけないベンフィカ、やはり前半「飛ばした」ツケがたたってパスミスやトラップミスが目立ち始めます。ルイ・コスタも後半、パスの出しどころ、クロスの上げどころを躊躇してプレーの流れを止めてしまう場面が数多くありましたから、決して出来は良いとは言えませんでした。
 ここで、局面を打開できるフレッシュな選手を入れたいベンフィカですが、結局、「ジョーカー」のフレディ・アドゥをピッチに送り出したのは残り11分になってから。当然、オスカル・カルドーソも投入しましたが、相変わらず空回りで何ひとつ仕事は出来ませんでした。
 後半68分には累積警告4枚で後1枚で次節、出場停止のクアレスマを下げる余裕まで見せたポルト。後半は良く訓練された組織的な守備で1点を守りきり、1-0で敵地で快勝したポルト。明らかに”首脳陣が”ベンフィカより一枚上手でした。ベンフィカはこれで、精神的にもダメージを受けたまま、火曜日(4日)にはCL最終節、ウクライナでシャフタール・ドネツクとのUEFAカップ出場権を賭けた「勝たなければいけない」タフな試合に臨まなければいけません。ライバルを徹底的に叩きのめしたという点でポルトは高笑いが止まらないのではないでしょうか。
ちなみにベンフィカが国内リーグの試合で負けたのは昨年11月18日のアウェーのブラガ戦以来、約1シーズンぶりの黒星となりました。
 
ジョゼ・アルヴァラーデ 2007・12・2


 一方、ベンフィカより酷い状況なのがスポルティングです。スポルティングvsウニアオン・レイリアの一戦。こちらの試合も先ほど、取材に行って帰ってきたばかりなのですが、スポルティングの”売り”だった中盤での流れるような美しいパスサッカーとダイレクトでの速攻は一体どこに行ってしまったのでしょうか?
 今日(12月2日)の試合も、今季ポルトガル国内リーグ全16チームの中で唯一いまだ勝ち星がない、最下位のウニアオン・レイリア相手に、前半から中盤でボールをしっかりキープされて回されてマイボールに出来ないという体たらく。とにかく攻守共に一番運動量の多かったミゲル・ヴェローソを除いては、スポルティングの選手はパス出しのタイミングが悪いし、遅い。もっと速いクロスを使ったりして揺さぶりをかけないと、相手も一応プロですから簡単に崩すことは出来ません。
とにかく、中央でフリーでボールを受けても、出しどころを躊躇しているうちにサイドへと囲まれて追い込まれて、タッチラインを割ってしまうというような最悪の出来でした。
それでも、後半53分にペナルティエリア内で粘ったジョアン・モウティーニョが起点となって、こぼれ球を後ろから追い越して飛び込んだイズマイロフが押し込んでスポルティングは先制します。
さらに、後半70分にはプロヴィッチのクロスに相手DFがペナルティエリア内でハンド、追加点のチャンスとなるPKを得ます。蹴るのはアンデルソン・ポウガ。しかし、これをGKに弾かれまたもやPK失敗。今季5回のPKのチャンスをもらいながら決めたのはたったの2回。今季PKキッカーに指名されていたジョアン・モウティーニョではなくて今日はアンデルソン・ポウガを使いましたが、それでも失敗しました。
そして流れが変わった後半82分、ウニアオン・レイリアは右サイドFKのチャンスにファーサイドへ上げたクロスはGKのルイ・パトリシオが触って、これがトニートへのアシストパンチとなってアタマで押し込まれてしまいました。
結局、試合はこのまま1-1のドロー。
これでスポルティングは、リーガここ7試合で、2勝1敗4引き分けと絶不調です。この日の試合でも観客の中には、あまりにもスポルティングの不甲斐なさに試合観戦を放擲して雑誌を広げるファンまでいましたから、クラブとファンが悪いスパイラルに入り込んでいるのは間違いありません。

 今日(12月2日)までのリーガの暫定順位です。首位ポルト(勝ち点32)、2位ベンフィカ(勝ち点25)、3位スポルティング(勝ち点20)、4位ヴィトリア・セトゥバル(勝ち点19)、5位ヴィトリア・ギマリャエンス(勝ち点19)、6位ブラガ(勝ち点18)、明日(3日)、ホームでギマリャエンスがアカデミカ・コインブラを下せば単独3位に躍り出ます。

 話は変わりますが、今日(2日)EURO2008本大会のグループリーグの組み合わせ抽選会が行われ、ポルトガルの対戦相手が決定しました。

グループA:スイス、チェコ、ポルトガル、トルコ

オランダ、イタリア、フランスが同組になった「死のグループC」に比べるとラッキーだったと言っていいでしょう。
本大会に出場する国はどこも簡単な相手というのはないのですが、トルコはEURO2000の決勝トーナメント1回戦で屠っていますし、チェコも実力的にはほぼ互角だと思います。個人的に不気味なのはホームのスイスですね。
ドイツW杯でも決勝トーナメント進出を決め、唯一、全試合(4試合)で相手チームにゴールを許さなかったチームです。
スイスには十分ケアしたほうが良さそうです。


  • 共通ジャンル:

posted by 鰐部哲也 |07:37 | コメント(8) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加