2007年10月30日

リーガ第8節-ベンフィカ2位浮上-

ベンフィカ vs マリティモ 2007・10・28


 約3週間ぶりに再開されたポルトガル国内リーグ。リーガ第8節は「ベンフィカvsマリティモ」の”2位を賭けた試合”の取材に「ルス」に足を運びました。(これで、リーグ杯、CLに続いて、3試合連続の「ルス」での取材です)

 久しぶりにベンフィカの「魂のこもった」試合を観たような気がします。
この日、「ルス」に集まった観客はなんと44,312人。スポルティングとの「リスボンダービー」に次いで今季二番目の観客動員記録でした。
やはり、24日のセルティック戦での勝利は”良薬”だったようです。
スタジアムには、これまでのような弛緩した雰囲気は微塵もなく、最後の最後までベンフィキスタはあきらめずに大声援を送り続けました。
観客と選手の「気迫」が一体感となってこの日、数的不利のベンフィカに力を与えました。
ベンフィキスタとしてはこの”懐かしい”雰囲気が戻ってきただけでもうれしいです。

 この日のベンフィカのスタメンは
GK:キム
DF:マキシ・ペレイラ(右SB)、ルイザオン、エドカルロス(CB)、レオ(左SB)
MF:ビニャ、カツラニス(ボランチ)、ルイ・コスタ(トップ下)、ディ・マリア(右W)、クリスティアン・ロドリゲス(左W)
FW:オスカル・カルドーソ(トップ)
カピタオン(キャプテン)はルイザオン、4-2-3-1の布陣です。

 19時45分にキックオフされた試合は、序盤から両チーム一歩も引かない展開となります。ベンフィカはボランチのカツラニスを上げてトップのカルドーソの下に4人を並べて攻撃的に仕掛ければ、マリティモも引いて守るのではなく、両SBが上がって、前線へ素早くパスを出して、カヌーの個人技でベンフィカDF陣を撹乱するようなきちんと意図を持ったアタックをしていました。
 前半9分に、この攻撃の姿勢に対して女神が微笑んだのはマリティモのほうでした。前線に上がった右SBのリカルド・エステベスの長いパスを受けたカヌーは右サイドをドリブルで上がって、GKのキムが不用意に飛び出したところをよく見て、技ありのループシュート。これが見事にキムの頭を越してゴールネットに突き刺さりました。1-0。
 しかし、前半17分、今度は左サイドを突破したルイ・コスタのクロスに、先ほど先制ゴールの起点となるパスを出したリカルド・エステベスが思わず手を出してしまい、ハンド。当然PKの判定で、ベンフィカは同点に追いつくチャンスを得ます。これをオスカル・カルドーソが左足できっちり決めて、1-1。
 一進一退の攻防が続きます。

 この試合の分岐点となったのは前半30分でした。
マリティモFW、マククラのシュートのこぼれ球に抜け出したカヌーをGK、キムがペナルティエリア内で倒してしまいます。これに対し、主審のペドロ・プロエンサは迷わず赤いカードを掲げました。
この緊急事態に当然ウォーミングアップも準備も出来ていない。控えGKのブットがエドカルロスに代わって急遽グローブをはめながらゴールマウスに向かいます。
蹴るのはマリティモのエース、マククラ。このPKをブットは抜群の読みで右に飛んでスーパーセーブ。今季初のリーガ出場でいきなり大仕事をやってのけました。
このシーンを観てて「どこかで観た光景だな」と思ってたんですが、9月2日のリーガ第3節、スポルティングvsベレネンセス戦の後半51分、リエドソンの突破を力づくで倒したベレネンセスGKのコスティーニャが一発レッドで退場。代役GKのマルコがジョアン・モウティーニョのPKをセーブしたのと全く同じ光景でした。
それにしてもベンフィカGK、キムにとっては「悪夢の一日」となりました。
先制ゴールは自分のミスから決められ、この退場で次節は出場停止。今季のリーガ全試合フル出場記録も途絶えてしまいました。

 PKを止めたとは言え、10人になったベンフィカが不利なのは変わりません。
トップ下のルイ・コスタがボランチの位置に下がって、カツラニスがCBの位置に入ります。「負けない」ためには当然でしょう。
しかし、後半、ベンフィカは勝負に出ました。ハーフタイムにディ・マリアに代えてルイス・フェリペを投入。
フォーメーションは、
GK:ブット
DF:ルイス・フェリペ(右SB)、ルイザオン、カツラニス(CB)、レオ(左SB)
MF:ビニャ(ボランチ)、ルイ・コスタ(トップ下)、マキシ・ペレイラ(右W)、クリスティアン・ロドリゲス(左W)
FW:オスカル・カルドーソ(トップ)
またルイ・コスタをトップ下のポジションに上げて、ウィングもSBも出来る攻撃的なDFを右サイドに並べてきました。つまり「10人で勝ちにきた」訳です。
 案の定、後半のベンフィカは右サイドのルイス・フェリペを積極的にオーバーラップさせ、マキシ・ペレイラとのワンツーで崩しにかかります。
マキシ・ペレイラとボランチのビニャにどんどんミドルシュートを撃たせて揺さぶりをかけます。
逆にカウンターでマリティモに攻めこまれる場面もありましたが、ここもGKのブットが安定したセービングでゴールを割らせません。
そして、動きまくって疲れの見えたマキシ・ペレイラに代えて、後半81分にフレディ・アドゥを投入、後半82分にマリティモのマククラが負傷交代したのも追い風になってベンフィカペースは続きます。
そして後半88分でした。”右サイド”を駆け上がってDFを置き去りにして、クロスを上げたのはなんと左SBのレオ、これにフレディ・アドゥが飛び込んで押し込んで決勝ゴール!2-1。
結局、このまま10人のベンフィカが劇的な勝利で2-1でマリティモを下して、リーガ2位に浮上しました。
この勝利は、後半「負けない」のではなく「勝ちにいく」戦術を採った監督、カマーチョの積極的な姿勢とそれに見事に応えた選手たちの力によるものです。この日のベンフィカは賞賛に値するサッカーを最後まであきらめずにやり遂げました。

それにしてもベンフィカのフレディ・アドゥのここ最近の勝負強さは光ります。リーガ杯3回戦、エストレーラ・ダ・アマドーラ戦では後半90分に同点ゴール、リーガ杯4回戦、ヴィトリア・セトゥバル戦では後半ロスタイム4分(94分)に同点ゴール。そしてこの試合では後半88分に決勝ゴール。
アメリカ代表の「早熟の天才」はやはり「天才」でした。いまやマントラスに代わるベンフィカの「新しい切り札」として心強いバックアッパーになりつつあります。

一方、負けたマリティモのほうも、「気迫」のこもった良いサッカーをしていたと思います。一時はリーガ首位に立ち、今季上位に踏みとどまってきたのにはやはり理由がありました。
前半のスピードに乗った攻撃は観ててスペクタクルでしたし、積極的にシュートを撃つ姿勢はいわゆる「三大クラブ」以外のチームではなかなか見られないサッカーです。
この「スピードに乗った攻撃」が毎試合、90分間継続できればまだまだ上位再浮上のチャンスは出てくるのではないでしょうか。

 それでは、そのマリティモFWで、今月のカザフスタンvsポルトガルの試合では貴重な先制ゴールを叩き込んだ、アリザ・マククラの試合後のコメントです。
アリザ・マククラ 2007・10・28


「いつもはPKは蹴らないんだけど、(PKキッカーの)ブルーノがケガでこの試合出場しなかったからね。あの場面では、PKを決められる自信があったから蹴らせてもらったんだ。でも失敗してしまった。GK(のブット)が上手く反応したよね。その(失敗の)後、何度かチャンスがあって(失敗を)取り返そうとシュートを撃ったんだけど。ダメだった。もちろん素晴らしい夜とは言えないよね。」

 これでリーガ第8節を終わって、今日(29日)の試合もレイショエンスを3-0で粉砕して、開幕8連勝を飾ったポルトが勝ち点24で首位。
2位に勝ち点16でベンフィカ、3位は土曜日(27日)にナシオナルと痛恨のスコアレスドローで勝ちきれなかったスポルティングが勝ち点15で続いています。
4位は同じく勝ち点15でヴィトリア・ギマリャエンス、5位に勝ち点14でマリティモ、6位に同じく勝ち点14でヴィトリア・セトゥバルが続いています。
ギマリャエンスとセトゥバルの”両ヴィトリア”の健闘が光っていますね。
ここ数年、「三大クラブ」に次ぐ4番目のポジションを不動のものとしていたブラガがUEFAカップでは勝負強さを見せているのに、リーガでは精彩なく7位に沈んでいます。

 次節第9節は今週末に行われますが、10月31日に「リーガ杯」4回戦の2nd.レグが行われます。ホームで二部のファティマがスポルティングまでも”食って”しまうかに注目が集まります。


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posted by 鰐部哲也 |07:11 | コメント(13) | トラックバック(0)
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2007年10月27日

CL第3節-違和感-

オスカル・カルドーソ 2007・10・3


 今週水曜からリスボンはめっきり朝晩冷え込むようになりまして、私は予定調和的に風邪を引いてしまいました。発熱して寝込んでおります。
 その冷え込んだ水曜日(24日)の夜は当然のようにCL第3節「ベンフィカvsセルティック」戦の取材のために「ルス」に足を運んでいました。

 結果は皆さんもうご存知の通り、ベンフィカが1-0でセルティックを破って今季のCL初の勝ち点をゲットしたわけなんですが、ポルトガル国内メディアは試合から二日経っているというのに、いまだに決勝ゴールを決めたベンフィカFW、オスカル・カルドーソ(写真)を持ち上げまくっています。
ポルトガル最大のスポーツ紙「ア・ボーラ」の今日(26日)の一面ももちろん笑顔のカルドーソの写真と共に「パパ、”ゴラッソ”(スペイン語で素晴らしいゴールの意味)を決めたよ!」という見出しを打って、カルドーソが試合後にすぐパラグアイの父親に電話したという、読者には”微笑ましい”と受け取って欲しい狙いがありありの提灯記事が満載でした。

 確かに結果だけを見れば、決勝ゴールをもぎ獲ったオスカル・カルドーソを盲目的に賞賛したくなるのは分かります。
でもちょっと待ってください。今季のベンフィカが国内リーグ、CLも含めて中盤を支配しながら、勝ちきれないのはCF陣の恐ろしく低い決定率に原因があるのは明らかです。
 特に今季、ここまでのカルドーソの出来は酷いの一言に尽きます。前線で突っ立っているだけで自分でボールをもらうような動きをしないし、クサビになってポストプレーが出来るかと言えば、トラップひとつ満足に出来ないで相手DFに狙われてカットされる始末。唯一の武器、193cmの高さにしてもヘディングの精度も最悪です。あくまで個人的な印象ですが一昨シーズンにアカデミカ・コインブラからベンフィカに移籍してきたたブラジル人FWのマルセルを髣髴とさせる「木偶の坊」ぶりというのが正直な印象です。
 このセルティック戦でも、前半23分にレオがDFをひきつけて供給したマイナスのクロスを空振り。
後半51分に左サイドでクリスティアン・ロドリゲスが粘ってキープして上げたピンポイントのクロスにも力のないヘディングシュートで相手GKがキャッチ。
後半64分のクリスティアン・ロドリゲスのミドルシュートを相手GKが弾いたところ、ただ押し込むだけのシュートはクロスバーを叩く。
後半66分には長いタテへのクロスをフリーで受けて振り向きざまに撃ったシュートはゴールポスト左を叩く。
実にFWなら「ゴールして当たり前の決定機」を4回も外しているんです。
こういう国際舞台の勝ち抜き戦ではいずれも後々、致命傷になりかねないシュートミスです。
実際、後半64分の3回目のシュートミスの時点で、「見てられない」とばかりに怒りも顕にスタジアムを駆け足で後にするサポーターもたくさん見受けられたのも事実です。こういう経緯に目をつぶって「ベンフィカ勝利」「功労者カルドーソ」と持ち上げまくっている国内メディアにどうも違和感を感じずにはいられません。

 今季、中盤でルイ・コスタ、両ウィングのクリスティアン・ロドリゲス、ディ・マリアが見事なコンビネーションと個人技で崩して得たチャンスをカルドーソは何回フイにしたか分かりません。私は今季「ルス」での公式戦をすべて取材していますが、他の選手は「またかよ。やってられないよ。」と思ってるんじゃないかと心配になってくるぐらいですから、スタジアムに足を運んでいるベンフィキスタの気持ちは推して知るべしです。
 今月、W杯南米予選にパラグアイ代表として参加中のオスカル・カルドーソはポルトガル国内メディアの取材に対し、「多分、今シーズンは20個以上はゴールを決められるよ。」と超楽観的なコメントを残しましたが、もし、カルドーソが本当に20ゴール決めたら、私はこれまでの自分の批判がすべて間違いだった。私のサッカー観がいかに未熟だったかをこの場で謝罪することを誓います。

 ベンフィキスタの皆さんにはせっかく勝ったのに水を差すようなことを書きやがってとお叱りを受けそうですが、今後のCL、国内リーグにおいてベンフィカが「点を獲って勝つ」という課題に関しては何ら解消されていないですよ。という事実をどうしてもお伝えしたかったわけです。

セルティック 中村俊輔サポーター


 一方のセルティックのほうは、「お目当て」の中村俊輔選手はベンチ入りはしたものの、CLでは初となる「出場機会無し」となってしまいました。
この中村俊輔の欠場理由については10月26日掲載の『スポーツナビ 欧州サッカーニュース』で小コラムを書いておりますのでご覧になってみてください。

 最後ですが、この「ベンフィカvsセルティック」戦で良かったと思ったことも書かなければいけませんよね。この日「ルス」には38,512人の観客が集まりましたが、ベンフィカウルトラスの「DIABOS」不在の中、少しファンの熱気が戻ってきたように思います。予想通り大挙して馳せ参じたセルティックサポーターの統率の取れた応援にも負けない大声援が飛んでいましたし、スタジアムの雰囲気はいつもより良い意味で緊張感があったように思います。
そして試合後、挨拶に向かった選手をマフラーを掲げてチャントを歌いながら労うセルティックサポータに向けて、ベンフィカサポーターが立ち上がってずっと拍手を送っていたのはとても良い光景でした。


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posted by 鰐部哲也 |05:45 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2007年10月23日

宣伝&短信

ジョゼ・リマ監督(スポルティングジュニアチーム)


 いきなりで恐縮ですが、宣伝告知でございます。
このブログでも先月27日の「アカデミア・スポルティング」の取材(9月28日の当ブログのエントリーをご参照ください)についてご紹介したと思うのですが、こちらのスポルティング、ジュニアチーム監督ジョゼ・リマさん(写真)のインタビューが本日、10月23日(火)発売のサッカー雑誌『中学サッカー小僧 2007秋冬版』の170ページ~177ページにわたって掲載されています。ポルトガルにおける「ストライカーの定義」やスポルティングの”ポルトガル一”と言われる「選手育成の秘訣」などかなり盛りだくさんの内容で語ってくれてますので、ぜひご覧になってください!
今、サッカーをしている子供たちにはきっと役に立つ話満載?だと思うので多くの「プレイヤー」にも読んでいただけると嬉しいです。

 続いてポルトガル国内外のサッカー情報を少し。
まずは、20日(日)に行われたリーガ・エスパニョーラ、ヴィジャレアルvsバルセロナの試合で、後半70分にピッチに蹲ったデコですが、太ももの負傷で全治5週間と診断されました。
これでEURO2008の本選出場権を賭ける11月17日(土)のアルメニア戦と11月21日(水)のフィンランド戦でのポルトガル代表としての試合出場は絶望となりました。この予選、本当にポルトガルは相次ぐ主力のケガで窮地に立たされていますね。

 そうなってくるとデコのポジションを誰が務めるのかということが問題になってきます。今予選中のデコ離脱時にはジョアン・モウティーニョやティアゴ起用で乗り切ってはいましたが、そのティアゴ。今季移籍したユヴェントスで出場機会が激減、ここまでわずか131分の出場にとどまっています。そのため、先の中央アジアニ連戦ではついにポルトガル代表招集を見送られました。
ティアゴは監督のクラウディオ・ラニエリの選手起用に不信感を抱いているようで、早くも冬のメルカード(移籍市場)での移籍が取り沙汰されています。
ティアゴ獲得に名乗りを挙げているのは、ベンフィカ、ポルト、スポルティングのポルトガル国内の三大クラブとヴィジャレアルのようです。
この中でも、古巣ベンフィカへの復帰の可能性が高いのでは?というのが国内メディアの見方です。かねてからユヴェントスはベンフィカの元ブラジル代表CBのルイザオン獲得を狙っていました。同ポジションのジョルジュ・アンドラーデの離脱で、獲得に本腰を入れるのではないかというのが裏づけとなっているようです。ユヴェントスはルイザオンとティアゴの交換トレードを望んでいるようですが。

 最後に国内の話題をひとつ。20日(日)に行われた「リーガ杯(カールズバーグカップ)」4回戦で、二部のファティマがアウェーでスポルティングを2-1と撃破しました。3回戦のポルトに次ぐジャイアントキリングです。
この大会、4回戦からはホーム&アウェー方式で行われるので、これでスポルティングの敗退が決定したわけではありませんが、アウェーゴール2点をもぎ取ったファティマ優位は揺るぎません。さらに10月31日の2nd.レグはホームでの試合、ポルトガルの「宗教上のシンボル」に過ぎなかった巡礼地がにわかにサッカーで活気付いています。
個人的には10月31日の試合でスポルティングを撃破したら、ファティマ監督のルイ・ヴィトリアにインタビュー取材をしにファティマまで馳せ参じようと思っております。

 さて、明日(23日)からはCL第3節が行われます。23日(火)がローマvsスポルティング、24日(水)がベンフィカvsセルティック、マルセイユvsポルトの試合が行われます。日本ではベンフィカvsセルティック戦が一番注目を浴びるのでしょうね。中村俊輔選手の取材のため、多くの日本のメディア関係者が「ルス」にやって来るのでしょうか?


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posted by 鰐部哲也 |03:38 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年10月20日

ベンフィカ取材雑感

ベンフィカ練習 2007・9・15


 今月は、来週のCL第3節「ベンフィカvsセルティック」戦に関したコラムを某媒体で書かせていただくため、リスボンからは川(テージョ川)向こうのセイシャルという町にあるベンフィカの練習場にフェリーに乗りながら通っています。

 もちろんこの練習場には昨季から何度も通っていますが、こうしてほぼ毎日通うのは初めてです。そしてここに日参するたびにベンフィカというクラブへの失望が日増しに大きくなっていくのを感じます。
 ポルトガルの三大クラブ(ベンフィカ、ポルト、スポルティング)は基本的に練習は非公開です。練習を観られるのは私たち記者の特権だとありがたく思って真剣に練習取材をしているのですが、ここ最近のベンフィカの対応には憤りを感じずにはいられません。
練習開始時間まで練習施設の正門前で待機させられ、それから前と後ろから警備員に挟まれる格好で練習場まで連れて行かれ、指定された本当に狭いエリアで取材が許されているという状態。
しかし、ランニングが終わって戦術練習が始まると、この取材エリアからは望遠鏡を使っても選手を確認することすらできない一番奥のエリアに必ず監督、選手が移動します。というか移動させますと言ったほうがいいでしょう。
これでどうやって「取材」をしろと言うのでしょうか?
この間中も取材エリア入り口付近では警備員が仁王立ちで私たちを監視しています。
ポルトガル一人気のあるクラブの練習取材に訪れる記者も段々数が減ってきました。私を含めて5人なんていう日もあります。
まぁ、この練習に訪れるベンフィカ番の記者たちも、偉そうにふんぞり返っている広報代表におべっかを使って入れ代わり立ち代わりずっとおしゃべりしている状態で、練習が行われているピッチなんてまったく見てません。

 基本的に東洋人記者の私が相手にしてもらえないのは多少仕方がないとは思っていますが、私も「ポルトガルスポーツジャーナリスト協会」から正式に認可されたジャーナリストです。
このベンフィカ広報担当には、たった1,2分の選手のコメントが欲しいときでも、これまで何度も、取材申請書類をFAXするなどの正式な手続きを踏んで取材のお願いをしてきましたが、すべて無視されており、話しかけて直接答えを求めてもこちらの顔を見ようともしないで「ムリ」の一言で済まされてそれで終わりです。とりつくしまがないとはこのことです。

 私は大のベンフィキスタです。3年前にポルトガルに来て最初にしたことと言えばベンフィカのソシオになることでした。
それから「ルス」で行われる試合に飽き足らず、アウェーの試合にも何度も足を運びました。その頃、まだ専用練習場を持っていなかったベンフィカはもっとファンに近いクラブでした。
練習が終われば、選手は笑顔でサインに応じてくれましたし、ベンフィカのスタッフもそれを容認していました。一度なんかは練習場の「エスタディオ・ナシオナル」にファンがなだれこんで大サイン大会になったこともあります。それでもベンフィカの広報は警備員を使って無理やり”排除”しようとはしませんでした。
 
 今週も一日だけファンを入れての「公開練習」がありました。久しぶりの「公開練習」とあって平日にも関わらず300人以上の観客が集まったんですが、姿を現した選手はたったの8人。それも見学エリアを規制された観客から一番見えにくい場所での”調整練習”です。
「ほら。ファンサービスもしてるだろ。仕方ないから少しだけ見せてやるよ」っていうベンフィカサイドの姿勢が透けて見えて、あまりにもファンを馬鹿にした態度だと怒りが止まりませんでした。

 ベンフィカはポルトガルでは資金的に潤っているクラブです。ヨーロッパの中でも年間収益はベスト20ぐらいには入ってくると思います。
しかし、「世界最大数のソシオ」がギネスブックに認定というどうでもいい勲章に胡坐をかいているベンフィカがすでにクラブとして魅力がなくなり始めているのはオールドファンなら気づいているはずです。だからこそ最近「ルス」は満員にならないのです。
もちろんサッカーが文化として根付いているヨーロッパではそう簡単に「生まれながらの自分のクラブ」を変えるひとはいないでしょうから、ベンフィキスタというのはポルトガル一のマジョリティであり続けるでしょうが、このクラブの体質が改善されない限り、タイトルとは無縁の「冬の時代」の到来はそう遠くないように思います。

 ベンフィカが好きで好きでたまらない私としてはやるせない気持ちでいっぱいです。これ以上失望させないでください。


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posted by 鰐部哲也 |04:42 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2007年10月18日

残り8分+3分-カザフスタンvsポルトガル

クアレスマ&ナニ


 ポルトガル、”課題山積み”の試合でしたがなんとか「勝ち点3」を獲得し、EURO出場圏内の2位を死守しました。
ゴールを挙げたマククラとクリスティアーノ・ロナウドは大いに褒められてしかるべきですが、良くも悪くもこのゴールをアシストした、クアレスマとナニ(写真)が鍵を握った試合となりましたね。

 この日のポルトガルのスタメンは
GK:リカルド
DF:ミゲウ(右SB)、リカルド・カルヴァーリョ、ブルーノ・アルヴェス(CB)、パウロ・フェレイラ(左SB)
MF:マニシェ、ミゲル・ヴェローソ(ボランチ)、デコ(トップ下)
FW:クリスティアーノ・ロナウド(右W)、リカルド・クアレスマ(左W)、ウーゴ・アルメイダ(トップ)
カピタオン(キャプテン)はクリスティアーノ・ロナウド。4-3-3のフォーメーションもスタメンも前回のアゼルバイジャン戦とまったく同じでした。

 今回の対戦相手、カザフスタンは私にとっても忘れられない国です。今からちょうど10年前、1997年のフランスW杯予選で日本は当時AFC(アジアサッカー連盟)に加盟していたカザフスタンをホームに迎え、W杯アジア第3代表決定戦出場を賭けて戦いました。
私も5万人を超える青い波の中、沸騰寸前のあの国立競技場にいました。
これまで世界各国のさまざまなスタジアムで数多くのゲームをライブで観戦していますが、我を忘れて興奮して全く知らないひとと抱き合って勝利に酔いしれた試合というのは初めてでした。
秋田豊のヘディングゴールも中田英寿のゴールも名波浩のFKに頭から飛び込んだ中山雅史の不細工なゴールも高木琢也の日本代表最後のゴールもすべて鮮明に覚えています。
本当の意味で「サッカーの魅力と魔力」に取り憑かれた試合だったのかもしれません。あの試合に出会えてなかったらきっと現在の仕事はしてないと思います。

 個人的な感傷は措いといて、今日(17日)の試合に戻りましょう。
ポルトガルでは15時に始まった試合は、序盤からカザフスタンが自陣に5人、いや正確には7人で引いて守ってきた時点でイヤな予感はしました。
やはり前回のアゼルバイジャン戦でのMVP、ウーゴ・アルメイダにロングボールで当てるという作戦はこれだけの人数で守りを固められると無理でした。
今日の試合は、ポルトガルが中盤でじっくりパスを回して崩しどころを探るというような試合になりました。
その中でも抜群のゲームコントロールと持ち味の抜群の視野の広さで、左右にボールを散らしていたのがデコでした。先月のホーム二連戦では精彩を欠きましたが、今日の試合ではデコのアイデアが良い意味でアクセントになってました。特に前半、ウーゴ・アルメイダはとにかくデコからパスが出るのを信じてDFラインの裏へ何度も走り込んでパスを受けていましたから、ゴールを奪うという攻撃の形としては良かったように思います。
ただこの攻撃の形も結局すべてオフサイドになってしまったんですが。。。
 こういう展開では、両サイドのスピードに乗った突破がポルトガルの攻撃の生命線になってくるのですが、カザフスタンDF陣はクリスティアーノ・ロナウドを徹底的に潰してきました。彼がボールを持つと3人で囲んで、振り切られるとイエローカードを出されてもお構いなしに後ろからのタックルでファウルで止めてきました。
 そうなると、必然的に左サイドのクアレスマに速いボールを供給して、後は彼の個人技でクロスを上げさせるということになるのですが、はっきり言って今日のクアレスマのプレーは「最悪」でした。
アゼルバイジャン戦でも感じたんですが、とにかく1対1で仕掛けて抜けてフリーになることが出来ません。動きを研究されていたとしても”ハリー・ポッター”にはそれを上回るドリブルの技術とフェイントのアイデアがあるはずです。これぐらいのレベルのDF相手にことごとく足を出されてカットされてるのがどうも信じられませんでした。
さらに何度も中央へ絞って得意の右足のアウトフロントでクロスも上げていたのですが、こちらの精度も「最悪」でした。
どうしてもボールの出しどころがクアレスマになってしまうため、余計に攻撃のリズムが彼のところで止まってしまうのが目立ってしまいました。
後半、ハーフタイムを終えてピッチに姿を現したポルトガルイレブンの中であのおとなしいパウロ・フェレイラが「おい。どうしたんだ。」という感じでクアレスマに檄を飛ばしていたぐらいですから。味方もクアレスマが”らしくない”プレーをしていたのは分かっていたはずです。
 
 後半59分にポルトガルは、マニシェに代えてナニを、後半63分にウーゴ・アルメイダに代えてマククラを投入してきました。
これも「クアレスマに代えてナニじゃないの?」って誰しも感じたはずです。
前線のフォーメーションは、トップにマククラ、右Wにクリスティアーノ・ロナウド、左Wにクアレスマ、その下にデコとナニが並ぶという布陣。
ナニは確かにトップ下のポジションも出来る選手ですが、前の3人の下に2人並ぶというこのようなシステムでプレーしたことは見たことありません。
多分、代表のオプションでも試していないはずです。
案の定、このシステムは機能してませんでした。ナニの”動きどころ”がなくなってしまうからです。
もうこの時点で、スコアレスドローを覚悟しました。
しかし、後半82分、デコの長いパスに反応した右サイドにいたクアレスマがようやく1対1でフェイントで相手を抜き去ってフリーでファーサイドへ”イメージ通りの”クロスを上げます。これに頭から飛び込んだのが、ピンチヒッターのマククラでした。
もうスコアレスドローで終わったらこの試合の”戦犯”としてクアレスマをこのブログで叩こうと思っていたのですが、「たった一回の仕事」で”功労者”になりました。
マククラもよく決めました。ボジングワと同じザイール(現DRコンゴ)生まれの190cmのストライカーは、2005年に祖国のDRコンゴ代表入りを目指しましたが、U-21ポルトガル代表での試合経験があったためFIFAから却下されていました。今回、緊急招集という形でしたが、ポルトガル代表デビュー戦での初ゴールは感激もひとしおだったでしょう。ゴールを決めた後、真っ先にベンチに走っていって、フェルナンド・メイラと抱き合った後、メイラがマククラのスパイクを磨くパフォーマンスを見せたのが印象的でした。

 そして後半84分にクアレスマが下がってジョアン・モウティーニョが投入されると、遅まきながらウィングの位置に入ったナニの動きがキレを取り戻します。後半90分には左サイドを突破したクリスティアーノ・ロナウドの突破からワンツーでパスを受けたナニがループシュートでゴールを狙います。
これは外れてしまいますが、その1分後、今度は左サイドをドリブルで突破したナニのクロスは中央のクリスティアーノ・ロナウドにどんぴしゃで合いました。これをロナウドが難なく押し込んで2-0。勝負ありました。
3分あったロスタイムの最後の最後でカザフスタンのビヤコフのヘディングシュートで1点を返されますが、とにもかくにも2-1で貴重な「勝ち点3」はもぎ取りました。

 この日、カザフスタンは明らかにホームで「サッカーをすること」を捨てていました。得点を奪おうなんて意識ははなから無かったですし、ポルトガル代表イレブンをタックルで削りまくって、それに対してベンチの監督、アルノ・パイペルスが「それでいいんだ」と満足気に頷いているような状態でした。
とにかくこんな「くだらないチーム」に引き分けに持ち込まれなくて良かったというのが正直な感想です。
 これでグループAは1試合多かったポーランドとフィンランドがこの日試合がなかったため上位陣は12試合で消化試合数が並びました。
1位は勝ち点24でポーランド、2位は勝ち点23でポルトガル、3位はこの日6-1でアゼルバイジャンを下したセルビアが勝ち点20で上がってきました。4位は同じく勝ち点20、得失点差でフィンランドが続いています。
ポルトガルは残り2節はホームですが、曲者アルメニアとまだ”可能性がある”フィンランド相手です。二連勝すれば文句なくEURO2008出場権を手にします。ただ3位のセルビアも死ぬ気で残り2試合戦ってくるはずです。ポーランドが次節、ホームでベルギーに勝てばEURO出場が決まりますから、最終節のセルビア戦では「全力」を出してこない可能性もあります。
ポルトガルがセルビア、フィンランドに対しては優位に立ってますが、とにかく「二連勝」することだけ考えて最後は無事、「オーストリア・スイス行きチケット」を獲得して欲しいですね。


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posted by 鰐部哲也 |06:56 | コメント(13) | トラックバック(0)
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2007年10月14日

快勝 !-アゼルバイジャンvsポルトガル

ウーゴ・アルメイダ&ラウール・メイレレス


 本当に久しぶりにすっきり勝ったような気がします。今回のEURO2008予選では6月2日のアウェー、ベルギー戦(2-1)以来の約4ヶ月ぶりの勝利でした。「グループA最下位のアゼルバイジャンに勝つのは当たり前」という至極ごもっともな意見はこの際置いときましょう。明らかに歯車が狂い始めていた、”監督不在”のポルトガルにとって今日(13日)の「勝ち点3」は絶対条件にして相当な重圧の中での”ミッション”だったのですから。
2-0という結果を素直に喜びたいと思います。

 ちなみにこの試合については10月17日(水)発売の海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)10月24日号にてマッチレビューを書いていますのでご覧になってみてください。

 この日のポルトガルのスタメンにはまたサプライズがありました。
GK:リカルド
DF:ミゲウ(右SB)、リカルド・カルヴァーリョ、ブルーノ・アルヴェス(CB)、パウロ・フェレイラ(左SB)
MF:マニシェ、ミゲル・ヴェローソ(ボランチ)、デコ(トップ下)
FW:クリスティアーノ・ロナウド(右W)、リカルド・クアレスマ(左W)、ウーゴ・アルメイダ(トップ)

カピタオン(キャプテン)は2月のブラジル戦以来のクリスティアーノ・ロナウドでした。ミゲル・ヴェローソのスタメンもクアレスマのスタメンも予想通りでした。プティが故障離脱中の今回、ミゲル・ヴェローソはフィジカルに強くて攻撃参加も抜群。セットプレーでもキッカーが出来るということで代表デビューを飾るだろうとは思っていました。クアレスマはシマオンが足の捻挫を抱えたまま合宿入りして別メニュー調整を続けていましたからスタメンは妥当でしょう。
ただ、ウーゴ・アルメイダは「想定外」でした。あれだけ今回のカピタオン(キャプテン)はヌーノ・ゴメスと言っておいて、合宿初日には”主将”として選手を代表して会見をさせた選手を外してくるとは思いませんでした。
まんまと裏をかかれたわけですが、こちらとしてはまた”奇策”が外れるんじゃないかというネガティブな思いが頭をもたげました。

 しかし、今日の試合は”ウーゴ・アルメイダ”に尽きるでしょう。本当に思い切った彼のスタメン抜擢が吉と出ました。
17時(ポルトガル時間、現地時間は21時)を約5分遅れてキックオフされた試合は、序盤から明らかにポルトガルサッカーの代名詞とも言える「中盤のパスワーク」を省略しているのが分かりました。中盤の底からマニシェ、または最終ラインからブルーノ・アルヴェスが前線に長いボールを放り込みます。これをクサビとなって受けるのがウーゴ・アルメイダでした。
これが、セルビアやベルギーなどの上背のあるDFを並べたチームだったら機能しなかったでしょう。しかし、アゼルバイジャンDF陣の中では190cmのウーゴ・アルメイダは頭ひとつ抜けていました。しっかりそのロングボールをトラップして、左右の両ウィングに流してそのクロスをまた自分が受けてシュート。
この速いカウンター攻撃が非常に効果的でした。
前半12分のブルーノ・アルヴェスの先制ゴールも、その前のウーゴ・アルメイダのヘディングシュートで得たCKから生まれたもの。
前半40分にはクリスティアーノ・ロナウドのスルーパスに抜け出したウーゴ・アルメイダがどんぴしゃのタイミングでシュート。これは惜しくもゴールポスト左を叩いてしまいましたが、本人もイメージは完璧だったのではないでしょうか?
そして前半終了間際の45分、右サイドをオーバーラップしたミゲウのファーサイドへのクロスにそのウーゴ・アルメイダが左足を投げ出してゴールに押し込みました。
後半48分にも左サイドクアレスマのクロスにマークを外したウーゴ・アルメイダが飛び込んだ”決定機”がありましたし、今日のウーゴ・アルメイダは終始
キレていました。代表では「呼ばれても使われない男」と言われ、ベンチ入りメンバーにすら入れなくてスタンド観戦が続くという屈辱を味わった男の意
地が今日輝きを放ちました。
 後半のポルトガルは、前半28分にアゼルバイジャン主将のケリモフのクリス
ティアーノ・ロナウドに対する明らかな肘打ちで一発レッドで退場となったため、終始ゲームを支配し、本来の中盤でのパスワークと両SBのオーバーラップ、サイド攻撃を見せましたが結局ノーゴール。決して攻めあぐねたわけではなく、「攻め崩しまくったが、フィニッシュの精度を欠いた」というのが後半の印象です。

 今日の試合の課題と言えば前述した「フィニッシュの精度を欠いた」ことと、スタメンに入ったクアレスマの動きが特に前半悪かったですね。いつもなら1対1でも鋭い切り返しであっさり抜いてフリーになってクロスを上げているのに今日はひとつひとつのプレーに少し迷いが見られたように思います。クアレスマ本来の思い切ったプレーが影を潜めていました。後半交代で入ったナニも動きはいまいちでしたが。
あと、今日攻撃のリズムが最後まで途切れなかったのは、スタメン11人のうち、DFのリカルド・カルヴァーリョ、ブルーノ・アルヴェス、パウロ・フェレイラ、ボランチのマニシェ、トップ下のデコ、ウィングのクアレスマ、トップのウーゴ・アルメイダと7人が元ポルトで一緒にプレーしていた選手。この「ポルトライン」が奏功したのではないかというのは考えすぎでしょうか?

 グループA、ライバルの結果ですがポーランドはカザフスタンにホームで3-1で快勝。ポーランドは首位ですから別に走ったところでこの際かまいません。2位のフィンランドがアウェーでベルギーに0-0とドロー。さらにセルビアもグループAの鬼門「アウェーのアルメニア戦」で0-0とこちらもドロー。ライバルたちがうまい具合にコケてくれました。
これで首位はポーランド(勝ち点24)、2位がポルトガル(勝ち点20)、3位がフィンランド(勝ち点20)、4位がセルビア(勝ち点17)となり、ポルトガルが得失点差ながら「EURO出場圏内」の2位に浮上しました。3位のフィンランドは試合数が1試合多い上に、最終節、ホームで試合を残してますから、ポルトガルがひとまず窮地からは脱したとみていいでしょう。
来週17日のカザフスタン戦での勝利が非常に重要になってきます。ここで勝てればあとはホーム二戦を残すのみ。心理的に優位に立てます。
ヤマはもちろん最終節のフィンランド戦なんですが、それ以上に次のカザフスタン戦で「勝ち点3」が必要なことに変わりはありません。
2位、勝ち点30でポルトガルに戻ってきてくれることを願うばかりです。

【追記】ヌーノ・ゴメスは試合直前のウォーミングアップで「右足の痛み」を訴えた模様で、当初名を連ねていたこの日のベンチ入りメンバーから急遽外れました。ポルトガル代表チームドクターのエンリケ・ジョーンズによると「ヌーノ・ゴメスはプレーできる状態ではなかった。明日(14日)の練習も回避させるつもりだし、カザフスタン戦の出場も難しい」ようです。
アゼルバイジャン戦でのCFのトップのスタメンは最初からウーゴ・アルメイダを使う予定だったようですが、ここに来て2枚しかいないCFの離脱は心配です。

【さらに追加情報】このヌーノ・ゴメスの負傷を受けて14日(日)、ポルトガル代表監督、ルイス・フェリペ・スコラーリはマリティモのFW、アリザ・マククラの追加招集を決定しました。
マククラは過去、主にリーガ・エスパニョーラでプレー、ポルトガル国内リーグでのプレーは今シーズンが初めてです。
今季はリーガ6試合出場で4ゴールと好調マリティモを支える190cmの大型CFです。


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posted by 鰐部哲也 |07:28 | コメント(31) | トラックバック(0)
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2007年10月12日

ルイ・コスタ 月間MVP!

オーロラビジョン(ルス) ルイ・コスタ


 大詰めを迎えたEURO2008予選が行われるいうことで、ポルトガル国内リーグはちょうど中断期間に入っています。
そんな中、昨日(10日)、リーガの9月の「月間MVP」が発表され、ベンフィカのルイ・コスタが選ばれました。
開幕直後の監督交代のゴタゴタで、システムが猫の目のように変わる中、確かにピッチで実質上の”采配を振るった”のはルイ・コスタでしたし、現時点でディ・マリアとクリスティアン・ロドリゲスの動きが冴えてるのも、ルイ・コスタが中央で抜群のゲームコントロールを見せてるいるからこそ。
このMVPには異論はないでしょう。
ちなみに次点は、アドリアーノ、ポスティガといったCFの相次ぐケガにも関わらず得点王争いトップの6ゴールをマークしているリサンドロ・ロペス(ポルト)、3位には現在、無敗で6位と大健闘しているヴィトリア・セトゥバルで4ゴールを挙げているブラジル人FWのマテウスが入っています。マテウスは過去3シーズン、22試合出場でノーゴールでしたから今季は”化けた”選手と言っていいでしょう。
ただ個人的には9月のMVPはベンフィカのGK、キムだと思っています。
9月に行われたリーガ4試合ではフル出場360分で失点は0。つまりひとつのゴールも許していません。しかもアウェーのブラガ戦(9月23日)のように「シュートの雨霰」状態でもスーパーセーブの連続で結局ゴールを割らせませんでしたから、今季のキムがいかに”当たっている”か分かります。
ライバルのスポルティングが新守護神のストイコヴィッチの度重なるミスに足を引っ張られているだけに余計にキムの出来が素晴らしく映えているような気がします。

 ちなみに9月の「月間最優秀若手選手」も発表されました。こちらの賞は「何歳までが若手なのか」というしっかりした規定がないのが、いかにもポルトガルらしいのですが、こちらは昨シーズンの「リーガ新人王」のミゲル・ヴェローソを抑えて、レイショエンスのMF、パウロ・マシャドが選ばれました。
このパウロ・マシャド、2005年に18歳でポルトでスーペルリーガデビューを果たした逸材で、一昨シーズンはエストレーラ・ダ・アマドーラ、昨シーズンはウニアオン・レイリアでレギュラーとして活躍したトップ下の選手です。
今季はポルトに戻ると思われましたが、出場機会を求めてレイショエンスにレンタル移籍をしており、2009年のU-21ヨーロッパ選手権出場を目指すU-21ポルトガル代表としても活躍。9月7日のアウェーのアイルランド戦ではいきなり先制ゴールを叩き込んで勝利に貢献しました。
レイショエンスには同じくポルトからレンタル移籍しており、同じくU-21ポルトガル代表メンバーのFW、ヴィエイリーニャもいます。
二部昇格組で、いまだリーガ未勝利ながら6つの引き分けで勝ち点をしぶとく拾って中位の9位にレイショエンスがいるのはこの二人の”若手”の活躍に拠るところが大きいでしょう。
ちなみに、リーガ再開は10月第4週目の週末までおあずけとなります。

 最後に宣伝告知をさせてください。日本では今日(12日)発売のサッカー雑誌『ワールドサッカーダイジェスト エクストラ』11月号にて「スポルティング」について書いております。さらに同じく今日(12日)発売のサッカー雑誌『ワールドサッカーグラフィック』11月号にてマンチェスター・ユナイテッドの「ナニ」について書いております。ぜひご覧になってください。


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posted by 鰐部哲也 |04:44 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年10月10日

ポルトガル代表 再始動!

エスタディオ・ナシオナル 2007・10・9


 今日(9日)、ポルトガル代表がEURO2008予選、アゼルバイジャン戦、カザフスタン戦の”中央アジア二連戦”に向けて再始動しました。
まずは正午(現地時間)にいつのように「ラゴアスパークホテル」に集合したポルトガル代表の面々は17時から「エスタディオ・ナシオナル」で最初で最後の全体練習を行いました。
「エスタディオ・ナシオナル」の正門前には
「スコラーリ あなたはわれわれ(ポルトガル国民)を大いなるものそして尊敬されるべきものに変えてくれた。われわれの『代表』はいついかなる時もあなたの(代表)。。。」
という大きなメッセージボードを掲げた大型トレーラー(写真)が鎮座していました。おそらくFPF(ポルトガルサッカー協会)のキャンペーンでしょうが、このボードにスポンサーがたくさんついているところを見ると、これが”ポルトガルの国民の総意”といってもいいかもしれません。
士気を上げるためには良いパフォーマンスなのではないでしょうか。

ジョルジュ・リベイロ&マニシェ 2007・10・9


 
 ちなみに日曜日(7日)のアカデミカ・コインブラ戦で負傷退場したポルトのボジングワに代わって追加招集された右SBのバックアッパーは、ボアヴィスタのジョルジュ・リベイロでした。”マニシェの弟”といったほうが分かるかもしれません。
ジョルジュ・リベイロもポルトガル国内リーグでは特に悪いパフォーマンスを見せているわけではありませんが、ボアヴィスタは現在リーガ14位に低迷しているチームです。
万一の時の戦力として呼ぶのなら、スポルティングのアベウを置いて他はないのではないでしょうか?ここまでリーガ7試合630分フル出場で、国内スポーツ紙各紙の評価点の総合得点でも右SB のポジションでは断トツの一位。
ジョルジュ・リベイロは確かにドイツW杯予選のときに招集された経験はありますが、今回のこの時点での追加招集には疑問符をつけざるを得ませんね。
まだブラガのジョアン・ペレイラのほうがいいように思います。
結局、マニシェとの貴重な兄弟ツーショット(写真)が見られただけのような気がしないでもないです。

ポルトガル代表練習 2007・10・9


 16時55分に始まった練習には、日曜日のスペインでの試合で足の違和感(軽いねんざのようです)を訴えたため、チームドクターの指示でホテルで別メニュー調整のシマオン以外の18人のフィールドプレイヤーと2人のGKが参加しました。
ただ、約15分のフィジカルトレーニングの後、こちらも日曜日にスペインで試合があったデコ(シマオンのいるアトレティコ・マドリーと対戦)と昨日(10日)国内で試合のあったジョルジュ・リベイロは軽い調整で早々に練習を切り上げました。
 その後は、練習初日には恒例となったDFラインの連携確認練習を行ったのですが、はっきり言って今の時点ではスタメン予想は難しいです。
DF:ミゲウ(右SB)、フェルナンド・メイラ、トネル(CB)、ミゲル・ヴェローソ(左SB)
DF:ミゲウ(右SB)、トネル、ブルーノ・アルヴェス(CB)、パウロ・フェレイラ(左SB)
DF:パウロ・フェレイラ(右SB)、トネル、ブルーノ・アルヴェス(CB)、ミゲウ(左SB)
DF:ミゲウ(右SB)、トネル、リカルド・カルヴァーリョ(CB)、ミゲル・ヴェローソ
この4パターンを試していましたから、試合当日どの選手を使ってくるかは分かりません。ただ、右SBのミゲウと左SBのパウロ・フェレイラはほぼ確定と見ていいでしょう。さらにこの日、スコラーリはブルーノ・アルヴェスに事細かに指示を与えていましたから彼もCBの一角を担う可能性は高いです。
 ただ、日曜日に試合のあったベンフィカのヌーノ・ゴメスやポルトのブルーノ・アルヴェス、ラウール・メイレレス、クアレスマも早めに練習を切り上げましたし、リカルド・カルヴァーリョにいたってはほとんどピッチでプレーしませんでしたから、やはり明日(10日)からの中央アジア遠征での練習での紅白戦やミニゲームでスタメンは決まってくるものと思われます。
 ポルトガル代表の雰囲気ですが、別に重くて暗いという感じはしませんでしたね。クリスティアーノ・ロナウドがゴールを決めると奇声を上げてはしゃいで、他の選手を笑顔にしてましたし、おそらくキャプテンマークを巻くであろうヌーノ・ゴメスもランニングのときは先頭に立ってみんなを引っ張っていましたから雰囲気は悪くないと思います。
当然、一番声を出してたのは監督のスコラーリでしたが。。。
個人的にはこの”中央アジア二連戦”で指揮を採るフラヴィオ・テイシェイラの直接的な指示や声がもっとあるのかと思っていました。

 ポルトガル代表は、明日(10日)午前8時20分リスボン発の便で最初の決戦地、アゼルバイジャンのバクーに向かいます。
土曜日はとにかく「勝ち点3」!絶対条件です。


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posted by 鰐部哲也 |06:27 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年10月06日

ポルトガル代表発表!

ポルトガル代表発表用 スクリーン


 昨日、10月5日は「ポルトガル共和制樹立記念日」というポルトガルにとっては大変重要な祝日だったのですが、EURO2008予選のアゼルバイジャン戦(13日)、カザフスタン戦(17日)の”中央アジア二連戦”に向けたポルトガル代表の発表が行われるということで、FPF(ポルトガルサッカー協会)本部へと足を運びました。

 まず、ポルトガル代表監督、ルイス・フェリペ・スコラーリのセルビア戦(9月12日)でのドラグティノヴィッチへの暴行事件によるUEFAの「4試合の公式戦ベンチ入り禁止」の処罰は、その後のFPF(ポルトガルサッカー協会)側の上訴により「3試合のベンチ入り禁止」に軽減され、最終節のホーム、フィンランド戦にはベンチで指揮を採れることが正式に発表されました。

 それでは、今回招集されたポルトガル代表21人です。
GK:リカルド(ベティス)、キム(ベンフィカ)
DF:ミゲウ(ヴァレンシア)、ボジングワ(ポルト)、リカルド・カルヴァーリョ(チェルシー)、フェルナンド・メイラ(シュトゥットガルト)、ブルーノ・アルヴェス(ポルト)、トネル(スポルティング)、パウロ・フェレイラ(チェルシー)
MF:マニシェ(アトレティコ・マドリー)、ジョアン・モウティーニョ(スポルティング)、ラウール・メイレレス(ポルト)、ミゲル・ヴェローソ(スポルティング)、デコ(バルセロナ)、ドゥダ(セヴィーリャ)
FW:クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)、シマオン・サブローサ(アトレティコ・マドリー)、リカルド・クアレスマ(ポルト)、ナニ(マンチェスター・ユナイテッド)、ヌーノ・ゴメス(ベンフィカ)、ウーゴ・アルメイダ(ブレーメン)

 DFではようやくリカルド・カルヴァーリョが復帰しました。代表での盟友ジョルジュ・アンドラーデの離脱と入れ替わりというのは皮肉な感じもしますが。さらにカネイラ(左SB)、ぺぺ(CB)とDF陣にはケガ人が相次いでいますから、スポルティングで安定した守備を見せているトネルが昨年11月のホーム、カザフスタン戦以来の約一年ぶりの復帰を果たしました。
今回の二試合もリカルド・カルヴァーリョまでも外して、CBをフェルナンド・メイラとブルーノ・アルヴェスのコンビに固執して使ってくるかが注目です。
MFでは、ボランチでティアゴが外れてミゲル・ヴェローソが招集されました。
ティアゴは、先月のセルビア戦でもベンチ入りメンバーにすら入れませんでしたし、所属先のユヴェントスでも出場機会は少ないので”外れる”予感はありましたが、コスティーニャとマニシェが”干されて”いた時にはプティ(ケガで今回は招集されず)と共にレギュラーで頑張っていただけに残念です。
マニシェは先月の”二試合”で完全に信頼を回復しましたね。ミゲル・ヴェローソにもぜひ出場機会を与えて欲しいと思います。今や国内では弱冠21歳ながら一番安定感のあるボランチですから。
FW陣は、ポスティガのケガで代わりにドゥダを招集してきました。「どうせ使わない」ウーゴ・アルメイダと共に出場機会があるかどうかは甚だ疑問ですが。
このメンバーでカピタオン(キャプテン)を務めるのはヌーノ・ゴメスということになりそうです。

フラヴィオ・テイシェイラ


 ちなみにスコラーリの3試合サスペンション中の”代理”監督は、フラヴィオ・テイシェイラ(写真左)が務めることになります。
このフラヴィオ・テイシェイラ、「スコラーリの影」という異名をとる通り、1982年からコーチをしていますが、過去監督としての経験はカシアス、パルメイラスといったブラジルのクラブのユースの監督を務めたのみで、後はほとんどのキャリアをスコラーリのアシスタントコーチとして過ごしています。
スコラーリがJリーグのジュビロ磐田の監督をしていた時代も含め、クウェート代表、ブラジル代表、そしてポルトガル代表と常にスコラーリをサポートしてきたのはこのフラヴィオ・テイシェイラ。
ベンチでいつもスコラーリの横にいる口髭を生やした小柄なおじさんと言えば一度は目にしたことはあるのではないでしょうか?
スコラーリと共に選手からも信頼感は厚いコーチです。
この中央アジア二連戦と11月のホーム、アルメニア戦はこの人物が「スコラーリの目」となります。

 ポルトガル代表の選手は10月9日(火)、正午にオエイラス市のラゴアスパークホテルに集合、同日午後17時より「エスタディオ・ナシオナル」で唯一の国内練習を行う予定。翌10日の朝の便でアゼルバイジャンの首都バクーに向けて出発します。
尚、アゼルバイジャンvsポルトガルの試合は、10月13日(土)、21時(現地時間)に首都バクーの「レプブリックスタジアム」でキックオフ。カザフスタンvsポルトガルの試合は10月17日(水)、20時(現地時間)に首都アルマトイの「アルマトイ・セントラルスタジアム」でキックオフの予定です。
ちなみにこの「アルマトイ・セントラルスタジアム」は1997年のフランスW杯予選で日本代表がロスタイムにズバレフに痛恨の同点ゴールを決められ、当時日本代表監督だった加茂周の更迭が決まったスタジアムでもあります。ポルトガルもこの二の舞は絶対に避けたいところです。
 さらに、11月の最後のホーム二連戦の試合会場も既に決定しています。
11月17日のアルメニア戦はレイリアのマガリャエンス・ペソアスタジアム、11月21日のフィンランド戦はポルトのドラガオンスタジアムで開催されます。

 とにかく逆風が吹いているポルトガルですが、今一度選手間の結束を固めてこの”中央アジア二連戦”は圧勝で二連勝ぐらいの気概を見せて欲しいものです。


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posted by 鰐部哲也 |23:45 | コメント(10) | トラックバック(0)
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2007年10月05日

UEFAカップ-リスボン第3のクラブの挑戦-

レステーロ・スタジアム 2007・10・4


 昨夜(4日)は、UEFAカップ1回戦、ベレネンセスvsバイエルン・ミュンヘンの試合に足を運びました。
ベレネンセスはリスボンの西端、ジェロニモス修道院やベレンの塔など世界遺産が建ち並ぶ観光名所のベレン地区にあるクラブです。
同じリスボンのベンフィカ、スポルティングに比べると本当に小さなクラブですが、昨季はリーガ5位、ポルトガル杯準優勝と古豪復活を見せ、今季のUEFAカップ出場権を得たのですが、抽選で決まった1回戦の対戦相手はなんとドイツのビッグクラブ、バイエルン・ミュンヘン。
それでも1st.レグは負けはしたものの0-1でホームに「アップセット」の望みをつないだんですが。。。

レステーロ・スタジアム 2007・10・4


 リスボンにはたくさんのドイツ人が住んでいますから、小さな「レステーロスタジアム」に大きなドイツ人が大挙して押しかけると思いきや、観客は5000人と少し寂しいものとなりました。
それでもビール片手に赤いユニフォームと赤いマフラーを身にまとったサポーターは至るところで気勢を上げていましたが。。。
ちなみにこのスタジアムに取材に来ると、優先的に国内メディアに記者席が割り当てられているため、フリーの外国人ジャーナリストの私はこの日もベレネンセスのソシオの方にお願いして年間ボックスシートにお邪魔してメモを取る羽目になりました。

ベレネンセスイレブン 2007・10・4


 この日のベレネンセスのスタメンは、
GK:コスティーニャ
DF:カンディード・コスタ(右SB)、デヴィッチ、ローランド、ウーゴ・アルカンタラ(CB)、ロドリゴ・アルヴィム(左SB)
MF:ルーベン・アモリム(ボランチ)、シラス(トップ下)、ロンカット(右W)、ジョゼ・ペドロ(左W)
FW:ウェルドン(トップ)
カピタオン(キャプテン)はシラス、見た目は5-4-1という布陣です。
3バックの3ボランチと言えなくもないですが、最終ラインには常に5人並んでいましたからやはり5バックでしょう。

 一方のバイエルン・ミュンヘンのスタメンは、
GK:レンシング
DF:レル(右SB)、ルシオ、デミチェリス(CB)、ジャンセン(左SB)
MF:ファン・ボメル、ゼ・ロベルト(ボランチ)、リベリー(トップ下)、アルティントップ(右W)、シュバインシュタイガー(左W)
FW:ルカ・トニ(トップ)
キャプテンはルシオ、4-5-1の布陣です。
正GKのカーンとFWのクローゼが故障でチームに帯同しませんでしたから、敵地でベレネンセスを突き放すにはキーマンは、リベリーとトニということになります。

 19時30分に始まった試合は、5バックでやや消極的な布陣を敷いてきたと思っていたベレネンセスの攻撃のほうが冴えます。
とにかく勝ち抜けるためにはゴールとアウェーゴール阻止が絶対条件ですから、守りを固めたのは正解だったかもしれません。
前半はバイエルン・ミュンヘンは明らかに攻めあぐねて、トップのトニにボールが渡るシーンはほぼ皆無でしたから。
逆にベレネンセスはジョゼ・ペドロが中盤の低い位置まで下がってボールをもらいにくると、前線へとにかく長いロングボールを放り込んでトップのウェルドンを走らせるという攻撃を徹底しました。
この中盤を省略する攻撃は効果的ではあったと思います。ウェルドンが抜け出してフリーでシュートを撃った場面は少なくとも3回はありましたから。
守勢のバイエルン・ミュンヘンは、シュバインシュタイガーの”守備”が良かったですね。右ウィングという攻撃的な位置に入りながら、豊富な運動量で自ら下がって攻撃の起点となっていたジョゼ・ペドロになんとかボールが渡らないようにプレスをかけ続けていました。
前半は0-0で折り返しますが、ベレネンセスがゲームを支配しました。
 ところが後半に入ると、バイエルン・ミュンヘンは積極的にミドルシュートを撃って、ベレネンセスDFラインに揺さぶりをかけます。
そして前半はほとんど見られなかった両SBがオーバーラップを仕掛けて、速いクロスを中央に放り込むというような攻撃がようやく形になり始めます。
そして後半50分、その左SBのジャンセンが上がって左に開いたリベリーにパス、これをすかさずファーサイドヘクロス。飛び込んだのはフリーのルカ・トニでした。ゴール。バイエルン・ミュンヘンが先制します。
その後、DFラインと前線が間延びしてスペースが生まれたところを突かれたベレネンセスは、後半77分には途中交代で入ったオットルが中央上がって、右に開いたトニへパス。これをグラウンダーで左横へ流してアルティントップがシュート。完全にベレネンセスDF陣を崩したバイエルン・ミュンヘンが追加点。
2-0として試合を決めました。
終盤は守りを固めたバイエルン・ミュンヘンに対してベレネンセスはミドルシュートを撃つのが精一杯。最後はメンドンサからのパスを受けたロンカットのミドルシュートがゴール左に流れてタイムアップの笛が鳴りました。

結局、バイエルン・ミュンヘンが2nd.レグもアウェーで2-0で勝利、トータル3-0でグループリーグ出場へと駒を進めました。
やはり地力の差は歴然でした。むしろ2試合のベレネンセスの試合内容は褒められてしかるべきでしょう。
こうして「リスボン第3のクラブ」のヨーロッパへの挑戦は幕を閉じました。

オットマー・ヒッツフェルト 2007・10・4


 試合後の公式記者会見で、バイエルン・ミュンヘン監督のオットマー・ヒッツフェルトは「前半はわれわれにとって難しいものとなった。何度もボールを失ったし、相手にスペースを与えすぎてシュートを撃たせすぎた。後半は落ち着きを取り戻しはしたが、選手の出来には満足していない。ただ(グループリーグ出場権を手に入れたという)最低限の義務を果たしたに過ぎない試合だった。」とベレネンセスごときに手こずったわがチームにおかんむりの様子でした。

 結局、昨日(4日)行われた、UEFAカップの試合で、ポルトガル勢として二年連続のグループリーグ出場権を手に入れたのは、ホームで4-0とハマルビー(スウェーデン)に圧勝してトータル5-2としたブラガだけでした。
初のUEFAカップ出場となったパッソス・デ・フェレイラはAZ(オランダ)にアウェーで0-0と引き分けたもののトータル0-1で惜しい敗退。ウニアオン・レイリアもホームでレヴァークーゼン(ドイツ)に3-2と勝利したもののこちらもトータル4-5で敗退しました。
国内リーグでは波に乗れないブラガですが、やはり戦力は揃ってますね。ぜひグループリーグ突破を決めて決勝トーナメント進出を決めて欲しいものです。


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posted by 鰐部哲也 |22:26 | コメント(0) | トラックバック(0)
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