2007年08月31日

ポルトガル代表発表!

ポルトガル代表発表会見 2007・8・30 


 本日(30日)12時30分(現地時間)よりFPF(ポルトガルサッカー協会)本部で行われた、ポルトガル代表発表会見に列席してきました。
今回は言わずもがな、EURO2008予選、ポーランド戦(9月8日)、セルビア戦(9月12日)の”ホーム天王山”二試合に向けての代表発表です。
まずは招集メンバーからどうぞ。

GK:リカルド(ベティス)、キム(ベンフィカ)
DF:ミゲウ(ヴァレンシア)、ボジングワ(ポルト)、フェルナンド・メイラ(シュトゥットガルト)、ジョルジュ・アンドラーデ(ユヴェントス)、ぺぺ(レアル・マドリー)、ブルーノ・アルヴェス(ポルト)、パウロ・フェレイラ(チェルシー)、マルコ・カネイラ(ヴァレンシア)
MF:プティ(ベンフィカ)、ティアゴ(ユヴェントス)、マニシェ(アトレティコ・マドリー)、ラウール・メイレレス(ポルト)、ジョアン・モウティーニョ(スポルティング)、デコ(FCバルセロナ)
FW:クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)、シマオン・サブローサ(アトレティコ・マドリー)、リカルド・クアレスマ(ポルト)、ナニ(マンチェスター・ユナイテッド)、ヌーノ・ゴメス(ベンフィカ)、エルデル・ポスティガ(ポルト)、ウーゴ・アルメイダ(ブレーメン)

 発表直後の感想は、当たり前ですが「リカルド・カルヴァーリョがケガで選ばれなかった以外はベストメンバー、本気モード」でしたね。
なんと言っても注目は、今月、正式なポルトガルのパスポートを取得したばかりのぺぺが選ばれたことでしょう。昨年11月末にFPF(ポルトガルサッカー協会)の自身の事務所を訪れたぺぺを口説き落としたスコラーリは、昨年末には帰化申請が下りる前から「ぺぺの代表招集」を公言していましたから。まさに「満を持して」という言葉がふさわしいでしょう。
さらにマニシェの代表復帰!マニシェが最後にポルトガル代表の試合に出場したのは、アウェーで2-1と完敗した昨年10月11日のポーランド戦。その後、クラブで練習に遅刻して罰金を課されたり、飲酒運転の上、スピード違反で捕まったりと公私に渡る”不真面目な態度”から規律違反を嫌うスコラーリからは約一年間も”干されて”いました。しかし、その禊も終えました。やはりボランチでありながら膠着した試合状況をミドルシュート一本で変える攻撃センスは魅力です。頼もしい男が帰ってきました。
あとは、出場停止処分が解けたプティとウーゴ・アルメイダも復帰。
前回のアルメニア戦のメンバーからは、9月7日のアイルランド戦のためにU-21代表に招集されたミゲル・ヴェローソと先日、リーガで全治一ヶ月のケガを負ったジョアン・トーマスが外れました。

 会見での質問はこのぺぺ招集とマニシェ招集について集中したわけですが、監督のルイス・フェリペ・スコラーリは「ぺぺはもちろん試合で使うつもりで選んだ。違ったプレースタイルを持った選手として我々にまた違った方向性をもたらしてくれると思う。元々、国籍の変更についてどう思うかって?たとえば、ネルソン・エヴォラが(世界陸上で)金メダルを獲得したことに国民はみんな喜んだはずだ。それは彼がポルトガル人だからだ。でも、彼はどこで生まれた?陸上選手なら(国籍を変えることは)普通のことだう?ラグビーでも、バスケットボールでもそうだ。なぜ、サッカーだけ問題になるんだい?多くの移民が住むポルトガルでは将来ますます帰化するスポーツ選手が増えてくるだろう。我々のチームの、カーボヴェルデで生まれたナニやコンゴ(旧ザイール)で生まれたボジングワ、カナダで生まれたダニエル・フェルナンデスのようにね。
マニシェに関しては、フィジカル面とテクニック面で現時点で非常に充実してると判断した。アトレティコでも素晴らしいパフォーマンスを披露しているし、昔のようなトップフォームに完全に戻ったようだ。今まで長い間(代表に)呼ばなかったのは単に技術面の問題だ。」とコメントしました。

 ポルトガル代表の今後のスケジュールです。まず試合ですが、9月8日(土)にポーランド戦が「ルススタジアム」(リスボン)で行われます。次に9月12日(水)にセルビア戦が「ジョゼ・アルヴァラーデスタジアム」(リスボン)で行われます。キックオフはどちらも21時(現地時間)です。
ポルトガル代表選手はは9月4日(火)、19時(現地時間)にオエイラス市の「ラゴアスパークホテル」に集合。
公開練習は9月5日(水)が10時と17時30分からの2回、9月6日(木)が17時から、9月7日(金)が17時から、9月9日(日)が17時15分から、9月10日(月)が17時30分から、9月11日(火)が17時30分からいずれも「エスタディオ・ナシオナル(国立競技場)」で行われる予定です。(時間は現地時間、変更の可能性あり)
今回、日本からも多くの方がポルトガル代表を応援に行かれるようですので、ぜひ公開練習にも足を運んで声援を送ってあげてください。

 とにもかくにも、負けられない二試合です。「エキッパ・ダス・キナス」(ポルトガル代表の愛称)の目標は当然二連勝です。


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posted by 鰐部哲也 |02:21 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2007年08月30日

ミッション遂行!

LDC (LUZ)2006・11


 先ほど終わりましたCL予選3回戦、FCコペンハーゲンvsベンフィカのTV観戦レポートです。
ホッとしたというのが試合を見終わった後の正直な感想です。良い意味で”らしくない”アウェーでの老獪な試合運びで、ベンフィカがCL本選出場を決めました!

 試合会場となった「パルケンスタジアム」では、3週間前にローリング・ストーンズがコンサートを行ったようで、ベンフィカサイドはピッチ状態を非常に危惧していました。ただその悪いピッチコンディションは、シュートを放ち続けたホームのコペンハーゲンに凶と出てしまったようです。

 この日のベンフィカのスタメンです。
GK:キム
DF:ネルソン(右SB)、ミゲル・ヴィトール、カツラニス(CB)、レオ(左SB)
MF:プティ、ルイ・コスタ(ボランチ)、ヌーノ・ゴメス(トップ下)、ルイス・フィリペ(右W)、ディ・マリア(左W)
FW:オスカル・カルドーソ
カピタオン(キャプテン)はヌーノ・ゴメス。4-5-1の布陣です。
監督のカマーチョ、引き分けでもCL本選出場が決まるということで、ダブルボランチのワントップを採用、両ウィングにはキープ力のあるディ・マリアと右SBも出来る守備力のあるルイス・フィリペを使ってきました。

 20時45分(現地時間)にキックオフの笛が吹かれた試合、勝たなければCL本選出場はないコペンハーゲンが怒涛の攻撃を開始、前半3分のノルドストランドのヘディングシュートを皮切りに、両サイドからクロスをぽんぽん放り込んできます。ベンフィカはミゲル・ヴィトールがあわやオウンゴールかというようないっぱいいっぱいのクリアで何とかしのぎます。
そして前半17分、ベンフィカがこの試合初のセットプレーのチャンスを得ます。ゴール正面とは言えかなり距離はありました。この距離なら蹴るのはプティだろうと誰もが思っていたところを、ルイ・コスタがペナルティエリア内にふわりとしたボールを放り込みます。これが長身のカルドーソのアタマにぴたりと合い、そのまま右のヌーノ・ゴメスにヘディングでパス、これをヌーノ・ゴメスがアタマで落としたところに走りこんだのはカツラニス。右足で流し込んでゴール!なんと守勢のベンフィカがワンチャンスをモノにして1-0と先制します。
結局、その後も前半はコペンハーゲンの猛攻を受けながらも1-0で折り返したベンフィカは、後半に入ると自陣に引いてロングボールを多用。イタリア代表のカテナチオばりの堅い守備を見せ、さらに時間稼ぎ用の最後の交代枠をロスタイムに使う試合巧者ぶりも見せたベンフィカがこのまま1-0で逃げ切って、二試合トータル3-1で文句なしの三シーズン連続のCL本選出場権を得ました。

 コペンハーゲンにとってはこの試合のターニングポイントが三回ありました。
一つ目は前半26分、FWのマーカス・アルバックがミゲル・ヴィトールを振り切って後ろからペナルティエリア内で倒されたにも関わらず、主審のエリック・ブラーマーがペナルティスポットを指差さなかった場面。
二つ目は前半31分、ゴール正面、絶好の位置でのイェンセンのFKがゴールポスト左に当たって阻まれた場面。
三つ目は左CKにどんぴしゃで合わせたアルバックのヘディングシュートが今度はゴールポスト右に当たって跳ね返された場面。
一つ目は仕様がないにしても、二つ目、三つ目のどちらかのチャンスをゴールに結び付けていればベンフィカには相当なプレッシャーがかかったはずです。追加点をすぐに奪って二試合トータルでイーブンに持ち込んでいたかもしれません。
さらにこの日、「コペンハーゲンの顔」とも言うべきデンマーク代表の名ウィング、イェスパー・グロンキアが累積警告で出場停止だったのも、今日のピッチコンディションと併せて、クロスが生命線のコペンハーゲンには”不運だった”と言うべきかもしれません。

 以下、ポルトガルのスポーツ紙「A BOLA」のサイトからの引用です。
ベンフィカ監督、ホセ・アントニオ・カマーチョのコメントです。「選手たちのこの試合に臨む姿勢、そしてやり遂げた仕事は非常素晴らしいものだった。我々がCLの大舞台に臨めることが出来たのは正当な結果だと思う。これから先のことはまだ分からないが、ベンフィカにとってはヨーロッパの強豪たちが集うこの大会に踏みとどまっていられることが一番重要なことなんだ。」

先制ゴールを決めたカツラニスのコメントです。「極限と言ってもいいぐらい難しい試合だったよ。僕自身、守備に対する大いなる責任を感じていたし、実際その機会も多かった。でも、最初にゴールを奪えたのは大きかったね。」

 これで今シーズンも、ポルト、スポルティング、ベンフィカとポルトガルから三クラブがCL本選の舞台に登場することになります。
本選グループリーグの組み合わせ抽選は今日行われますが、どんなビッグクラブと同じグループになろうとも、ぜひともユーラシア大陸西の果ての「小国の矜持」をヨーロッパにそして世界に見せつけてやって欲しいものです。
あの緊張感と高揚感がない交ぜになったCL独特の雰囲気を”ホームスタジアム”でかみ締めることが出来る季節の到来はもうすぐです。

【追記】8月30日、モナコで行われたCL本選の組み合わせ抽選会でポルトガル勢の対戦相手が決定しました!

グループA:ポルト、リヴァプール、マルセイユ、ベジクタシュ
グループD:ベンフィカ、ACミラン、セルティック、シャフタール・ドネツク
グループF:スポルティング、マンチェスター・ユナイテッド、ローマ、ディナモ・キエフ


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posted by 鰐部哲也 |08:05 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年08月29日

”本家”も続け!

 月曜日(27日)の昼、嬉しいニュースがここ最果ての地に飛び込んできました!
現在、日本の大阪で開催されている「世界陸上」の男子三段跳びで、ポルトガルのネルソン・エヴォラが金メダルを獲得!17m41cmの自己ベスト記録更新で堂々の優勝を果たしました。

 ロサンゼルスオリンピック(1984年)男子マラソンで優勝したカルロス・ロペスやソウルオリンピック(1988年)女子マラソンで優勝したロサ・モタなど「マラソン王国」のイメージが強いポルトガル。実際、過去の「世界陸上」でも金メダルを獲得しているのはロサ・モタ(女子マラソン/ローマ大会)、マヌエラ・マシャド(女子マラソン/イェーテボリ大会)、カルラ・サクラメント(女子1500m/アテネ大会)といずれも女子の中長距離ランナーばかり。
今回、ネルソン・エヴォラがフィールド競技でしかもこの大会男子初の金メダルを獲得したのは快挙なのです。

 早速、ポルトガル共和国大統領のカヴァコ・シルヴァは「この素晴らしい結果に対して彼を祝福したい。この金メダルという結果は間違いなく、彼のたゆまぬトレーニングと献身を意味するものだ。すべてのポルトガル国民が誇りに思う。」と国営放送RTPに向けてお祝いのコメントを送りました。

 ちなみにこのネルソン・エヴォラはアフリカのコートディボワール生まれ、カーボヴェルデ出身の帰化選手。所属はなんとベンフィカ。
ポルトガルの陸上選手というと、決まってスポルティング所属と相場が決まっているものです。今回の「世界陸上」でメダルが一番有力視されていたアテネオリンピック男子100m銀メダリストのフランシス・オビクウェル(今大会100mは予選落ち、200mは準決勝進出)や女子走り幅跳びのナイデ・ゴメス(今大会4位)も揃ってスポルティングの所属で、アルヴァラーデで行われるスポルティングのホームゲーム(サッカー)にはよく試合前のセレモニーでプレゼンターとして登場しています。
そんななか、まさかのベンフィカ所属の陸上選手の快挙!
”本家”のサッカーのほうでは最近さっぱり精彩を欠いているだけに、この朗報が弾みになればいいのですが。。。

 何かサッカーとは関係のない話題になってしまいましたが、”同僚”の活躍に大いに刺激を受けて、ベンフィカ、今日(29日)のCL予選3回戦2nd.レグのコペンハーゲン戦(アウェー)ではきっちりCL本選出場を決めて欲しいものです。特に”本家”のほうの”ネルソン”!あなた奇しくも同じカーボヴェルデからの帰化選手で名前も一緒。大いに奮起するように!

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posted by 鰐部哲也 |10:42 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月28日

王者の貫禄

 昨日(26日)のクラシコ、ポルトvsスポルティングの大一番は1-0とは言え、ポルトの”横綱相撲”でしたね。私は「スポルティング勝利」に賭けてたんですが、まだまだ修行が足りないようです。

 この試合については今週水曜日(29日)発売の海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)9月5日号にてマッチレポートを書いておりますのでぜひご覧になってみてください。

 というわけで、詳しく試合展開を追うのはここではしませんが、ポルトは本当に”大人のチーム”だなぁ。というのが正直な感想ですね。ぺぺ、アンデルソンと攻守のキーマンが抜けたのにも関わらず、ぺぺの穴を埋めるカピタオン(キャプテン)、ペドロ・エマニュエルは老獪なディフェンスで完全に相手のエース、リエドソンを封じましたし、最終ラインからの的確なコーチングが素晴らしかった。さらに中盤ではもうひとり攻撃のタクトを振るう選手がいます。昨季のカピタオン、ルチョ・ゴンザレスです。つまりこのチームには攻守のリーダーが二人いるわけで、状況に応じて攻撃のパターンを臨機応変に変えて選手がそれにすぐ適応する能力がある。これを試合中に監督の指示ではなく、選手の判断で出来るのですからやはり”大人のチーム”なんです。
この日も、序盤はクアレスマを中心とした左サイド攻撃が封じられると見るや、クアレスマを右サイドにコンバートさせ、長いサイドチェンジでノーマークのタリクに当てるような効果的な攻めを見せましたし、DF陣も前半32分にジョアン・モウティーニョが放ったミドルシュートまでスポルティングに一本も撃たせず、前半45分間で許したシュートはこの一本だけというパーフェクトな守備を見せました。

 結局、決勝点は相手の凡ミス(スポルティングGKのストイコヴィッチがポウガのバックパスを手でキャッチ)によるペナルティエリア内の間接FKによって決まったわけですが、この場面でもルチョがクアレスマに出すと見せかけて一度も視線を送らなかった真横のラウール・メイレレスにヒールで流すという文字通りの”トリック・プレー”でゴールをもぎ取ったもの。これもポルトの選手がよく使う「目を閉じていても味方の意図と動きが分かる」という言葉通りの強固な信頼感と結束力の表れでしょう。
 それにしても、スポルティングの新守護神、ストイコヴィッチのミスは試合後に監督のパウロ・ベントが「あまりにも大きな代償を払ってしまったミス」と語った本当に痛いミスでした。開幕戦のアカデミカ・コインブラ戦でも相手クロスへの対応が遅れて失点を許す場面がありましたし、早くも二戦終わっただけで国内メディアではその能力を疑問視し始めています。
今年3月28日のEURO予選では、ポルトガル代表相手に素晴らしいセービングを見せたセルビア代表のGKも、もしかするとU-20W杯カナダ大会のポルトガル代表正GKのルイ・パトリシオあたりにポジションを奪われるようなことがあるかも分かりません。

 ちなみに今回のスポルティングの敗戦は、ポルトガル杯、スーペルタッサも含めた公式試合では昨年12月1日、ホームでのベンフィカ戦以来、264日ぶり、26試合ぶりの負けだったわけで、いかに昨季終盤のスポルティングが絶好調で”まくった”か分かります。この原動力となったナニは昨日(29日)、新天地マンチェスター・ユナイテッドでプレミアリーグ初ゴールを決めました。旧守護神のリカルドもリーガ・エスパニョーラでレクレアティーヴォ相手にスタメン出場。引き分けましたが安定した守備を見せたようです。
スポルティングは改めて仕切り直しです。パウロ・ベントがまた上手く選手をまとめて巻き返してくるでしょう。

 ちなみにリーガ第2節を終わって、首位に立ったのはなんとマリティモ。同じく二連勝を飾ったポルトを得失点差で上回り堂々の1位です。
実は私、某雑誌のポルトガル国内リーグの開幕直前特集でマリティモを二部降格候補としてしまったんですが、これはマデイラの人たちに謝らなければいけませんね。すいません。
このマリティモ、開幕戦はマククラの2ゴールでパッソス・デ・フェレイラを3-1で一蹴。昨日行われた第2節ではアウェー、ベッサで昨シーズンたった1ゴールのブラジル人FWカヌの2ゴールで2-0でボアヴィスタを屠りました。特に開幕戦でゴールを決めたマククラは、今年4月にポルトガル代表、ジョルジュ・アンドラーデのインタビューをしにラ・コルーニャに行ったとき、試合も観てきたんですが、確かに相手チームのヒムナスティックにいました。後半から途中出場したんですが長身でガタイのいいわりには柔らかいボールさばきをしていたように記憶しています。
このマククラ、アフリカのキンシャサ(旧ザイール、現DRコンゴ)生まれの帰化選手で現在はポルトガル国籍を有しています。もし今シーズンゴールを量産するようなことになればポルトガル代表も見えてくるのではないでしょうか。

 「bwin LIGA」(リーガ)もまだ二試合を終えたばかりですが、ポルトは今シーズンも苦手のアウェー、ブラガ戦、ホーム、スポルティング戦を連勝でスタート。やはり優勝の大本命です。

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posted by 鰐部哲也  |05:38 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年08月26日

ため息のホーム開幕戦

LUZ 2007・8・25


「よく守ってくれたチームにとても満足している。」と試合後に語ったベンフィカの新監督カマーチョの言葉は間違いなく本音でしょう。
ルイザオン、ゾロ、スレテノヴィッチ、ダヴィッド・ルイスと呪われたようにCB陣が負傷離脱。アンデルソンは今週リヨンへの移籍が決定し、本当にピッチに立てるCBがひとりもいなくなってしまったのですから。
結局、この日最終ラインに立っていたのは、本職はMFのカツラニスと急遽ジュニアチームから招集された18歳のU-19ポルトガル代表、ミゲル・ヴィトール。本当にこの二人は慣れないポジションと慣れない大舞台で期待以上の活躍を見せてくれたのですが。。。

 今日(25日)はベンフィキスタにとっては待ちに待った「ホーム開幕戦」。リスボン市内では早くも午前中から赤いユニフォームを身にまとった老若男女が目につきました。元ベンフィカソシオである私も取材とは言え、「ルス」に行くのが前日から楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。
果たして「ルス」は相手が今季二部から昇格したヴィトリア・ギマリャエンスにも関わらず、52,462人の大観衆で埋まりました。
さらに場内アナウンスで「トレイナドール(監督)、ホセ・アントニオ・カマーチョ!」とコールされると割れんばかりの拍手とスタンディングオベーション。これは圧巻でした。

 この日のベンフィカのスタメンです。
GK:キム
DF:ネルソン(右SB)、ミゲル・ヴィトール、カツラニス(CB)、レオ(左SB)
MF:プティ(ボランチ)、ルイ・コスタ(トップ下)、ヌーノ・アシス(右W)、ファビオ・コエントラオン(左W)
FW:オスカル・カルドーソ、ヌーノ・ゴメス(トップ)
カピタオン(キャプテン)はヌーノ・ゴメス。4-4-2の布陣です。
先のU-20W杯ポルトガル代表としても活躍したファビオ・コエントラオンが初スタメン。さらに注目は前述した18歳のCB、ミゲル・ヴィトール。18歳でのベンフィカ生え抜き選手のトップリーグデビューは2004年のマヌエル・フェルナンデス以来のこと。奇しくもこのときの監督もカマーチョでした。

 陽もまだ明るい19時16分にキックオフされた試合は、序盤からベンフィカが速攻を仕掛けます。中盤で手数をかけずに縦へのロングボールを多用して高さのあるカルドーソに当ててそのこぼれ球をヌーノ・ゴメスが狙うというパターンを多用してきました。明らかにフェルナンド・サントス時代のいわゆる”遅攻”からの脱却を図っているようでもありました。
逆にギマリャエンスの方は中盤でプレスをかけてボールを奪ってから、最後は右サイドのジョアン・アルヴェス(元スポルティング)にボールを集めてクロスを上げさせてアラン(元ポルト)に当てるという攻撃パターン。
結局、中盤を支配されるのを嫌ったベンフィカは、相手ボールになった時にトップのカルドーソ以外は引いて全員守備で何とかマイボールにしようする余り徐々に攻めが遅くなっていきました。
ベンフィカは前半18分に、カルドーソのポストプレーからウラへ抜け出したヌーノ・ゴメスがフリーでシュートを放ったのと後半41分にヌーノ・ゴメスのスルーパスに抜け出したファビオ・コエントラオンが同じような位置からフリーでシュートを放ったのがいずれもわずかに枠を外れたのが決定機でした。
一方のギマリャエンスは前半25分にファジャルドのスルーパスにムルダコヴィッチが飛び込むもののGKキムに阻まれたのが唯一のチャンス。
前半は0-0で折り返します。

 雨が落ちてきた後半に入ると、ボール支配ではベンフィカが圧倒します。しかし、ギマリャエンスDF陣は、ヌーノ・アシス、ファビオ・コエントラオンの両ウィングにボールが渡ったところで、二人でディフェンスにいって必ずプレーを切ってきます。
前がかりになって攻めたいベンフィカでしたが、ギマリャエンスもポルト時代と同じくこの日も精彩を欠いていたアランに代えて後半56分に一部昇格の最大の功労者、アルジェリア代表のジラスを投入し、アキレス腱であるDFラインのウラを突いてきます。ここで懸命のスライディングでのパスカットや相手FKに体を投げ出してピンチを救うなど、文字通り”体を張った”ディフェンスを見せたのがカツラニスでした。本当に器用な選手です。今週のスペイン戦でギリシャ代表としてゴールを決めた同じ選手とは思えません。
後半57分には、ルイ・コスタへのファウルで得たFKをカルドーソがゴール正面から左足で蹴りこみますが、GKニルソンのスーパーセーブに阻まれます。
攻め手がないベンフィカは後半70分過ぎ、ヌーノ・ゴメスに代えてロメウ・リベイロ、ファビオ・コエントラオンに代えてルイス・フィリペを投入し早くも”守りに入り”ました。
ここで勝負はスコアレスドローに持ち込まれることが明らかになりました。
結果は0-0。ベンフィカにとっては先週のレイショエンス戦に続いて二部からの昇格組に対して二引き分けという結果。スタートダッシュどころか早くも先頭集団から遅れをとり始めました。

 ちなみに前回のベンフィカとギマリャエンスとの対戦は、2006年3月15日のポルトガル杯準々決勝まで遡ります。このときも試合会場は「ルス」。この時は1-0でギマリャエンスが勝利。この試合もギマリャエンスGK、ニルソンがベンフィカ攻撃陣が”撃ちまくった”シュートをことごとくセーブし守り勝っています。そんなジンクスが今日も生きていたのでしょうか?
しかし、手負いのベンフィカ。「負けないこと」が第一目標だったのでしょう。唯一気になるのはカルドーソの「軽いプレー」。トラップが不安定だし、ヘディングでの落としどころも悪いし、パスミスも多い。ルイ・コスタがしっかりボールを足元に収めて正確無比なパス供給し続けているだけに余計にその悪癖が目立ちます。そもそもルイ・コスタと比べるのが間違っているのでしょうが、味方との連携も含めて今後の課題となりそうです。

ホセ・アントニオ・カマーチョ(記者会見) 2007・8・25


 試合後のベンフィカ監督、ホセ・アントニオ・カマーチョのコメントです。「ゴールを奪うためのチャンスをもっと作らなくてはいけない。選手たちはまだ万全のコンディションではないようだ。足が重いように感じる。しかし、これは(私が)リスボンに到着してから言い続けてきたことだ。やるべきことがたくさんあることも分かっている。(来週29日の)アウェーでのCLの試合はまた別の試合になるだろう。まだこのチームを見極めなければならないし、もっともっとトレーニングを積まなけらばならない。ベンフィカはもっとゴールに結びつく機会を創り出さなければいけないということだ。」

 ベンフィカは8月いっぱいで締め切られるメルカード(移籍市場)を前に、来週月曜日(27日)にユヴェントスのCB、アラン・ブームソン(フランス代表)と契約を結ぶことが内定。さらに攻撃的MFのクリスティアン・ロドリゲスとこちらもMFのマキシミリアーノ・ペレイラという先のコパ・アメリカにも出場したウルグアイ代表二人の移籍もほぼ決定しており、早くも”カマーチョ色”に染められているようです。
まずは、来週8月29日のCL予選3回戦2nd.レグのコペンハーゲン戦、アウェーで引き分け以上に持ち込んでCL本選出場を是が非でも決めて欲しいです。
ケガ人が続出する手負いのベンフィカを急遽任された、スペイン人指揮官には少し長い眼で見守ろうと思います。
ベンフィカが元気ないとリーガも面白くないですからね。

 明日(26日)は、ポルトvsスポルティングのクラシコがあります。
ポルトにとっては昨シーズンはホーム、ドラガオンで苦杯を嘗めている相手、しかもスペールタッサでの借りも返さなければいけません。
スポルティングはむしろ与しやすい相手と心理的優位に立ってるはず。この大一番で勝ち点3を獲ることができればリーガ優勝へ向けてさらに加速するでしょう。
スペクタクルでレベルの高い試合を期待しましょう。

【追記】アラン・ブームソンはイタリア国内でのレンタル先を探すとしてベンフィカからのオファーを拒否。ベンフィカは代わりに元U-20ブラジル代表CBのエドカルロスと27日(月)、正式に契約を交わしました。(8月27日/ポルトガル現地時間)


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posted by 鰐部哲也 |11:04 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月23日

後味悪いドロー

クリスティアーノ・ロナウド 2007・8・19


 先ほど終わりましたEURO2008予選、アルメニアvsポルトガルの試合のTV観戦レポートです。
試合前日の記者会見でカピタオン(キャプテン)のジョルジュ・アンドラーデは「昨日の朝にアルメニアがホームでどうやってポーランドに勝ったかビデオで研究したよ。彼らは本当に守りが堅かったし、攻めに転じたときとても速いアタックをしかけていた。これには十分注意しなきゃね。」と語っていたんですが。。。結果は。。。

 その前にポルトガルとアルメニアの関係に少し触れておきましょう。ポルトガルのリスボンにはグルベンキアン美術館という観光名所があるのですが、ここに所蔵されている美術品は元々、石油王として財をなし、晩年リスボンで暮らしたアルメニア人のグルベンキアンのコレクションで、彼の死後、ポルトガルに寄付されたもの。現在、この美術館を始め、オーケストラやバレエ団を所有するグルベンキアン財団はポルトガルの文化事業に大いに貢献しているのです。というわけでグルベンキアンというアルメニア人は「ポルトガルの文化芸術の父」と呼んでもおかしくない人物なのです。

 話がそれてしまいましたが、この日のポルトガル代表のスタメンです。
GK:リカルド
DF:ミゲウ(右SB)、フェルナンド・メイラ、ジョルジュ・アンドラーデ(CB)、パウロ・フェレイラ(左SB)
MF:ティアゴ、ラウール・メイレレス(ボランチ)、デコ(トップ下)
FW:クリスティアーノ・ロナウド(右W)、シマオン(左W)、ポスティガ(トップ)
カピタオン(キャプテン)はジョルジュ・アンドラーデ。4-5-1の布陣。
ミゲル・ヴェローソの代表デビューあるかと思っていたんですが、ツーボランチということでラウール・メイレレスを使ってきましたね。それとシマオンのスタメンは予想通り、スコラーリの中ではクアレスマよりもファーストオプションとしての評価は高いですから。ワントップのポスティガですが、「代表での勝負強さ」を買っているのでしょう。6月のアウェーのベルギー戦でも値千金の決勝ゴールを決めてますし。

 21時(現地時間)、エレバンのレプブリカンスタジアムでキックオフされた試合は、ジョルジュ・アンドラーデが危惧していた通り、アルメニアのボールを持ってからの速い攻めがポルトガルDF陣を撹乱します。前半9分に14番のパチャジヤンがドリブルで中央へ切れ込んでそのままシュート!これはリカルドが右手一本でなんとか弾きますが、デコがポルトガルのファーストシュートであるミドルシュートを放った直後でした。
前半11分、ラウール・メイレレスのファウルで得たFKを蹴るのはカラムヤン、左足を振りぬいた弾道はDFのアルズマンヤンにどんぴしゃで合いました。よもやのアルメニアの先制ゴールが決まって、1-1。
確かにこの日のアルメニアは攻守に渡って集中力がありました。豊富な運動量でプレスも効いていましたし、パスカットも読みが素晴らしかったように思います。
逆に出来が悪かったのがポルトガルのDF陣。特にCBの二人、ジョルジュ・アンドラーデとフェルナンド・メイラの連携は最悪でした。フェルナンド・メイラのハイボールの処理も危なっかしかったですし、ジョルジュ・アンドラーデの前線へのロングフィードもことごとく相手ボールにされてしまってました。守備陣で唯一頑張ってたのはパウロ・フェレイラでしょうか?攻守のバランスを上手くとって機を見てのオーバーラップもまずまずでした。
それでもポルトガルは前半37分、アルメニアの7番のクリアミスを右サイドですかさず拾ったクリスティアーノ・ロナウドがエンドラインに向かってドリブルを開始、そのまま中央へ向かって方向を変えると先制ゴールを決めたアルズマンヤンが足を出すのを見計らってボールを左足に持ち替えてそのままゴールに流し込みました。ゴール!1-1。
まさにクリスティアーノ・ロナウドの個人技から始まって個人技で完結した素晴らしいゴールでした。この日も前線での存在感と二人、三人に囲まれてもあっさりドリブルで抜いていくテクニックはさすがです。
前半はこのまま1-1で終了。

 アルメニア10番のカラムヤンのシュートで幕を開けた後半は、やはりポルトガルDF陣が集中力を欠いたままという印象は拭えませんでした。
前半からデコといいコンビネーションを見せていたクリスティアーノ・ロナウドは後半はサイドから真ん中に張り出してボールを受けると中央突破を図る攻撃を見せますがなかなかシュートまで持ち込めません。
膠着した試合展開に後半60分過ぎに監督のスコラーリが動きます。まず、トップのポスティガに代えてヌーノ・ゴメスを投入。さらにこの日”試合から消えていた”と言ってもいいぐらい精彩を欠いていたシマオンに代えてクアレスマを投入します。
それでもアルメニアはシュートコースにはきちんと体を入れて対処して、ボールを奪えば速攻で果敢にシュートを放ちます。
これに対して、スコラーリは後半72分、なんとジョルジュ・アンドラーデに代えてブルーノ・アルヴェスを投入。一番の愛弟子にしてカピタオン(キャプテン)のアンドラーでの交代は驚きでしたがこの日の出来は今まで見た中で”最悪”と言ってもいいパフォーマンスでしたから仕方なかったのかもしれません。
ロスタイム3分にクアレスマの長いFKにポルトの同僚、ブルーノ・アルヴェスがフリーでアタマを振りぬきましたが惜しくも枠の外。これで万事休す。
最後の最後にミゲウがスローイングのチャンスを得て、ロングスローを試みようとした瞬間にタイムアップの笛が鳴り、ポルトガルの選手が主審のクラウス・ボー・ラーセンに食ってかかるというなんとも後味の悪い1-1のドローに終わりました。

 以下、ポルトガルのスポーツ紙「Record」のサイトからの引用です。
試合後のポルトガル代表監督、ルイス・フェリペ・スコラーリのコメントです。「勝ち点の計算がより難しくなったのはもちろんのことだ。われわれには今日のミスによってマージンは非常に小さいものになってしまった。もし、勝っていたら(アウェーの)ポーランド戦の敗戦を帳消しにすることが出来たのだが。今は(来月の)ポーランド戦とセルビア戦に勝つしかない。ホームでこのミッションをなんとしても履行しなければならない。」

この日同点ゴールを決めたクリスティアーノ・ロナウド(写真)のコメントです。「僕らの目標はあくまでも勝つことだったんだ。でも、それはかなわなかったね。チームは良く戦ったにも関わらず、ピッチがそれを助けてくれなかったよ。アルメニアは上手くゴールを奪ったね。前半が全てだった。」

 ということは気になるグループAの順位ですが、この日試合がなかったポーランドが勝ち点19で首位のまま。2位にホームでカザフスタンを2-1で下したフィンランドが勝ち点17で浮上。3位が勝ち点15でポルトガル。4位にアウェーでベルギーに3-2で敗れたセルビアが勝ち点14で続いています。
上記のライバルとはすべてホームの試合を残していますし、首位のポーランドは消化試合数が一試合多いので悲観することは全くありません。
ただ、DF面での課題とミドルシュートの精度という課題も浮き彫りになりました。来月の天王山、9月8日(土)のポーランド戦、12日(水)のセルビア戦までにきっちり修正してほしいものです。
ただ、アルメニアもFIFAランキング81位のチームとは思えないぐらい完成されたチームでありました。


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posted by 鰐部哲也 |07:01 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2007年08月21日

ベンフィカ、監督更迭!

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本日より『ポルトガル “F”の魂』はこちらの「スポーツナビ+」のほうでお世話になることになりました。
ポルトガルサッカーの魅力をより多くの方に知ってもらうため、さらにサッカージャーナリストとしての幅を広げるための“ブログのお引越し”です。ご不便をおかけしますが読者の方には変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。
尚、過去ログについては『ポルトガル “F”の魂 過去ログ』のほうを参照してください。
 
 さて今回の話題ですが、8月20日深夜(現地時間)、ベンフィカの監督、フェルナンド・サントス(写真)の更迭が決定しました。ベンフィカ会長のルイス・フィリペ・ヴィエイラは先週土曜日のリーガ開幕戦、レイショエンス戦でのロスタイム4分に同点に追いつかれ、ドローに終わった試合結果を受けて首脳陣と話し合いを続けてきましたが、最終的に「クビ」という答えを出したようです。

 フェルナンド・サントスは1987年、33歳のとき当時リーガ・デ・オンラ(二部)のエストリルで監督としてのキャリアをスタート。以来約20年に渡って国内三大クラブを中心に指揮を採ってきた割にはリーグ優勝はポルト監督時代のたったの1回(1998/99年シーズン)だけ。国内では戦術も求心力もない監督として評価は低く、「無名のデコをサルゲイロスからポルトに引っ張ってきて、モウリーニョにバトンタッチしたのが唯一の実績」と揶揄されるほど徹底的に人気のない監督でした。
実際、試合後の記者会見でも「このチームにはまだ時間がかかるようだ。」「ボールがゴールを割ってくれなかっただけ。」など苦虫を噛み潰した表情で他人事のようなコメントをぼそぼそと小声で話すスタイルはベンフィカ番記者の反感も買っていたように思います。

 ベンフィカはズヴェン・ゴラン・エリクソン(現マンチェスター・シティ監督)が三シーズン連続(1989年~1992年)で指揮して以来、毎シーズン猫の目のように監督交代を繰り返す反省から、昨シーズン開幕前に「長期政権を任せられるポルトガル人監督」としてこのフェルナンド・サントスを招聘したのですが、結局、リーガ開幕戦一試合を終えてという“最悪のタイミング”での監督交代劇となりました。
昨シーズン終盤、ポルト、スポルティングと三つ巴の優勝争いを繰り広げていたときに「最下位(3位)なら辞めてもらう」と会長が公言していたときに大鉈を振るっておけば。。。

 16時30分からセイシャルのベンフィカ練習場で会見に臨んだフェルナンド・サントスは「残念な思いで(チームを)去るこの瞬間について何と言っていいか分からない。今の気持ちを説明するのは難しい。今回の決断には驚いている。15日前にグアディアナトーナメントを制して、CLのホームの試合(予選3回戦、コペンハーゲン戦)にも勝って、昨シーズンからここ22試合負けがないにも関わらず、辞めなければいけない監督はどこにもいないと思うからね。それがサッカー界ではきっと自然なことなのだろう。」と最後のコメントを残しました。

 尚、ベンフィカの後任監督は元スペイン代表監督で、2003/04年シーズンにもベンフィカを指揮してポルトガル杯を制したホセ・アントニオ・カマーチョに決定しました。
8月25日(土)のホーム開幕戦のギマリャエンス戦から指揮を採ることになります。
唯一無二のカピタオン(キャプテン)であるシマオンがチームを去って、DFの柱であるルイザオンとゾロのCB陣が揃ってケガで離脱。さらに今回の監督交代と逆風が吹き荒れる「世界最多のソシオ」を抱える国内最大の人気クラブに未来はあるのでしょうか。


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posted by 鰐部哲也 |10:27 | コメント(8) | トラックバック(1)
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