ポルトガル “F”の魂

リーガ第24節-ライバルが揃ってポルト優勝を阻止-

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ベンフィカvsパッソス・デ・フェレイラ 2008・3・30


 先週末から今日(3月31日)にかけて行われたリーガ第24節のレポートです。今節、実は2位ベンフィカ、3位ヴィトリア・ギマリャエンスが揃って敗れて、首位ポルトが勝てば残り6試合を残して早々に優勝が決まるというJORNADA(節)でもあったわけですが、ライバルたちは揃って勝利、最後の”あがき”を見せたようです。

 私は日曜日(3月30日)に行われた、ベンフィカvsパッソス・デ・フェレイラの試合の取材のため「ルス」に足を運びました。
ポルトガルではちょうど当日の午前0時にサマータイムが始まって日本との時差が9時間から8時間になったので、21時15分キックオフの試合でしたが、実際は20時15分の感覚です。その”1時間を損した”からかも分かりませんが、この日「ルス」に集まった観客は23,722人と低調でした。

 この日のベンフィカのスタメンです。
GK:キム
DF:ネルソン(右SB)、カツラニス、エドカルロス(CB)、レオ(左SB)
MF:マキシ・ペレイラ、プティ、ルイ・コスタ(ボランチ)、クリスティアン・ロドリゲス(トップ下)
FW:ヌーノ・ゴメス、オスカル・カルドーソ
カピタオン(キャプテン)はヌーノ・ゴメス、フォーメーションは4バック、スリーボランチの4-3-1-2という変則フォーメーションを採用してきました。この日はCBのルイザオンがケガで欠場、ダヴィド・ルイスもアムステルダムで手術を受けたばかりで今季絶望となりましたから、カツラニスがCBに入りました。

 この試合、ベンフィカはスリーボランチと前線の3人がどう連携して攻撃に絡んでいくのかがポイントだったわけですが、スリーボランチがボールをキープして相手DFを多数引きつけたところで、クリスティアン・ロドリゲスをフリーにしてパス、このクリスティアン・ロドリゲスが高い位置で攻撃の起点となるという意図は明確な戦術でした。
これにパスを出したルイ・コスタらが時にはクリスティアン・ロドリゲスを追い越して積極的にペナルティエリア内で勝負するというバリエーションも見せました。
そして前半24分、中盤でフリーでボールを受けたクリスティアン・ロドリゲスがドリブルで上がってそのままミドルシュート。矢のようなシュートがゴールに突き刺さってゴール!1-0。ベンフィカが先制します。

ヌーノ・ゴメス、主審に抗議 2008・3・30


 しかし、前半40分、ペナルティエリア内でネルソンがパッソス・デ・フェレイラの「10」番、クリスティアーノを倒してPKの判定。
主審のエルマーノ・サントスに激しく詰め寄るルイ・コスタとヌーノ・ゴメスが揃ってイエローカードを食らいます。
この”執拗な抗議”には実は伏線がありました。
その直前、前半38分に左サイドからレオが上げたクロスはペナルティエリア内のマングアルデの左手に当たったにも関わらず、この主審はハンドを取らず、PKの判定をベンフィカに与えなかったのです。
結局、このパッソス・デ・フェレイラに与えられたPKをウェズレイに決められ、1-1の同点。試合はこのまま折り返します。

 これまでのベンフィカならこのままずるずると引き分けに持ち込まれていたところですが、試合後に監督のシャラーナが「後半に入ってからの選手は、”あのPK"で新しいスピリットが注入されたようだ」と振り返ったように一方的にベンフィカが攻め立てます。
後半69分には左サイドのレオからボールを受けたオスカル・カルドーソがシュート、力の無いシュートでしたが相手DFに当たって方向が変わり、そのままゴールラインを割りました。2-1。
カルドーソはこれでシーズン前に「今シーズン、20ゴール以上は決めたい」という公約どおり、公式戦20ゴール目をマークしました。
このベンフィカでの一シーズン20ゴール以上の記録は、かつてフェイエノールトで小野伸二のチームメイトだったファン・ホーイドンク以来の記録となりました。
さらに今度は前日(29日)に36歳の誕生日を迎えたばかりの”マエストロ”のショータイムが始まります。
後半75分にはカルドーソのファウルから得たミドルレンジのFKを直接ゴールネットに押し込み、3-1。
さらに後半85分には左サイド、クリスティアン・ロドリゲスのクロスに中央でアタマで押し込み、4-1。(このゴールは完全に相手GKペサーニャの”フランゴ”=凡ミスでしたが)
ルイ・コスタの「BIS」(1試合2ゴール)は、今年8月14日のCL予備選3回戦のコペンハーゲン戦以来でした。
久しぶりにベンフィカイレブンの”魂のこもった”試合で4-1とベンフィカが完勝しました。

オーロラビジョン(ルス) 2008・3・30


 ベンフィカのホーム「ルス」でのリーガの勝利は、なんと2008年(今年)に入ってから初めて。今年はこれまでリーガでは4試合ホームで引き分けが続いてましたから、久しぶりの快勝です。
相手のパッソス・デ・フェレイラは15位で二部降格圏内にいますから、勝って当然なんですが、なんせ前々節では最下位のウニアオン・レイリアに引き分けて、試合後の監督、ホセ・アントニオ・カマーチョの突然の辞任劇を生んでしまいましたから。正直勝って良かったと思います。

 一方、その他のライバル、3位のギマリャエンスはホームでマリティモを1-0で撃破。4位のヴィトリア・セトゥバルも今日(31日)ホームでボアヴィスタに3-1と快勝、さらにスポルティングもアウェーで、ミゲル・ヴェローソのリーガ43試合目にしての初ゴールもあって4-1でナヴァルに圧勝しました。

 首位ポルトもアウェーで、リサンドロ・ロペスのほぼリーガ得点王を決定づける20ゴール目とルチョ・ゴンザレスのPKで2-1とベレネンセスに勝利。
次節、2位以下の結果に関わらず、ホームのエストレーラ・ダ・アマドーラ戦で今季のリーガ優勝が決定します。

 リーガ第24節を終わっての順位です。首位:ポルト(勝ち点60)、2位:ベンフィカ(勝ち点44)、3位:ヴィトリア・ギマリャエンス(勝ち点44)、4位:ヴィトリア・セトゥバル(勝ち点40)、5位:スポルティング(勝ち点40)、6位:ブラガ(勝ち点37)となっています。
果たして次節、ポルトの優勝は決まってしまうんでしょうか?
Xデーは4月5日、土曜日。20時45分キックオフです。




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この記事へのコメントコメント一覧

リーガ第24節-ライバルが揃ってポルト優勝を阻止-

気は早いですが、ありがとうございます(笑)
嬉しいのですが、映像も見られない、遠いところでの出来事なので心情は微妙ですね。
そろそろ何とかしてドラガォンへ行かなくては!


16日のfootballistaは買いですね!
ギマラインスが日本のフットボール誌にフォーカスされるのは恐らく初めてなのでは?

セトゥーバルは泥臭いということでしょうか?なるほど、カップ戦に強そうです。
CL分配金に関しては全然わからないのですが、もしGLまで進出してしまうようなことがあったら慢性的資金難を解消できるチャンスでしょうから、まずはリーガ3位目指して頑張ってほしくなってきました。

パウロ・ベントも好きではあるんですが・・・。

リーガ第24節-ライバルが揃ってポルト優勝を阻止-

>Shin.tさん
そうですね。
ルイ・コスタは引退後は監督、コーチの道ではなく、フロント入りのようです。
ベンフィカとしてはジョゼ・ヴェイガのようなGDにしたいようですよ。

セトゥバルは正直サッカーはつまらないですが、勝負強い印象がありますね。
ギマリャエンスのほうが面白いです。ですので、「ギマリャエンス躍進の秘密」について16日発売のfootballistaで巻末コラムを書くことになりました。どうしてもこのテーマで書きたくて売り込みしてみました。

どちらにしてもポルト優勝は決まりですね。
今季もおめでとうございます(笑)。

リーガ第24節-ライバルが揃ってポルト優勝を阻止-

こんばんは。
ルイ・コスタはフロント入りですよね。
でも、ポルトのバイーアもですが、やっぱり現場に立っていて欲しいものです。


両ヴィトリアがCLに出場している絵が想像できません(笑)
今更ですが両チームともどんな試合をしているのか、気になってきました。
ベンフィカとスポルティングの停滞もありますが、取りこぼしが少なく失速していないので両ヴィトリアとも強いのでしょう。ギマラインスは確か昨季オンラでしたよね?

セトゥーバルがポルト戦とベンフィカ戦、ギマラインスがポルト戦を残していますが、次節ポルトが優勝を決めて消化試合になると・・・。
スポルティングがもしブラガ戦やボアヴィスタ戦を、ベンフィカがポルト戦を落としたら・・・。

スカパーでGLを戦う彼らが観られるのか・・・?(笑)

リーガ第24節-ライバルが揃ってポルト優勝を阻止-

>リョウさん
この日の2ゴール、特に最初の直接FKを押し込んだのは圧巻でした。

本人は2月末のベンフィカ創立記念パーティーで「今シーズンで引退」を改めて念押ししてましたね。
残念ながら今シーズンでユニフォームを脱ぐようです。最後の花道にポルトガル杯でも獲れればいいんですが。

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鰐部哲也 / TETSUYA WANIBE
サッカージャーナリスト。
1972年10月30日生まれ。三重県四日市市出身。ポルトガル北部のブラガ在住。
明治大学卒業後、約10年間、金融・財務畑での会社勤務を経て2004年に単身渡葡。2006年より首都リスボンを拠点に現地ポルトガルで本格的にサッカージャーナリスト活動を始め、日本の海外サッカー専門誌を中心にポルトガルサッカーの記事を寄稿。2008年に日本に帰国し、約2年半故郷の市職員として日系ブラジル人相手のポルトガル語の通訳及び翻訳者として従事していたが、2011年に再びポルトガルに渡り、サッカージャーナリストに復帰した。
現在はポルトガルスポーツジャーナリスト協会(CNID)唯一の日本人会員として国内三強(ベンフィカ、ポルト、スポルティング)及びブラガ、ポルトガル代表を中心に取材を重ねている。

著書に『ポルトガルサッカーの魔力』(白夜書房・サッカー小僧新書)がある。

・ポルトガルスポーツジャーナリスト協会(CNID)会員
・国際スポーツプレス協会(AIPS)会員
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(11月07日現在)

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