2007年10月04日

CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

シャフタール・ドネツク イレブン 2007・10・3


 今週火曜日(2日)、水曜日(3日)に渡って行われたCL第2節、ポルトガル勢3チームにとってはくっきり明暗が分かれる結果となりました。

 この3試合のうち、唯一ポルトガルで行われたグループDの試合、先ほど終わりました、ベンフィカvsシャフタール・ドネツク戦の取材に行ってきました。
ホーム「ルス」でのベンフィカの不甲斐なさより、シャフタール・ドネツクがとても訓練されたスペクタクルな素晴らしいチームだったという新しい発見のほうがとても印象に残った試合でした。

 シャフタール・ドネツクは、ウクライナのクラブチームですが、ウクライナと言えばあのシェフチェンコ(現チェルシー)を擁して1998/99年シーズンのCLでベスト4入りしたディナモ・キエフが一番有名なクラブですが、現在ウクライナ最強のクラブは実はシャフタール・ドネツクなのです。
今季はウクライナ、プレミアリーグで11試合で10勝1分無敗で圧倒的な強さで首位に立っていますし、会長のリナト・アフメトフはウクライナ一の富豪で、資金力では「東欧一のクラブ」と言われています。
最近ではその豊富な資金力をバックに元セリエAの得点王で元イタリア代表のクリスティアーノ・ルカレッリを獲得しています。
さらにボランチのポーランド代表、レワンドウスキは約一ヶ月前にここ「ルス」で行われたEURO予選のポルトガルvsポーランド戦で先制ゴールを決めています。
それでも、ベンフィカサイドは今日(3日)の試合を確実に勝ち点3を獲れる試合として楽観視していたようですが。。。

 この日のベンフィカのスタメンは、
GK:キム
DF:ネルソン(右SB)、ルイザオン、エドカルロス(CB)、レオ(左SB)
MF:マキシ・ペレイラ、カツラニス(ボランチ)、ルイ・コスタ(トップ下)、ディ・マリア(右W)、クリスティアン・ロドリゲス(左W)
FW:オスカル・カルドーソ(トップ)
カピタオン(キャプテン)はルイザオン。4-2-3-1の布陣です。
予想に反して、練習で調子を落としていたオスカル・カルドーソをスタメンで使ってきました。これが完全に裏目に出てしまいました。

 19時45分にキックオフされた試合は、開始3分、クリスティアン・ロドリゲスのミドルシュートが枠を完全に捉えますが、相手GKのピヤトフのスーパーセーブに阻まれてしまいます。このチャンスをゴールに結びつけることが出来なかったベンフィカは逆に相手にペースを握られる展開となります。
シャフタール・ドネツクの両サイドバックのスピードに乗ったオーバーラップはベンフィカDF陣を混乱させるに十分でした。
特に右SBのダリヨ・スルナの上がりと速いクロスは攻撃のアクセントとしてかなり効いていたように思います。ダリヨ・スルナと言えば、昨年のドイツW杯の日本vsクロアチア戦でPKを川口能活に止められたクロアチア代表の選手として記憶されている方も多いんじゃないでしょうか?
しかし、今日の試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を選ぶなら間違いなくこのダリヨ・スルナでしょう。
さらにシャフタール・ドネツクは中盤でボールを奪ってからの攻撃が非常に速い。流れるようなパス回しもピンポイントで味方の足下に収まりますし、「DFラインの崩し方」のお手本のような攻めを終始展開しました。
一方のベンフィカは、ルイ・コスタと両ウィングのレフティー(ディ・マリア、クリスティアン・ロドリゲス)とのコンビネーションは良かったですが、これをゴールに押し込まないといけないトップのオスカル・カルドーソが「棒立ち」状態。特にオフ・ザ・ボールでの動きは最悪でした。
そして前半42分、左ウィングのフェルナンディーニョが左サイドを突破、速いクロスを中央に放り込むと、これをフリーのジャドソンがきっちりゴールに叩き込みました。シャフタール・ドネツクが敵地で先制ゴールを決めます。
これだけ速いクロスやパスで揺さぶられたら、いつかはゴールは割られるだろうとは思っていました。
この日、唯一ベンフィカDF陣で抜群の読みでクロスを粘り強くカットしていたルイザオンの存在がなかったら大量得点を許していた可能さえありました。
 後半は守りを固めたシャフタール・ドネツクを崩しきれなかったベンフィカが結局、ホームで0-1と痛すぎる黒星。CL二連敗で早くもグループリーグ突破は難しくなったと言っても良いでしょう。

オーロラビジョン(ルス) 2007・10・3


 この日のベンフィカは、先制ゴールを決められてから二回フォーメーションを変更してきました。まずは前半終了間際にネルソンを下げてヌーノ・ゴメスを投入した場面。
ヌーノ・ゴメスがルイ・コスタのトップ下の位置に入って、ルイ・コスタはボランチの位置に下がります。そのボランチのマキシ・ペレイラがネルソンの代わりに右SBに入りました。4-2-3-1は変わりません。
2回目はディ・マリアを下げてビンヤを投入した場面。
今度はヌーノ・ゴメスとオスカル・カルドーソを最前線で並べてツートップ。再びルイ・コスタがトップ下の位置に入り、ディ・マリアの右ウィングの位置にカツラニスが入ります。ボランチはビンヤのワンボランチ。4-4-2とフォーメーションを変更してきました。
監督、カマーチョの何とかしようという意図は見えましたし、前任者のフェルナンド・サントスのように先制されても手をこまねいて実にタイミングの悪い選手交代をするよりはよっぽどその姿勢は買えるのですが、果たして急なシステム変更に選手は対応出来たのか?それが一番の問題です。
これは私の意見ですが、交代するならシンプルに動きが悪かったオスカル・カルドーソに代えてヌーノ・ゴメス、ネルソンに代えてルイス・フェリペで良かったように思います。
しかし、今日のベンフィカの敗因は監督の指揮や選手起用ではありません。
相手が確実にベンフィカより強かったということです。
ただ、CLのような大会では常に対戦相手から「インフェルノ(地獄)」と恐れられる「ルス」の圧倒的なサポーターの熱い声援が、最近全く見られないのは気になります。
ベンフィカ最大のウルトラスである「DIABOS」が昨季のホーム、ポルト戦での暴動事件でポルトガル警察から応援を規制されているのもありますが、やはり「デルビー(スポルティング戦)」でも満員にならないのに、この試合にベンフィキスタが足を運ぶはずもありません。スタンドはガラガラでした。
一昨年、マンチェスター・ユナイテッドを屠った試合や、昨季のセルティックとの試合のような沸騰寸前の「ルス」の熱気はいつ戻ってくるのでしょうか?


 それでは、試合後のルイ・コスタのコメントをどうぞ。
ルイ・コスタ 2007・10・3


「負けてしまったってことは(CLの)順位争いにとっても悪い結果だ。二試合戦っていまだゼロポイントなんだから。でも、僕らは(グループリーグ突破できると)信じて戦うしかないよ。国内リーグのようにね。今日はシャフタールが僕らより優れていた。だから勝ったんだと思う。これは僕だけじゃなくてみんなが感じていることだと思うよ。僕らも全力でプレーしたけど、(相手に)敵わなかったということだね。」

 グループDは今日(3日)、セルティックがホームでミランに2-1で勝利しましたから、シャフタール・ドネツクが二連勝で首位。2位に勝ち点3でセルティックとミランが並んでいます。ベンフィカにとってはまだ4試合残っていますが、すでにグループリーグ突破は難しいと言わざるを得ません。
逆に、昨日(2日)行われたグループFの試合では、スポルティングがディナモ・キエフを2-1で撃破。スポルティングがCLにおいてアウェーで勝ち点3を獲得するのは、クラブ史上初めてのことです。しかも決勝ゴールを決めたのはスポルティングで162試合目の初ゴールとなったCBのアンデルソン・ポウガ。初物尽くしの嬉しい勝利を飾りました。
また、グループAではポルトがロスタイム2分のクアレスマのゴールで、こちらもアウェーでベジクタシュを下して貴重な勝ち点3を獲得。マルセイユがアウェーでリヴァプールを下すという大金星を挙げましたから、このグループは混戦です。ポルトにとっては次節の首位マルセイユとのアウェーの試合が非常に重要になってきました。

 CL第3節は、10月23日(火)にローマvsスポルティング、10月24日(水)にマルセイユvsポルト、ベンフィカvsセルティックの試合が行われます。


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posted by 鰐部哲也 |07:56 | コメント(11) | トラックバック(0)
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Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

コメント投稿者ID :

はじめまして。
今日このブログを発見しました。

去年ヨーロッパを旅してリスボンによった際に、
ルスでCLの試合を見て以来、ベンフィカを応援してます。
それにしても残念な結果ですね。

今季こそはグループステージを勝ち上がってほしいですね。

ここでベンフィカの試合レポが見ることが
できるので楽しみが1つ増えました。笑

posted by すーまん | 2007-10-04 10:44

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

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いつもこのブログ観させてもらっています。
先日この試合をテレビで観ました。
何か物足りなさを感じてしまいました。
もうスペールリーガは放送されていないので、貴重です。ポルトガルサッカーの飛躍を祈っています。日本人がだれかそっちに行けば嬉しいです。ライターのお仕事も頑張ってください。

posted by kazu blues | 2007-10-04 17:48

まだ希望はある感じがしますのです

コメント投稿者ID :

今朝は失意の中、出社しました。
呆然としてテンション低かったです。

まず、鰐部さんが仰るように、
シャフタールは力のあるチームです。
予備予選3回戦 2ndleg(ザルツブルグ戦)、前節のセルティック戦を見て、正直ヤバイと思っていました。

まさかホームで負けはしまいと観戦してましたが、負けちゃいました。
守備を固めていたとはいえ、この攻撃的なチームから得点を奪えなかったベンフィカが心配です。

カルドソの決定力のなさ。
中盤とFWやサイドのコンビネーションの悪さ。
左サイドのレオに力が落ちているような・・・。

一方、クリスティアン・ロドリゲスには惚れ惚れしてます。ディ・マリアのプレーとひょうひょうとした態度も期待感を抱かせてくれます。
そしてルイコスタ、南米の若者を育てる意味でも
頑張ってくれ!

最後に、何よりヌーノ・ゴメスの復活を
感じました。
ロスタイム、
ルイ・コスタ⇒カルドソがヘッドで落とした
ボールをヌーノ・ゴメスがボレーシュート。

弟3,4節はセルティック戦なので、
2連勝だと思っています。
ミランが負けて良かった。
せめてもの救いです。

posted by banfica | 2007-10-04 20:25

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

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大事なことを書き忘れていました。

鰐部さんが仰るように、
私もルスが盛り下がり具合が非常に気になりました。
大丈夫でしょうか・・・。
あんなスタジアムではなかったです。
選手も観客も緊迫感がないです。

後半残り20分間は、選手に真剣さが見られましたので、これからに期待します!

posted by banfica | 2007-10-04 20:35

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

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初ヨーロッパで、CLを観に行きます。
セルティック戦、今月そちらに乗り込みます。
欧州のスタジアムの雰囲気味わいたいです。今からめちゃ楽しみです。中村選手の大ファンです。

posted by kazu blues | 2007-10-04 21:35

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

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負けてしまいましたね。。
もう正直見てられなかったです。
仕事休みたかったくらいに・・。

確かにチーム力としてシャフタールに劣っていた部分はあると思いましたが、
自滅的なプレーも目立った気がします。
とにかく攻撃のビルドアップ時に収まるところにボールが収まらない。
これが非常にテンポを悪く感じさせました。
正直、カルドソの1トップに限界すら感じました。。
あと、C.ロドリゲス、ディ・マリアあたりがもっとカルドソを追い越す動きが見たかったです。

あと、指摘しているようにルスの観客が・・・。
第一節の結果を受けて、この試合の重要性はわかっているはずなのに、あの集客率。
これが今の現状なのでしょうか・・・。
それが伝わってしまったのか、選手にも覇気というか、もっと気持ちを全面に出してほしかったです。。

とにかく残念でなりません。。
次節は必ず勝たなければなりませんね。

posted by sl | 2007-10-04 23:24

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

コメント投稿者ID :

お久しぶりです。

ベンフィカは窮地に立たされましたね。次はセルティック戦ですがもう連勝しかないでしょう。この試合は見れなかったんですけど決定力に問題があったのでしょうか?
この試合にはでてませんけどミゲルヴィトールはどうですか?カマーチョさんの評価は高いようですが・・・

posted by ハルヒ | 2007-10-05 01:17

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

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>すーまんさん
はじめまして。

昨年ルスでCL観戦されたんですね。
セルティック戦かコペンハーゲン戦なら3点獲って勝ったので面白かったのではないでしょうか?

今季のグループステージ突破はちょっと難しいですが、応援しましょう。

これからもよろしくお願いしますね。

posted by 鰐部哲也 鰐部哲也 | 2007-10-05 10:16

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

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>banficaさん
日本にはbanficaさんのようにベンフィカが負けたら肩を落としてくれるベンフィキスタがいらっしゃるのに、ポルトガルのベンフィキスタの体たらくはいただけませんよね。
昨日の試合も「お前らしっかり応援してやれよ!」って思いました。
「ルス」の雰囲気が最初からあきらめムードなのが気になりますね。
シマオンの抜けた穴は大きいですね。
DFではリカルド・ローシャのような魂と気迫で守るようなDFもいなくなりましたし。

クリスティアン・ロドリゲスとディ・マリアは本当にいいですね。二人とも若いのにテクニック抜群です。こういう選手を売りにしていかないといけません。
ルイ・コスタは来季はおそらくいないんですから。

とにかくセルティック戦、二連勝するしかないですね。

posted by 鰐部哲也 鰐部哲也 | 2007-10-05 10:22

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

コメント投稿者ID :

>slさん
おっしゃる通りですね。
ベンフィカの選手はボールの収まりが悪いんですよ。トラップもすぐ浮いちゃうし。ピンポイントの速いパスも出せないし。
その点、シャフタールは速いパスをピタッと止めてワンタッチかツータッチで速くボールをまわしてましたから。

最近の「ルス」の観客の雰囲気は残念でなりません。負けても悔しそうじゃないですし。
応援すべき対象選手がなかなか見つからないのかもしれませんが。。。
ポルトガル人の生え抜きの若手が出て来ないと盛り上がらないかもしれませんね。

次のセルティック戦は勝たなければいけませんが、まずはゴールゲットを強く意識してプレーして欲しいです。

posted by 鰐部哲也 鰐部哲也 | 2007-10-05 10:28

Re:CL第2節-明暗分かれたポルトガル勢-

コメント投稿者ID :

>ハルヒさん
こんにちは。

決定力に問題が大ありですね。
ルイ・コスタ、ディ・マリア、クリスティアン・ロドリゲスのコンビーネーションは抜群でこの三人の崩しはいいんですよ。
ただトップが全然ダメです。チャンスボールをひとつもゴールに押し込められないですね。

ミゲル・ヴィトールは、ルイザオンの復帰とエドカルロス獲得で出番がなくなっちゃいましたね。
これでダヴィド・ルイスが復帰するとますます試合に出られなくなっちゃいますね。
こういう生え抜きを育てていかなきゃいけないんでしょうが。。。

posted by 鰐部哲也 鰐部哲也 | 2007-10-05 10:32

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