2007年10月01日
Lisboa Derby(リスボンダービー)
昨日(9月29日)は「Lisboa Derby(リスボンダービ)」の日でした。 ベンフィキスタもスポルティンギスタも、スタジアムに足を運ぼうと家やバールでTV観戦しようと一日中この”伝統の一戦”の話題でポルトガル中が持ちきりになる待ちに待った一日です。 しかし、この日の試合内容は、「熱く語る」に少しも足らないお粗末なゲームとなってしまいました。 「ルス」スタジアムで行われた、ベンフィカvsスポルティングの一戦は結局、特に見どころもなく0-0のスコアレスドローに終わりました。 この日、リスボンには約一ヶ月ぶりのまとまった雨が降りました。 そのせいではないでしょうが、65000人収容のポルトガル最大のスタジアムを埋めたのはたったの45000人。普通「リスボンダービー」で空席が出ることは、まず有り得ません。それが5万人にも満たないとは。。。 文字通り”水を差されて”しまいました。 もう原稿を書かせていただくこと自体が、取り上げてくださった雑誌にも読者の方にも申し訳ないぐらいつまらない試合でしたが、この試合については、10月3日(水)発売の海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)10月10日号にてマッチレビューを書いていますのでご覧になってみてください。 というわけで時系列で詳しく試合を追うことはしませんが、この試合の両チームの印象と総括をしてみたいと思います。![]()
ちなみにこの日のベンフィカのスタメンは、 GK:キム DF:ネルソン(右SB)、ルイザオン、エドカルロス(CB)、レオ(左SB) MF:マキシ・ペレイラ、カツラニス(ボランチ)、ルイ・コスタ(トップ下)、ディ・マリア(右W)、クリスティアン・ロドリゲス(左W) FW:ヌーノ・ゴメス(トップ) カピタオン(キャプテンは)ヌーノ・ゴメス。4-2-3-1の布陣です。 ここ最近はボランチをやっていたルイ・コスタがルイザオンの復帰で本来の「10番」のポジションへ。カツラニスもCBから本来のボランチに戻ってきました。 一方のスポルティングのスタメンは GK:ストイコヴィッチ DF:アベウ(右SB)、トネル、アンデルソン・ポウガ(CB)、ロニー(左SB) MF:ミゲル・ヴェローソ(ボランチ)、ロマニョーリ(トップ下)、ジョアン・モウティーニョ(右W)、ブクチェビッチ(左W) FW:リエドソン、ヤニック(トップ) カピタオン(キャプテン)はジョアン・モウティーニョ。4-4-2の布陣です。こちらはケガのイズマイロフに代わって左Wにブクチェビッチが入った以外はいつものメンバーでした。 ベンフィカのほうは、最初に主導権を握った前半の序盤の時間帯でゴールを奪えなかったのが全てです。あと「フィニッシャーの不在」。この弱点が浮き彫りになってしまいました。ヌーノ・ゴメスも動きは悪くはありませんでした。ただ(これは監督の指示でしょうが)自分が開いたり下がったりしてクロスを上げたりパスを出したりというプレーをせざるを得ないため、やはり「ゴールを奪うことだけ」に集中できていない。 ベンフィカはカマーチョの意図するサッカーが徐々に形にはなりつつありあます。特に今季のルイ・コスタは抜群の彼本来のパフォーマンスを維持していますし、その両脇を固める二人のレフティー、ディ・マリアとクリスティアン・ロドリゲスも技術力もキープ力もあります。 この3人の”2列目”が連動して多彩なバリエーションとコンビネーションで相手DFをたやすく崩せるようになってきています。ただそのチャンスボールを確実にゴールに押し込めるCFがいない。 例えば昨季のミッコリのような運動量が豊富で決定力もあるFWがひとりいればベンフィカは抜群に得点力が上がるのですが。。。 この日の試合も、そんな「決定力のなさ」を露呈してしまった試合でした。 逆にスポルティングは、完全に自慢の中盤の4人(ミゲル・ヴェローソ、ロマニョーリ、ジョアン・モウティーニョ、ブクチェビッチ)が動きを封じられてしまいました。カツラニスを中心とした粘り強いマークと執拗なプレスはかなり効いていたように思います。攻撃の起点となるべきミゲル・ヴェローソがほとんど攻撃に絡めませんでしたし、ブクチェビッチに至ってはピッチにいたのかというぐらいの存在感の無さでした。 ただロマニョーリは良かったように思います。結局CBから長いロングボールを前線に送らざるを得なくなったスポルティングは、ターゲットをロマニョーリに絞ってタテへの長いボールを放り込んできました。これにロマニョーリがうまく反応してフリーでシュートを撃つ場面は何度かありました。 ただやはり、こちらは「決定力のある」リエドソンが徹底的にマークされてフリーでボールをもらえる場面がほぼ皆無だったのが最後まで響いたようです。 最終的には両チームとも「攻めよう」という意志が全く見られないボールの蹴りあいに終始して、ただタイムアップを待つだけといった試合になってしまいました。![]()
確かにこの試合で何かタイトルが決まるわけでもなく、順位争いに目くじらを立てるような時期でもありません。 それでも「デルビー(ダービー)」と言うのはそんなこととは関係なく、それこそ「一番負けたくない相手」同士の試合だったはずです。 少なくとも私がこれまで観てきた「デルビー」は試合結果がドローに終わろうと、選手の気迫や必死さは伝わってきたものです。 しかし、この日の両チームのイレブンからはそういうものが全く感じられませんでした。「まぁ、来週CLもあるしさ。引き分けでいいじゃない。どうせ(首位の)ポルトはもう追いつけないぐらい遠いところを走ってんだからさ。」といったような思いが選手を含めた両チーム関係者にあったような気がしてなりません。 近い将来、「リスボンダービー」というイベント自体が、観る者にとってわくわくするような「最大の娯楽」でなくなる日が来るのではないでしょうか。 ちなみにリーガ第6節を終わって、昨日(29日)も「ポルトダービー」でボアヴィスタをきっちり2-0で沈めたポルトが開幕6連勝で勝ち点18で早くも独走態勢です。2位のマリティモが今日(30日)、エストレーラ・ダ・アマドーラに1-1で引き分けましたから勝ち点は13で首位と5ポイント差と開いてしまいました。3位は勝ち点11でスポルティング、4位は勝ち点10でベンフィカ、同じ勝ち点10でヴィトリア・セトゥバルが5位につけてるのは大健闘です。 まだ現時点で6位と7位のヴィトリア・ギマリャエンスvsブラガの試合が終わっていませんので順位は暫定です。 まぁ、マリティモは最終的に順位は下げるでしょうから、ライバルのスポルティングにすでに勝ち点7差をつけたのはポルトにとって、リーガ三連覇に向けてかなり視界は良好になったと言ってよいでしょう。 ポルトの独走で、他のクラブのモチベーションが下がって、「締まらない試合」が増えないのを願うばかりです。
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posted by 鰐部哲也 |03:54 |
コメント(4) |
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Re:Lisboa Derby(リスボンダービー)
コメント投稿者ID :
>引き分けでいいじゃない。どうせ(首位の)ポルトはもう追いつけないぐらい遠いところを走ってんだからさ。
こんな雰囲気になったらイヤですね。
首位はともかく、ここ2年くらいスポルティングの後塵を排し、3位に甘んじているので、
せめて2位争いでも過熱して欲しいです。
まあ、リーグ優勝も諦めて欲しくはないんですが^^;
今週のCLでは気持ちの入った試合が見たいですね。
かくゆう自分は諸事情により試合は見れませんでした。。
復帰したルイゾンはどうだったでしょうか?
posted by sl | 2007-10-01 09:13
Re:Lisboa Derby(リスボンダービー)
コメント投稿者ID :
>slさん
そういう雰囲気になりつつあるんですよね。
どうも国内リーグの試合に「熱気」が足りないような気がします。
もちろんポルトのせいではありませんが。
ポルトもつまらないサッカーをしているわけではなくて攻撃的なスペクタクルなサッカーを展開してますから。
ベンフィカは今季はリーガ2位とカップ戦がひとつ獲れればというのが現実的な目標だと思います。
ただ、ルイ・コスタを中心としたディ・マリアとクリスティアン・ロドリゲスの二人の「レフティー」とのコンビネーションプレーは観ていて美しいです。これがゴールにつながればベンフィカも勝てるんですが。。。
ルイザオンはさすがですね。
彼がCBにいるだけでDFラインに安定感が生まれます。エドカルロスとも同じブラジル人ですからコンビネーションも良いようです。
posted by 鰐部哲也 鰐部哲也 | 2007-10-02 17:13
Re:Lisboa Derby(リスボンダービー)
コメント投稿者ID :
CFといえば、マントーラスは元気なのでしょうか?
最近は見ていないので分かりませんが、以前のカマーチョ時代は出てくればいつも結果を残すような印象があったので、いつまでもスーパーサブでは勿体無い。
あっ、でもスタメンではダメな印象もありますね・・・。
ギマラインス、勝ってますね。
「ミーニョダービー」はブラガがきっちり取るものと思っていたのですが。
アウェイでベンフィカと分けてから着々と勝ち点を取っていますね。
監督がカジューダというだけでどんな選手がいるのかもわかりませんが、マリティモ、セトゥーバルとともに折り返しくらいまで踏ん張れたら面白くなりそうですね。
逆に、期待していたブラガにはちょっとビックリです。
posted by Shin.t | 2007-10-03 02:03
Re:Lisboa Derby(リスボンダービー)
コメント投稿者ID :
>Shin.tさん
マントラスは現在、故障中ですね。
ずっと別メニュー調整が続いています。
ベンフィカは最近ワントップですから、ヌーノ・ゴメスの控えで調子を落としているオスカル・カルドーソを使うという選手起用ですね。
フレディ・アドゥもまずまずの動きを見せてますし、マントラスはもうそろそろベンフィカを放出されるかも知れませんね。
ギマリャエンスは僕は二部昇格ながら、開幕前の予想では6位に推していたチームです。
ここまで3勝して無敗というのが素晴らしいですね。
やはりマヌエル・カジューダの求心力のおかげですね。
ブラガはセトゥバルに2回負ける(リーガとリーガ杯)など精彩を欠いてますね。
戦力は昨季より抜群にアップしているんですけど。失点が多いですね。正GKのパウロ・サントスが負傷中なのが響いているように思います。
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