2012年01月20日

91周年

ブラガ選手@公開練習 2012.1.19


 遅くなりましたが、皆さま、明けましておめでとうございます。本年も当ブログともどもよろしくお願いいたします。
 年末年始を日本で過ごした後、先週12日にポルトガルのブラガに戻ってきました。早速、ポルト、ブラガを中心に取材活動を再開させております。

ブラガ91周年バルーン


 今日、2012年1月19日はブラガのクラブ創立91周年の記念日です。1921年にセレスティーノ・ロボが中心となって創設された「スポルティング・クルブ・デ・ブラガ」は、「アルセナリスタス」(アーセナルズ)、「ゲレイロス」(ウォリアーズ)の愛称で、今や名実共に「トレス・グランデス」(国内三強-ベンフィカ、ポルト、スポルティング)に次ぐ”ポルトガル4番手のクラブ”の地位を確立しました。

ブラガ歴代ユニフォーム@メモリアルホール


 ブラガの「AXA」スタジアムのメモリアルホールにディスプレイされている歴代のユニフォームです。元々、ブラガのクラブカラーは緑(写真中央)だったのですが、1946/47年シーズンに時の会長、ジョゼ・アントゥネス・ギマラエスがロンドンとのビジネスコネクションを確立し、かつアーセナルの大ファンだったことから、鶴の一声で現在の赤白のユニフォームに変更されました。ブラガが「アルセナリスタス」(アーセナルズ)と呼ばれる所以はここにあります。

オーロラビジョン@AXA 2012.1.15


 しかし、ブラガがこれまでに獲得したタイトルは、1966年のポルトガル杯優勝しかありません。2009/10年シーズン、リーガ最終節までベンフィカと優勝を争ってクラブ史上最高位の2位を獲得したのも、2010/11年シーズンにCL(チャンピオンズリーグ)本戦に初めて出場し、アーセナルを撃破し、EL(ヨーロッパリーグ)ではリヴァプールを撃破して準優勝を果たしたのもここ二シーズンの出来事。その偉業達成の立役者がドミンゴス・パシエンシア(現スポルティング監督)であることは間違いありません。ホームの「AXA」スタジアムでの通算勝利数33は、現時点で歴代のブラガ監督で最多の記録です。15日のリーガ第15節、「ブラガvsスポルティング」の試合でも、敵将ながらブラガサポーターから万雷の拍手を浴びていました。

 15日のスポルティングとの「3位対決」に勝利したブラガは、現在リーガ単独3位。昨日(18日)のリーガ杯3回戦のペナフィエル戦でも勝利し、初の準決勝進出をほぼ手中にしました。2月にはELの決勝トーナメント1回戦でトルコのベジクタシュと対戦、二年連続の決勝進出、そして悲願の優勝に期待がかかります。そんな昇り調子のブラガ、今日はクラブ創立91周年ということもあって、完全公開練習となりました。
 その模様を写真を中心にお伝えしていきます。

レオナルド・ジャルディン&アントニオ・ヴィエイラ 2012.1.19


 監督のレオナルド・ジャルディン(右)とアシスタントコーチのアントニオ・ヴィエイラ(左)。今週月曜日(16日)、スポーツディレクターで、元ポルトガル代表主将ののフェルナンド・コウトがインドのPLS(プレミアリーグサッカー)のコルカタのクラブの監督就任が決定し、急遽、クラブを去ることが決まりました。いつもレオナルド・ジャルディンの傍らにはフェルナンド・コウトがいただけに少し寂しいですね。
 もちろん、昨年7月に私の独占インタビューに快く応じてくれたフェルナンド・コウトの新天地の活躍を祈っています。

リマ 2012.1.19


 リマ。今や押しも押されぬブラガのエースです。シーズン当初は決定力が危惧されていましたが、現在リーガで9ゴール。自身の昨季のブラガ最多ゴール数6を既に上回っています。

キム 2012.1.19


 ブラガの守護神(GK)、キム。シーズン序盤は鬼神のセーブでリーガ最少失点を堅持していましたが、最近は不用意な飛び出しからの失点を許すなど調子は下降気味。後半戦に向けて、このひとのプレーの安定感は必要不可欠です。

バイアーノ 2012.1.19


 バイアーノ。昨季のパッソス・デ・フェレイラのリーガ杯決勝進出に貢献した右SB。個人的には、某媒体で昨季のベストイレブンにも推した注目の選手ですが、現在は右膝の負傷でリハビリ中。ブラガの右SBは、本来サイドハーフのレアンドロ・サリーノが見事に穴を埋めていますから、復帰後のポジション争いは熾烈を極めそうです。

カルラォン 2012.1.19


 昨日(18日)のリーガ杯勝利の立役者その1、カルラォン。元鹿島アントラーズのCFは、最近右ウィングでの新境地も開拓。プレーの幅が広がっている気がします。昨日の試合では勝利を決定づける2点目を決めました。日本でプレーしていたこともあるのでしょうが、最近、私を見つけると笑顔で声をかけてくれるようになりました。 

ウーゴ・ヴィアナ 2012.1.19


 昨日(18日)のリーガ杯勝利の立役者その2、先制ゴールを決めたウーゴ・ヴィアナ。今やこのクラブに欠くことのできない「ブラガの頭脳」。レフティーとしてのゲームメイクは円熟味を増しています。副将としてのキャプテンシーも求心力抜群。2006年のドイツW杯では、ルイ・コスタの後継者として背番号「10」を背負った逸材は、今年のEURO2012本大会のポルトガル代表メンバー入りを本気で狙っています。
 
クストディオ 2012.1.19


 練習後、メディアの囲み取材に応じたクストディオ。昨季のEL準決勝、2nd.レグでベンフィカ相手に決勝進出を手繰り寄せる決勝点を挙げた立役者。今季はケガに泣かされてきましたが、ようやく復調、リビア代表のジャマルがCAN(アフリカネイションズカップ)出場でチーム離脱中の現在、ボランチのレギュラーポジションをしっかり掴んでいます。元スポルティング主将は、リーガ2試合連続でベストイレブンに選出されるなど、乗りに乗っています。
 今日も「素晴らしい形で新年を迎えることが出来た。スポルティングに勝利して3位に立ったことは僕に自信を取り戻してくれた。」とコメントしました。

ブラガイレブン 2012.1.18


 ブラガ在住のサッカージャーナリストとして、後半戦のブラガには期待せずにはいられません。リーガでは3位をキープして来季のCL出場権を手にして欲しいですし、ELでも昨季の再現を見たい。そして、リーガ杯では、46年ぶりのタイトルを獲得して欲しいです。
 何せ、ブラガは、主将のアラン(元ポルト)、副将のウーゴ・ヴィアナ(元スポルティング)、エルデル・バルボーサ(元ポルト)、ヌーノ・ゴメス(元ベンフィカ)、キム(元ベンフィカ)と国内のビッグクラブをお払い箱になった選手の反骨精神がモチベーションになっているのですから。。。


オーロラビジョン@AXA 2012.1.15



posted by 鰐部哲也 |07:12 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月11日

ブログ「冬休み」のお知らせ

ドナ・アメリア@AXAスタジアム 2011.11.30


 私事で恐縮ですが、昨日(9日)行われたリーガ第12節、『ブラガvsパッソス・デ・フェレイラ』の試合取材を以て今年の仕事納めとなりました。
 個人的には、今年取材した最後の試合でブラガが5点を奪ってリーガ4戦ぶりの勝利を挙げたことが何よりです。

 明日(11日)深夜、ブラガを発って日本に一時帰国いたします。
あまり、更新頻度は高くないのですが、当ブログも約一ヶ月ほどお休みさせていただきます。

 また、2012年、年明け中旬にはポルトガルに戻りましてサッカージャーナリストの活動を始動させる予定でおりますので、これからもよろしくお願いいたします。

 それでは、皆様、良い年末年始をお迎えください。

 「ポルトガル “F”の魂」管理人/鰐部哲也


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2011年12月03日

完全公開練習(ブラガ)

アラン 2011.12.2


 トップの写真はアラン。今季のブラガを牽引するカピタォン(主将)です。選手としてクラブを代表しているという責任感もあるのでしょう。メディア対応はいつも丁寧です。 

 今日(2日)は、久しぶりにブラガの公開練習が行われるということで勢い込んで取材に行ってきました。前日にブラガの広報統括責任者の方から電話で「明日は公開(練習)だよ。」と連絡をもらっていたんですが、今日の国内スポーツ紙に掲載されたブラガの練習情報の小さな囲み記事を確認して集まった一般のファンの方も平日の午前練習にも関わらず、(ブラガにしては)かなりの数(約30人ほど)が集まりました。
 11月に「公開テストマッチ」は2試合ありましたが、ブラガの「完全公開練習」は10月24日以来で約一ヶ月と一週間ぶり。本当に久しぶりでしたね。

 ブラガにとって先月11月は、”タフなひと月”でした。リーガではベンフィカとポルトと対戦し、ポルトガル杯ではスポルティングと対戦。一ヶ月で「三強」すべてと公式戦を戦い、1分け2敗。さらにEL(ヨーロッパリーグ)でもマリボル、バーミンガムと”負けられない試合”が続きました。
 「三強」との対戦では実力差を見せつけられた形になりましたが、ELでは、マリボルに5-1で大勝し、水曜日(11月30日)のバーミンガム戦では1-0で勝利。見事決勝トーナメント進出を決め、前年度EL準優勝クラブの面目躍如を果たしました。
 
 これで今季、UEFA主催の大会に参加しているポルトガル勢は、ベンフィカがCL(チャンピオンズリーグ)で、スポルティングとブラガがELで決勝トーナメント進出を果たしています。残るはポルト、来週火曜日(6日)の最終節のゼニト戦に勝利すればCL決勝トーナメント進出が決まります。もちろん私も「ドラガォン」スタジアムに取材に行く予定です。

 それでは、今日のブラガの練習の模様を、主力選手の紹介も織り交ぜながら写真でお伝えしていきましょう。

キム 2011.12.2


 ブラガの守護神(正GK)、キム。水曜日のEL、バーミンガム戦ではPK阻止を含む鬼神のスーパーセーブを連発し、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選ばれました。この日は、ミニゲームには参加せず、一番最初に練習場を後にしました。

ウーゴ・ヴィアナ&ヌーノ・ゴメス


 水曜日のEL、バーミンガム戦で決勝ゴールを決めた”左足の魔術師”、ウーゴ・ヴィアナ。今季の好調ぶりからポルトガル代表復帰が噂されています。普段は寡黙なレフティー、今日は珍しく笑顔が絶えませんでしたね。

アランⅡ 2011.12.2


 冒頭でも紹介したカピタォン(主将)のアラン。今季は攻撃だけではなく、守備での献身的なプレーも目立ちます。右サイドからのクロスは円熟味を増しているようです。ちなみにベンフィカが来季の獲得を狙っている選手でもあります。

エルデル・バルボーサ 2011.12.2


 エルデル・バルボーサ。個人的に「大化け」を一番期待しているポルトガル人選手ですが、最近少しパフォーマンスが低調気味。CFのリマに点を獲らせようという意識が大き過ぎるような気がします。もっとエゴイスティックに自分でゴールを狙って欲しい。そして、ポルトガル代表に初招集されて欲しい。ちなみに完全に顔を覚えられたようで練習後に肩を叩かれ、少し話すことができました。去り際に「代表入り期待しているよ。」と言ったら「まぁ。見ててよ。」と笑顔で親指を立ててくれました。

モッソロ&レアンドロ・サリーノ


 ブラガの誇る二人のダイナモ、レアンドロ・サリーノ(右)とモッソロ(左)。両者共に小柄ですが、運動量なら負けません。シーズン当初は、4-2-3-1でのトップ下のポジションを争っていた二人ですが、レアンドロ・サリーノはバイアーノの負傷離脱で右SBのレギュラーポジションを奪取しました。練習中も一番声を出しているのはこの二人で、ブラガのムードメイカーです。

ヌーノ・ゴメス 2011.12.2


 ヌーノ・ゴメス。ブラガの”タフなひと月”では、結局ベンチ入りさえできなかったポルトガル代表に帯同していたこともあり、公式戦5試合で途中出場2試合、出場時間26分間と出場機会が激減しました。この日の練習では、ベテランながら全力。ミニゲームで2ゴールとアピールしました。左右に開いてウィングの位置から味方のゴールをアシストする動きも確認していましたね。

クストディオ 2011.12.2


 ブラガに戻ってきた貴重な戦力その1、クストディオ。今季は怪我で別メニュー調整が続いていましたが、今日の練習からフルメニューをこなしました。元スポルティングの主将にして、昨季のEL準決勝でヘディングで決勝ゴールを決め、ベンフィカを屠ったブラガ決勝進出の立役者。今後はジャマルとボランチのポジションを争うことになりますが、ウーゴ・ヴィアナとの元スポルティング同僚コンビの”中盤の底”を再度見てみたいものです。

カルラォン&エルデルソン


 ブラガに戻ってきた貴重な戦力その2、カルラォン(左)。昨季冬にJリーグの鹿島アントラーズに移籍した大型FW。こちらも怪我から復帰し、今日の練習からフルメニューを消化。ミニゲームで猛アピールしていました。最近のブラガはフィジカルの強いCBを擁するチームと対戦すると前線が攻め手を欠いて手詰まりになることが多いので、カルラォンのような長身FWが前線でクサビとなってタメを作ることができれば、ブラガの大きな武器になるはずです。

リマ&レオナルド・ジャルディン監督 2011.12.2


 練習後の監督のレオナルド・ジャルディン(右)とリマ(左)。何を話していたのでしょうか。リマはシュートを打つまでのボールをもらう動きは抜群に良いのですが、あとは決定力が。。。この選手がコンスタントにゴールを決めるようになればブラガも「三強」とも伍していけるのですが。。。監督のレオナルド・ジャルディンは、EL決勝トーナメント進出を果たしたことで”首がつながりました”ね。ちなみにブラガでEL(前身のUEFAカップ含む)決勝トーナメント進出を成し遂げた監督は、ジョルジュ・コスタ(現クルージュ監督)、マヌエル・マシャド(浪人中)、ジョルジュ・ジェズス(現ベンフィカ監督)に次いで4人目となります。

カルラォン 2011.12.2


 練習後のカルラォン。「日本のジャーナリストなんですけど。」と声を掛けたら「日本の?日本から来たの?」と言って立ち止まってくれ、話をすることができました。Jリーグについての印象を聞いたら「僕には適応するのに難しいリーグだった。」と語っていました。「どういうところが?」と質問すると、「今日は時間がないから今度インタビューか何かでゆっくり話そう!」と笑顔で去っていきました。というわけで、今度じっくり話を聞いてみたいと思います。
 蛇足ですが、3月にポルトガルに再上陸する直前に、日本で「ゼロックススーパーカップ」で名古屋と対戦した鹿島のカルラォンを見ているんですよね。今日の練習を見た限りでは、当時より体が絞れて動きにキレがあるように見えました。
 
ヌーノ・ゴメスⅡ 2011.12.2


 最後は、現役サッカー選手で「個人的に一番思い入れのある選手」(サッカージャーナリストがこんなこと言っていては駄目なのは重々承知しております)、ヌーノ・ゴメス。いまだポルトガル国内での人気は衰えず、今日も練習後ファンに囲まれて揉みくちゃになっていましたが、私の顔を見つけると、いつものように笑顔で握手を求めながら近寄ってきました。やはりいつものように歓談したのですが、「ヌーノ、もっと試合に出てよ。」って冗談交じりに言ったら、「ほら、あそこに監督がいるだろ?もっとヌーノを使えって言ってきて(笑)。」と返してきました。
 冗談抜きに贔屓目なしで、ヌーノ・ゴメスは起用時間に応じてゴールという結果で期待に応えてくれるFWだと思うのですが。。。ただ、現在ブラガは基本システムが4-2-3-1なので、4-3-3のトップじゃないと使いづらいという戦術的な理由も多分にあるとは思います。

 今後のブラガの目標は、現在、3戦連続未勝利のリーガのトップ4に返り咲くことと(現在リーガ5位)、1月からリーグ戦が始まるリーガ杯(BWIN CUP)のタイトル獲得、さらに2月から始まるEL決勝トーナメントで昨季の再現が出来るかになります。ブラガ在住のサッカージャーナリストとして今後もこのクラブに注目していきたいと思います。


posted by 鰐部哲也 |06:34 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年11月30日

四強激突(LIGA ZON SAGRES)

リスボンダービー 2011.11.26


 先週末の土日はリスボンとポルトの二大都市で、ビッグマッチが二日連続であり、ポルトガル国内では大いに盛り上がりました。
 土曜日(26日)には(リーガ)155回目の「デルビー(リスボンダービー)」=『ベンフィカvsスポルティング』が「ルス」スタジアムで、日曜日(27日)には今年5月18日のEL(ヨーロッパリーグ)決勝以来の対戦となった『ポルトvsブラガ』の一戦が「ドラガォン」スタジアムで行われました。
 私もブラガからリスボン、ポルトに遠征し、連日スタジアムで試合取材をしてきたのですが、今季のリーガは大混戦で、4チームによる首位を賭けた「絶対負けられない戦い」は大いに見応えがありました。

 ちなみに、この二戦については、本日(11月30日)発売の海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)に記事を書いていますので、ぜひ、ご参照いただいて、当ブログではまた写真で試合を振り返ってみたいと思います。 

ルススタジアム 2011.11.26


 この日の観客は63,146人。リーガの試合では今季最多の観客動員を記録。ちなみにポルトガル国内での今季の公式戦最多観客動員記録は、やはり「ルス」スタジアムでのCL(チャンピオンズリーグ)第1節、『ベンフィカvsマンチェスター・ユナイテッド』戦の63,822人。
 「ルス」スタジアムのコカ・コーラスタンドの1階席に陣取ったベンフィカの”クラッキ”(サポーター集団)、「ディアボス・ヴェルメーリョス」の真上の3階席には、新設された柵で囲い込みをされたスポルティングの”クラッキ”、「ジューヴェ・レオ」らが陣取り、お互い気勢を上げました。
 ただ、試合後にはスポルティングサポーターの放火により、「ルス」スタジアムが一時炎に包まれました。火事の延焼は最小限に食い止められましたが、スポルティングのクラブ自体への厳罰も必至です。

ヴィトリア@ルス 2011.11.26


 大一番の試合で着地に成功!ベンフィカのシンボル、ヴィトリア。「ルス」スタジアム、試合前恒例の鷲の飛来デモンストレーション。

ミキ・フェヘール背番号フラッグ


 「29」番はベンフィカの永久欠番。2004年1月25日、試合中にピッチ上で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となったハンガリー人FW、ミクロス(ミキ)・フェヘールの背番号です。ちなみにこのミキが生前最後のゴールを決めた試合の対戦相手がベルギーのルヴィエールというチーム。そのときルヴィエールのCBとして試合に出場していたのが、この日の「デルビー」にも出場したスポルティングのオグチ・オニェウでした。

ベンフィカイレブン 2011.11.26


 この日のベンフィカのスターティングメンバ―。カピタォン(主将)のルイザォンが4日前のCL第5節、マンチェスター・ユナイテッド戦で負傷し欠場。代役にはジャルデウが抜擢されました。ゲームキャプテンはマキシ・ペレイラ。

スポルティングイレブン 2011.11.26


 一方のスポルティングのスターティングメンバ―。ボランチに本来CBのダニエル・カリーソを起用。カピタォン(主将)はアンデルソン・ポウガ。

ベンフィカゴール! 2011.11.26


 前半42分、アイマールのCKにヘッドで合わせたのはハビ・ガルシアでした。この試合ベンフィカ唯一のゴールは決勝ゴールに。。。

ルススコアボード 2011.11.26


 試合はベンフィカが勝利。これで「デルビー」4連勝を達成。ちなみにスポルティングは「ルス」スタジアムの「デルビー」では5試合連続でノーゴールとなってしまいました。
 さらに同日行われたリーガ・エスパニョーラでバルセロナがヘタフェに0-1で敗戦したため、ベンフィカはこの勝利でCL、ELに参加している全欧州のクラブで、今季公式戦で「負けていない」唯一のチームとなりました。

ドミンゴス・パシエンシア@ルス 2011.11.26


 この日の主審、ジョアン・カペラは「デルビー」を裁くのは初めて。不可解なジャッジに両チームが足を引っ張られました。タイムアップ後、思わず”敗戦の将”、スポルティング監督のドミンゴス・パシエンシアが説明を求めに駆け寄ります。

ドミンゴス・パシエンシア@公式会見 2011.11.26


 試合後、公式会見場でのスポルティング監督、ドミンゴス・パシエンシア。負けたとは言え、笑顔も見せ、サバサバしていました。
 
ジョルジュ・ジェズス@公式会見 2011.11.26


 試合後、公式会見場でのベンフィカ監督、ジョルジュ・ジェズス。
こちらは一貫して余裕の表情。今季のリーガ最年長監督は貫録も出てきたようです。


 続いて良く日曜日に「ドラガォン」スタジアムで行われた『ポルトvsブラガ』の試合の模様です。

ドラガォンオーロラビジョン(HULK) 2011.11.27


 この日のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)。ヘディングと得意の左足で”BIS”(一試合二得点)達成。主役が決めるとポルトは負けません。この選手にポルトが移籍違約金を1億ユーロに設定しているのも頷けますね。さらに、金髪から黒髪に戻してから調子が上がったような気がします(笑)。

ポルトイレブン 2011.11.27


 この日のポルトのスターティングメンバ―。システムは、勝利したCL前節のシャフタール戦と同じ4-2-3-1。終に”ポルトの文化”とも言われた4-3-3の「ポルトシステム」と決別したようです。4-3-3はポルトガル代表も採用するトレンドのシステムだったんですが、これからポルトガル国内では、トップ下の選手を固定しない「新しい4-2-3-1」システムがトレンドになってきそうな気がします。今季のベンフィカもこのシステムを採用して成功していますし。。。

ブラガイレブン 2011.11.27


 この日のブラガのスターティングメンバ―。こちらも4-2-3-1システムを採用したのですが、監督のとある選手起用が裏目に出てしまいました。

ポルトゴール 2011.11.27


 ポルトの先制ゴール直後。右サイドジャメス・ロドリゲスの左足のクロスにフッキがヘッド一閃でゴールネットを揺らしました。

ドラガォンスコアボード 2011.11.27


 スコアは3-2ですが、後半89分までポルトが3-0でリード。90分での試合内容はポルトがブラガを圧倒しました。
 ポルトはこの試合でリーグ戦50試合連続無敗記録を達成。ポルトがリーガで最後に負けたのは2010年2月18日のアウェーでのスポルティング戦(0-3)、実に約1年9ヶ月前のことになります。

 リーガ第11節を終えて、首位は勝ち点27でポルト、2位に得失点差で同じ勝ち点27のベンフィカが並び、3位に勝ち点23のスポルティングが続いています。ブラガは勝ち点19の5位で、首位とは勝ち点差8で優勝争いからはほぼ脱落したと見ていいでしょう。

ブラガイレブンⅡ 2011.11.27


 そのブラガは、今日(30日)、ELでバーミンガムと対戦します。このホームの試合で勝利すれば、無条件で決勝トーナメント進出が決定します。今月20日には、ポルトガル杯4回戦でスポルティングに完敗、日曜日の試合ではポルトに完敗したブラガ。サポーターの間では監督のレオナルド・ジャルディン解任要求の声も噴出していますが、明日の試合はすっきり勝って「EL準優勝クラブ」の矜持を見せて欲しいものです。


posted by 鰐部哲也 |06:50 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年11月18日

ポルトガル、EURO2012出場決定!

ポルトガル代表@ルス 2011.11.15


 2011年11月15日22時50分、主審のヴォルフガング・シュタルクのタイムアップを告げるホイッスルがリスボンの夜空に鳴り響いた瞬間、ポルトガルのEURO2012出場が決定しました。
 プレーオフまでもつれこんだポルトガルとボスニア・ヘルツェゴビナ(以下ボスニア)の二年越しの決戦は、ポルトガルの大勝という形で終止符を打ちました。
 ポルトガルはベスト8に進出したEURO1996から数えて5大会連続のEUROの本大会出場となります。ちなみに、ベスト4に輝いたEURO2000のポルトガル代表のボランチのレギュラーとして、出世番号の「17」番を背負っていたのが現ポルトガル代表監督のパウロ・ベントでした。今回は指揮官として12年ぶりにEURO本大会に出場することになります。

 尚、このEURO2012予選・プレーオフ2nd.レグ『ポルトガルvsボスニア』のマッチレビュー及びミニコラムについては、来週木曜日(11月24日)発売の海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)に記事を書いていますので、この日の試合を写真で振り返っていきたいと思います。

ボスニアサポーター@ロシオ広場 2011.11.15


 試合当日、午後のリスボンのロシオ広場。ポルトガルの警官が目を光らせる中、ボスニアサポーターが大挙して結集。昼間から自国の勝利を信じて気勢を上げていたのですが。。。

ボスニア代表国歌斉唱 2011.11.15


 キックオフ直前のボスニアの国歌斉唱。ポルトガルサポーターからの耳をつんざくようなブーイングが鳴り止みませんでした。

ポルトガル代表国歌斉唱 2011.11.15


 キックオフ直前のポルトガルの国歌斉唱。これだけ好戦的でエモーショナルな「ア・ポルトゥゲーザ(A PORTUGUESA)」(ポルトガル国歌)の大合唱は初めて耳にしました。

CR7 ゴール! 2011.11.15


 前半7分、クリスティアーノ・ロナウドが得意のFKから先制ゴール!”主役”に折り重なるポルトガルイレブン。ピッチに大の字に倒れたロナウドの顔には満面の笑みが。。。

ナニ ゴール! 2011.11.15


 前半24分、「僕のサッカーキャリアの中でも最高のゴール」と試合後に振り返ったスーパーゴールを決めて咆哮するナニ。ゴール後のバック宙のパフォーマンスも忘れて雄叫びをあげ続けました。

ゴールを祝福するポルトガル代表 2011.11.15


 ナニを祝福するポルトガルイレブン。この試合、何度このような光景がリプレイされたことか。

ポルトガル代表応援横断幕@ルス 2011.11.15


 ハーフタイムに掲げられた「ガンバレ、ポルトガル!」の横断幕。この日試合会場となった「ルス」スタジアムでは、ポルトガルガル代表は、自国開催のEURO2004の決勝でギリシャに敗れて以来、7年間負けていません。

スコアボード@ルス 2011.11.15


 こんなゴールラッシュを誰が予想できたでしょうか?「終わり良ければすべて良し」とはこのこと。最後の最後に帳尻を合わせたポルトガル。6点は、今大会の予選及びプレーオフ2試合の計10試合で最多得点です。

サフェト・スシッチ@会見 2011.11.15


 試合後、公式会見場でのボスニア監督、サフェト・スシッチ。
「おめでとう。ポルトガル。EURO(本大会)での幸運を祈る。」と対戦相手に賛辞を送りました。

パウロ・ベント@会見 2011.11.15


 試合後、公式会見場でのポルトガル代表監督、パウロ・ベント。
ロッカールームで選手に水をかけられたのでしょう。ベンチでのスーツ姿から私服に着替えて登場しました。
「満足している。」と「誇りに思う。」という言葉を繰り返しました。

ボスニアサポーター@ルス 2011.11.15


 ノーサイド。あれだけ敵意剥き出しのブーイングを浴びせ続けられたにも関わらず、試合終了後に「ポルトガル!ポルトガル!」と声を枯らしてエールを送ったボスニアサポーター。死闘を締めくくるにふさわしい素晴らしい光景でした。

C.ロナウド@MIX ZONE 2011.11.15


 試合が終わって取材エリア(ミックスゾーン)に姿を現したのは、日付が変わった後でした。丁寧にメディアの質問に応じていたロナウド、この日の2ゴールで代表通算32ゴールとし、自国の偉大な先輩、フィーゴと共にポルトガル代表歴代3位のゴール記録に並びました。

オーロラビジョン@ルス 2011.11.15


 今大会予選途中で監督交代があったポルトガル。主力選手の造反劇などもあり、プレーオフまでもつれましたが、難しい予選をモノにしてEURO本大会への出場切符を手にしました。
「ありがとう。ポルトガル!」

 最後にポルトガル代表選手の話題を。
 この試合後の公式会見で監督のパウロ・ベントは、「ひとつだけ言わせてもらいたい。この勝利を特別に今、難しい局面に直面しているカルロス・マルティンスに捧げたい。」と言い残し会見場を後にしました。
 最初は何のことか分からなかったのですが、この試合、後半84分に途中出場したカルロス・マルティンスの息子、グスタヴォ君が骨髄移植を必要とする血液疾患の難病にかかり、すぐにでも移植手術が必要な状態にあるようです。カルロス・マルティンスは息子の難病をチームメイトに隠してプレーを続けており、EURO出場が決まった試合後のロッカールームで、ポルトガル代表ドクターのエンリケ・ジョーンズから他の選手に発表されました。
 ポルトガル代表選手を始め、ポルトガル国内では「グスタヴォ君支援」の動きがすでに広がっているようです。カルロス・マルティンスの息子の一日でも早い回復を祈りたいと思います。そして、来年、カルロス・マルティンスが笑顔でEUROのピッチで立っていられますように。。。


posted by 鰐部哲也 |06:25 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年11月08日

三度の”水入り”の果てに - ブラガvsベンフィカ

ブラガvsベンフィカ@AXA 2011.11.6


 昨日(6日)はリーガ第10節で最も注目のカード、『ブラガvsベンフィカ』の試合を取材してきました。
 前日に首位ポルトがオリャネンセにスコアレスドローで引き分けて足踏み。ベンフィカはこのアウェーゲームで勝利すれば単独首位に躍り出る重要な試合、一方、ホームのブラガも5位のマリティモがホームでアカデミカ相手に3-2で勝利して勝ち点3を積み上げたので、この試合、4位に留まるためには勝利が絶対条件でした。
 さらに、ベンフィカはここ、「AXA」スタジアムで、今年5月6日に行われた、EL(ヨーロッパリーグ)準決勝の2nd.レグのポルトガル勢対決、同カードで1-0で敗れて以来、プレシーズンマッチ及び公式戦を含めて無敗記録を継続中です。EL準決勝敗退という辛酸を嘗めた鬼門の「AXA」で土がついてしまうのかも注目となりました。

ベンフィカサポーター@AXA 2011.11.6


 そんな舞台装置が揃った大一番には、今季ブラガ主催試合最高の18,688人の観客が集まりました。ホームの「ルス」スタジアムでは、数年前に起こした暴力事件のペナルティで入場禁止になっているベンフィカのウルトラス(サポーター集団)、「ディアボス・ヴェルメーリョス」と「ノーネイム・ボーイズ」も当然のようにブラガに駆けつけ、当然のように発煙筒で気勢を上げていました。


 この日のスタメンです。
ブラガスタメン@AXA 2011.11.6


【ブラガ】
GK:キム
DF:バイアーノ、ダグラォン、エウェルトン、パウロ・ヴィニシウス
MF:ジャマル、ウーゴ・ヴィアナ、アラン、モッソロ、エルデル・バルボーサ
FW:リマ
カピタォン(主将)はアラン。3日(木)に行われたELのマリボル戦で5-1と大勝した勢いを買って同システムの4-2-3-1を採用してきました。左SBのエルデルソンが累積警告で出場停止。ダグラォンをCBに、普段CBのパウロ・ヴィニシウスを左SBで起用してきました。ヌーノ・ゴメスは、古巣相手に帰するところあったでしょうが、スタメンから外れました。

【ベンフィカ】
GK:アルチュール・モラエス
DF:マキシ・ペレイラ、ルイザォン、ガライ、エメルソン
MF:ハビ・ガルシア、ウィトセル、ルーベン・アモリム、アイマール、ガイタン
FW:オスカル・カルドーソ
カピタォン(主将)はルイザォン。こちらは、「10番」のアイマールとウィトセルを共存させ、今季抜群に機能している変則4-2-3-1のシステムです。アウェーでまずは、守備的に入るつもりだったのでしょうか。本来守備的MF及びSBのルーベン・アモリムをウィングで起用してきました。
 ちなみに、ベンフィカの正GKのアルチュール・モラエスは昨季の、サブGKのエドゥアルドは一昨季のブラガの守護神で、両者ともにブラガ躍進の立役者です。

 予定時刻の18時から6分遅れでキックオフされた試合は、両チームともに素晴らしい守備を見せました。
 ブラガは”ラストパスの出所”であるガイタンを過度に警戒して、バイアーノ、ダグラォン、さらにアランが下がって3人がかりで抑えていましたし、そのベンフィカ左サイドからのクロスには、この試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)のエウェルトンが競り合いに強いところを見せ、ヘディングでことごとくカットしていました。
 一方のベンフィカは、中盤でのプレスが効いていました。ハビ・ガルシアのフィジカルを活かした粘りの守備とアイマールの運動量豊富な献身的な守備は、前半ブラガに決定的なシュートチャンスさえ作らせませんでした。

AXAスタジアム 2011.11.6


 両チームとも非常に集中力の高い守備で一歩も退かぬ攻防を繰り広げていたのですが、その集中力を削いだのが、スタジアムのバックスタンドの照明灯の故障でした。前半26分に突然、照明が落ちると主審のペドロ・プロエンサは「試合中断」の決定を下しました。メインスタンドの照明だけで試合が出来ないこともなかったように思いますが、復旧するまでに9分間の試合中断を強いられます。前半35分に試合再開したものの、前半39分に再び同じくバックスタンドの照明が落ちます。やはり復旧までに9分間の試合中断。試合が再開されたのは前半48分、普通ならもう前半終了している時間帯です。しかし、「二度あることは三度ある」、前半53分に三度、照明が落ちるに至って、ピッチ上の選手及びスタジアムの観客は苛立ちを露わにします。
 結局、このバックスタンドの照明灯の故障による試合中断は延べ29分間に及びました。

ブラガイレブン 2011.11.6


 試合中断中のブラガイレブン。カピタォンのアランが選手を集めて集中力を切らさないように味方を鼓舞し、入念に指示を与えていました。今季のブラガは試合中は、中盤に位置する副将のウーゴ・ヴィアナが細かくチームメイトのポジションを修正したり、削られて熱くなる選手を諌めたりしている光景が目につきます。このベテランの主将、副将コンビのリーダーシップはブラガにとって良い触媒となっているようです。

ベンフィカイレブン 2011.11.6


 一方のベンフィカは、試合中断中は副将のアイマールがベンチ前で監督のジョルジュ・ジェズスの指示を仰ぎ、ピッチ各地に散らばるチームメイトの下に出向いて粘り強く対話をしていました。今季のベンフィカのピッチ上の指揮官はアイマールであることは間違いありません。

前半64分(45分+19分)に再開された試合は、まず、ベンフィカがガイタンの相手DF3人抜きからの左サイドからのクロスで決定機を作りますが、中央フリーのカルドーソがこれを外します。ブラガは、試合中断直前に負傷退場したバイアーノに代わって投入されたレアンドロ・サリーノの運動量が秀逸でした。本来は二列目の選手ですが、この日右SBに入って新境地を開拓したような気がします。

 
リマゴール 2011.11.6


 そして、前半77分(45分+32分)、中央アランのパスを右サイドで受けたレアンドロ・サリーノがすかさずセンタリング、このクロスがペナルティエリア内にいたエメルソンのハンドを誘い、ブラガがPKを獲得します。これをリマが落ち着いて決めてゴール。ブラガが欲しかった先制点をもぎ取ります。

 後半、ベンフィカはガイタンを下げ”売出し中”のロドリゴを投入。ウィトセルを右ウィングに上げ、ワンボランチの4-4-2のシステムにシフトし、ビハインドをイーブンに持ち込みにかかります。しかし、前線からの激しいプレスでマイボールにしカウンター気味の速い展開で攻撃のリズムを掴んだのはブラガでした。後半になってもモッソロ、レアンドロ・サリーノの二人のダイナモの動きは光りました。特に最終ラインからのレアンドロ・サリーノのオーバーラップとドリブルはベンフィカにとっては脅威だったはずです。
 しかし、少ないチャンスをモノにしたのはベンフィカでした。後半71分、右サイドのマキシ・ペレイラのサイドチェンジをレアンドロ・サリーノがヘッドでクリアしたボールはロドリゴの足下へ。左足でシュートしたボールはブラガDFのダグラォンに当たってコースが変わってゴールネットを揺らします。1-1。ブラガにとってはアンラッキーゴールを献上してしまいます。


スコアボード@AXA 2011.11.6


 それでも、ブラガの”勝ちたい”と気迫は衰えていませんでした。後半80分過ぎから怒涛の波状攻撃を仕掛け、防戦一方のベンフィカゴールに襲い掛かります。右サイドからはウーゴ・ヴィアナの左足、左サイドからはアランの右足から幾度となくチャンスを作りますがどうしてもゴールが割れません。
 ロスタイムには、ベンフィカが途中出場のブルーノ・セザールの長いクロスを左サイドでフリーで受けたロドリゴが角度のないところからシュートを狙いますが、こちらもわずかに外れ、試合は1-1の痛み分けでタイムアップ。
 約120分(試合中断29分を含む)の試合内容は、ブラガのひたむきなまでのゴールへ向かう姿勢とモチベーションの高い守備力が光りました。今季、王者ポルトよりも勝負強さが光るベンフィカ相手に「大健闘」の印象が残ります。それだけに判官びいきとしては、”勝たせてあげたかった”ですが、ベンフィカの”したたかさ”が盤石だったのも間違いありません。

ジョルジュ・ジェズス@公式会見 2011.11.6


 試合後、公式会見場でのベンフィカ監督、ジョルジュ・ジェズスは笑顔が絶えませんでした。試合後のコメントです。
「勝ち点1を積み上げられたのは良かったと思う。(照明灯の故障による)中断はブラガに優位に作用して先制されたからね。後半は、負けている状態だったので、(勝ち点獲得という)結果を優先させた。ただ、後半ロスタイムの(ロドリゴの)ゴールが決まっていれば我々が勝利していた可能性もあったわけだから、高望みしなければ今日の結果は悪くないと思う。」

レオナルド・ジャルディン@公式会見 2011.11.6


 一方の公式会見場でのブラガ監督、レオナルド・ジャルディンは今にも泣きだしそうな表情でした。試合後のコメントです。
「この結果は正当なものではない。ブラガは90分に渡って試合を支配したのだから非常に不満だ。勝てた試合で勝ち点2を失ってしまった。ただ、ブラガに決定力が不足していたことは認めなければいけない。勝つことができなかったが、選手には良くやったと言ってやりたい。ピッチで最高のパフォーマンスで応えてくれた。」

 古巣相手にヌーノ・ゴメスを起用しなかったことについては、
「今日の試合は、チームは攻撃的なタイプとは違ったキャラクターのチームのバランスを保つために”穴を埋める”選手を必要としていた。だからヌーノ・ゴメスをスタメンでも起用しなかったし、途中交代でも投入しなかった。」と指揮官は説明しました。

 11月はブラガにとっては”タフな”一ヶ月です。この日のベンフィカ戦、20日にはポルトガル杯4回戦でスポルティング戦(アウェー)、27日にはリーガ第11節のポルト戦(アウェー)が控えており、一ヶ月で「三強」すべてと試合することになります。ELは30日のホーム、バーミンガム戦に勝利すれば決勝トーナメント進出が決まりますが、成績如何によっては監督のレオナルド・ジャルディンの解任もあり得ます。正に正念場ですね。

 リーガは第10節を終わって、ポルトガルリーグは近年稀に見る大混戦です。昨日(6日)の試合で、スポルティングがウニオン・レイリアに3-1で勝ちましたので、トップグループと終に勝ち点1差につけました。

1位:ポルト(勝ち点24)
2位:ベンフィカ(勝ち点24)
3位:スポルティング(勝ち点23)
4位:マリティモ(勝ち点21)
5位:ブラガ(勝ち点19)
 
 なんと、1位から5位までが勝ち点5差の中にひしめき合っています。1993/94年シーズンには、リーガ10節を終わって、首位ベンフィカ、2位スポルティング、3位ポルト、4位ボアヴィスタが勝ち点15で並ぶ(当時の勝利時の勝ち点は2)という混戦がありましたが、それ以来の団子状態ということになります。26日には、『ベンフィカvsスポルティング』の「リジュボア・デルビー(リスボンダービー)」もあります。今季のリーガの優勝争いは終盤までもつれそうです。


posted by 鰐部哲也 |09:04 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年11月01日

ポルトの瑕疵 - ポルトvsパッソス・デ・フェレイラ

スコアボード@ドラガォン 2011.10.28


 リーガ第9節は、先週金曜日(10月28日)に行われた『ポルトvsパッソス・デ・フェレイラ』の試合を取材してきました。
 このスコアボードだけを見ると「ポルト完勝」です。相変わらず勝ち点は同じ23点ながら得失点差でベンフィカを抑えて首位を堅持しています。一昨季から続くリーガ無敗記録も48試合になりました。ポルトは(リーガでは)607日間負けていないことになります。
 しかし、この試合を観ていて、今季のポルトは早晩、息切れするだろうなとの思いを強くしました。

パッソス・デ・フェレイラスタメン 2011.10.28


 対戦相手のパッソス・デ・フェレイラは、昨季行われた同カードで3-3とドローに持ち込んでいます。ポルトが残り5節を残して早々にリーガ優勝を決めた後の第29節、ピッツィ(現アトレティコ・マドリー)のハットトリックであわや「無敗優勝」にストップをかけるアップセットを演じるところでした。しかし、今季は、ピッツィ、ダヴィド・シマォン、ネルソン・オリヴェイラ(現ベンフィカ)、バイアーノ(現ブラガ)らの主力がごっそり抜けて、昨季リーガ杯準優勝の勢いも力もありません。
 それでも、前半はこのパッソス・デ・フェレイラの方が攻撃のリズムを掴んでいましたし、前半ロスタイムのオウンゴールがなく、幾度となくあった先制のチャンスをモノにしていれば試合展開もどうなったか分かりません。

ポルトスタメン 2011.10.28


 もちろん、この日のポルトは、CL(チャンピオンズリーグ)第4節のアウェー、アポエル戦を見据えてグアリン、ジョアン・モウティーニョ、クレーベル、ジャメス・ロドリゲスを温存したからという見方もあります。事実、後半になって慌ててジョアン・モウティーニョ、クレーベル、ジャメス・ロドリゲスを投入してから2点をもぎ取っています。
 しかし、守備の選手はCBのマンガラを除いて昨季とほぼ同じ面子です。今季のポルトは絶対的な”点取り屋”のCF、ファルカオの抜けた穴の大きさがとかく問題にされがちですが、最近のポルトはむしろ守備が非常に不安定に映ります。CBのロランドはマークする相手を簡単に見失い、右SBのサプナルもしくはフシレと”お見合い”する場面も散見されます。勝つか引き分けでEURO2012出場が決まった先月のポルトガル代表戦(アウェーのデンマーク戦)でも、その不安定な守備が槍玉に挙げられていました。そして、ボランチのフェルナンド、今夏にはイタリアのクラブへの移籍を志願していたのですが叶わなかったのもあるのでしょうか、非常に危なっかしいボールキープが目につきます。ロランドとフェルナンドに共通して言えるのは”集中力とモチベーションの欠如”です。今季のパフォーマンスを見ていると持てる自身のクオリティ全部を発揮しているとは言い難いです。

 監督、ヴィトール・ペレイラの選手交代にも疑問符がつきますね。後半になってジョアン・モウティーニョに代わって下げられたデフール。個人的には前半運動量が多く、セットプレー時のCKも正確でしたし、そんなに悪くなかったと思いますが。。。交代するならボールの収まりが悪かったベルスキなのではと思いました。
 後半59分にはフッキを下げてジャメス・ロドリゲスを投入。フッキはベンチには一瞥もくれずロッカールームに直行。今季のポルトではフッキは”不可侵な存在”のはずです。もちろん、出来が悪かったらどんな選手でも交代させられるべきですが、監督から「お前でも(悪かったら)途中交代があるぞ」と事前説明があったとは思えません。ただフッキのプライドを大いに傷つけただけのような気がします。こういう齟齬からチームというのは亀裂が入るものです。個人的には同じポジションで交代させるならヴァレラだと思ったのですが。ウィングなのにクロスの精度は悪いし、ボールを持つと”足数”が多いので攻撃のリズムがストップしていましたし。。。
 
 試合後、フッキは自身のツイッターで、
「自分の行為はチームに対しての敬意が欠けていたように思う。」
「でも、あの(交代の)瞬間とても苛立ったんだ。気持ちを静めるには独りきりでロッカールームにいるしかなかったんだ。」
「もちろんベンチにいるべきだったと思うよ。でも、ヴィトール(監督)にはもう謝ったよ。」
と、本音を覗かせながら反省のツイートを繰り返していました。

 ポルトに関しては、きっと私の杞憂なのでしょう。取り越し苦労なのかもしれません。ただ、最近のポルトの試合を見ていると危ういものを感じずにはいられません。

 リーガ第9節を終わって、首位はポルト。2位は、ロドリゴの2ゴールでオリャネンセを下したベンフィカ。続いて9月のリーガ月間MVPのファン・ヴォルフスヒンケルとスハールスのオランダコンビのゴールで公式戦10連勝を飾ったスポルティングが単独3位に立ちました。ブラガはここ8年間負けなしのアウェーのアカデミカ戦で0-0で引き分け、三強からは一歩遅れをとってしまいました。今日(10月31日)、マリティモがジウ・ヴィセンテを下せばブラガを抜いて4位に躍り出るところでしたが、試合は83分で0-0のまま中断。濃霧で15分間のサスペンテッドになりました。
 今週はCLとEL(ヨーロッパリーグ)が行われます。さらに週末のリーガでは『ブラガvsベンフィカ』というベンフィカにとっては鬼門の大一番もあります。ポルトガルのサッカーシーンも佳境に入りつつあります。


posted by 鰐部哲也 |08:05 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年10月26日

公開練習(ブラガ)

ヌーノ・ゴメス&エルデル・バルボーサ 2011.10.24


 トップのツーショット写真。右はもちろんヌーノ・ゴメスですが、左の選手、誰だか分かるでしょうか?分かった方はかなりのポルトガルサッカー通です。

 答えは、エルデル・バルボーサ。
 
 かつて、現ポルトガル代表のジョアン・モウティーニョ、ミゲル・ヴェローソらと共に15歳でU-17欧州選手権の中心選手としてポルトガル優勝の立役者となり、その後、ポルトに鳴り物入りで入団した選手です。しかし、ポルトで伸び悩みアカデミカ、セトゥバルなどにレンタルに出され、昨年にブラガに完全移籍で加入しました。しかし、昨季は、背番号「10」を背負いながら、監督のドミンゴス・パシエンシアの構想からは外れ、スタメンでの出場機会にほとんど恵まれませんでした。今季、監督がレオナルド・ジャルディンに代わるとレギュラーポジションを獲得、特にELでは3節終了時で得点王争い2位の3ゴールを挙げ、水を得た魚のように活躍しています。遅まきながら次のポルトガル代表初選出が最も有力視されている選手で、個人的にも”目をつけている”選手なんです。

 昨日(24日)は、試合翌日にも関わらずブラガの公開練習が行われ、「AXA」スタジアムに併設されている練習場に取材に行ってきました。最近はポルトガルの強豪クラブは軒並み練習が非公開となっているのですが、奇しくもリスボンでは「ルス」スタジアムでベンフィカの公開練習が行われたようです。2003年10月24日にEURO2004のメインスタジアムとして”新しい”「ルス」スタジアムが落成され、その8周年を記念しての特別公開練習だったようです。なんと集まったベンフィキスタは3,000人だったようで。ちなみに同日のブラガの公開練習は、記者が私を入れて4人、カメラマンが3人と取材者が7人という非常に寂しいものでした(メディアへの公開練習だったので一般の見学者はゼロでした)。

 そのブラガの練習では、エルデル・バルボーサがポルトガル代表のベテラン、ヌーノ・ゴメスに終始ぴったりくっついて二人でコンビを組んで練習メニューをこなしていました。
 私は、ヌーノ・ゴメスと顔見知りということもあり、練習前も練習後も声を掛けてくれ、練習後にはしばし立ち話をしていたのですが、隣にいたエルデル・バルボーサにもぜひ、話を聞きたかったので呼び止めて少し話すことができました。「練習中にヌーノと何を話していたの?」って聞いたら、「ポルトガル代表のことを詳しく教えてもらったよ。」とあまりにも予想通りの答えが返ってきました。近いうちに、じっくり単独インタビューと言う形で話を聞いてみたいと思っています。

ブラガ選手集合 2011.10.24


 昨日の練習は、日曜日の試合に出場したレギュラー組は軽めの調整だったのですが、コンビ(もしくはトリオ)を組む相手に誰を選ぶかでチーム内の人間関係が透けて見えて面白かったです。

キム&ウーゴ・ヴィアナ 2011.10.23


 GKのキム(右)はウーゴ・ヴィアナ(左)と。元ポルトガル代表コンビですね。ウーゴ・ヴィアナが、かつて代表取材で少し話したことがあるだけの私の顔を覚えていて声を掛けてくれたのはびっくりしましたが。。。

アラン&リマ 2011.10.24


 アラン(右)はリマ(左)と。ブラジル人ウィング(オフェンス)コンビです。二人とも”ブラガの顔”ですね。

パウロ・ヴィニシウス&エウェルトン&バイアーノ


 パウロ・ヴィニシウス(右)、エウェルトン(中)、バイアーノ(左)のブラジル人ディフェンダー。現在、リーガ最少失点の立役者となっているDFトリオです。CBのパウロ・ヴィニシウスとエウェルトンはセットプレーからの得点力も魅力です。

アラン 2011.10.24 


 再びカピタォン(主将)のアラン。今季でポルトガルリーグ11シーズン目を迎えました。もちろん、現役外国人選手では最多のリーガ通算264試合に出場しており、土曜日のリーガ第9節、アカデミカ戦に出場すれば節目の公式戦350試合出場に到達します。かつてポルトではCL出場もリーグ優勝も果たしている経験豊富な”鉄人”です。ちなみに過去、ブラジル代表に招集されたことはなく、現在ポルトガルの市民権も取得済みのため、帰化してのポルトガル代表入りはいつでも可能です。

フェルナンド・コウト&レアンドロ・ジャルディン 2011.10.24


 フェルナンド・コウト(右)とレオナルド・ジャルディン(左)。スポーツディレクター(SD)と監督のブラガ首脳コンビですね。フェルナンド・コウトは、この日、リスボンのFPF(ポルトガルサッカー連盟)でポルトガル杯4回戦の抽選が行われたにも関わらず、参加をパスして練習見学を選んだようですね。
 ちなみにブラガは、二部、三部のクラブも混在する31チームの中からよりにもよってスポルティングを対戦相手として引き当ててしまいました。しかも試合はアウェー。さらにスポルティングの監督は、昨季までブラガを率いていたドミンゴス・パシエンシア。正に”神の見えざる手”が介在していたとしか言いようがありません。

ブラガホペイロ 2011.10.24


 ホペイロのスタッフさんもお疲れ様でした。練習後には、ブラガ広報の紹介で、ポルト、ブラガを中心にポルトガル北部のクラブをカバーしているポルトガルスポーツ紙の敏腕記者とも知り合いになることができ、久しぶりに充実した練習取材をすることができました。
 金曜日(28日)には、リーガ第9節『ポルトvsパッソス・デ・フェレイラ』戦の取材のためポルトにプチ遠征に行く予定です。


posted by 鰐部哲也 |05:07 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年10月25日

通算100勝 - ブラガvsフェイレンセ

ブラガスタメン@AXA 2011.10.23


 大変ご無沙汰しています。約二か月ぶりのブログ更新となってしまいました。申し訳ございません。この二ヶ月、特に「三強」(ポルト、ベンフィカ、スポルティング)及びポルトガル代表の取材規制の厳格化によりるポルトガル現地でのサッカー取材に手詰まり感をひしひしと感じており、思い切って活動拠点を首都のリスボンから北部のブラガへ移すことにしました。今月上旬発売の某雑誌の巻末コラムでも書かせていただいたのですが、今季のリーガでのブラガの戦いぶりと、”ポルトガル語圏以外の外国人部隊”化に拍車がかかる「三強」に比してポルトガル人及びブラジル人主体のチーム編成にシンパシーを強く感じたのと選手、クラブ首脳の個別取材に応じてくれるブラガというクラブの懐の深さに惹かれたのが主たる理由です。

 さて、ポルトガル国内リーグも第8節が終了し、シーズンの約4分の1が終了したことになります。今季のポルトガルリーグは、昨季”無敗優勝”で他を圧倒した王者ポルトにベンフィカがしっかり食らいつき、その「二強」にブラガがぴたりとつけるという序盤戦でした。スポルティングはリーガ開幕3戦を2分1敗と完全にスタートに躓きましたが、昨季までの主力だったポスティガ、ヤニックの二人を移籍市場最終日に放出あし、スタメン9人を新戦力の”外国人”で揃えてメンバーを固定してから上昇気流に乗り始めています。今後この4チームを中心にカンピオナート(優勝争い)が展開されていくのは間違いないでしょう。

AXAスタジアム 2011.10.23


 そんなリーガ第8節では、昨日(23日)行われた『ブラガvsフェイレンセ』戦を取材してきました。この日のブラガ(ポルトガル)は本当に久しぶりのまとまった雨となりました。土砂降りを通り越して台風のような暴風雨の悪天候の中の試合で、屋根のあるスタンドのどこに座っていても濡れてしまうため、客足は6,902人と極端に鈍りました。
 ブラガは、公式戦直近4試合で1勝1分2敗とブレーキがかかっていました。リーガとELの選手のローテーション起用が裏目に出ている感があります。

 この試合のブラガのスタメンです。
GK:キム
DF:バイアーノ、パウロ・ヴィニシウス、エウェルトン、エルデルソン
MF:ジャマル、アラン、ウーゴ・ヴィアナ
FW:リマ、ヌーノ・ゴメス、エルデル・バルボーサ
カピタォン(主将)はアラン、4-3-3のシステムです。
ヌーノ・ゴメスが4試合ぶりのスタメンでトップの位置に入りました。

ヌーノ・ゴメス ゴール! 2011.10.23


 前半から主導権を握ったのはホームのブラガ。前半5分に左サイドのリマからのマイナスのクロスに中央のヌーノ・ゴメスがシュート。さらに2分後にはアランの縦への長いクロスにゴール前でヌーノ・ゴメスがピンポイントで右足で合わせゴールネットを揺らしますがオフサイドでノーゴール。”三度目の正直”は前半13分でした。ウーゴ・ヴィアナの右CKがファーサイドに流れたところをヌーノ・ゴメスがスライディングで押し込み今度こそゴール!1-0。
 この日のヌーノ・ゴメス、ボックス内でフリーでボールをもらう動きが秀逸でした。さらに中盤で下がってボールを受けても自身のスピードが全盛期より落ちていることを熟知しているかのように、ドリブルで突っかけずにすぐに両ウィングにボールを叩いて自身がボールカットの標的にならないような老練な動きも光りました。ただ、後半極端に運動量が落ちたのはマイナスポイント。それが分かっていたのか試合後の取材エリア(ミックスゾーン)では珍しく不機嫌でした。

 この試合の「マン・オブ・ザ・マッチ」はアラン。前半は中盤での神出鬼没な流動的な動きで、相手のマークを上手くかわし常に攻撃の起点となっていましたし、後半63分には相手GKが前に出ていたのを良く見て、ミドルレンジからループ気味の柔らかいシュートで技ありの今季公式戦初ゴールも決めました。今季からブラガの新キャプテンを務めるアラン、味方へのコーチングも的確でキャプテンシーも板についてきました。

オーロラビジョン@AXA 2011.10.23


 後半79分にはウーゴ・ヴィアナのCKからCBのエウェルトンが駄目押しゴールを決め、ブラガが今季1試合最多得点の3-0で快勝しました。確かに攻め手に欠き、最後までシュートまで持ち込む攻撃パターンの形がまったく見えなかったフェイレンセ相手の勝利は至極当然の結果なのですが、ブラガにとってはリーガ約一ヶ月ぶりの勝利は正に「良薬」となったはずです。
 ちなみにこの試合でのブラガの勝利は、2004年1月17日に落成されたホームスタジアム、「エスタディオAXA」の公式戦通算100勝目となる”メモリアルウィン”となりました。

レオナルド・ジャルディン公式会見@AXA 2011.10.23


 試合後のブラガ監督、レオナルド・ジャルディンのコメントです。
「満足している。今日の対戦相手に対してはより高いレベルを維持できた。チームは良い(勝利という)答えで応えてくれた。サッカーは厳しいトレーニングに励んでいても(試合で)結果が出ないときもある。それを耐えて今日の試合で自信を取り戻してくれたように思う。」

 リーガ第8節では、首位ポルトが5-0でナシオナルを一蹴。2位ベンフィカはブラガと共にリーガ最少失点(3)を誇っていたベイラ・マール相手にアウェーで1-0で勝利。両チームとも無敗を堅持しました。さらにスポルティングは6-1でジウ・ヴィセンテに大勝し、公式戦9連勝、リーガ5連勝で勝ち点17でブラガに並んでいるものの、ついに得失点差で上回り3位に浮上しました。ファン・ヴォルフスヒンケルをCFの軸に据えてから完全に波に乗りましたね。第8節でもゴール(PK)をきっちり決めています。今季のポルトガルリーグは混戦です。目が離せません。


posted by 鰐部哲也 |08:57 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年08月18日

宣伝&告知

フェルナンド・コウト&レアンドロ・ジャルディン


 コロンビアで開催されているU-20W杯で若きポルトガル代表が決勝進出を決めました!
 先ほど終了した準決勝でフランスを2-0で下し、見事20年ぶりにファイナリストとなりました。監督のカルロス・ケイロスの下、背番号「3」のフィーゴ、背番号「5」のルイ・コスタ、背番号「14」のジョアン・ピントら「黄金世代」と呼ばれる才能の宝庫たちが大活躍し、ワールドユース(現U-20W杯)連覇という偉業をホストカントリーとして成し遂げた、あの伝説の大会以来ということになります。
 U-20W杯(ワールドユース)は、1999年のナイジェリア大会で日本が準優勝したことでも知られていますが、アルゼンチンが最多の6回の優勝を誇っています。次にブラジルが4回優勝しています。ポルトガルが今大会で優勝すれば、1989年、1991年の連覇に次いで3回目の優勝になります。

 その1989年のポルトガルのワールドユース初優勝に貢献したのが、当時背番号「16」だったフェルナンド・コウト(写真右・ちなみに写真左はブラガ監督のレオナルド・ジャルディン)です。
 背番号「5」の不動のCBとして、またカピタォン(主将)として2004年の代表引退までポルトガル代表を牽引しました。

 以前もお知らせしました(当ブログの7月6日のエントリーをご参照ください)が、7月5日にブラガで取材に成功したフェルナンド・コウトの単独インタビューの記事が、今週金曜日(8月19日)発売のサッカー批評別冊『欧州サッカー批評』SPECIAL ISSUE04に掲載されます。ぜひ、ご覧になってください。文字数の関係で泣く泣くお蔵入りになった質疑応答もたくさんあるのですが、こちらをご覧いただければフェルナンド・コウトの人となりが十分分かっていただけると思います。さらに同誌では、「ビラス・ボアスの哲学」と題して元ポルト代表監督のアンドレ・ビラス・ボアスの記事も書いていますので、こちらもご覧いただければ幸いです。

 また、今週水曜日(8月17日)発売になった海外サッカー週刊誌『footballista』(フットボリスタ)では、「LIGA PORTUGUESA(ポルトガルリーグ)の今シーズン展望」と「リーガ開幕戦ラウンドアップ他」について記事を書いていますので、ぜひ、ご覧になってください。

 さらに、今日(8月18日)発売の『WORLD SOCCER DIGEST』(ワールドサッカーダイジェスト)では、欧州各国リーグ開幕ガイドという特集で、ポルト、ベンフィカ、スポルティング、ブラガのポルトガルの4クラブのシーズン展望記事を書いていますので、ぜひ、ご覧になってください。

 以上、宣伝&告知でした。

 ポルトガルのサッカーシーンはリーガも先週開幕し、CLもELも本戦出場をかけてプレーオフの真っ最中です。私自身も取材したい試合が目白押しで嬉しい悲鳴を上げております。
 まずは、8月21日(日)に行われる「U-20W杯決勝」に期待せずにはいられません。余りにも注目されていない今大会の若きポルトガル代表が新たな歴史の1ページを作ることができるか。刮目して見届けたいと思います。
 
U-20ポルトガル代表 2011.7.13



posted by 鰐部哲也 |10:13 | コメント(0) | トラックバック(0)
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