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日本のドラフトはMLBにも存在しない、世界に誇れる宝だ。

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皆さんは「会議」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。個人的には、特にテンションが上がるものではない。狭い部屋に籠り、長い時は数時間も、「もうなんでもええやんけ!」と叫びたくなる感情を抑えながらひたすら耐え抜く…そんな会議も少なくない。

しかし、「ドラフト会議」となると話は別だ。こんなにわくわくする会議はほかにないだろう。今年もそんな一日がやってきた。 残念ながら、日本プロ野球がメジャーリーグ(MLB)に追いつけていない部分も多い。プレー面もそうだが、リーグ運営から球団運営、移籍市場まで、「ここはメジャーに勝てるぞ!」というものは簡単には見つからない。しかし、そんな中で日本プロ野球のドラフトは、世界に誇れるものだと感じている。

■数分間の争奪戦の中のドラマ

最初の魅力として、MLBの「完全ウェーバー方式」に対して日本では「部分的な」ウェーバー方式が採用されているという点が挙げられる。本当に簡単に言えば、「くじ引き」があるかないか。前者はこれがないし、日本ではご存知のとおり、ドラフト1位に限って抽選が行なわれる。海の向こうでは「競合」は存在しないのだ。

スポーツの世界で選手の争奪戦が行なわれることは面白さの一つだと思う。野球で言えばフリーエージェント(FA)選手に対して各球団がそれぞれの条件を提示し、獲得を試みる。今年でいえば千葉ロッテマリーンズの涌井や北海道日本ハムファイターズの中田翔の去就は気になるところ。そして当然、近い将来に大谷翔平(ファイターズ)の大きな大きな争奪戦がアメリカで繰り広げられるだろう。しかし、それは一瞬で決まるものでもなく、長ければ数カ月に及ぶのだ。

対してドラフトは、同じことがほんの数分で決定されるのだ。そして条件は金満球団も貧乏球団も同じ。「くじ引き」という、単純なルールでお目当ての選手に内定通知を与える権利(正式には交渉権)獲得を目指す。それはほんの一瞬のドラマだ。今年で言えば清宮幸太郎(早稲田実業)の交渉権を獲得したくじ引き担当者とそのチームのスタッフ・ファンの笑顔は弾け、外したチームの関係者は表情を曇らす。ドラフト1位で本命の選手を獲得できたかどうかで来年以降の構想が大きく変わることもある。そんなドラマがほんの数分間で繰り広げられるのは大きな魅力ではないだろうか。

■昨日の少年が明日のスターに

もう一つ、MLBにない日本のドラフトの魅力と言えば、「指名された選手の活躍をすぐに見れる」ことにあると考えている。これはドラフト自体というよりも育成に対する両国の考え方の違いにあるのだが、ファンとしては非常に大きい。

例えば、今年の夏の甲子園を沸かせた中村奨成(広陵)が来年の3月にはプロ野球の1軍の舞台で大観衆を前にスタメンマスクをかぶっている可能性は十分にあるのだ。同じように清宮も開幕戦でスタメン出場し、ライトスタンドにプロ初アーチを叩き込む可能性がある。しかし、MLBではその可能性は限りなく低い。情報が古くて申し訳ないが、2009年に発表されたデータによると、1965年のドラフト開始以降、マイナーリーグを経由せずにメジャーデビューを果たした選手はわずかに19人。日本の数倍の選手が毎年プロの世界に入ることを考慮すると、どれほどレアなケースかが分かる。

通常、アメリカでは新人はまずルーキーリーグでプロ生活を開始する。このルーキーリーグから日本でもおなじみのAAA(3A)まで、7段階存在している。結果を残しているプロスペクトは飛び級などをしながらMLBへ近づいていくが、確実に数年はかかる。マイク・トラウト(ロサンジェルス・エンジェルス)は4年目にメジャー初昇格。アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は3年目、コディー・ベリンジャー(ロサンジェルス・ドジャース)も5年目と、順調に成長を続けてきた今のスターたちも数年をかけてトップリーグにステップアップしている。

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