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竜ファンから見た真中監督のスワローズ。本当に多くのことを教えてくれたチームだった。

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失礼な話だが、神宮球場の夜は常に超満員状態ではない。特にヤクルトスワローズと私の応援する中日ドラゴンズが戦う時は。ただ、それも魅力の一つでもあった。当時大学生だった私が授業終わりに足を運んで大都会東京のど真ん中で夜風に当たりながらのんびりと野球を楽しめる場所だった。

しかしあの時期は違った。優勝が現実味を帯びて詰めかける燕ファンたち。10月27日の日本シリーズにもお邪魔した。個人的にはプロ野球の試合では初体験となった超満員の神宮球場。普段はあんなに目立つ「Pontaドリームシート」が、一体どこにあるのか分からない。

そんなファンの前で躍動していたのが、真中監督率いる燕戦士たちだった。この試合の山田哲人の3打席連続ホームランはまさにこのチームの色を出していた。そんな山田が5回までに全5打点を叩き出しながらもこのイニングを終わってなぜか同点。これもどこかこの年のセリーグ覇者らしかった。ドラゴンズファンではあるが、真中監督が1年間で作ったこのチームは非常に印象深かった。

◾︎怪物不在の恐怖の打線

真中監督のスワローズのキーマンとなっていた「2番川端」に続く山田、畠山、雄平、大引の並びは本当に恐ろしかった。圧倒的な存在感があった訳ではないが、比屋根もリードオフマンとしていい働きをしてきた覚えがある。

現在セ・リーグを圧倒している広島カープの打線も素晴らしいが、恐怖感と言う意味ではこのスワローズ打線は一枚上手だったと思う。それぞれに特徴があり、どこに回ってもその人なりの怖さがある。それもそのはず。首位打者川端、本塁打王山田、打点王畠山が並び、山田に関しては全部門でトップに近い成績残した。真中監督が下手に動かなかったのは、動かなくても勝手に点を取ってくれたからだろう。打線としては理想ともいえる集団だった。

しかしこの超強力打線の中に、バレンティンの名前はない。2年前に日本記録となる1シーズン60本塁打を達成したこのオランダの怪物は、このシーズンは怪我に悩まされホームラン1本に終わった。バレンティンがこの打線に入ったら何が見れるのか。完成されながらどこか未完成。末恐ろしかった。

■投手力の重要さを教えてくれた「2つの顔」

攻撃面では素晴らしかった2015年のスワローズ。しかし、野球における投手力の重要性を教えてくれたチームでもあったと思う。

リリーフ陣は素晴らしかった。秋吉、オンドルセク、バーネット。多くの強豪チームがそうであるように、このチームもやはり勝利の方程式が確立されていた(ロマンも58試合に登板)。いつかの懐かしき高橋、浅尾、岩瀬の我らの勝利の方程式を思い出すほどに、「秋吉に繋がれたらもう勝てない」と思わされた。そして久古の存在も大きかった。救援陣が安定すれば、チーム全体として戦い方が本当に楽になる。

ベンチの考え方としても、どのように6回をリードしている状態で終えるか、それが軸になっていたことだろう。一方で、先発投手陣は決して盤石ではなかった。小川は168イニングを投げ、11勝。石川は146.2イニングで13勝。この2人が軸となったが、どちらも防御率は3.11、3.31と圧倒的な数字ではない。この2人の次に投球回数が多かったのは石山の111.1回、そしてなんと前年オフに福岡ソフトバンクホークスを戦力外になっていた新垣の83.1回だ。ちなみにこの新垣、10敗を喫している。決して層の厚い先発陣ではなかった。

これが顕著に表れたのが日本シリーズだったのではないかと思う。上記のような投手事情から絶対に初戦の石川には踏ん張って欲しかったところだが、松田の先制ホームランなど4回に3失点。この回で早くもマウンドを降り、結局チームは初戦を落とした。2戦目も小川が4回にイデホに先制のツーランを許すと、5回途中で降板。3戦目は山田が大暴れし打ち勝ったが、4戦目も館山が、5戦目も再び石川が5回を投げ切れず、ホークスの前に散った。ホークスはホークスで物凄い打線だった。セ・リーグに同レベルの打撃力を誇るチームはスワローズ以外に存在しなかったシーズン。石川や小川が5回を投げ切れなかったのはこのような緊迫した展開で強力打線を相手にしたことにあったのだろうと思う。結局「とにかく秋吉に繋ぐ」というシーズン通りの戦いを全くできないままシリーズは終わってしまった。先発が試合を作ることがどれほど大事なことかを知った。

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記事カテゴリ:
プロ野球
タグ:
真中満
ヤクルトスワローズ

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竜ファンから見た真中監督のスワローズ。本当に多くのことを教えてくれたチームだった。

ヤクファンです。
他球団ファンの方からこのような分析と感想を頂けてありがたい限りです。

私もかつての落合ドラゴンズに良い意味で「憎たらしいほどの強さ」を感じたものです。
「アライバの鉄壁の二遊間」「英智・アレックス・福留のボールが落ちる場所のない外野の守備範囲&三連レーザービーム」
「恐怖の大砲タイロン・ウッズ」「川上憲伸・岩瀬仁紀の先発・守護神の絶対的存在感」「フィールド現場監督・谷繁」等など。

その数年後、我がスワローズがCSファーストシリーズの対ジャイアンツ戦で力を使い果たしながらも勝ち進み、ボロボロの状態でファイナルステージのナゴヤドームに乗り込み、文字通り死力を尽くして戦い散ったあの光景は今でも覚えています。

近いうちにあの年のような、お互いに「やりづらい相手だ」と思いながらCSファイナルステージで戦えることを祈ってます。

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