2010年10月22日

シンプルな理由 ~大分は何のために戦うのか~

今季の開幕戦。2-1でホームチーム柏が勝った柏-大分戦を現地で観戦した時、
両チームの間に、これほどの差が付くとは思ってもみなかった。

28戦19勝8分1敗、勝ち点65。 21節まで負けなしだった首位、柏レイソル。
27戦7勝7分13敗、勝ち点28。 途中12戦勝利がなかった大分トリニータ。
(前節開始前)

あの開幕戦だけを見れば、全体的な内容では柏に分があったのは確かだが、
フランサの決定力がなければ、試合はどちらに転んでもおかしくはなかったと思う。
開幕時の興奮や贔屓目を差し引いても、今シーズンJ2の中では、柏が昇格候補の
本命で、大分も小差でその次のグループに続くだろうという感触を持ったサポーター
も少なくなかったのではないだろうか。

しかし、ほんの少しの差だと考えていたものは、決定的な差となって現れた。その差を
突き詰めて考えると、チームに明確なスタイルがあるか(もしくは目指せているか)
どうかの差であり、何よりも「明確な目標意識を持っているか」の差のように感じる。


■小さくて大きな差
J2降格を単なる失敗で片付けず、じっくりとスタイルの確立に当てたチームがJ1でも
好成績を残せることは、昨シーズンのサンフレッチェや今シーズン健闘中のセレッソが
証明してくれている。そういった意味で降格時に大きな戦力の流出がなく、一貫した
スタイルを築こうとしているレイソルはまさに、J2の理想的な戦い方と言えるだろう。

対して大分は、非常に難しい状況にある。 経営状態が大きく響いたことは事実だが、
柏と比べると選手の流出も多く、監督のファンボは、昨季からのスタイル継続と、
「美しいサッカー」を理想に掲げたが、流動性なスタイルは、なし崩し的に失われ、
未だにこれが大分の形という部分は見えてこない。ここ数戦はやや持ち直したものの、
連勝や絶好調の状態には至らず、選手もサポーターももどかしい状況が続いている。


しかし、それでも大分はJ2で大きく見劣るような戦力ではないことを考えると、少々
勝てなさすぎた気もする。なぜ勝てないのか。その問題の根本を突き詰めていくと、
やはり精神面、特に目的意識(モチベーション)の問題に突き当たるのではないかと
いうのが僕の感想だった。

極端に言えば、勝っても負けても変わらない状況である。そうした「気持ち」の面は
玉際や試合の要所(終了間際など)で、「プレー」の面に如実に現れてしまうのが
サッカーだ。また、そうした気持ちのこもっていないプレーは、何よりもサポーターが
最も不満を感じてしまう部分でもある。 ホームの動員も徐々に減っている要因のひとつ
はこうした部分にあるのかもしれない。

■“目標なきシーズン”の難しさ
シーズン当初、クラブは1年でのJ1復帰を高々と目標に掲げた。ただ、どれだけの
選手が本気で昇格を目指せていただろうか。

条件付きの昇格、3位以内に入っても上がれる見込みが少ないという、特異な状況が
今シーズンの選手たちの心に余計な迷いを生んだことは、想像に難くない。そして、
勝ち続ければ支援が得られるかもしれない、という淡く儚い希望は、チームが戦い方の
スタイルを見失い、泥沼にはまっていくと同時に、脆くも崩れ去ったように見える。
さらに、勝ち点で上位と遠ざかってからは、何をモチベーションにしていいのかが
わからなくなっていた、というのがシーズン前半戦の大分だったのではないだろうか。

以前、経営問題が表面化した時にこのブログで、「返済できなければ昇格がないなら、
どんな気持ちで選手たちは戦えばいいのか」と、声を荒げたことがあるが、J1昇格
という大義名分を失ったまま戦うことの怖さを、僕自身も改めて痛感した格好だ。

何が悪いでもなく、何を目指すでもなく、J2シーズンの半分以上が終わってしまった。
そんな不思議な感覚。トリニータの試合が見られるのならどんなに弱くてもいい。
シーズン前は確かにそう思っていたが、何のために僕らは戦っているのか、という
(少し大袈裟な思い込みかも知れないが)目的を失ってしまったようなチームを見て、
僕自身も一時期、複雑な心境に陥ったことは、ここに正直に告白しておきたい。


■甲府戦で感じたこと
しかしながら、苦しかった今季の前半戦でも、常に気持ちを見せ続けている選手もいる。
そして、その気持ちの入ったプレーを見るたびに胸が熱くなることも紛れもない事実だ。

開幕ゲームの柏戦以来の生観戦となった先日の甲府戦に足を運んだ。ゴール裏からその日一番の歓声を受けていたのは、怪我で先発を外れ、試合終盤に交代で入った菊地だった。

昨シーズンの加入時には、ゴール裏がコールする派しない派に二分するなど、様々な
議論を呼んだことが、少し信じられないくらいひとつにまとまった菊地コール。
昨季終盤、そして今季も守備で体を張り続けた姿が、見る人の気持ちに確実に伝わった
ことを実感できるその大声援を聞いて、少し感慨深い気持ちに浸ってしまった。

もちろん、過去の過ちは消えるわけではないが、目の前で必死にボールに食らいつく
姿にはやはり心を動かされるし、逆にどんな偉大な選手であっても、気の抜けたプレー
が続けばブーイングを受けるのはごく自然なことだろう。

久々の生観戦だった甲府戦で、そんなピッチと観客席の間にある空気感を目の当たりに
して、今の大分が戦う理由を、僕自身もやっとアタマの中ではなく、体の芯の部分で
実感できた気がする。


頑張っている選手がいる。その選手を見て、自然と声が出る。
そして、選手たちはその声援を力に、またボールを追いかける。

大分の選手が、そしてサポーターが戦う理由は、
そんなごく自然で、シンプルな理由でいいのではないかと思う。
同時にそれは簡単そうで、なかなかない幸せな関係ではないかとも思う。


もはや昇格を語ることもできず、天皇杯もあっさり敗れ去った。夢や目標といった
拠り所がない状況でこそ、来季に向けてどう戦っていくのかが問われる。

勝ちきれずもどかしい時期を経て、首位柏の黄色いユニーフォームをホームに迎え、
まるで昨シーズンまでのJ1時代を思い出したかのような戦いぶりを見せた選手たち。
監督の采配や経営状態など、今後の不安をあげればきりがないが、とにかく
今週末の試合で久々の連勝を期待したい。

苦しい状況だからこそ、選手もサポーターも何か明確なモチベーションを持たなければ
ならないのではないか。僕自身は、やはりトリニータを応援したいという気持ちには
変わりがない。選手が走る限り、声を挙げたいと思う。そんなことしかできないし、
そうするしかやり切れないというのも本音だ。

選手やここを覗いてくれるトリサポの皆さんは、今、何を思って戦っているだろうか。

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posted by waits |12:46 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2010年06月24日

守りのち守り ~対デンマーク、時々ショートカウンターのススメ~

日本代表の置かれている立場は、極めてシンプルだ。勝つか引き分ければ念願の
決勝トーナメント進出。負けなければいいというより、もっと単純に言ってしまえば
点を取られなければいい。

しかし、そう簡単にいかないのがサッカーでもある。
90分引いて守り続けることは、ほぼ不可能だ。かと言って、ポゼッションを高めて
押し込む戦法を取れば、セルビア戦の二の舞もありうる。守備と攻撃。GL第3戦は、
この2つの選択肢の狭間で揺れ動きながら、チームの真価が問われる一戦となる。


■敗戦以上引き分け未満のオランダ戦
岡田監督は、この試合でもやり方を変えなかった。疲労や累積警告を考慮して
多少の入れ替えがあるかに思えた先発メンバーにも一切手を加えなかった。
うまくいっている時に、チームをいじる必要はないということもあるだろうが、
何より、今のメンバーへの信頼、そしてこのサッカーへの手応えが岡田監督の
中で、揺るぎないことが伺い知れた。

結果的には、オランダに敗れてしまったものの、チームとしてのやり方は、以前
よりも選手の自信も伴った確固たるものになってきているように見えた。さらに、
0-1の最小失点差、イエローカードによる次節への出場停止もなかったことを
考えると、敗戦という結果の中では、最高の負け方だったと言っても思う。

その後、デンマークがカメルーンに勝ち、カメルーンのGL敗退が決定。1位は
オランダにほぼ決まり、日本とデンマークの2位争いという図式が明確になった。

■俊輔の苦悩と活かし方
GLの突破条件とともにオランダ戦でもう一つ明確になったのが、今のチームに
俊輔がフィットできていないことだったと思う。コンディションが上がってきて
いないことも確かだが、プレーにらしさは見られず、迷いすら感じられた。

象徴的だったのが、終盤に闘莉王が攻め上がり、ロングボールを胸で落とした
シーン。当然、前に出てくると思った闘莉王と、得意ではない守備面での準備を
気にしてか、前へ出るのを躊躇した俊輔。日本中がため息をついたであろうこの
場面が、俊輔の苦悩を物語っているように思えてならなかった。
(あの役割を期待するなら、同じ中村でも憲剛の方がよかった気がする)

個人的には、1点を追いかける終盤に俊輔を入れることを否定する気はないし、
むしろアリだと思っている。しかし、それはアーリークロス、FKなどを想定した
ロングボール要員としてだ。運動量や守備力では貢献できなくても、クロスの
精度だけなら、長友や駒野よりも上だと思うし、それを活かさない手はないからだ。

また、俊輔を出すのなら前線の交代については、玉田よりも矢野の方が適任だった
のではないかと思っている。闘莉王が攻め上がることを考慮した上でも、高さが
もう1枚あるのとないのでは、確率が違う。確か、岡田監督自身も「終盤にリード
された時のオプション」として矢野を招集したのではなかったのだろうか?
(ただ、今は日本中のファンにとっても、俊輔や岡田監督にとっても俊輔の出ない
試合展開が一番いいのかもしれない。ちょっと皮肉な話ではあるが。)

■あくまで守備を支持する理由
おそらく、デンマーク戦も岡田監督はほとんどメンバーをいじらないだろうし、
やり方も大きくは変えないだろう。ここまで来たら、そこは全面的に支持したい
と思うし、この試合は守備の意識をより一層高めるくらいでいいと思う。

理由は、下記4つの可能性を比べてみた結果だ。
A. 日本が攻撃的に行って得点できる可能性
B. 日本が守備的に行って失点しない可能性
C. デンマークが攻撃的に行って得点できる可能性
D. デンマークが守備的に行って失点しない可能性

この中で、一番可能性が高いのは、Dだと思う。根拠は、デンマークがポルトガル、
スウェーデンのいる欧州予選を一位通過した秘訣は、堅守速攻にあったと考えて
いるからだ。デンマークが守りを固めれば、スペインなどの一流国でも得点する
のは容易ではないだろうし、それを日本ができるかと言えばやはり可能性は低い。
そして、先制されて守りを固められるのは、日本が一番避けるべき状況でもある。

問題は、BとCの比較だが、辛うじて(期待も込めて)Bの方が可能性が高いと
見ている。理由は、オランダに対しても試合終盤のカウンター以外では、決定的な
チャンスを作らせなかったから。もちろん、ドン引きで高さ勝負になれば分が悪いが、
ある程度前から複数で連動して自由を与えないこれまでのやり方なら、終盤までは
持ちこたえられる可能性は低くないと思っている。

一番可能性が低いのは、Aだろう。そして、日本が前掛かりになるこのパターンは、
デンマークの得意な堅守速攻が活きる形でもある。それゆえ、この試合で「攻撃的に」
という論調には賛同できない。(もちろん、攻撃は常に狙っていなければならないが)

日本としては、常に守備の危機管理を忘れず、センターライン付近から複数でプレス
を掛けるこれまでのやり方でいいと思う。そこでボールを奪えても、あまり人数を
掛けず、とにかくシュートで終わることだけを意識してほしい。前に行けないなら、
後ろに下げて休む時間を作るだけでもいい。個人的には、この試合に関しては
「全員守備、4,5人攻撃」くらいので意識で十分だと思っている。

■これまでの真価が問われる一戦
W杯開幕直前で俊輔、内田、楢崎の主力を外し、阿部のアンカー起用を決めた岡田監督
のやり方に、一貫性があったとは到底言い難い。松井、大久保が好調で、本田も即興
にしては1トップで結果を残してくれているおかげで、何とか第3戦をいい状況で迎え
られるが、非常に危ない賭けだった。ポゼッションサッカーは今や見る影もない。

ただ、ひとつ一貫して続けてきたことと言えば、複数で寄せていくこの守備だろう。

アジア予選後、もっと(メンバー選考を含めて)カウンターを磨いてほしかったという
気持ちは未だに強いが、この守備だけが「岡田JAPAN」の築き上げてきた財産なのだと
思う。そして、カメルーン、オランダ戦では(一部の有識者を除けば)徐々に、国民の
支持を集めてきていることも事実だ。

GL第3戦のデンマーク戦、つまらないと言われてもこのやり方を貫いて欲しい。
そして、それが勝ち抜くためのベストな選択だったと証明してくれることを祈っている。

posted by waits |01:31 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2010年06月18日

岡田△な日は来るのか ~「和」のサッカーの先に~

最初に断っておくと、私自身もW杯開幕前は日本代表に対して悲観的だった。
(もちろん今も楽観視しているわけではないが)一部マスコミやブログなどで展開
されているほど酷評しなかったものの、正直どうやって点を取るのだろう?という
疑問は拭えなかったし、選手選考についても世間を賑わした「あの選手の方が」的な
感想も持っていた。ブレたのか?とも思える直前の発言に幻滅したことも確かだ。

しかし、結果的にW杯自国開催以外での初勝利をもたらした岡田監督には敬意を
払いたいと思う。この監督は、いつも仏頂面で確かに「華」や「カリスマ」という
言葉からは程遠い存在だ。その上、絶大な人気と影響力を誇るオシムの後任という
圧倒的な逆風の中にありながら、自分の信念を貫いて(一応の)結果を出してみせた。

カメルーンのコンディション不足やチーム内の不協和音などの幸運があったことも
確かだが、初戦で勝ち点3を挙げたことによって、予選3戦目まで楽しめる。
この状況を与えてくれたことに対する感謝(と代表の理想像追求を掲げながら
これまで怠け続けた自分への自戒)を込めて、今回は岡田監督を取り上げてみたい。


正直なところ、勝てるとは思っていなかったが、改めて考えてみると確かに布石は
あった。いくつかの選択肢の中で、岡田監督が下した「英断」もあったように思う。

英断1:弱者として臨んだこと
ドイツ大会で失敗した大きな要因は、過信だったと思っている。チームが崩壊状態に
あったことも事実だが、それよりも、中盤から前に海外組を並べていればいい、日本の
技術は世界でも十分通用するという誤解の方が大きかったのではないか。

それに対して岡田監督は、日本は「個」の力では通用しない、違うやり方でアプローチ
する、と明言した。その成果が、ボディコンタクトを避けた戦い方であり、特に守備で
複数の人数を掛ける今のスタイルだろう。個人的には、攻撃ではもっと個人で勝負して
ほしいという思いも強いが、引いて守ってのカウンターではなく、ある程度前から複数
でプレスを掛けてのショートカウンターというのは、(実際はともかく)プランニングと
しては、立場を踏まえた悪くない落としどころだったように思う。
(ちなみに、私が開幕前に悲観的だった理由は、プレスがほとんど連動していなかった
ことと、カウンターが鈍すぎることでした。両方ともまだまだ解決されていませんが)


英断2:川口を復帰させたこと
W杯の枠の23人目というのは、実に微妙なものである。11人の主力と11人のサブ、
そして、万が一に備えての第3GKという内訳ではあるが、事実上、第3GKが出場
することはほとんどない。そう考えると、ピッチに立つ戦力としてよりも、ピッチ外
での戦力、つまり精神的な支柱として割り当てることは、非常に理に適っている。

成功したかは別として、98年大会ではベテラン小島を選出し、チームの雰囲気作りに
一役買わせたという話は有名だし、2002年大会の中山、秋田の選出も(第3GKでは
ないが)そういった意味合いが強かったと言われている。そして、06年のドイツ大会
では、その役割が欠けていたことも、後に大きく取り上げられた。

大分サポーターの自分としては、4年後も考えて地元大分出身の西川を連れて行って
ほしかったという気持ちも強いが、代表がまとまらないまま南ア大会が終わってしまう
のなら何の意味もない。その意味で川口の選出は、想像以上に大きかったと思う。


英断3:俊輔を先発から外したこと
こう書くと、「じゃあ、何で呼んだんだ」とか「それなら小笠原を、石川を」という声
が上がるのは当然だし、かく言う自分もその思いは捨てきれずにいる。しかし、23人
から俊輔を外すことは、戦力的にはプラスになりえる半面、準備という面から考える
と大きなマイナスにもなっていたのではないかとも思い始めている。

言うまでもなく、カズを外した岡田監督である。やろうと思えばできただろう。しかし、
希望的観測をするなら、岡田監督もあの一件で学び、今回の教訓としたのではないか。

以前、何かの記事でトルシエの言葉を読んだ。そこに書いてあったのは、W杯に臨む際
は、マスコミや世論を味方に付けることが大事、という内容だった。当時俊輔を外し、
選手やマスコミに対しても自分のスタイルを貫き通した張本人が何を?と内心思ったが、
つまるところ、世間から見た主力や代表の顔を外すことは、リスクの方が圧倒的に大きい
ということらしい(反省の弁か?)。それは、選ばれた選手に対して、プレッシャーが
重くのしかかるという意味でだ。

23人の中に俊輔の名前がなかったとしたら、他の選手の動揺の大きさは想像に難くない。
マスコミは騒ぎ立て、仮に代わりとして入った小笠原には、桁違いに大きなプレッシャー
が掛かっていただろう。そう考えると、遠藤がいて憲剛もいる状況であえて小笠原を入れ
俊輔を外すことは、リスクの方が大きかったという論理は、わからなくはない。

そして、直前に俊輔を外すことによって、4-1-4-1的な布陣で大久保と松井という
“両翼”が活きたのがカメルーン戦だった。これまでパス回しのみに終始していた日本に
松井・大久保に本田を加えた3トップ的な前線がドリブルという変化を追加したことで、
相手にとっては格段にやりにくいサッカーになったことは間違いないだろう。皮肉にも
俊輔のスタメン落ちが日本代表にとって、いい方向へ向かう転機になった格好だが、
コンディション不足と、サイドプレーヤーとしてのスピード・運動量の欠如が、俊輔が
先発から外された大きな原因だと思う。直前のテストマッチ前の変更だったが、結果的
には、タイミングもうまくハマった。


2戦目、3戦目に期待すること
前述の3つ以外にも、スタッフのコンディション調整のおかげか、阿部、松井ら実力
を持った選手の状態がよかったことも見逃せない。また、本田という存在がいい意味で
アクセントになったこともあるだろう。そうやって考えていくと、①格上への挑み方、
②チームとしての和の醸成、③コンディション・適正を踏まえた布陣への変更、と
本番直前に「やるべきことはすべてやってきた」と言ってのけた岡田監督が、激しい
批判に耐えながら、地味ではあるが勝つ可能性の「和」を高めてきたと見ることもできる。

確かに、攻撃面を見ればカメルーン戦のシュートは、5,6本であり、本田のあの
ゴールがなければ、そら見たことかと日本中が非難轟々だったことは火を見るより
明らかだ。実際に、勝利を収めた現状でさえ「アンチ・フットボール」的な論調は
後を絶たないし、理想的な内容だったかと問われれば、確かにNOと言うしかない。

ただ、今回はこのやり方以外になかったことも事実だ。岡田監督は、極めて現実的な
やり方で、なんとか少しでもいい結果を出そうともがいている。オシムやベンゲルの
ような名将ではないかもしれないが、役割としては、アジア予選通過でほぼ果たした
と個人的には思うし、GL通過が責務だとか、美しいスタイルの構築だとかを問うのは、
酷だと思う。少なくともそこを問うべき相手は「選んだ」協会であり、「選ばれた」岡田
監督本人ではない。

ここまで来たら、岡田監督にはとことん勝負にこだわってほしい。オランダから勝ち点を
取れないと思うのなら、メンバーを全員入れ替えてでもデンマーク戦に賭けるべきだ。
間隔が空きすぎて、コンディションを落としたというオチだけは勘弁願いたいが、必死に
耐え忍んででも勝利を追求する姿勢を貫いて欲しいと思う。

純「和」製の岡田監督は、某企業のカイゼン的な過去の失敗に学んだ修正を足し算する
「和」と、チームワークの「和」、さらに、ひたすら我慢することもいとわない、極めて
古き良き日本的な「和」の精神で今回のW杯に挑んでいる。ある意味、究極の日本的
スタイルともいえるこのサッカーでどこまで行けるか。今回の南ア大会は良くも悪くも
そんなモデルケースとして判断する大会だと私は考えている。

個人的には、普段あまりサッカーを見ない人には盛り上がりが伝わり、有識者からは
足りない攻撃性をいかにして構築するのかという議論が出てくるであろうベスト16 or 8
くらいの結果を望みたい。

何はともあれ、少なくともあと2戦、岡田監督の戦い方に注目したいと思う。

posted by waits |00:18 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2010年05月09日

靴ひもをギュッ刀根 ~ホームのサポーターに歓喜を~

■1ヵ月半ぶりの再開
しばらく更新を休止している間に、一時は3連勝で暫定首位になるなど
好調かに見えた大分も、ここに来てだいぶ雲行きが怪しくなってきた。

早くも2ゴールとラッキーボーイ的な活躍も見せてくれている刀根、千葉戦で
クラブ最年少デビューを果たした松原など、続々とユースから有望株が出ている
状況に文句を言うつもりはさらさらないが、他に気になることは少なくない。

10試合を終えて勝ち点16の6位。
12位アビスパ福岡までの勝ち点差はたった3しかなく、一気に下位に沈む
可能性も否定できない。逆に首位柏との勝ち点は8差まで広がっている。

勝ち負けの内訳を見ると、柏・千葉のいわゆる2強には簡単に勝ち点3を
献上し、今季J2昇格の北九州相手に引き分け、2年目の栃木にも大敗。
(あの日の栃木はちょっとハマりすぎてた感もあるけど)中位以下への
取りこぼしは、まだ序盤とはいえちょっと気になる傾向だ。

プレー面では気持ちを前面に出してくる相手(特に前線からのプレス)に
めっぽう弱く、序盤にリードされると、そのままズルズルといくことが多い。
ボギョンに対するマークが厳しくなり、ここ3試合ではPKの1得点のみと
得点力不足は結構深刻な状況だ。

ならば、守備陣に頑張ってもらうしかないのだが、ここに来てDFの小手川、
チャン・ギョンジンが立て続けに負傷離脱。。。
今、菊地にもしものことがあれば、崩壊は必至の状況にある。


■ホームでベストゲームを
そうしたチームの不振が影響してか、ホームの観客動員が伸びていない。
というより足りていない。シーズン当初に掲げた数字は、目標ではなく
クラブ維持のために不可欠な数字だったはずだ。先日発表された再建計画の
途中経過では、すでに1億以上の額がマイナスだとも伝え聞く。

千葉戦は無料招待が多かったとはいえ、ようやく目標の13000を超す観客が
入った。しかし、それに見合うプレーを何人の選手ができていただろうか。

前半のシュートはゼロ。「見ちょって、はがいいわ!」とは、GWに帰省した
友人がハーフタイムに電話してきた時に、後ろの席にいたおじさんが偶然
発した言葉だ。

千葉戦で印象的だったのは、必死の形相で相手に食らいつく村山の姿だった。
経営不振が伝えられる最中の大分に唯一移籍で来てくれて、早くも村山シートを
無料提供してくれている心意気にも惚れるが、決してうまくなくても、多少の
ミスはあっても、村山のプレーならお金を払ってでも見たいと素直に思えるし、
千葉戦で心を動かされたサポーターも多いのではないだろうか。

今季、大分はまだホームでの快勝がない。つまり、まだホームのサポーター達を
満足させる試合ができていない。次に僕が観戦するアウェイの試合がどんな悲惨な
負け方になっても構わないから(他のアウェイサポの方、勝手にスミマセン)、
鳥栖戦ではホームのサポーターが来てよかったと思う試合をしてほしいと切に願う。

成績も経営問題も含めて、今の大分には楽観視できるものは何一つない。
何より、最後の頼みの綱であるホームのサポーターの心が離れることがないように
ここで締め直して、この九州ダービーで今季のベストゲームを見せてほしいと思う。

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posted by ウェイツ |04:08 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2010年03月18日

2010年の歩き方 ~第2節大分vs岐阜とこれから~

非常に捉え方の難しいゲームだった。ホームのサポーターに勝利をプレゼントできた
事実は、僕自身も素直に嬉しく思っているが、勝ったにもかかわらず、今後の展望に
ついては、嫌な予感が募った試合でもある。

■J2の洗礼
第2節の大分vs岐阜戦。結果だけを見れば、3-1での快勝にも見えるが、
中身ではある意味、岐阜の圧倒的な運動量に支配された試合だったと思う。

キム・ボギョンという個の力で勝つには勝ったが、他の選手たちにとっては
「やられた」というのが正直な心境ではないか。

岐阜は、非常に若くて運動量が豊富なチームだというイメージはあったが、実際に
見てみると、選手一人ひとりの判断も早い。さらに、中継でも理論派と紹介された
倉田監督の大分対策も非常に的確で、チーム全体に浸透しているように見えた。

岐阜は試合序盤から運動量を活かした前線からのプレスで大分にリズムを与えず、
攻撃ではシンプルに縦への速攻を展開し、何度も大分ゴールを脅かしていた。
チャンスを決めきれず、キム・ボギョンの突破に慌てたDFが与えたPKによる
前半終了間際の失点まではほぼ岐阜のペースだったと言っていい。

大分は完全に受ける形になり、中盤で落ち着けることができなかった。この辺りは
ベテランの宮沢にコントロールする存在感を見せてほしいところだ。

■ボギョンは素晴らしいが…
後半開始直後、大分は持ち込んだ森島と競り合った相手DFのオウンゴールで
追加点。その後、森島のミドルなど一時は活性するかに思えたが、48分の嶋田の
交代を機に、再度岐阜にペースを譲ってしまった。そして、12分に嶋田からの
素晴らしいスルーパスを佐藤が決めて、1点差に追い上げられる。

大分はその後、ボギョンを中心とした攻撃、というよりほぼボギョンの個の力に
頼った攻撃になってしまった。3点目のボギョンのスーパーゴールまでは、
某主審恒例の不可解な判定とカード連発により、試合が壊れかけて硬直状態が
続いたこともあって、チームとして大きな差を見せることはできなかった。

ボギョンがこのままの活躍を続ければ、セレッソや他のJ1チームの触手が
伸びてくることも十分に考えられるし、W杯出場により、海外からのオファーが
今季途中に届くことがないとは言えない。そうでなくても、今後各チームの
ボギョン対策は厳しくなるだろう。その時までボギョン頼みが続けば、
その後の状況は想像に難くない。これは、今後の大きな懸念材料だと思う。

■メンバーの選出と適性
多くの人が同じことを考えているかもしれないが、やはりこの試合のスタメンには
疑問が残る。井上の2列目は、プレシーズンマッチでも試されていたが、必ずしも
好感触というわけではなかった。また、刀根の左SBもおそらく試合では試して
いないし、その後小林を左SBに入れた後にボランチへ上げたことも疑問だった。

前回のエントリーで前俊をサイドで見たいと書いたが、本当に見たいのは先発で
4-2-3-1の2列目中央だったりする。サイドではある程度守備も求められる
ため、コテ、刀根とのコンビでは不安が残るし、去年のパンパシフィック選手権で
後半途中から(あの試合では確か前俊の1トップだったが)ボールを受け、左右に
散らしてゲームメークした試合のいい感触が自分の中に残っているからだ。

ジョンハンがいない場合、森島1トップで、2列目にボギョン、前俊、東を並べ、
自由に3人が入れ替わりながらの布陣の方が、相手にとっても怖い存在になる
のではないだろうか。

苦しい台所事情はわかるが、井上の2列目、コテの右SB、刀根の左SB起用なども、
その選手の個性を活かしきれていないような気がしてならない。もちろん、それまで
の準備次第だが、同じ3人の使い方でもコテ2列目、刀根右SB、そしてもともと
ボランチの守備を活かすなら井上左SBの方が理に適っているようにも思う。
(結果論ではあるし、今は我慢の時期かもしれないが。。。)

■11593人をどう見るか
個人的には、この数字にもやや不安を抱いてしまった。もちろん、J2の中では
かなり優秀な部類に入る観客動員だとは思うが、13000の目標を掲げると同時に
その数字が予算としても計上されている以上、危機感は持つべき状況だと思う。
現状、スポンサー収入も計画を下回っているなら、今季途中での資金ショートも
決してありえない話ではないだけに、ホーム動員数は生命線でもある。

第3節のカターレ富山戦から第9節の横浜FC戦まで、昨季J2中位以下との
対戦が続く。今季、J1昇格圏に入って地元からの莫大な支援を受けるという
一縷の望みをつなぐなら、この序盤戦で勝ち点はもちろん内容でも目に見える差を
付けておく必要がある。大分銀行ドームに行けば気持ちいい勝ち試合が見られる。
そういった空気が大分にできなければ、中盤戦以降、泥沼化していく可能性も
決して否定できないだけに、4月下旬までの戦いぶりは特に注目していきたい。


勝つには勝ったが、試合内容も先行きも、まだどちらも楽観視できないというのが
ホーム初戦を見ての素直な感想だ。それでも、前に進むしかない。次節富山戦では
サポーターが次の大銀ドームに足を運びたくなるような試合を見せてほしいと思う。


お知らせ:
更新頻度が低いにも関わらず、毎日来て頂ける数十人の方々をはじめ
ご覧頂いているみなさん、いつも本当にありがとうございます。
誠に勝手ながら、来週から数週間、都合により更新をお休みさせて頂く
予定です。再開後もまた覘いて頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

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2010年03月11日

万感のRESTART ~柏vs大分、超J2級の開幕戦~

気付けば昨年の10月にこのブログを始めて以来、初めての敗戦レポートになる。
それでも全くといっていいほど悲壮感はない。とにかく、また今年もトリニータの
試合を見られることが嬉しくて、スタジアムが楽しくて仕方なかった。
選手たちも、やや悲観的だった前評判を覆すパフォーマンスだったと言っていい。

生憎の天候となったJ2開幕戦の柏vs大分戦だが、試合開始からそんな空模様を
忘れさせてくれるような好試合だった。昨年までお互いにJ1で凌ぎを削ってきた
クラブ同士ということもあるが、この日はフランサ、キム・ボギョン、菊地らの
超J2級とも言えるプレーと、両チームが予想以上のパフォーマンス見せたことで
これがJ2クラブ同士の対戦だということさえも忘れそうだった。

■期待と不安の幕開け
この日の前日、試合が楽しみで、不安で、それでも嬉しくてなかなか寝付けず、
当日少し寝坊してしまうという、遠足前の幼稚園児のような失態をしてしまった
おかげで、試合前の雰囲気を満喫することはできなかったが、キックオフ直前に
駆け込んだスタジアムには、大きな大分コールが鳴り響いていた。

今年もまた始まる。トリニータを生で応援できる。選手たちと一緒に戦っていける。

少し前までは、そんな当たり前のことさえも当たり前でなかったことを考えると、
やはり感慨深い気持ちで一杯だった。そして、この日のために様々な形で尽力された
地元大分にいる有志の方々よりも先にこの日を迎えることが少し申し訳ないような、
そんな様々な気持ちが交々(こもごも)の中、キックオフの笛が鳴った。

■両チームとも予想以上の仕上がり
柏は前線のフランサ、澤らが頻繁に入れ替わるも、基本は4-4-2に見えた。
中継の予想布陣では、4-3-3でアルセウのワンボランチ表記だったが、実際は
栗澤との2ボランチで、両SHが左右のライン際まで大きく開いて高い位置をキープ
していたため、極端に言うと4-2-4のようにも見えた。フランサが自由に上下し
リズムを取りながらのパス回し、カウンターは昨年より一段と熟成されていた。

大分は、4-4-2ベースでジョンハンが下がり気味の4-2-3-1。ほぼ
プレシーズン通りだったが、その試合で試していないコテの右SBがいかにも急造。
通常のJ2選手なら誤魔化せたかもしれないが、フランサはこの穴を見逃さなかった。

■勝負を分けたフランサの準備
完全にフリーで流し込まれた30分の1点目のシーン。現地では気付かなかったが、
ここにフランサの周到な準備が2つあった。試合後のインタビューでフランサが
語っていた「右SBの村上にもっと前へクロスを要求していた」事が1つ。これは
直前の28分に、同じく村上のクロスが後ろに逸れた時に、大きなジェスチャーで
フランサがアピールするシーンが映し出されていた。

そして、もう一つが小手川との駆け引き。実は、ペナルティエリアに入るまでは
コテも必死にフランサをマークしていた。タイミングはちょうど、ボールが右に
展開された瞬間だった。全員の意識が右を向いた瞬間、フランサはコテを手で
振りほどいて完全フリーの状態を作った。副審がファーのフランサ、コテの
サイドにいるか、もしくは主審が見ていればファールになったかもしれないが、
この時、主審の目はボールを追い、副審もボールに近いサイドにいた。

それら全てが計算済みであるかのような、確信的かつ見事な駆け引きだった。

2点目のゴールもスルスルとコテの外側に侵入し、(この時、コテは中央の選手を
マーク)、こぼれたボールをここしかいないというコースに叩き込んだ。コテが
慌てて体を寄せても、後の祭り。この日は相手が悪すぎただけに、この試合だけで
コテの右SBを見限るのは早計かもしれない。成長したらしいファンボはどうする。

■キム・ボギョンという光
大分の攻撃も決して悪くなかった。前半もPA内に侵入して決定機を作った回数は
柏を上回っていたし、森島・ジョンハンのコンビはコミュニケーションを取りながら
よくなっていきそうな好コンビだ。あとは、ボギョン、東、宮沢との呼吸が合えば、
さらに楽しめそうな予感はある。個人的には、サイドで前俊も見たいが。

この試合で、早くも大きな存在感を示したのが、ボギョンだった。前エントリーの
目を離すな。~韓国代表、大分の新10番、キム・ボギョン~ でも期待を綴ったが
正直なところ、考えていたよりもさらに一回り二回り上の選手かもしれない。

ハーフウェイライン手前からドリブルし、雨のピッチ状態とブラインドになって
ややポジショニングを左に取りすぎた菅野を見極めて見事なコースに放った
グラインダーのミドルには、現地も大熱狂だったし、エラシコからのヒールパス等
で、しっかりとサポーターのハートを掴んだことは、今後の動員面でも大きい。

以下、あれこれ触れると長くなりすぎるので、個人の短評を。

<GK>
下川:失点シーンはどのGKでもたぶんノーチャンス。32分の足元は好セーブ
<DF>
小手川:狙われた感があり、本職がMFにはやや同情の余地。攻撃でもっと主張を
菊地:素晴らしい読み&パスカットで大きく貢献。ドリブル~パスで好機演出も
チャン:ボール回しはまだ疑問も体を張った守備で存在感。大分の守備に合う予感
小林:相手クロスのシーンはもう少し間合いを詰めたい。攻撃では好パスもあった
<MF>
カン:J初先発なら上出来か。ミドルはもっと前で打てたはず。守備の存在感向上を
宮沢:パス回しではらしさ見せる。シュートの意識と前への飛び出しがもっと欲しい
東:若手らしからぬ視野・落ち着き・演技力。ボランチも見たいが前ならもっと強引に
キム:随所に好センスを見せる。得点も見事だが今後の期待感を持たせた点が◎
<FW>
チェ:札幌戦の2得点が悪い方に出たか。運動量は○も周りを活かす冷静さ欲しい
森島:シュート0も動きに意図あり。パスの丁寧さが欲しいが守備では地道に貢献
<サブ>
前俊:クロス合わずもイメージはいい。スペースあるサイドで試す価値あるのでは
住田:流れ変える存在感は希薄。相手引く場面ではなくリードの場面で使いたい
柴小屋:この使われ方は定着したくないはず。CBに割り込むアピールを見せたい

ファンボ:シバコの落としたボールを拾う練習やコテのSB起用のテストは十分か?
    など起用と準備には疑問点はあるが、チームは予想以上の出来。あまり
    いじり過ぎず、連携アップとチーム内の競争で前進させてほしい。


■試合以外も生は楽しい
この試合のHTでは、ついに念願の鳥脳さんとお会いすることができた。恐る恐る
話しかけた僕にも気さくに応じてくださる包容力のある方でした。試合後は、鳥脳
さんブログの常連コメンテーター前髪さん、きくりんさんのところでも拝見する
えのきずさんを紹介して頂き、また、偶然居合わせたrecklessさんにもお会い
できるなど、スタジアム観戦ならではの空気も満喫した一日だった。

今週末、大分銀行ドームに参戦されるトリサポのみなさん、やっぱりトリニータの
試合は最高でした。是非、この約3カ月待ち続けた気持ちを爆発させてください。
コレオグラフィも、期待しています。

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2010年03月05日

目を離すな。~韓国代表、大分の新10番キム・ボギョン~

このシーズンオフ、暗いニュースばかりが続いた大分トリニータにも、数人の
新入団選手が入ってきた。大宮から加入した村山祐介を除く、ほとんどが
ユースからの昇格、新卒ルーキー、レンタルからの復帰組だ。

その中で、1月28日に加入が発表された一人の韓国人選手が個人的に気になって
仕方なかった。セレッソ大阪からレンタルで獲得した金甫炅(キム・ボギョン)だ。

Web上にもほとんど情報がなかったので、スカパーで観戦した3試合を元に
プレースタイルや夢生との比較、大分での展望について分析してみたい。

■未知なる新10番
トリニータ公式ページでキム・ボギョンのプロフィールを読んだ率直な感想は、
「プロ経験なしでレンタルの選手がいきなり10番?」だった。

それほどの選手なのだろうかと気になって、東アジア選手権が全試合視聴できる
フジテレビONETWONEXTを1ヵ月だけ契約してみることにした。

視聴した試合は3つ。キムは、東ア選手権の2試合目、韓国vs中国には出場
しなかったが、運よく同時期に再放送されたU-20国際親善試合韓国vs日本
(昨年12月に夢生と清武が招集された試合)を観ることができた。残り2つは
東ア選手権の韓国vs香港、そして地上波でも放送された日本vs韓国だ。

キム・ボギョンは今年、韓国の弘益大学からセレッソ大阪に加入し、そのまま
トリニータにレンタルされた。セレッソがアジア枠を含めて外国人登録枠が
一杯だったことと、なるべく安く助っ人を獲得したいという大分の思惑が
合致してのものらしいが、裏を返せば、セレッソにとって枠が一杯の状態でも
欲しかった選手だと考えることもできる。

韓国サッカー界では、高校を卒業してすぐにプロになるケースはあまり多くなく、
大学へ進学して経験を積みながらプロへのチャンスを窺うことが多いのだという。
昨シーズンの途中で大分に加入したチェ・ジョンハンもそうだったが、キムも
(未確認だが)年齢的には大学中退での加入になるのではないかと思う。


■やや静かな第一印象
韓国では“ポスト・パク・チソン”との呼び声も高く、将来を嘱望される若手の
有望株らしい。果たして、一体どんなプレースタイルなのだろう。
最初に見たのは、昨年12月19日に開催されたU-20国際親善試合韓国vs日本戦。
いわゆるロンドン世代同士の一戦で、日本がU-20W杯出場権を逃したアジア予選
(夢生がナビスコ決勝で招集を免除された試合)から約1年ぶりの日韓戦となった。

日本・韓国ともに4-2-3-1でスタートしたこの試合、日本のトップ下が夢生、
そして同じく韓国のトップ下に位置したのがキム・ボギョンだった。キムは、
役回り的にはセカンドトップという印象で、下がってボールをさばくシーンは
ほとんどなかったが、何度かペナルティエリアに侵入して日本を脅かしていた。
また、守備時には前線のプレスを指示するなどチーム内での“ポスト”も高いようだ。
前半途中からポジションチェンジした左SH、後半プレーした右SHなど、
どちらかというと全体的にサイドでのプレーの方が、良さが活きる印象だった。

CKやFKのキッカーとしては、ファーストチョイスの模様。全てをキムが蹴った
わけではないが、左足の精度は高く評価されているようだ。守備や運動量では、
“ポスト・パク・チソン”の前評判とは異なり、それほど貢献度は高くない。
もちろん、必要な時には十分な仕事をしていたが、あくまでチームの決まりを
きっちりこなしているという印象。パクの後継者という呼び声は、海外での活躍や
攻撃面への期待の表れであることが窺える。

この試合のハイライトは30分の左CK。左足で蹴られたボールは綺麗な孤を描き、
ニアに走り込んだ選手にぴたりと合ったが、これは日本DFの体を張った守備に
阻まれた。そのクリアボールを拾って今度はゴール前にクロスをあげると、これも
見事にピンポイントで合っていた。結局、そのヘディングは韓国の選手がやや
ミスする形にはなったが、解説の風間さんも「いやぁ、今のは危なかったですね」
と声を挙げるほどの精度の高いクロスだった。

この試合は全体的にやや大人しめな印象で、サッカー誌的な採点では、ボールに
絡む回数がやや少なかったことを考えると5.5、精度の高いクロスで脅威を与えた
ことを評価すると6といったところだろうか。

(ちなみに試合は、韓国が先制するも、山田直輝の2ゴールで日本が逆転勝ち。
夢生と清武も昨季後半の勢いそのままにいいプレーをしていた。)

■圧巻の香港戦と手応えの日本戦
U-20の試合だけでは、「10番」にふさわしいイメージを持ち切れずにいたが、
その試合の前から東アジア選手権のメンバーに入ることは内定していたらしい。
それだけ、U-20W杯でベスト8まで行った活躍が評価されているのだろう。

最初に観た試合のやや大人しい印象が、いい意味で覆されたのが、東アジア選手権
初戦の韓国vs香港戦だった。この試合では、4-4-2の右SHで先発。公式な
アシストこそ前半24分にピンポイントで裏へ合わせた2点目だけだが、32分の
3点目もキムのFKをヘディングで折り返しての得点だったし、4-0で迎えた
後半ロスタイムの5点目も、ペナルティエリア手前でボールを受けて、味方FWが
反応するまでうまくためてからの見事な浮き玉で硬直状態を打開してみせた。この
シュートはGKに当たり、別の選手が押し込んだことでアシストにはならなかった
が、キム・ボギョンのパスがあってこその得点だった。

それ以外にも前半5分付近に、ダイレクトで相手DFの裏へパスを通したシーン、
これは主審が直前のプレーで笛を吹いたため認められなかったが、流していれば
確実に1点ものだったし(当然、韓国ベンチは猛抗議)、前半終了間際にも、FKで
ニアにいた味方選手の頭に合わせるなど(惜しくもポスト)、再三に渡って決定機を
演出し続け、相手にとって非常に危険な存在感を示していた。

日本戦での活躍は、ご存知の通り。1点目のPKを勝ち取るPA内での仕掛けのほか、
3点目のアシストでもこの日、日本で一番存在感を見せていた稲本と、内田の2人を
ドリブルで置き去りにして、ワンツーから決定的なパスで勝負を決めて見せた。

香港戦のパフォーマンスだけなら、パサー、フリーキッカーとしての評価には十分
だが、相手のレベルが低かったからという見方もできるかもしれない。しかし、
この日本戦ではさらにドリブルでも局面を打開できる能力を見せつけたし、何より
相手のレベルが上がるほど、パフォーマンスが際立ってくる点は特筆に値する。

おそらく、キムはJ1でも十分に通用する選手だろう。“ポスト・パク・チソン”の
呼び声は伊達ではなかったし、その先輩よりも“ファンタジスタ度”だけを見れば、
上かもしれない。セレッソのフロントは今頃、登録メンバーに残しておけばよかった
と後悔しているのではないだろうか。

■夢生との比較
昨シーズンから大きくメンバーが入れ替わっているし、J1とJ2の差もあるため、
比較は難しいが、単純に数字だけならキムの方が結果を残す気がする。東ア選手権
では、出場した2試合の全8得点中5点に絡んでいたし、観戦した3試合で
20本近いクロスやFKを見たが、明らかなキックミスは2,3本。それ以外は、
ほとんどが、コースやスピードともに申し分ない、高精度なクロスだった。
キックの種類も多様で、引き出しはかなり多い上、ファウルの誘い方もうまい。

キムのプレー自体はシンプルだが、ワンステップでいいボールが蹴れる資質、
受けた瞬間には次のプレーを決めている判断力や視野の広さには素晴らしいもの
がある。また、夢生は表情や肩をいからせて、やる気を全面に押し出す癖がある
ため(それが魅力でもあるが)、相手にも読まれやすい。反面、キム・ボギョンは
力が抜けていて淡々としている分、相手DFにとってはやっかいな選手だ。

例えるなら、誰にもできない圧倒的なプレーでねじ伏せようとするのが夢生で、
ファールをもらうなどのうまさも含めて、相手の隙をつくシンプルかつ正確な
プレーで上手にポイントを稼ぐのがキム・ボギョンという印象。なんとなく、
バンクーバー女子フィギュアの浅田真央とキム・ヨナの関係に近いかもしれない。

■大分での展望
W杯イヤーで、その影響を懸念する声も聞くが、個人的にはそのモチベーションも
好材料として捉えたいと思う。家長のような悲劇的な怪我さえなければ、かなり
やってくれそうだ。高松がいれば、キムが自分でもらったファウルからのFKで
キム―高松ラインの得点が増えそうだと考えていたが、森島や柴小屋、カン・ソンホ
など長身選手も増えているので、セットプレーには期待したい。

また、プレシーズンマッチの札幌戦を見ると、チェ・ジョンハンと森島も新たな
一面を見せていたので、前線の連携で崩すシーンも期待できそうだ。もちろん、
コテや東、前俊にもここに割って入る意地を見せてほしいと思う。

■いざ、開幕。
なんとか今週末、2010年の開幕を迎えることができる。キム・ボギョンは今週、
ロンドンでの代表戦に招集されているため、柏戦の出場はわからないが、来週の
ホーム、大分銀行ドームではその勇姿が見られるはずだ。

今季も是非、一人でも多くの方にキム・ボギョンをはじめ、
トリニータ選手たちのプレーを生で見て頂ければと思います。

末筆になりますが、寒い時期に募金活動をされた有志の方々、
そして、その募金に賛同して頂いた方々、本当にありがとうございました。
今季、こうして開幕を迎えられることを心からうれしく思います。
日曜日、僕は柏に行ってくるので、開幕戦での様子はまたご報告したいと思います。
トリサポのみなさん、今シーズンも頑張っていきましょう。

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2010年02月19日

不完全な船出 ~大分トリニータはこのまま再出発するのか?

2月16日、大分トリニータは3度目の提出となる再建案がJリーグ理事会で承認され、
正式に2010年のリーグ戦参加が決定した。

■2010年シーズン開幕を前に
6億もの融資を受けている立場としては、Jリーグや他クラブのサポーターに対しては、
「ありがとうございます」よりも「申し訳ありません」という気持ちの方が強いが、
ここまで紆余曲折あった上で、何とか開幕を迎えられることは、一サポーターとして
率直にうれしく思うし、正直胸を撫で下ろしているのは事実だ。

しかし、喜んでばかりはいられない。今はまだ「始まる」ことが決まっただけで、
「続く」ことが決まったわけではない。ユニフォームスポンサーは未だに決まって
いないし、看板スポンサーについても新規の企業は皆無に等しいようだが、もう
クラブを消滅させて、別クラブを立ち上げるなどの選択肢もない以上、なんとか
返済していけるよう、今後も努力していく以外に道はない。

もちろん、スポンサー獲得以外にも、クラブ側のやるべきことは多い。
まず、対外的な発言に対しての注意や気遣いをもっと考慮するべきだ。
「J1昇格ができそうな場合には、返済方法を検討する」など、最近の社長の
発言は、大分に対する厳しい目への配慮に欠けているとしか思えない。

未だに“限りなくブラックに近いグレー”だった経営状態は開示されていないし、
スタジアム使用料の免除など、県への依存体質が強まっていることも気になる。
ある意味、こうした「大人の事情」が今の大分を支えているのかもしれないが、
本当の意味で三位一体を謳うなら、この時期にしっかりと改革していかなければ、
手遅れになるのではないか?巨額の融資や債務超過自体も問題だが、真の問題は
そうした体質そのものだということを忘れるべきではない。

とにかく、肝心なのはこれから。僕たちサポーターだけで全ての問題を解決する
ことはできないし、サポーターには支えていくこと以外できないかもしれないが、
僕らができることをしなければ、再建半ばでトリニータが消滅してしまうことも
はっきりしている。最悪の場合を想定すると、それが今シーズンの途中になることも
決して否定できない。

■この1ヵ月でわかったこと
悲観的なことばかりを書いてしまったが、一方で多くのサポーターの気持ちが
トリニータから離れていないことも事実だったと思う。シーズンパスの購入数は
7000を越え、昨年とほぼ同等の数まで来た。地元大分で募金活動に励む有志の
方々には、ただただ頭が下がるばかりだが、その地道な活動のおかげもあって、
募金額は2千万円に迫る額になっている。この募金にはどれだけ多くの人達の
思いが込められているのだろう。

まだまだ目標の額にも、再建計画の目標値にも足りないとはいえ、
多くの人々の心の中に、こうした多くのトリニータへの思いがあることを
確認できたことは、率直にうれしく思うし、感謝の思いで一杯だ。

シーズンパスの購入者が目標の1万3千にまだまだ遠く及ばない現状を鑑みると、
一人でも多くの人にスタジアムへ足を運んでもらうことが今後の大きな課題なのでは
ないかと思う。そのためには、昨年の観客数をできるだけ維持、もしくは大幅な減少
を回避することが最優先だ。

順位や成績を度外視しろという批判があることも承知はしているが、厳しい
この時期だからこそ、僕は選手やチームへの希望や期待を言葉にしていきたい。
それによって一人でも多くの人がスタジアムに足を運んでもらえればと願う。

というわけで、次回は、(ちょっと言い過ぎかもしれないが)ひょっとしたら
観客動員に一役買ってくれそうな期待の新戦力について書いてみたいと思う。

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2010年01月12日

落陽にも分厚い雲にも負けず ~がんばろう大分~

「もうこげぇ暗いんか」(=この時間でもうこんなに暗いのか)

1年ぶりに大分に帰省した僕は、夕食に連れ出してくれた運転席の父が呟いた
言葉を聞きながらふと、トリニータの現状に似ているなと一人考えていた。
一瞬の妄想から我に返り、
「まぁ冬至は過ぎたけど、実感するのは意外とすぐじゃねぇんやろうな」
と答えながら、僕はまた頭の中でトリニータのことを考え始めていた。

時として人の感覚というものは、置かれた状況を実感するまでに
少しの時間を要することがある。

昨年11月にJリーグの公式試合安定開催基金へ融資の申し込みをした時から
多くの選手が流出せざるを得ないことを頭ではわかっていた。しかし、いざ
その状況になってみると、現状が想像以上に重く厳しいものであることを痛感する。

1年で最も夜の長い(日照時間が短い)日である09年の冬至は12月22日。そして、
最も日の入りが早い日は、実は冬至より2週間ほど前の12月5日前後だった。
大分への追加融資の凍結が伝えられたのが、12月22日。そして、12月5日は
多くの選手を涙で見送った最終節だった。奇妙なほど日の長さと大分サポーターの
心情が一致していることに気付くが、冒頭の父の言葉をどこか上の空で
聞いていたのが、奇しくも西川周作の移籍が決定した12月30日の夕方だった。

■落陽と分厚い雲
晦日の西の空に大きな太陽が沈み、楽しみにしていた初日の出さえも桜色の
分厚い雲によって見ることができなかった。年末年始の大分サポの心情を表現すると
こんな感じだろうか。大分トリニータの2009年は、周作の移籍という最も聞きたく
なかったニュースで幕を閉じ、2010年は清武移籍という希望の光を奪われるような
ニュースで幕を開けた。

もちろん、高松や藤田などの契約更新というニュースがあったことも事実だが、
多くの大分サポーターにとって、この年末年始は前述の2人の移籍という
記憶が色濃く残ったのではないだろうか。

大分サポーターにとってこの2人は、やはり特別な存在だった。地元大分出身で
トリニータユース出身、そして、各世代の代表に名を連ね、周作はA代表に定着し
W杯が手の届くところまで来ている。清武も順調ならばブラジル開催の次回W杯
では面白い存在になるはずだ。紛れもなく、2人は大分の誇りであり、象徴であり、
希望の光だった。ここまでわかりやすい「おらが村の」選手が代表クラスにいる
という例は、Jリーグ全体を見渡してもそう多くはいないのではないだろうか。
前社長が掲げた「大分から日本一、そして世界へ」というスローガンが、
クラブのことを指していたのなら僕は全面的に反対する。しかし、周作や清武
といった選手たちのことを指すのなら、同調しない理由はない。

できれば、大分所属のままその時が迎えられたらという気持ちもあったが、
2人がどこへ行こうと僕らは応援し続ける。そして、2人の帰ってくるトリニータを
守り続ける。それが、移籍金を残すため大分を出ることを決断した2人への、
せめてもの報いだ。


■まだ予断は許さない
誤解のないように、分厚い雲という表現について補足しておきたい。この雲の正体は、
決して選手の移籍先を指しているのではなく、これまでの経営によるツケである。
あくまで推測にしか過ぎないが、大分はおそらく前田と森島の移籍金を広島と
セレッソに対して払い切れていない。多くの主力の移籍話がこの2クラブを中心に
展開し、実際に移籍していった背景には、こうした理由があると考えている。

僕自身、煮えたぎるような怒りもあるが、今はどこかの庁の長官や相変わらず甘い
対応しかできていないフロントを批判しても何も起こらないと思う。それは、
一部のサポーターが違和感を覚えているという弾幕を掲げたサポクラに対する
批判についても同様である。今は、内輪で不協和音を奏でている場合ではない。
何よりもまず、トリニータの存続にできる限りの労力を注いで欲しいと、切に願う。

今回の帰郷で、こんな話を聞いた。
「トリニータが潰れそうやけん、わたしらもなんぼか募金しようと思いよる」

これは、市外のとある村で回ってきた回覧板を見たおばあさんの言葉を伝え聞いた
ものだ。全国的にはまだまだ大分の存続活動は盛り上がりのないものに映っている
かもしれない。しかし、サポーターによる募金活動は年末年始の寒い中も続けられ、
募金の額は1千万円を越えようとしている。多い額ではないのかもしれないが、
決して少ない額でもないと思う。支援の裾野は確実に広がっている。
僕が募金に行った大分市役所の募金箱の前には、多くの方からのメッセージが
残されていた。後援会の加入者も例年の倍以上の数で推移していると聞く。
迷っている方は是非、この多くの気持ちに賛同して頂きたい。


今回、大分へ帰省して地元の経済状況を色々と父から聞いた。その限りでは、
大口のスポンサーを期待するのは難しい。そう考えると、今の大分にとって
最も大きなスポンサーは、サポーターなのではないかと思う。言いかえれば、
生かすも殺すもサポーター次第だ。

不躾な言い方を承知で言えば、今の大分に必要なのは福沢諭吉を介した形での
トリニータコールである。それが、樋口一葉であろうと野口英世であろうと
できる範囲で構わない。今、クラブへの抗議とばかりに出し惜しんでいることが
致命傷になりかねない。募金でも、シーズンパスの購入でも、後援会への加入でも
いい。自分にあったスタイルで、できる限り支援の「声」を挙げてほしい。

今日1月12日で、シーズンパスの継続申し込みの受け付けが終了します。
現在迷われている方は是非、継続の申し込みをご検討ください。

諦めの悪い僕は、みんなでこの苦しい時期を越えて、
2010年シーズンの開幕を祝えることを心から願っています。
がんばろう、大分。今年もよろしくお願いします。

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2009年12月18日

今、大分に必要な「自覚」と「覚悟」

深刻な存続危機に直面している大分トリニータ。
前社長がひた隠しにしてきた乱脈経営の混乱は一向に収まる気配がなく、
次から次へと隠れ借金が出てくる状態だ。

未だに借金が底を打ったのかどうかも定かではないが、
当面の問題は「12月末までに2億円が必要」という点だ。

本来ならまずJリーグや他クラブに対して、現状を謝罪すべきかもしれないが、
それよりも先に、大分FCのフロント、一部のサポーターに言っておきたいことがある。

「どの面下げて、そげな甘いこと言いよんのか!」である。

■置かれた立場を自覚すべき
Jの基金からすでに3億5千万円もの融資を受けているにもかかわらず、
フロントは「来季の戦力とモチベーションの維持」を優先した大甘な計画案しか
出せていないし、一部のサポーターはいまだに「1年でのJ1昇格」や
ポポビッチ再任の署名などを展開している。その報道を見聞きする度、
大分出身の僕は、理解に苦しむという次元を超えて、正直恥ずかしい。

今、大分が何よりもまず、「自覚」しなければいけないこと。それは、
大分トリニータがなくなるかどうかの瀬戸際にあるということだ。

そして、もうひとつ絶対に忘れてはいけないことが、
大分トリニータが今、奇跡的に存続させてもらっているのは、
他クラブが積み立てたJリーグの基金のおかげであるということだ。

この基金の中には、年間予算が5億円にも満たない水戸や岐阜の選手、フロント、
サポーターの方々が身を削る思いで捻出してきたお金も含まれている。
その中で、いくら前社長がひた隠しにしてきた問題とはいえ、総額6億円もの
巨額融資を受けようとしている以上、大分は何ひとつ文句を言える身分ではない。
Jクラブ中、最低の人件費でやるくらいの意識が必要だ。

■「Jの判断」を甘く見てはいけない
先日のJリーグ理事会で、大分FCの再建案は一蹴された。一笑に付された
と言ってもいい。至極当然のことだ。支出(人件費等)の削減も甘ければ、
収入の見積(シーズンチケットがほぼ倍増、広告収入が1,5倍増)も甘すぎる。
この計画では、債務超過は解消していくどころか、間違いなく億単位で増える。

しかし、「新社長の決定が越年も」や「計画案提出を22日に先延ばし」などの
ニュースを目にすると、まだフロントは「2,5億の融資があるから大丈夫だろう」
という、春うららかなお花畑のような甘い認識に思えてならない。

その認識は、非常に危ない。なぜなら、
Jリーグ側から見れば「大分を見限るなら、今しかない」からだ。

誤解のないように断わると、決してJリーグ側を悪く言っているわけではない。
これは、責任を持って年間の運営をする立場として、当然の判断だと思う。

前回融資して頂いた3億5千万円は、09年の試合開催を全うするためのもので、
スカパーとの放映権問題や、totoの実施を考えると避けられない判断だった。

しかし、次の2億5千万円の融資は、実質的に来季の大分参加を認めるもので
慎重な判断が求められる。つまり、今、大分に問われているのは、来季の
スケジュールを全うできる運営能力があるか、という部分である。

そのため、透明性のある財務報告(これ以上の隠れ借金がないことを心から祈る)
とともに、無理も無駄もない来季の見通しを、次回の理事会に示すことが必要だ。
社長人事ともども、軽い気持ちで臨んでは、最悪、融資はないだろう。

■厳しい道を歩む覚悟を
おそらく年俸1千万円以上の選手の大半が移籍することになるだろう。
極端に言えば、高年俸の選手は少なくともレンタルで、もし年俸全額を払って
もらえない場合も、大分が半分負担してでも面倒を見てもらうくらいのことを
していかなければいけない。高松を例に取ると、それだけで約2千万円の
人件費削減になるのだ。オファーがなくても、売り込むくらいの努力も必要だ。

仮に清武や東など有望な若手が残ったとしても、半年・1年後、オファーがあれば、
無条件で移籍を容認しなければいけない。そこで得た違約金も当然、強化費ではなく
J基金への返済を最優先に進めていくことになる。

つまり、少なく見積もっても10年以上は、J1昇格どころか、J2最下位クラスに
いることになるだろう。多くのサポーターが離れていくかもしれないし、
返済や債務超過の解消にもっと長くの時間が掛かるかもしれない。
大分のサポーターには、今までになく長く厳しい冬が来る。

それでも、大分にトリニータというチームがあるのなら、僕はそれで構わない。
大分からトリニータの灯を消すことだけは、絶対に避けたい。

今、大分に必要なのは、地元に自分達のクラブがある幸せをもう一度噛みしめて、
J2であろうがJFLであろうが10年20年支えていくんだという「覚悟」だと思う。
それが嫌ならば、他の選択肢は「消滅する覚悟」でしかない。

西京極でトリニータコールをくれた京都サポーターに、
「遠いけどまた行くぞ」と言ってくれたマリノスサポーターに、
そして、この危機を支えてくれた他のJ1J2クラブのサポーターに
いつか「あの時はありがとうございました」と言えるように、
大分は今、「自覚」と「覚悟」を持って、
Jクラブとして恥ずかしくない精一杯の行動を取らなければいけない。

posted by ウェイツ |08:07 | コメント(22) | トラックバック(0)
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