2006年10月07日

続・ディープはなぜ負けたのか

引き続き、ディープ凱旋門賞考察です。
前回、欧州と日本の馬場の質は大きく違うということを書きました。
ディープにロンシャンの馬場が合うか合わないかと問われれば間違いなく合わないといえます。
単純に考えると日本で活躍する馬が、そういった馬場の違いで戸惑うならば、
欧州やその他の海外で活躍するのは難しいと言うことになります。

ですが、実際欧州で活躍する馬が1頭もいなかったと言うわけではありません。
凱旋門賞においても日本ではエルコンドルパサーと言う馬が勝ち馬とクビ差の2着で、
今回のディープより結果を残しています。
この馬は日本のジャパンカップというビックレースでも3歳時に勝っており
(この時はこの時で大変な快挙でした)
ジャパンカップの勝ち馬で凱旋門賞に連対した唯一の馬です。

こんなに凄い快挙を成し遂げたエルコンドルパサーよりも強いと言われるなら
(ディープは史上最強の馬と言われている、た?)
当然、凱旋門賞は勝つだろうと思うでしょう。
ですが、ディープとエルコンドルパサーは馬場適性において決定的に違うところがあります。
それを裏付けるのが血統です
(なんか長い前フリですんません、ここから本題です)

競馬はブラッドスポーツと言われるようにレースにおいて血統による影響が大きくでます。
凱旋門賞の歴代勝ち馬の多くはノーザンダンサー系という祖先が欧州の馬で、
スピードよりもスタミナ・力強さが求められます。
今回勝ったレールリンクと言う馬もバリバリの欧州血統でした。
(しかも凱旋門賞が行われたロンシャン競馬場で3戦3勝と負け知らず)
それに対して、日本で活躍する多くの馬はサンデーサイレンスを中心としたアメリカ血統で、
速さが武器としております。
ディープも例外ではありません。

例外だったのはむしろ先述のエルコンドルパサーのほうで、
この馬は母父にサドラーズウェルズと言う欧州で超一流の血統といわれる血が流れており、
完全に欧州型の馬だったのです。
なので今回のディープよりも馬場適性という意味ではるかに有利でした。
前回、速い馬は凱旋門賞を勝てないといいましたが、
ジャパンカップを勝ったエルコンドルパサーも実は例外ではなく、速い馬ではありませんでした。
ジャパンカップを勝った時のタイムも2分25秒9で
このレースの勝ちタイムとしては決して速い方ではありません。
エルコンドルパサーの場合は凱旋門賞での活躍よりも
ジャパンカップを勝ったことのほうが賞賛されるというか驚くべき結果だったのです。
以上のことから、前回と合わせましてもディープは凱旋門賞にとても向いていなかったという結果になります。


ですが、これはあくまでも常識の範囲内の話であって、
それを超越した強さを私はディープに感じていました。
競馬を見始めてまだ10年ちょっとですが、ディープインパクトという馬のこれまでのレースっぷりを見れば、
その名の通り、間違いなく一番の衝撃を与えてくれた馬なのです。

今までの常識的な話はこの馬には通用しないのではないか、
伝説的な馬はいつだって常識を破るものでしょう。
それくらいの期待感がディープに確かにありました。

タラ、レバはこの世界において禁句でありますが、
今回と同じメンバーが東京競馬場でレースを行ったのなら、
おそらくディープが圧勝するでしょう。

だからこそ欧州の舞台、いわゆるアウェーの舞台で勝利を収め、
伝説的な馬になってほしかったのです。
過度な期待をかけるのは良くないことだと重々承知ながらも
常識を超えることはできなかった今回の結果はやはり残念でした。

ですが、これでディープの評価が決まったわけではありません。
凱旋門賞はダービーと違い、現役である限り何回でも挑戦できます。
もしチャンスがあるのなら、もう一度凱旋門賞に挑戦するディープが見たい。

そして、伝説の馬になる瞬間を目撃したいものです。

posted by さめ |00:05 | ホースレーシング | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年10月04日

ディープはなぜ負けたのか

ディープ敗れる。
レース前、過去に例がないほどの期待感を持ち、マスコミを始め世間の注目を集めた今年の凱旋門賞。
恥ずかしながら私もそれに乗った一人であるのですが、
勝てるという思いがある一方、負ける可能性も少なからずあると感じていました。

ディープインパクトはなぜ凱旋門賞で負けてしまったのか。
初めての海外遠征、レース展開、59.5kgの負担重量など、要因はいくつか挙げられると思いますが、
常識の範囲内という前提のもと、ここではまず馬場について考えてみました。

「世界最強の馬だと思います速さの上では」
とあるインタビューで武豊はディープインパクトの印象についてこういった趣旨のコメントを残しています。

2分23秒3。
これは今回の凱旋門賞と同じ芝2400Mの距離におけるディープインパクトの走破時計です。
凱旋門賞に出走する他馬が速くても2分26秒くらいなので、ディープとの差はおよそ3秒。
だいたい1馬身0.2秒の計算なので雄に15馬身以上は他の馬を離しているということになります。

これはもう決定的な差といっていいでしょう。
走破タイムだけを見れば間違いなくディープは最強なのです。

ただ、速いだけで勝てるほど競馬は単純なものではありません。
特に凱旋門賞というのは
「凱旋門賞馬に速い馬はいない」
と言われるように、速さが求められるレースではないのです。

過去の凱旋門賞の勝ちタイムはだいたい2分30秒前後。
一番速かった'97年のパンドレセレブルの時でさえも勝ちタイムは2分24秒6でした。

これは馬の能力が低いから遅いと言うのではなく、
走る場所、馬場に大きく影響されるのです。
日本の芝は短めで、水分もそれほど多くなく、速いタイムが出やすい。
よく競馬関係者の人たちは固い馬場と言う表現をします。

一方、今回凱旋門賞がおこなわれたロンシャンの芝は日本よりも長めで(ゴルフで言うとラフみたいなもの)
水分も多く含んでおり、絡みつく感じなのです。

さらに天候が雨だったりするとより走りづらくなりタイムは出にくい。

ラスト600Mのタイム(競馬用語的にいうと上がりタイム)もディープは33秒台という極限のスピードを出します。
逆に凱旋門賞を過去に勝つ馬というのはそんなに速いタイムを出す馬がいません。
つまり逆説的に言うと、凱旋門賞は遅い馬が勝つのです。

これはディープにとっては酷なデータでした。
東京競馬場をはじめ、日本の多くの競馬場は固い馬場で速さが求められます。
よって過去にジャパンカップという日本のレースに挑戦してきた凱旋門賞馬は全敗で
いずれも評判以上のパフォーマンスを見せていません。

その違いは前述したように芝の種類によるところが多く、欧州と日本で適性が大きく分かれる場合があります。
そういった馬場の適性はどこに現れるのでしょうか。

環境云々ももちろんありますが、それ以上に関係してくるのが血統なのです。

長くなったので血統についてはまた次回!

posted by さめ |23:01 | ホースレーシング | コメント(0) | トラックバック(0)
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