2006年09月20日
日本柔道の星
パリで行われた柔道のW杯。 日本は女子が3位、男子が5位と惨敗を喫した。 だが日本柔道の将来を担うであろう、有力な若手選手がいた。 女子48キロ級、中村美里17歳。現役の高校生である。 身長156センチの小さな体。 柔道選手の厳つさを全く感じさせないような、あどけなさを残すかわいらしい童顔。 ルックスだけでも、人気者になれる要素がある。 しかし彼女の試合中の表情、柔道はそんな外見のイメージとは違うものである。 試合中の彼女は全く表情を変えない。 勝っても負けてもその場で喜びを表すことは無い。 2回戦、急に場内で歓声が起きても 準決勝、自らに対しブーイングが起きても 彼女はどこ吹く風といった感じで、全く表情を変えないのだ。 それだけ試合に集中してるのか?マイペースなのか? 17歳とは思えない貫禄、ふてぶてしさがあり頼もしく感じられる。 そして彼女は自分から前に出て、相手を崩しに行く柔道。 初戦では開始1分足らずで一本勝ちを収め、準決勝ではアテネ五輪の銀メダリスト、フランスのジョシネに対しても臆することなく前に出て彼女を追いつめた。 こちらは若い選手らしく積極性に満ちている。 だがそんな彼女にとっても今大会は悔しさが残る大会であった。 二回戦は序盤からペースを掴み、有効・効果などのポイントを何個も奪いながら、残り1分50秒で技有りのポイントを取られ、それが響いての逆転負け。 準決勝も序盤から攻め続け、アテネ五輪の銀メダリスト相手にポイントをリードする。しかし残り1分、相手に肩車を決められ逆転での一本負け。 5分間集中し続ける集中力、スタミナという課題が見えてきた。 それだけにまだ若い彼女にとっていい経験になったはずだ。 しかし彼女は課題を残したまま終わる選手ではなかった。 3位決定戦。敗戦の原因を冷静に分析し、それを試合に生かす彼女がいた。 試合当初は相手の動きを冷静に見極め、あまり前に出ない。そして相手が焦って前に出てきた所に小外刈りで技有り、さらに焦る相手から冷静に一本。攻めるだけでなく、しっかり相手を見ながらの冷静な柔道を展開した。 敗戦のショックを引きずっててもおかしくない、同じ日の試合で成長した姿を見せたのだ。 こんなこと誰もが出来ることではない。 なぜそんなことが出来たのか?それには身体能力、柔道センス、若さだけでなく彼女の性格、環境が関係しているようだ。 彼女は男勝りで強気、怖いもの知らず、大の負けず嫌いだということ。大会前一度負けたジョシネについて、「もう一度やれば勝てる」と答えたことからもそんな性格が伺える。どんな環境、どんな相手に対しても臆することが無く、もう負けないようにと努力する強い精神力を持っているという裏づけにもなる。 また週に2度三井住友海上の柔道部に通っている。そこはアテネ五輪70キロ級の金メダリスト上野や52キロ級の銀メダリスト横沢のいる強豪柔道部。そんな中できつい練習に耐え、上野や横沢とも積極的に乱取りをするという。 高校生にして社会人の道場で練習し、スポーツ選手にとって大切なハートを持っている。そして1日の間に課題を修正できるほどの、早い成長を見せている。 谷亮子が長年君臨してきた48キロ級。そこに生まれた新たなエース候補。YAWARA2世と呼ばれる彼女は、元祖YAWARAを越えられるのか?今後の成長が楽しみだ。
posted by vantan_career_school_kohiyama |01:28 |
柔道 |
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