Jリーグについて-素人の勉強部屋

遠いソシオへの道と湘南の試みへの深読み

このエントリーをはてなブックマークに追加

地方の市民クラブの場合、責任企業を得る難しさからソシオ制を提案する方もいるでしょう。しかし、これは簡単な話ではありません。高価なソシオ入会への魅力は発展途上のクラブには小さいものです。ハイ・ブランド化してチケットが手に入り難く購入時の優先権に価値がでてくれば、ソシオ制の可能性も高まるように感じます。しかし、成熟したクラブが広告料収入を捨てて完全なるソシオ制へ舵を切るか、その選択は難しい。思想レベルの変革を大きくなった組織が出来るのかどうか。。。
Jリーグでのソシオ制の例として横浜FCが上げられるかもしれません。現在は横浜FCクラブメンバーとして恐らく08年で2,253人の有料会員がいます。個人会員の年会費が10万円、5万円、3万円、1万円、ユースメンバー6千円、4千円と、グループメンバーが15万円となっています。全く根拠の無い計算ですが、一人平均3万円として6,760万円。実際にはこういった場合の平均って意外と低そうな気もしますが、収入の柱とまでは言えないという目安にはなる気がします。また、ソシオ制を厳密に定義する場合、入場料との関与があると“シーズンパス+特典のケース”と相違点が小さくなりますが、ユースメンバーにはシーズンパスが付き、他の会員も09年で最大約61%の値引きがあるようでこれは微妙です。

純粋なソシオ化の可能性が高いJクラブはサポーターの最も多い浦和でしょう。浦和の場合2008年でオフィシャルサポーターズ・クラブの会員が12,382人います。会費千円で1240万円弱が集められている(パンフレット代やその他の実費比率が高いと思います)。ここでバルサ並みの2万円の会費をとったとします。全員成人の会費で計算して約2.5億円となります。もっと高めの試算をざっくりとしてみましょう。浦和の観戦頻度は08年についてのアンケートによると16.9回と非常に高い。この帰属意識の高さを買って、09年の浦和の平均入場者数がまるごと会員になり、全て成人として計算すると44,210x2万円=約9億円。これに広告料提供者が会員に回る分を足して・・・。超J2級の規模にはなるかもしれません。

湘南の試み
湘南がユニークなのはシーズンチケットと会員をパッケージして顧客データベースを統一している所にあります(ベルマーレ12)。無料会員、3千円のいわゆるサポーターズ・クラブ会員。その上が実質年間チケット購入者のようなのですが、全部会員として、ワンタッチパスと連動させて情報管理をしている(導入に2千万円掛かっている)。
ポイント(マイレージ)なんかがつくので、成長すればスポンサーに対して使用可能な地域通貨化が出来るかもしれません。マイレージをインターネットで見られるマイページを提供しているので、(例えばmixiみたいな)SNSへ進化する可能性もあります。ここまでできればチーム・ブランドと関係ない入会動機の創出になるでしょうね。湘南のマニフェストに“「ベルマーレ 12」の稼動により私たちは 1万人を超えるサポーターの皆様と連絡パイプを作らせていただきました。”と書いてあるので、無料会員を含めて1万人超だと思います。09年の平均観客数7,273人のクラブが、浦和のオフィシャルサポーターズ・クラブ会員数並みの顧客データを管理しているところが凄いです。Jリーグの成功の一つにサポーターという名の帰属意識の輸入があると思いますが、シーズンパスから無料会員までをひと括りにして帰属意識の強化を試みている?ところが面白いと思います。湘南は後援会立ち上げの努力をしているようですが、前述のようなSNSが出来れば、その場で活動できたりします。町興しを目的とした地域SNSは少し前に話題になりその欠点も指摘されていますが、サッカーという共同コンテンツを中心とすれば結構盛り上がると思います。
湘南はそれとは別にサポートコーポレーションとして小口広告主を募集しています。メールで気軽に申し込めて、20万、10万、3万円での3段階がある。個人で参加している方もいます。09年はサポートコーポレーション184社で広告料計1,140万円の計算になります。街を支える大きな力となるのがその街で働く人々。中小企業から小口店主まで地域への帰属意識の高い彼らはスタジアムにも来てくれるように思います。この辺りを熱心に掘り起こしているクラブも多いですが、湘南が試行錯誤している先に小口広告主とサポーターの一括管理があって、そこに湘南を中心としたコミュニティが生まれれば(ればの話ですが)それは新しいソシオへの可能性なのかななどと妄想してしまいます。

いかがでしょうか。


追記
資料は各クラブのホームページとJリーグの資料によります。このレベルの情報で記事にする事に非常に後ろめたさを感じます。間違いへのご指摘等、コメントを寄せていただければ助かります。
横浜FCには責任企業があって市民クラブのイメージに合うか分かりませんが、会員制度のあるレアケースとして取り上げました。
浦和のオフィシャルサポーターズ・クラブのシステムも面白いですよね。3人以上でクラブを形成して入会する。顧客を集める戦略としてはじめられたという記事をJリーグのホームページで読んだ事があります。


浦和には後援会の存在もありますね。
http://www.urawa-reds.co.jp/Supporte/koen.htm
2009年で個人会員が9,502人、法人が396社で年会費で3500万円以上(全て更新として計算)を集めていそうです。 今後も勉強を続けていきます。
色々ご指摘を頂きまして、この記事は書きかけ中みたいな感じになっています。申し訳ございません。コメントを参照していただけると助かります。本文は後日整理した後に書き直します。
(091230)




湘南のベルマーレ12を記事にしたかった趣旨から言えば、知識の欠けるソシオを軸にしなければ良かったかもしれません。しかし、これをキッカケに自分の中では大きな勉強機会を得ました。ソシオは結局サポーターが運営参加するということが大きいように思います。過去の横浜FCのソシオとフロントの衝突は象徴的です。
現在の大分危機でサポーターさんたちが今、活発に動いています。
大分の場合はクラブも行政も疲弊しきっていますので、彼らが望めばソシオ的なカタチが形成されるかもしれません(現在その芽があるわけではありませんし、可能性は低いと思います)。
11/25カンファレンス議事録
第2回カンファレンス案
私はまだ11/25カンファレンス議事録しか読みきれていないのですが、例えば募金に対する意見でも、後援会は運営費が掛かるため?(40%ロス)集めたお金を募金として100%クラブに渡すアイディアと募金は他力本願的だしそのお金の行方を監視できないという意見の辺りでの揺らぎが見られたり本質がちらついているように思えます。
ただ、確実に大分存続のコンセンサス形成に効果があると思います。見守って行きたいです。(091231)

1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
クラブ/ホームタウン
タグ:
会員
クラブ
ソシオ制
無料会員
湘南

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

ルイ・コス太さま

>大変な様な、羨ましい様な状況ですねw
済みません、コメント催促した感じになってしまいましたね。ポストがよくなるわけではないのですが今より確実に効率がよく、暇が出来ると思います。

NPO法人は他のクラブでもあるかもしれませんね。地域密着目指すなら効果はありそう。

遠いソシオへの道と湘南の試みへの深読み

>レッズのいわゆる誇りってヤツでしょうか

横浜FMサポーターが立ち上げたNPO法人もそうだと思います。
説明するのが些か難しいのですが、クラブ・地域・サポーターが三方一両損になっても恨み言が出ない様な関係になった時が本当の意味で地域密着を達成した時かな?と漠然と思います。

>私事ですが、横浜市関係する職場に転職することにしまして、今以上に暇が出来るかもしれません

大変な様な、羨ましい様な状況ですねw
それでは今後の更新を楽しみにさせて頂きます^^

football-abcさま

コメントありがとうございます。
FCバルセロナが広告料を取っているか否かというところまで知識が及んでおりません。申し訳ございません。
仰られるようにソシオ制=広告収入の排除 という考え方は間違っていて、ソシオ制=責任企業の排除とするべきだったのかもしれません。ソシオを目指すといった場合、企業理念・利害・景気に左右されない運営というニュアンスは最低含むと思います。であれば、敷居はかなり下がりますね。
浦和に対する計算辺りが非常に違和感があったと思います。もしかしたら浦和規模の集客力ならソシオ制を目指して利があるかもしれませんね。あとは歴史・思想・嗜好・主義の問題ですね。お寺の檀家システムなどを見ると意外と日本人に馴染むようにも思います。
いや、助かりました。ご指摘ありがとうございます。

ルイ・コス太さま

貴重な情報をありがとうございます。ちょっと調べてみます。
私事ですが、横浜市関係する職場に転職することにしまして、今以上に暇が出来るかもしれません。その関係でちょっと横浜FMも気になっていますww
私も記事にしながら詳しくないのですが、色々勉強して今後膨らませたいと思います。
私がJリーグに注目しだしたのは人口減少社会での地域おこしに有効だと思ったからで、今回湘南中心にまとめたのもその萌芽を感じたからです。

>こういう利益性の弱いものが充分に広がった時に初めてJリーグの地域密着が実現できるのだと思います。

レッズのいわゆる誇りってヤツでしょうか。帰属意識というか私も非常に重要だと思います。

こんな記事も読みたい

09年を審判で振り返る(2)誤審による山瀬の退場【講談社ゲキサカ:ブログ版】

天皇杯 名古屋グランパスvs清水エスパルス【Take a fancy to NAGOYA GRAMPUS】

ベッカムはミランに歓迎されるのか【中国サッカー専門ブログ~BEE FOOTBALL SPIRIT~】

ブロガープロフィール

profile-iconvalpon

  • 昨日のページビュー:7
  • 累計のページビュー:293365

(08月01日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. クラブの収入について-J1・J2比較編-
  2. Jリーグ配分金について調べてみる。
  3. Jリーグの配分金について
  4. 各クラブのホームタウン人口について(前編)
  5. ACL獲得賞金はおいくら?
  6. J1・J2(とJFL)のリーグ間格差
  7. サカダイ:ファジアーノ岡山社長木村氏についての記事を読んで
  8. Jリーグクラブのセカンドチームについて
  9. 招待券について
  10. J1とJ2、戦績比較のラフスケッチ

月別アーカイブ

2010
06
01
2009
12
11
10
09
08
07
06
05
03
02
01
2008
12
11

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2016年08月01日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss