Jリーグについて-素人の勉強部屋

Jリーグ配分金その2

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配分金第2弾として、今回はJリーグの決算報告書の内容を見たいと思います。
前回は、ある程度はっきり分かる部分を取り上げました。そのしわ寄せとして、今回はかなり分からない部分が出てきますが、ディテールをこだわらず大局を見る立場をとって切り抜けたいと思います。
まず、決算報告書の抜粋を見てください。

1


クラブの配分金は事業活動支出に対して3年平均で58%です。一方収入ですが、収入総額が3年平均で123億円。その内クラブと関係の深い項目(会費・入会金、商品化権料、放送権料(放映権料)、入場料収入)の計は平均75億円で配分金と大体同程度規模です。先ほどの配分金58%ですが、少ないと判断するか微妙ですが、建前としては最低限の規模を確保していると言ってよいと思います。
ちなみに、入場料収入の計はクラブの入場料収入の2%を加えたもので、決算報告書にはグレーの「参考 リーグ主管試合の入場料収入」が計上されています。これはJOMO杯やナビスコ杯決勝、ゼロックス杯その他の入場料収入の計ですね。因みにクラブへ年貢のように課せられている入場料収入の2%は2010年から3%になりますが、これらは、搾取ではなく所得再分配としての性質をもつものだと思います(それが、良いか悪いかは別の問題です)。
ところで、配分金の賞金を除いた平均金額はJ1で2億7千万円、J2で1億2千万円ですが、会費を除くと実質J1で2億3千万円、J2で1億円となります。

ここで、クラブのもつ商品化権料や放送権料がどの位還元され、どの位再配分されているか推測したいと思います。

2


J1についてはクラブの平均(つまり18倍でリーグ全体)の数字が公表されています。J2については良く分かりません。今回は仮に賞金を除いた比率をJ1と同じと設定すると(ありえませんが、他に根拠ある数字を設定し難いので・・・。)、賞金:商品化権料:放送権料:公式試合出場料=14:8:39:39なります。これとリーグの収入項目を比べて見ましょう。表のオレンジのセルがリーグの決算報告、緑のセルがクラブから計算した総額の数字です。
リーグは、会費+入会金:商品化権料:放送権料:入場料収入=14:9:69:8ですから、商品化権料はおおよそ同額、放送権料は半分程度がクラブに還元され、残りが公式試合出場料になっている感じだと思います。実際に計算すると権利料収入のクラブへの還元率は商品化権料で89%、放送権料で56%となります。
商品化権料89%は結構妥当な数字だと思います。放送権料は56%ですが、スカパーなどリーグ主導でパッケージで契約している部分があります。クラブ主導で契約してくる地方局などは商品化権料の89%に近い数字で還元されているように想像します。つまり、クラブの営業活動はリーグの窓口を通してキチンとお金になっていると。

注意
分からない点として、J1クラブの配分金平均から求めた賞金の計が合いません。
それ以上に非常に大きいのはリーグで公表している配分金とクラブ情報開示の配分金の計が合わない事です。06年はクラブの未払い金が公表されていて、A3がいまだ未納であれば1億円程度、、07年は賞金の誤差を考慮すれば1億円程度の誤差になります。05年の差額、5億5千万円は全く分かりません。この辺りは追いきれないので、具体的な数字を扱う際は注意が必要なようです。

考察にはいります。
さて、私の素人分析は今回はかなり自信が無いのですが、放送権料批判はさらに話しを難しくするので今回は保留します。
ここからは、配分金の本質的な性質である再配分について触れたいと思います。
リーグの収入から活動費を除いた分を配分金とする時、各クラブが相当額得るべき賞金、商品化権料、放送権料を除いた分を公式試合出場料として配分していると見た場合、公式試合出場料が多ければ再配分の特性が強まると思います。
公式試合出場料が低ければ(入場料収入の2%は徴収せず会費を返還する程度)、クラブ活動の規模に応じて操作無くリーグからクラブにお金が渡る事になると思います。
ここの比率でリーグのデザインがなされている訳です。
さて、
再配分ということはJ1がJ2を支えている事になるのでしょうが、J2が大きくなってくるとこれは結構厳しい話になってきます。
今後はJ2の経営が厳しいクラブにあわせて活動費が小さく抑えられるような工夫。例えば選手の保有人数枠の設定やJ2のスタジアム規模1万人の再考、移動費を抑える工夫が現実的に必要になると思います。
特にスタジアムについては、J2の降格制度が始まった時に1年で降格するかもしれない新規参入クラブに対して、自治体がスタジアム改修費用を負担できるのでしょうか。市長も首をかけたギャンブルになります。
配分金が立ち行かなくなればJ3を設立するかどうかも現実的な選択肢になってくると思いますが、その話は別のところでするとして、様々な工夫によって配分金の最低額を現在より小さく出来たとします。
その場合、リーグ・デザインの幅が広がるわけですが、活動費がそのままクラブに還元される自由競争型に対して、比較の為に賞金総額を上げてチームの競争を活性化させる案を提案したいと思います。
かなり極端な試算として、賞金を除く配分金の平均をJ1で2億7千万円を2億1千万円、J2で1億2千万円を8千万円にした場合、J1では1位から16位までに4億から1千万円の賞金が、J2では1位から12位までに2億から1千万円の賞金が与えられます。この場合、J1では8位、J2では7位が現在の平均値となります。
賞金の傾斜についてはもっと研究が必要です。再配分型も自由競争型も賞金重視型もそれぞれ長所はあると思います。ここでは配分金の操作によってリーグはデザインされる可能性を感じていただければと思います。
最後に、リーグは経営の苦しいクラブに配分金に頼らない運営を求めていますが、リーグもそういったクラブに配慮した方向転換の必要性を痛感しました。
いかがでしょうか。




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記事カテゴリ:
クラブ/収入
タグ:
放送権料
商品化権料
配分金
クラブ
入場料収入

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ルイ・コス太さま

コメントありがとうございます。
拡大路線では、ルイ・コス太さんと意見に相違がありますよね。プレミア感やリーグの質を保つ為に反対される方は多いと思います。
私が拡大路線を支持するのはサッカーが日本ではメジャースポーツではないからですが、J2も拡大路線の歪みが出てきそうな気配もあり、このままで良いのか本当に疑問です。

>現状ではまだまだ各クラブに地元以外の固定客層を掴む為のプレミア感が必要な段階だと思います。

プレミアリーグ設立がいいと思いますね。J3設立というよりは。。。結果は似てると思いますが。

Jリーグ配分金その2

>リーグは経営の苦しいクラブに配分金に頼らない運営を求めていますが、リーグもそういったクラブに配慮した方向転換の必要性を痛感しました

この1つに安易にリーグを拡大しないという事も入ると思います。
Jリーグは地域密着を打ち出しているとはいえ、現状ではまだまだ各クラブに地元以外の固定客層を掴む為のプレミア感が必要な段階だと思います。

リーグ側にすれば加入クラブが多ければ、それだけ安定した収入源になるんでしょうが・・・。

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