Jリーグについて-素人の勉強部屋

Jリーグ配分金について調べてみる。

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Jリーグでは各クラブの収支を情報開示しています。資料中の収入項目は4つ。入場料・広告・配分金・その他となっていますが、今回、配分金に注目してみます。
一応このブログではJリーグは各クラブの利益を反映しているとします(搾取・陰謀説などなどは基本的にはないと)。理事会には理事16人中、クラブ代表者が確認しただけで4名、監事2名中1名が選任されているし、総会でも議決権をJ1クラブが2、J2クラブが1もつというようにリーグ運営に参加しているようですので。なので会費などでクラブがリーグに対して支払い義務が生じても、運営費を除いた余剰金は再配分されると考えます。その再配分の仕方ですが、現状はJ1とJ2の間には格差がありますが、基本的にはかなり格差縮小、クラブを潰さない理念で設定されているように見えます。

配分金は結構複雑な計算で算出されているということで。。。まずは基本的なところから抑えたいと思います。
Jリーグ規約に(第130条に前4条の事業に基づく)収入は,予め定められた比率によりJクラブに配分する。とありこれが配分金を指します。
「配分金の原資はJリーグのオフィシャルスポンサー料、テレビやラジオの放送権料、グッズなどの商品化権料。ここからJ1とJ2に分けて一律で配分される分と、露出の多さやグッズの売り上げによって傾斜配分されることから格差が生じます。また、タイトルの賞金も配分金に含まれます。」(サッカー批評、資料元は紛失しましたが、頂いたコメントからネット検索しどなたかのブログより)この原資については、(第130条に前4条の事業に基づく)収入を、つまりJリーグの収入そのものを指すのだと思います。
一つ疑問なのは、決算期について。クラブは12月や1月締めが多いのですが、公式試合出場料は計算年度が3/1から2/末で、支払いは4/30までに行うとあるのです。支払い時期が1年ずれるのではないか。結論から言うと、J1とJ2では配分金が大きく違うのですが、エレベータクラブなどに注目するとそのずれは無い事が分かります。
よってここでは、そのシーズンのあらゆる結果でその年の配分金を決めるとします(ずれはなし)。

さて、配分金の項目ですが、Jリーグが公開している幾つかの資料では、商品化権料、公式試合出場料、放送権料、賞金の4項目としています。金額の比率の目安ですが、J1クラブの平均では賞金を除くと商品権10%、出場料45%、放送権45%で、この数字は近年変化がありません。Jリーグのグラフ

商品化権料
商品に明示してあるマークに発生していて、クラブのみのマークの商品はクラブの権利になり、それにJリーグのマークが加わると両者の権利となり、それ以外の場合はJリーグの権利となるようです。
グッズが売られた時の具体的なお金の流れですが、各小売店は売上げ(クラブの直営店であればクラブの収入)から決められた権利料をクラブやリーグに支払い、リーグの収入は配分金の原資となって実質的には再配分されるようなイメージでしょうか。
Jリーグのマークの付くアイテムが何か分からないのですが、注意が必要なのは、クラブのみのマークの商品は配分金には関係ないということでしょうか。

公式試合出場料
名前からも試合数と所属カテゴリーできまるのではないでしょうか。
さて、試合数ですが、規約中に天皇杯が公式試合に含まれない記述があります(出場の義務は謳っています)から天皇杯は含まれないでしょう。
JFAの規約を軽く覗いてみても、9章事業で、代表戦と天皇杯の放送権料と代表の商品化権はJFAに帰属。入場料収入は規約上は分からなかったのですが、Jリーグの収支をみると入場料収入が代表戦や天皇杯を含んでいるとは思えない額です。公式試合出場料と入場料収入は別物ですが、天皇杯は勝利チームに強化費が支払われますし、まあ、含まないと考えてよいのではないでしょうか。これは、J2クラブの配分金と天皇杯の試合数に相関関係が見出だしつらい事実から最終的に判断しました(表)。

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表のリーグ順位はJ2を19位から表示していますが、青文字がJ2です。その年の帰属カテゴリーが配分金に最も大きく影響していることが一目瞭然です。07年の愛媛と06年の札幌の天皇杯の試合数が配分金に影響していないように見えます。
(因みに、06・07年は配分金の傾向が似ているように感じられます。05年はクラブ数が異なるせいか、順位に対する傾向、J2のバラつき加減など、ちょっと感じが違います。)

よってJ2は一律、J1はナビスコ杯・ゼロックス杯その他の出場で上下すると思います。ただし、J1のナビスコ杯予選のホームゲームは平日休日の振り分けに不平等があり、その損失補てんの可能性はあると思います。もしかしたら天候などの減収もここで補填されている可能性があります(そうなるとJ2でも一定ではなくなりますね)。
さきほど、配分金のクラブ格差の縮小圧力を指摘しましたが、J1平均で45%と配分金の多くを占める部分が変動の少ない出場料であることを根拠に述べています。

放送権料
スカパーは視聴率などの概念も無いでしょうし、実質的にはリーグのカテゴリー毎に等分だと思います(ペイ・パー・ビュー(試合単位の課金)などのサービスが行われれば別です)。
NHKや民放で放送されている分があります。調べてみると地方局などでも結構放送されていてクラブごとの差が出ています。(表)

2


特にJ2で配分金の順位と番組数の順位に似た傾向がありそうで、前述の公式試合出場料が一定額に近い事の裏づけにもなりそうです。
もし、1試合における公式試合出場料が他の入場者数などの要素の影響を受けないのであれば、もともと天皇杯における配分金の影響が無くナビスコ杯に参加しないので、J2の場合はこの放送権料と商品化権料によって配分金(賞金を除く)が決まることになります。上の表から、草津・愛媛・徳島・鳥栖が番組数に対してグッズ販売が弱いクラブと言えるかもしれません。
J1については、ナビスコ杯の注目試合は放送されますのでそういったクラブは表以上に上がります(データはあくまでリーグのもの)。不確定要素が多くシンプルに語ることは難しいですね。

賞金
浦和のHPをみましたら、賞金を除いた配分金が出ていて、Jリーグのクラブ情報開示資料と比較するとどの賞金が含まれるのかおおよそ推測できます。

3


賞金はリーグ、天皇杯、ナビスコ杯に加えて恐らくCWC、ACLも含まれていそうです(07年の差額と賞金総額を比較してください)。ただし、どうもゼロックス・スーパーカップの賞金は配分金に入っていないようです(06・07年の差額と賞金総額を比較してください)。パンパシやスルガ杯は分かりません。
全然関係ないですが、グッズ販売で年間12億円の収入って凄いですよね。さすがはレッズ。

未納金
06年度に未納金がJクラブにあった事がJリーグの決算で報告されています(未納金総額5億円)。05年と07年にはその記述はありませんでしたが、未納金が無かったのか、記述が無いだけなのか分かりません。
会費や入会金の未納であればクラブに対して数千万~億円になるでしょうからこれが配分金に影響しているとなると分析の妨げになります。

私が配分金を取り上げようとした動機のひとつに、カップ戦の勝ち抜けに賞金以上のプレミアムがあるのではないかということで、それは、ナビスコ杯にはあり、天皇杯にはないと思います。
Jリーグがここを試算し具体的に公開してくれれば、予選を勝ち抜けただで幾ら得られるのかが明確になり、カップ戦のモチベーションも上がるのではないかと思いますが、天皇杯により期待していたので、それは残念です。
ただ、各クラブは若手育成の出場機会を与える事とそれらのプレミアムを得る機会の喪失の両者を天秤にかけて、更に選手のコンディションを考慮した上で戦う必要はあるでしょう。例えば、若手育成の為に出場機会を与えても、結局補強で戦力を整えるようなクラブがあった場合は無駄が多い可能性があり、クラブは少なくとも育成か補強かについてはよりコンセプトを明確にする必要があると思います。
ナビスコ杯の予選は勝ち抜けクラブに固定化傾向が見られ(ブログ記事「データからもみるサッカー」様)、育成で成果を上げているように見える生え抜き型クラブが多いです。まあ、結果としてビッグクラブが多いわけですから、当たり前といってはそうなのですが。。。。むしろ、ここにクラブ格差が大きく存在するといえるのかもしれません。
J1残留の次の目標に、ナビスコ杯予選突破というのもあるかなと思います。これはナビスコ杯の予選を突破しつつ、残留争いに巻き込まれないということでしょうね。
いかがでしょうか?





追記091116
ナビスコ杯予選の番組数は、ばらつきがあって、以下、
6:F東京
4:大分、大宮、
3:横浜FC、
2:鹿島、名古屋
決勝ラウンドは各試合に3つの局が放送しています。

決勝ラウンドで加算される放送権料と公式試合出場料が大きければ、ナビスコ杯を勝ち抜く意義が出てきます。私としてはそこを全て賞金に還元して明確にすればクラブやサポーターのモチベーションに繋がると思います。
ところで、J1の賞金を除く配分金の合計は49億1,100万円で、公式試合出場料と放送権料が45%なら、それぞれ22億1千万円になります。
リーグの総試合数は34節x9=306、ナビスコ杯の総試合数は07年で122です。ここで、仮にリーグとナビスコ杯で、公式試合出場料が等しく、1試合の放送権料の平均が等しいとした場合、22.1億x2÷(306+122)=0.103億→約1千万円となります。この数字は仮定が正しい場合(はありえないのですが)、1試合にクラブが受ける公式試合出場料と放送権料の平均であり、ナビスコ杯の決勝ラウンドに出場した際に他のクラブより多く手に入れる配分金です。これは賞金に等しいですよね。加算して表記すると、
ナビスコ杯は優勝賞金1.5億円。準優勝1億円。ベスト4が4千万円。決勝ラウンド進出が2千万円。
まあ、前提が多く見積もる方向なので、割り引いて見なければなりませんが、予選通過ボーナスが1千万円オーバーならナビスコ杯予選の最終戦はもう少しサポさんが集まりそうですがいかがでしょうか。

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クラブ/収入
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クラブ
配分金
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Jリーグ
公式試合出場料

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この記事へのコメントコメント一覧

ルイ・コス太さま

コメントありがとうございます。
記事のリンクはこれからもさせていただくと思いますので、よろしくお願いしますw

商品化権料について、結構サッカー関係はJとクラブの両方で、小物などクラブの独自開発商品がクラブって感じなのですね。グッズ販売は浦和の12億円はでかいですが、権利料はその何%か金額はそれ程多くは無いのでしょうね(いや、浦和はでかいでしょうが)。。。

aさま

コメントありがとうございます。
欧州の放映権の高騰は本当にうらやましいですよね。アジアでも狙うならACLのような強い国で戦うだけでなく、人気のある国を巻き込む工夫が必要に思います。
管理についてはクラブ単位が良いということでもないと思います。イングランドも確かリーグが窓口だったと思いますので。。。
次回までにキチンと調べて取り上げたいと思いますので、よろしくお願いします。

nikuさま

コメントありがとうございます。
熟読していただいたとは光栄です!
配分金はもう一回やりますので、そちらもよろしくお願いします。
Jリーグは後発の利を生かして?かなり情報公開してくれていますよね。それが無ければこのブログは存在していません。
賞金については私ももっと有効に使うべきだと思います。
どうもJ1が去年から降格争いばかり盛り上がる雰囲気があり、シーズン中の監督交代や補強も上位であまり見られないという点がつまらない気がするので。。。
その改善策としては賞金UPかなと素人ながら考えています。今年の名古屋の補強は痺れましたが、結果がでないと困るなと感じています。

Jリーグ配分金について調べてみる。

ウチの記事を文中リンクして頂けるとは光栄ですw

商品化権料で考えられる所はレプリカユニフォームやイヤーDVD等の映像関係が両者の権利だと思います。
ゲーム等の場合も両者になるのかな?
イメージ的にはスタジアム等で売っているストラップ等の小物がクラブという感じではないでしょうか。

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