Jリーグについて-素人の勉強部屋

選手枠について(JUMPの提言)

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ネタとしてはちょっと古いですが、いわゆるJUMPの提言について取り上げてみたいと思います。

2009年5月16日に朝日新聞では以下。(左のリンク集を参照してください。)

・プロ契約選手数を(段階的に減らし最終的に)25人に制限(2人以上は自前のアカデミーや地元で育成)
・J2の外国籍選手はアジア枠を含めて2人まで
・サテライトリーグとベストメンバー規定を廃止
・ナビスコ杯を水曜開催に
2週に渡り特集されていたサッカーの週刊誌が見つからなかったのですが、他にセカンドチーム保有の推奨とか多岐に渡る提言があったように思います。

さて、「JUMP」プロジェクトによる改革の根拠ですが、
「23歳以下選手の出場実績を調べたところ、昨季はJ1で88人(約39%)、J2で55人(約29%)が出場せず、J1では出場時間450分以下が153人(約66.5%)に達することがわかった」と。これを北京五輪男子代表での惨敗の一要因に挙げています。

私はJUMPの提言のJ2外国人枠削減は反対で、ナビスコ杯の提案は良く分かりませんが、提言の主な方向性については賛成です。
ただ、調査の数字によって、若手の出場機会が少ないことが本当に言えるのかは疑問です。他の世代との比較、他国との比較がない為、上記の数字で機会が少ないと言えるのか、クラブ保有選手数が30人以上いて、チームの1/3しか出場できない状況でこの数字が若手特有のものか、妥当でない数字かどうか。
調査ではU-23が対象になっていましたが、私はU-19の出場機会が重要だと思っています。私が前回の北京五輪男子代表で感じたのはチーム発足時でのJクラブスタメン選手の不足。大会に近づくにつれJリーグで出場機会を得た選手が急激に伸び、選手選考ががらりと変わりチーム継続性の難しくなる。私だったら、もっと直接的にU-19の出場機会に踏み込みたいですね。これは枠は少なくていいんだと思います。核の選手が不動なら良いわけですから。例えばJ2昇格の条件に19才以下でレギュラークラスの扱いとなる出場時間をクリアした選手を2人以上などと保有条件を新設し、必要であればクラブ順位枠を6位までに下げるような調整を提案します。これは同時にJ2参入クラブに対する運営費軽減への妙案だとも自分では思います。

さて、提案はしたもののここまでは私の備忘録。理念を主張をするブログではないので、ここで別の側面からアプローチしたいと思います。

最近、鹿島の若い選手が他のクラブにレンタル移籍するニュースをよく耳にすると感じ、現在各クラブが何人の選手を保有しているかを調べてみました。J1クラブの開幕人数は雑誌資料によるもので(4/14号のサッカーダイジェスト。雑誌には開幕人数と謳ってはいません。私の推測です)前回の年俸総額データに合わせる為のものです。

1


調べてびっくりなのですが、不況のせいか、J1では開幕時から平均して3.5人減で只今27.1人。多いところで柏33人、神戸・清水・広島・山形29人。少ないところで川崎24人、新潟23人、千葉22人。J2では平均が25.7人。湘南31人、甲府30人、鳥栖29人。徳島28人。少ないところで愛媛21人。札幌・栃木・草津23人。もちろんこれは過渡的な数字であるクラブも含むでしょう。
千葉はセカンド・チーム(JFL6位。後期3節終了時)を持ちトップが紅白戦が出来る最少人数とプロ野球チーム並みの効率的な組織ですね。
人数制限を掛けた場合、紅白戦さえ出来なくなる不安をもたれる方がいると思いますが、不況という現実?がここまで来ています。人数枠についてだけいえば、確か段階的にまず27人にすると言うことだったと思いますが、2/3のクラブが現状でクリアしています。

最後に、純粋に選手保有枠制限について。その動機となりそうな要因を考えてみます。
1.強化・育成・戦術浸透の効率化の為(チームの事情)→28人では多すぎる?(モウリーニョ監督)
2.運営費削減の為(クラブの事情)→クラブによっては23人?(補強の無さそうな新潟の場合)
3.リーグ内のチーム戦力の平均化(リーグの事情)→?
4.自国の若手育成の為(自国の事情)→25人?(JUMP)
・・・・
1は適度な数値があり、2~4は選手枠が小さいほど効果が上がるのではないでしょうか。しかしその場合、チーム力は損なわれるかもしれませんが原理的にそこは問題にならない。3のリーグの事情による制限については、例えば他にオーストラリア・Aリーグなどのサラリーキャップ制や韓国・Kリーグのドラフト制があたるでしょう。ご存知の通りいずれもチームの戦力ダウンは自国内でも指摘され、日本では批判的に捉えられていると思います。しかし、リーグの事情が優先されているわけです。

JUMP提言は有意義なものだと思いますが、日本の場合、選手の受け皿となるクラブ数が足りなければ若手を保護する規定が具体的に必要になってくるかもしれません。現状の選手数の少ないクラブにヒヤリングしながら選手数減少の効果を確かめる事も重要に思います。ケガなどによる選手不足の弊害など運用面も気になります。

不況が更に深刻なものになり、移籍金撤廃により一部の選手の年俸高騰があった場合、クラブの選手保有数はさらに減るかもしれません。
幸い今シーズンは若手も割りと出場していますし、様子を見るのが良さそうですが、如何でしょうか。
(不況がシステムを鍛える事もある。を実感した今回でした)





追記
今回の主題ではないですが、上記でJFLでの準加盟クラブU-19枠の提案を致しました。多分、他国にも若手出場枠の例があったと思い、検索しましたので、記事を追記します。

イタリア3部リーグ以下
例えば、セリエD(5部に相当)は、常時ピッチ上に17・18歳を各1人、19歳を2人立たせる義務がある。目的は若手を育てることと、経営の負担を軽減するため。セリエDはアマチュアだが、現実的にはレギュラーの過半数はプロで最高級の選手になれば年俸1500万円の収入がある。モンテベルーナというクラブでも主力の7~8人の選手は、住居と食費を差し引き手取りで500万円前後の収入がある。加部究氏のコラム

メキシコ1部リーグ
20歳11カ月以下の選手を総試合時間の約50パーセント出場させなければならない。2部ではさらに制限があります。
安田好隆氏のコラム

追記2
サッカーダイジェストNo999(4.28).1000(5.5)にJUMPの取材記事が掲載されていました。No999には組織のNo1000には具体的な提言内容が主に取り上げられていました。
JUMPはやはりJリーグで発足した組織で、Jリーグから4人、監督経験者1人、クラブから4人、高校から1人、大学から2人、トレセンコーチ1人の計13人です。
JUMP提言の選手枠については現在A契約25人制限を登録25人制限にするというものですが、私が多いか少ないか分からないと記した出場時間450分以下が153人(約66.5%)ですが、これはA契約を満たしていない選手の事でこの雑誌記事を読むと正直多いかなと言う感想を持ち直しました(同じくらい24歳以上の選手も出場機会がないような気もしますが)。若手選手を多く起用していそうな鹿島でも去年A契約5人を試合で起用していないとのことです。
UEFA内でもヨーロッパ全体で登録数を25人にするという議論があるといいます。

提言採用にあたってハードルが高いのはむしろ自前選手の保有数のようです。
これはUEFAチャンピオンズリーグでも25人の登録メンバーのうち、8人は自国で育成、内4人は自クラブで育成選手という義務があるとの事です。

面白い記事です。興味のある方は是非、原文をあたってみてください。

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まきさま

コメントありがとうございます。
ドイツではセカンドチームが3部以下でプレーする機会が与えられていて、トップの保有選手数は平均で26人だそうです。

>出場機会が少ないのは若手に限らず、中堅、ベテラン含めての問題だと思います。

全くその通りだと思います。セカンドチーム保有クラブは現在J2の新規参入クラブに多いですよね。もっと普及すればよいのですが、我々が理想とするような状態だと結構お金もかかるのかもしれません。でも中山選手や宇佐美選手が出場するなら観客も倍増しそうですが・・・。
そう考えると人的資源の活用がもっとなされてもいいですね。

ルイ・コス太さま

コメントありがとうございます。
雑誌記事が見つかりましたので、追記しました。私は最近までA契約は28人までと誤認していたのですが、いつ頃から25人になったのでしょうか。
本題に戻ります。ルイ・コス太さんや南田神田さんが仰るように若手強化という視点であれば個人に帰するのが自然な気がします。私はJUMPの有意性は議論が行われたこと、内容が恐らくJクラブにいきわたっているであろう事です。多分、保有人数は多かったのだと思いますが、JUMPは組織内部での活動ですから、キャップを掛けなくてもある程度の効果があるように感じます。あとは一般に広く情報が公開されることを願います。

ただ、一点だけ。ゴールデンエイジ世代を生み出す時代背景といったものがあったと思います。現代ではサッカーの質も様変わりしています。フィジカルの要求がかなり高くなっているので、若手もそれに応じた準備が必要だろうと思います。浦和の山田直輝選手の出現をみるとそれも現場である程度対応されているように感じますが。
サッカーって進歩が感じられますよね。

選手枠について考えてみる

出場機会が少ないのは若手に限らず、中堅、ベテラン含めての問題だと思います。
ゴン中山なんて、今年まだ1度もリーグ戦に出てないし、ナビスコもたしか後半40分過ぎた頃に1度出ただけでほとんど試合に出れてないです。

バルセロナのグアルディオラが言っているみたいに、
トップチームの人数を全員がベンチ入り出来るほどの16,17,18人まで絞って、セカンドチームの保有を義務化し、足りなくなったら下からもってくる。

という風にしたら良いと思います。

そしたらゴン中山や今年ユースから上がったばかりの宇佐美なんかもセカンドチームで毎週スタメンで出ていたかも知れない。

選手枠について考えてみる

私も南田神田さんと同様で保有選手数は各クラブの判断に任せるべきだと考えています。
保有選手数には各クラブの中長期的な戦略も含まれているでしょうから、他者がそこに制限を設ける事が良い事だとは思えません。

また保護された若手がどれだけ伸びるかも懐疑的に考えています。
北京世代の出場機会が多くなかったのは、単にプロとしての実力が不足していたからでしょう。
ゴールデンエイジと言われた小野・高原等の世代はしっかりと年長者を押し退けて出場機会を勝ち取りました。
鎬を削って出て来た選手にこそ真の実力が備わるのではないでしょうか?
若手保護は五輪だけを考えれば試す価値はあるでしょうが、W杯まで視野に入れた場合にはマイナスになる可能性もあると思います。

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