Jリーグについて-素人の勉強部屋

Jリーグクラブの人件費

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毎度素人の~と断るもの面倒なので、ブログタイトルを変更いたしました。今後ともよろしくお願いします。
グラフ化シリーズ。今回は人件費。Jリーグの情報公開項目の人件費はコーチングスタッフ(下部組織を含む)などを含めた金額です。

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人件費は少しは順位と関係あるだろう。と期待したいのですが、これは割りと事業費に類似する曲線を描き、順位との相関関係は見え難い。
事業費と異なる曲線を描いている部分は人件費/事業費の比率が平均と大きく異なると思います。

人件費ですが、J1は平均が15億3千万円です。目立つところでは浦和がダントツの28億円ですが、低いところでは4位の清水が12.6億円でそれ以下を探すと16位の広島まで来てしまう。つまりこの年降格しなかったクラブで最低金額が4位の清水。
14億円を切るクラブは残留争いの常連さんやJ2からの昇格クラブの面々が多くいる印象です。
J2の平均は5億5千万円。J1のおよそ1/3です。7位つまり半分から下は人件費と順位が妥当な関係になっています。
J2では5億以上、J1では14億円以上が上位争いの目安だと思います。

次に、人件費/事業費を見てみると、平均は58.9%です。他の予算を切り詰めてチームにお金を掛けているクラブは当然高いのですが、人件費の多くはシーズン前に決まってしまうので、チームの成績が振るわず入場料収入が落ち込んだりしだすと地域貢献などの切り詰められる費用が犠牲になって結果としてパーセンテージが上昇する。そういったケースもあるのかなと思います。また、J2では3年くらいのスパンで勝負に出たり抑えたりすることもあると思います。
一方で、例えばスクール活動は人件費とは別だと思いますが、収益を生むこともできる部門だけにスクール活動費用が大きいことは逆に評価していいと思います。この場合は人件費率が下がります。
ですからこの比率でクラブの評価は出来ない。それでも人件費がおよそ7割のG大阪や鳥栖はクラブとして人件費に多くを裂き、成果も出ているのかなと思います。

ここで、より順位に直結しそうなトップチームの規模の比較が気になります。私の手元にあるデータは(年が異なりますが)09年のJ1クラブ別選手年俸総額ランキング(サッカーダイジェストNo997)。これに少し触れてみます。
順位としては
1位浦和、
2位G大阪、1位との差2億円
3位鹿島、2位との差2億円
4位神戸、3位との差1億円
5位京都、
6位大分、4位神戸との差が8千万円。
以下磐田、川崎、柏、清水、名古屋、F東京、と続いて6位大分と12位F東京の差が1億円
横浜FM、大宮、広島、この3クラブはほぼ同額。
千葉、新潟、は選手数が少ないため広島とちょっと差が開いて
最後の山形が15位広島の半分程度となっています。
年俸総額の平均は6億4千万円程度です。

これもやはり順位に直結してこない。順位固定がなされるほどは格差が無いということでしょうか。昨年の浦和は70億位の収入で、鹿島より2,30億円の差があると思います。ですが、今年のトップチームの年俸では4億の差にしかならない。G大阪はバレーの移籍金で10億円?を得たといわれていますが、鹿島より2億円多いだけ。
今までは移籍金の為に年俸以上に莫大な補強費がかかるということもあって、事業規模に差があっても、選手獲得にはいたらず、チーム格差に至らなかったのでしょうか。となると移籍金が撤廃される来年から大きく動き出すかもしれません。

1.年俸には格差がそれ程現れないという考え方

自前の選手を育てて外国人のみを獲得して成績を上げているようなクラブ、若返りが成功しているクラブ、チームの成長に年俸上昇が追いついていないクラブ、選手の人数を抑えているクラブはチーム力(もしくはリーグの順位)に比べて年俸が低めに感じます。移籍により戦力を整えているクラブ、チームの成長・得た結果により年俸が上昇しているクラブなどは逆に高めに感じます。これらは、上位、下位、にかかわらずそれぞれのクラブ事情によって現れる性格だと思います。
ですが、選手の年俸は移籍によってクラブ間の競争となり吊り上ったりしそうです。Jリーグでは主力日本人選手が移籍のターゲットになり始めたのはごく最近で、対象選手も少ないことが予想されます。今年の移籍市場は低調な印象でしたから、上位クラブの戦力補強としてはそれ程反映していないかもしれません。一方で、J2から昇格して来たり、下位から上位を目指す場合、激しい降格争いをしている場合に日本人選手を補強するようなクラブがあります。なんとなく下位クラブに年俸上昇圧力がより多く存在しそうです。事業規模が順位に反映されておらず、下位クラブにお金がある場合はなおさらです。

2.いや、現在でも格差が存在するという考え方

まあ、でもどうでしょう。年俸1億越えのプレーやが数えるほどしかいないJリーグ。1億2億の差は大きい。実際に近年では浦和、G大阪、鹿島以外のクラブが優勝する事がかなり難しくなっていそう。それくらい実は格差があるのかもしれません。優勝候補に上げられそうなクラブは彼らの次が8位の川崎で年俸総額は浦和の半分ですから、長丁場のリーグ優勝となると監督や特別な選手の能力など、お金に返られない部分ではいかんともしがたいところがあるかもしれません。
そうなると、このブログでは再三格差が無いJ1リーグを強調していましたが、優勝候補クラブ、降格の心配が殆ど無く優勝争いを演じられるクラブ、それ以外(すべて降格の危険性はある)、と3群程度の格差は出来上がっているといっていいのかもしれません。
以前のエントリーで4シーズンの順位ごとの平均勝ち点をグラフにしたんですが、J1では賞金圏の7位から上位に向けての上昇勾配が少し急になるんですよね。偶然かもしれませんが。
私は格差があることは良いと思います。現実的な目標を立てたり結果を評価したりすることができるからです。もちろん評価とはサポーターやスポンサーからの評価です。
優勝争い、ACL枠争い、賞金圏内争い、降格争い。もう一つくらい明確なラインがあって、その上下で評価が出来るようになるほうがよいという考え方もあると思います。(そのラインは今のJリーグには無さそう)
如何でしょうか。




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この記事へのコメントコメント一覧

南田神田さま

コメントありがとうございます。
いつも多角的な視点からコメント・補足をしていただきありがとうございます。
>昇降繰り返すクラブは規模だけの問題ではなく、強化体制、下部組織などにも問題があるように感じられる。
私は門外漢でこのアタリの話は全然分からないのですが、この3クラブはJ2の方に多く体が入っているクラブのように感じます。まだまだJ1常連組みには及ばない部分が多いのかもしれません。
底辺の脆弱さは仰るとおり、Jリーグはフリューゲルスの事件の後絶対にクラブを潰さない方針で色々手を打たれている努力の成果だと思いますが、両クラブともその時には本当に大変な深い泥沼だったと想像します。運が良かっただけなのかもしれません。
ただ、水戸などをみると配分金を除いて年間2億円程度でクラブは運営できるわけですから、潰さない方法は幾らでもありそうです。「なかなかしたたかな経営」にはそういったJリーグ全体の健全体質?があるかもしれません。それを壊すなということでもあるかもしれませんね。

アメリカのお話は面白かったです。あちらはスタンドとピッチのレベル差があまり無く試合終了後、選手とサポーターが談笑するような光景があると聞きましたが、良い風景が展開されていそうですね。だから強いのかも?

Jリーグクラブの人件費

甲府、横浜FC、札幌の人件費を見ると、J1で戦うには厳しいと言えますね。J2から昇格しても残留するのは容易なことではないと改めて思います。また昇降繰り返すクラブは規模だけの問題ではなく、強化体制、下部組織などにも問題があるように感じられる。
話題になっている底辺の脆弱さですが、15年間で消滅したクラブがわずかに1つなのに対し、創立するクラブが続々誕生しています。同じ時期にプロ野球は大変動が起きています。球団の経営状態が開示されていないので、正確なことは言えませんが大半は赤字経営で、親会社から補てんでしのいでいると言われています。経済全体が落ち込む中で、親会社にすべて頼るのは今後もっと困難になるでしょう。
確かにJリーグのクラブは海外やプロ野球と比べれば、貧弱さは否めません。でも経営危機をうわさされていた甲府や鳥栖が盛り返してきたのを見ると、なかなかしたたかな経営をしている。脆弱と言い切るのは乱暴のように思えます。
アメリカでスタジアムが2万に届かない規模なのに、年間チケットだけで7割を売りさばいている地方球団がある。Jリーグのクラブが目指すべき姿は、このようにサポーターであふれる光景でしょう。ただそれは親から子へと代々クラブを支えてようやくできることではと思っています。

ルイ・コス太さま

いつもコメントありがとうございます。
>人件費の大半を順位賞金で賄える様なシステムではないので、順位と人件費の相関関係が薄いのではないでしょうか?
それは非常に大きいと思います。さらに今年のオフに浦和が補強をしなかったことも大きいのかなと思います。浦和に育成型のフィンケ監督が納まったことで、来年のオフも余り補強がなされないとなるとこの傾向は進むかもしれません。ただ、移籍金改革の影響もどう現れるか分かりませんし、注目したいところではあります。
もう一つはクラブのチーム作りがまだ未整備な部分が多く、選手を集めても結果が出てこないというのがあるかもしれません。

この不況の中で広告費が下がっていく可能性があると思うのですが、投資マインドを高める為の工夫が必要なのかなと素人ながら考えるのです。まあ、浅はかな考えですが、聞くだけ聞いていただけるのはありがたいと思います。

>現在のJリーグの格差は小さいと思います
お話は非常に参考になりました。ありがとうございます。そうですね。格差はやっぱり小さいんだ。良し悪しはまた別の話ですが。

とおりすがりさま

ご指摘ありがとうございます。恥ずかしい限りでございます。
「Jリーグはピラミッドの底辺がまだ脆弱な印象です。」この時の底辺とはJ2の下位クラブについてだと思うのですが、仰るとおりだと思います。
私はもう少し危機感を強く持っていて、今後も参入クラブが見込まれ底辺のクラブが増える中で、このままでは根本から崩れるのではという心配があります。
リーグのデザインで底辺とJ1の上位をどうするかはワンセットだと思うのですが、配分金を抑えて賞金を拡大するのは私は必要だと思うのです。
今年のオフの移籍市場の冷え込みはちょっと話題になりましたが、強化に対する投資マインドを高める為には、上位に対するプレミアムを上げる必要がありそうなものですが、そんなに単純なものではないのでしょうか?
JUMP提言の「選手25人枠」などクラブ運営費を下げる工夫(私もJ2改革を提言していますが)などと同時に検討して欲しいものです。

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