Jリーグについて-素人の勉強部屋

リーグの順位固定度について-欧州の4カ国

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前々回のエントリーでは欧州5大国のトップリーグ4つ(イタリアは不正問題の為除いています)とJ1・2リーグの順位と勝ち点の関係をグラフにしてみました。欧州ではおよそ6位~10位(20クラブ換算)が大体重なり、下位の1~4クラブのどこかで大きく落込む手前まではある程度の幅に収まっていますが、上位についてはクラブごとの特徴が出ていました。

今度はクラブを順位変動の度合いでタイプ分けをしてリーグに占める割合を見てみましょう。
実はスポーツ・ナビさんのHPで過去7シーズンまでの順位表が得られることがわかって、イタリアを除いた欧州5大リーグであるイングランド、スペイン、フランス、ドイツのトップリーグのクラブごとの順位変動を7シーズンの標準偏差と順位幅として数値化してみました。
たとえば、イングランドのマンチェスター・Uは08-09シーズンからさかのぼって1,1,1,2,2,3,1位でした。これらの数値から標準偏差を計算すると0.95。順位幅は1-3位だから、3という具合です。
ドイツの順位は20クラブに換算しました。(7/8.表を差し替え。ドイツの標準偏差0-2、2-4、4-6の3タイプのみ数字が変更しています。)
その数値で得られた表が図です。(数字は%)

1


タイプ分けですが、エレベータ(EV)クラブは、7シーズンで複数参入し、全て残留争いをし1シーズン以上の残留がないクラブとしました。サンプルを見ると最高で順位幅は3となり順位固定度としては標準偏差0-2群の順位変動幅平均3.2とともに高いとみます。
標準偏差は数字のバラつきを示しますが、群分けの境界決めに数学的な根拠はありません。0-2、2-4、4-6、6以上の4タイプに分けました。
その他、1年降格クラブ(7シーズンで1度だけ参入し1年で降格したクラブ)と今期残留クラブ(今期のみ参戦し残留)の計7タイプに分けました。

順位固定度の高いEVクラブ群と標準偏差0-2の群の計はドイツを除いて16~20%と 各リーグそれ程差がありませんが、イングランドとドイツがEVクラブが少ないのは特徴的です。
1年降格クラブはリーグで特徴が出ていて、フランスとドイツは少なく3、4%。スペインが10%。イングランドがとても多く、25%となっています。今期残留クラブは考察対象外とします。

ここからはドイツのみリーグのクラブ数18という理由からか他のリーグと少し違う振る舞いをしているようですので、考察対象外とします。
平均順位変動幅7.5の標準偏差2-4は、各リーグ27~33%とここもリーグでそれほど差が出ない。
平均順位変動幅11.6の標準偏差4-6は、ここは各リーグばらつきがあり22~37%。
平均順位変動幅13.9の標準偏差6以上は少数で各リーグ2クラブです。
ちなみに、サンプル数はドイツが26クラブ、他は30~32となっていて、標準偏差0-2群のイングランドの13%はビッグ・フォーの4クラブ。フランスの7%はリヨンとマルセイユの2クラブ。スペインの10%はR・マドリードとバルセロナと下位バリャドリードの3クラブ。ドイツの12 8 %はバイエルン・ミュンヘンと下位安定 2 の1 クラブの計 3 2 クラブでした。

もとデータをみたときの個々のリーグの印象
煩雑なので表は出しませんが、各クラブの変動をざっと眺めると、
イングランドは上位のビッグ4の順位固定度が高く、標準偏差2-4は下位順位固定クラブが多く、4-6は中位安定するも、数シーズン下位に落ちるようなクラブが多い様に見えます。1年降格クラブが多く全体の1/4を占め参戦クラブ数を押し上げています。
イングランドは上位クラブの複数に国際的にも勝ち残れるような富の集中をもたらしつつ、リーグには多くのクラブが参加できる一つの形態だと思います。
フランスもイングランドに似て2-4群は下位固定クラブが、4-6群には中位クラブが多いですが、EVクラブが多くリーグに参加する顔ぶれは割と固定化した感じに見えます。
スペインは逆に下位に行くにしたがって順位固定度が下がるように見えます。
ドイツは18クラブで標準偏差のグループ分けが適当でないかもしれません。その検証は必要ですが、今回の数値では標準偏差2-4群に半数以上の58 44 %のクラブがあり、順位固定度を眺めた感じも余り傾向が見られないように感じます。EVクラブと1年降格クラブの計が8%ですから、その年の降格クラブ予想もし辛いリーグとはハッキリいえるのではないでしょうか。。

リーグとして上位・下位が固定化されるとは、強弱の格差が大きい可能性が高いと思われます。勝ち点グラフに対応していそうな傾向としては、
1.イングランドの上位4クラブの強さと1年降格が多い昇格クラブとの格差→上位で上昇し下位で下降する曲線。
2.フランスの標準偏差0-2が上位2クラブ、2-4に下位が多い→上位の特徴的な曲線(3-5位の勝ち点の伸びの悪さ)
3.スペインの順位と固定度の対応関係→18位より上位は緩やかな上昇曲線に見える
4.ドイツの順位固定度の低さ→勝ち点グラフの勾配の変動の少なさ
ちょっと無理やり感もありますが、上記のような事が言えなくもない?でしょうか。

ドイツに対しては検証が必要というカッコつきですが、固定度の高いイングランドと低いドイツ。これは言えそうです。
J2の勝ち点グラフはイングランドより格差が開いており、J1の勝ち点グラフはドイツよりも勝ち点の格差が小さいですが、成長過程のJリーグとしてどのような理想像を掲げていくのでしょう。





追記
ルイ・コス太さんのコメントを受けて、イングランド・プレミアリーグの成長について触れたいと思います。
参考記事 
帝京大学経済学部教授大坪正則氏Jリーグの2006年経営状況
Jリーグ開幕時の1993年ではリーグの収入はほぼ拮抗していたようです。それが、2006年ではプレミアリーグがJリーグの4.6倍成長し、差が拡大したのは皆さんもご存知のところです。放映権料の高騰が原因で、地域密着の営業に力を入れるJリーグの課題はテレビとのことです。スカパーとの契約はJリーグの財源を安定化させたと思いますが、Jリーグのクラブ数拡大路線局面ではパッケージングされた放映権料の価値が上がるのか(エリア増)下がるのか(相対的に価値の減少)。
今後を見守りたいです。

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記事カテゴリ:
Jリーグ/格差(順位・勝ち点)
タグ:
クラブ
標準偏差
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リーグ
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ルイ・コス太さま

私も現在J1に特定の応援クラブがありませんが、ACL予選のホームではどのクラブも1試合でも負けて欲しくないなんで思ってしまいます。一方で混戦リーグも捨てがたいですww。
他の方も混戦が理想も格差容認の方が多そうですよね。

移籍金撤廃は昨シーズンクラブが選手を切りすぎた反動でもあると推測していますが、リーグが格差是正的なクラブ保護を行うにも手はないのかもしれませんね。

リーグの順位固定度について-欧州の4カ国

>Jリーグのブンデス傾向は現在望まれているのか、今後目指すべきかどうか

サポーターは自らが応援するクラブがビッグクラブになって欲しいと思うでしょうが、特定の応援クラブを持っていない人からすれば、3つ4つの規模の抜けた強豪クラブができるよりも、混戦が見込める方が望ましいのではないでしょうか?
今の日本人の国民性の面からは現在の状態やブンデスの様な形の方が合っていると思います。

一方で移籍金の制度変更によって今よりも格差は生じるでしょう。
恐らく格差が生じた場合にはリーグは是正には動かず、放置するのではないかと思います。
その結果が良い方向に進めば良いのですが・・・。

ルイ・コス太さま

コメントありがとうございます。
>ブンデスリーガを模範として設立されただけに、
こういった補足をいつもしていただいて本当に助かっています。仰る事、その通りだと思います。

そして、そのJリーグのブンデス傾向は現在望まれているのか、今後目指すべきかどうかが知りたいですね。
通さんのコメントでもありました移籍金撤廃によって格差が生まれる可能性もありますし、その時にリーグが格差是正方向に動くのか、そのまま放置か注目したいです。

通さま

長文コメントありがとうございます。
確かに「優勝の最低ボーダーラインは(試合数)×2」はときどき聞く目安ですが、欧州のビッグリーグは+αが大きいですね。
私もリーグとしての魅力を団子状態に感じますが、国際舞台での結果は非常に重要だと思います。
代表がちょっぴり不安なだけに・・・。

>移籍システムがFIFAと同様のものとなり、これがどれだけJリーグに影響を与えるのか、楽しみでもあり、心配でもあります。
同感です。確実に現在の私の書き込みのモチベーションになっています。

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