2010年03月17日
哀愁漂うNBAプレーヤー、グラント・ヒル
久しぶりのNBA生観戦 NBAもシーズン終盤戦、盛り上がってきました。 先日、久しぶりのNBA生観戦(と言ってもテレビでですが)。 カードは王者ロサンゼルス・レイカーズVSフェニックス・サンズ。 サンズファンとしては、なんとか昨シーズン王者に土をつけてほしいと願っていたのだが、結局健闘虚しく敗れてしまった。 まぁ、両チームともプレーオフ進出は決定的なので、さほど激しいゲームにはならず、実力通りの結果となった。 にしても、ちょっと悔しいというのも本音なのだが…… サンズの戦いぶりが好きだ。そしてあの選手を忘れてはいけない 私がサンズファンなのは、スティーブ・ナッシュを中心としたハイテンポオフェンス(日本ではラン&ガンの方が親しみあるかも)に心惹かれるからだ。 もちろん、ナッシュとスタウドマウアーのファンなのだが、この試合に関しては違う選手を中心に観ていた。 というか、目を奪われた。 過去の栄光にすがらない彼が眩しい その名も、グラント・ヒル。 今年NBA15年目を迎える老兵(言葉が悪いかなぁ……)。 90年代のNBAファンならもうたまらない選手なのではないでしょうか。 FILAのバッシュがこの時は流行ったもんだ。 M・Jことマイケル・ジョーダンの後継者とも言われた時期もあったし、デビューイヤーの1994年には、ジェイソン・キッドとともに新人王にも輝いている。 デューク大学時代にはNCAAチャンピオンにも2度も導いている。 しかし、彼の現役生活は決して順風満帆だったとは言い難い。 3年目までは、オールスター得票でもトップを獲るような華々しい活躍を魅せていたのだが、その後は怪我怪我怪我の連続。 もう、なんで彼にだけこんなにも不幸襲いかかるのだろうかと、不思議なくらいに。 チームもピストンズから始まり、マジックと渡り歩き、今現在サンズに在籍している次第である。 どんな苦境にも、彼は腐らずプレーヤーであり続けた そんな絶頂期を過ぎた彼なのだが、なんと昨シーズンは全試合に出場。 そして、今季もチームの不動のスターターをはっている。 37歳、必ずしも全盛期の華麗なプレイを見せてくれるわけではない。 しかし、相手マークマンを嘲笑うかのような、老獪なプレイぶりは必見である。 一時期は、期待が大きかっただけに、物足りないとの批評を受けた時期もある。 事実、現役15年の中でまだファイナルの経験もない。 本来なら自分に嫌気がさしたり、マスメディアに翻弄されて、自分を駄目にしてしまった可能性もあるだろう。 だが、彼の躍動する(は言い過ぎだが)プレイを観ていると、そんな大きな壁や怪我を含めてすべて乗り越えてきたことが窺える。 スピードもジャンプ力も落ちた。 格別FG%が上がったわけでもないし、ディフェンスのスペシャリストでもない。 ただ、純粋にバスケットボールをそしてプレイを楽しんでいる姿がそこにはあった。 全盛期を知る者にとっては寂しい姿かもしれない。 でも私には、そんな風には観えなかった。 脂の乗り切った時期はほとんど怪我でプレイできていない。 そんな時間をひとつひとつ取り返すようにプレイする彼の姿が、愛おしくてならなかった。 この試合でも、今やNBAナンバー1プレーヤーとも言えるコービーとマッチアップする機会が幾度とあった。 懸命にディフェンスし、そして物怖じせず果敢に1on1を仕掛ける姿は、どこか「まだまだ若い者には負けん」と言っているような気がしてならなかった。 スターの競演もいい。でもそれだけではスポーツは楽しめない コービーのアクロバティックなプレイにはやはり目を奪われる。 レブロン・ジェームズのキングたるゆえんのプレイにも目を見張るものがある。 だが、ヒルのようなベテラン選手が、懸命にプレイする姿にも私は心揺さぶれる。 それは、バスケットプレイヤーに限らず、峠を過ぎたにもかかわらず、現役にしがみつきプレイするアスリートはやはり輝いている。 カズでもゴンでも工藤投手でも皆共通しているのは、自分の衰えを感じつつも、今ある精一杯のプレイをするプロ魂。 私たちファンは、そういうベテランアスリートから何かを感じないといけないのではないだろうか。 佳境に入ったNBA。4月にはどんなドラマが待っているのか あと1カ月もすれば、NBAはプレーオフへと突入する。 観戦をかまけていた私には、とやかく言う資格はないのかもしれないが、今から楽しみだ。 そして、ヒルが所属するサンズもそのプレーオフには、ほぼ確実に出場することになるだろう。 しかし、彼がNBAファイナルに進出すること、そしてチャンピオンズリングを手にすることは限りなく可能性がないに等しい。 それは、冷静に観ているファンならご存知のはず。 それでも私は、彼の残り少ない現役生活をこの目にしかと焼き付けたい。 プロの世界は結果がすべてだという人もいるだろう。 でも、試合に負けようが打ちのめされようが、心揺れ動かす選手もいる。 そんな彼らを観るのもスポーツの醍醐味といってもいいのではないか。 ヒルには届かないが、彼に言いたい 拝啓グラント・ヒル様 あなたのプレイ、いや衰えを隠せない今のプレイが私は好きだ。 華麗なダンクも相手を翻弄するようなプレイじゃなくてもいい。 ただただ、あなたがバスケットボールを楽しむ姿を1年でも、いや1試合でも多く見せて下さい。 それが、NBAオールドファンの切実な願いでもある。 そんなファンは決して私だけではないはずだ。
posted by uzura176 |23:41 |
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