2007年03月01日

日本選手権決勝。日本ラグビー界の未来は明るい。

今週の24日の東芝府中とトヨタ自動車で行われた日本選手権決勝で2006-2007年シーズンは終わった。

夏にワールドカップを控えているとはいえ、何か物悲しい気持ちになってしまう。

でも、その締め括りとしての決勝戦は予想に違わぬ、いやそれ以上にゲームとなった。トップリーグは、東芝府中(来年からは“府中”がとれるらしい。オールドファンは“東芝”よりも“府中の方に思い入れが強いだけに少し残念)とサントリーの2強の構図があった。そこに最後の最後になって割って入ってきたトヨタのラグビーも2強に負けないものがあった。


結果は19-10で東芝の勝利。

終了間際まで12-10という、PGでひっくり返るという僅差の攻防。風上を利して攻めるトヨタの猛攻を東芝ディフェンスはゴールライン数十センチ手前で凌ぐ。そんな攻防が長い時間続いた。

内容、点差から考えても、どっちに勝利の女神が微笑むかわからない接戦だった。ただ、私には現時点で、この2チームが何度やっても結果は同じものになるようにも感じられた。

2年連続でトップリーグと日本選手権の2冠を達成した東芝府中。成績だけ見ると一強のそれだが、全ての試合を圧倒(圧勝)してきたわけではなく、今回のような接戦をものにしてきた。今季のトップリーグファイナル(サントリー戦)もそうだし、昨年の日本選手権はNEC相手にスコアレスドローの双方優勝。その負けない勝負強さたるもの、言葉で説明し難い。

“勝つ”ことと“負けない”ことは一見同意語のように感じる。私も、この違いがよくわかっていない。ただ、東芝の強さを形容すれば、どうしても後者のように感じてならない。

東芝の選手はブレークダウン後の攻防が強くて上手い。それは、相手選手も認めることだし、ターンオーバーの多さからも間違いない。

でも、テレビで観ていると、彼らがテクニックを持つ集団には到底見えない(玄人の方には一目瞭然なのでしょうが)。派手なプレーや上手さを感じさせるプレーのほとんどは外国人選手のボールハンドリングや突破のような気がする。このチームを支えるものは、地道で泥臭いタックルとひた向きなランニングと痛いプレーをいとわない姿勢。そんなラグビーの原点がこのチームには凝縮されている。


今季の東芝府中が一番強かったことは証明された。

そして、それを支えたものは屈強なディフェンスだと私は思っている。変な言い方だが、東芝ディフェンスを東芝オフェンスは突破できないと私は思う。東芝選手の個々の強さ(倒れない強さ)やモールの力は間違いなくNo1だろう。でも、それをもってしてもあの魂のディフェンスを突破できない。彼らの守りに対する集中力は並大抵のものではない。

黄金期の神戸製鋼はスマートなエリート集団だったにもかかわらず、ゴール前の守備では無類の強さを発揮した。おそらく、新日鉄釜石も自陣22mラインからは別チームになったような雰囲気を醸し出したことだろう。

ディフェンスには、技術や戦術が必要なことは言うまでもない。ただ、22mライン内からはそれだけでは足りない。“意地”というスパイスが必要となってくる。負けないチーム、強いチームに共通している所は、その“意地”の強さが秀でている。今季の東芝にはそれが間違いなくあった。

サントリー、トヨタ、ヤマハ、神戸製鋼に早稲田。全てのチームが自陣ゴール前で根負けしてしまう場面があった。同じ5点でも、あっさり取られるのとそうでないのでは全く違う。

強い、堅い、重い。東芝の守りはどれも当てはまるが、彼らの守りの真骨頂は“しぶとさ”や“粘っこさ”だと私は思う。


今回の決勝戦はシーズン最終戦の儚さだけではなかった。東芝、トヨタ両監督の勇退が決まっていたので、その様相はさらに色濃いものとなった。勝っても負けても最後。両チームの選手はいつも以上に大きなものを背負いながらのプレーだったことが、この試合をより激しいものにした。

東芝・薫田監督、そしてトヨタ・朽木監督。彼らの試合後の晴れ晴れとした表情と潤んだ瞳を忘れられない。

2人の功績は、単に強いチームを築き上げたことだけではない。両者とも90年代のジャパンを担った名フッカーと名センター。ラグビーファンの方々は彼らのプレーが未だ目に焼きついているのではないでしょうか。

多くの競技(特にボールゲーム)では、“名選手名監督にあらず”というのが定説である。今回勇退を決めた2人はその概念を打ち破ったことは言うまでもない。

そういえば、ラグビーの世界では選手、そして指導者としても成功を収める者が多い。ラグビーという競技は、フィールド内での戦術眼やキャプテンシーが、指導者になってからもそのまま生き続ける特性があるのでしょうか。そういう意味では、現日本代表ヘッドコーチにも大いに期待したい。

薫田氏は23歳以下日本代表のフロントに入った。その手腕が若手育成に生かされることでしょう。ゆくゆくは、日本代表の…とは、今年ワールドカップを控えているのに、まだまだ気が早いですね。


今季のラグビー界は清宮、薫田、朽木、春口などなど、多くの名将にスポットが当たる年でもありました。

人気スポーツや成熟したプロスポーツでは、監督や指導者がより注目される傾向にあると思う。そういう意味では、ラグビー(トップリーグ)もその仲間入りを果たしたと言える。


今季のラグビーは面白いゲームが多かったし、内容も濃かった(と思っているのは私だけかもしれないが)。

このリズムや勢いを夏のワールドカップに生かしてほしい。

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posted by uzura176 |02:58 | ラグビー | コメント(1) | トラックバック(1)
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2007年02月22日

日本ラグビー界に突如現れた新星

冬のスポーツでもあるラグビーシーズンも終焉を迎えようとしている。

今週の日本選手権決勝、東芝ブレイブルーパスVSトヨタ自動車ヴェルブリッツは、両チームの監督が今シーズン限りの勇退を決めている。勝っても負けても最後の試合。両フィフティーンも単なる1試合、いや決勝戦以上の思い入れで闘うことだろう。準決勝は観れなかったが、この決戦は目に焼き付けておきたい。


いや、待てっ!(自分で突っ込むことほど恥ずかしいことはない…)今年は4年に1度のワールドカップがある年だ。終焉どころかこれからが勝負なんだ。と、1ラグビーファンとして気合を入れ直させてもらう。

待ち遠しい反面、まだカーワンHCが就任して間もないジャパンには、少しでも時間がほしい。


先日発表された代表候補には、ものすごいサプライズが隠されていた。

19歳の小野選手が大抜擢された。別に19歳という年齢が驚かれた理由ではない。この年齢でフル代表に選出されることはサッカー界では当たり前だし、元代表の平尾選手や現代表の元木選手や大畑選手もそれくらいの年齢で選出されていたような気がする。

驚くべきは、なんと彼の生まれは日本ながら、そのほとんどをラグビー大国ニュージーランドで育ったというのだ。現在もカンタベリー大学に在学中で、しかもNZのU-19代表候補にも選ばれているというのだから、それを聞いただけでも期待せずにはいられない。


なんか、昔こんな話を聞いた時があったような…

あっ、サッカーの日本代表初のW杯でもあったフランスW杯直前で代表に選ばれた…小野っ!ひとつ違いとはいえ、名前までも一緒じゃないですか。しかも、攻撃的MFとスタンドオフ(SO)というチームの司令塔的なポジションもよく似ている。因縁どころの話ではない。親戚か?

海外(しかも本場中の本場)からの逆輸入という意味では“キングカズ”こと三浦知良選手ともかぶる。

まだ1度もプレイを観たことはないが、勝手に日本の救世主なんて盛り上がっちゃっています。

とはいえ19歳で、しかもスタンドオフという要のポジションで、しかもW杯まで半年と迫った状況である。彼が即レギュラーなんて甘い世界でもないし、日本ラグビーを舐めてもらっては困る。ただ、こういう逸材が現れたことも事実。長――い目で見守りながらも、期待もしたい。常に味方に指示を与えるポジションなので、年齢に関係なく物怖じしてやってくれれば、と思う。


ラグビー日本代表のW杯といえば、第1回大会から連続で出場し続けているが、世界の厚い壁に跳ね返され続けている。現段階でまだ1勝しかあげていない。

他競技のファンは、体格やフィジカルがものをいうラグビーの世界では日本代表が世界の巨漢たちに太刀打ちできるはずがないと思っていることでしょう。もしかしたらラグビーファンまでもが、そう思っているのかもしれない。確かに間違ってはいないと私も思う。

でも、今年のW杯は日本にプロリーグ(トップリーグ)ができて初めて挑むW杯でもある。

よくよく考えても見て下さい。日本にJリーグができるまでのサッカー日本代表にとって、W杯なんて夢のまた夢だったじゃないですか。

ラグビーでは、プロリーグが建ちあがる前からW杯の常連だったわけですから、サッカー界と同じような進歩を遂げれば…なんてそれこそ甘くないが、その期待をするだけの前例をサッカーや野球が作ってくれている。大いにその夢に乗っかりたい。


それにしても、小野選手は代表候補に選ばれたことよりも、ジョン・カーワンHCから直接電話をもらったことの方が嬉しかったらしい。カーワンが母国での知名度の高さったらすごいものがあるんでしょうね。さすがオールブラックスの伝説のウイングだけはある。

実は私、ゴタゴタ続きの協会が付け焼刃のようなかたちで就任を要請したカーワン氏にはいいイメージを持っていなかったのですが…このエピソードを聞いて、小野選手共々カーワンにも期待せねばと考えを改めました。

ジーコとかぶるような気がしないでもないが…いや、王監督にしておこう。何事も前向きが一番大切だ。


今年の日本はラグビーの年だったと、年末に言われてたらええなぁ。

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posted by uzura176 |06:06 | ラグビー | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年02月11日

敗者から学ぶ”らしさ”とは?

今日は、ラグビー日本選手権のヤマハ発動機VS関東学院大学の対戦をテレビ観戦。

NHKも気合が入っていて生中継していました。先週のトップリーグのプレーオフファイナルが、深夜2時からの録画中継だったので(民放ですが)、ゲームの重要度とテレビ事情は比例しないのだなと、ひとり渋々納得しておりました。


唯一勝ち進んだ学生チームの関東学院が、トップリーグの上位チームにどれだけやれるか、という所に焦点が集まりました。

昨年の日本選手権で、早稲田大学がトヨタ自動車から大金星を挙げていることもあって、ファンは今年の学生チャンピオンに大いに期待をかけていた。私も大学選手権の決勝を観ていて、今年の関東学院はなにかしでかすのではないという思いがありました。

でも、社会人の壁はまだまだ厚い。14-53で敗戦。

ただ、私はこの試合はかなりの好ゲームだったと思っている。40点差近く開いて、トリプルスコア以上での敗戦に健闘もくそもないのかもしれない。

でも、これからの学生ラグビーにも明るい兆しがあるように感じた。


試合はなんと開始早々から関東学院が2トライを奪う(結局その後は無得点ということになるのだが)。そして、前半は風上ということもあって2点リードで折り返す。接点でも、密集地点でのボール争奪戦、ブレイクダウンの競り合いにおいて関東学院に分があった。この時点で後半の一方的な展開を予想できたファンは少ないだろう。

でも、結果後半戦は、ガス欠状態に陥った関東学院はなす術なく、ヤマハにトライを奪われ続ける。

後半開始直前の関東学院の春口監督だけが、「いい展開だが、ヤマハの重圧がボディブローのように効いてきた」とおっしゃっていて、まるでこのような展開を予期させるような口ぶりでした。

でも、それだけのリスクを背負いながらも前半からフルスロットルで勝負をかけた関東学院のスタイルは支持できる。はっきり言って、今日のような負け方はみじめで無様だと思う。ただ、明らかに実力や体力が上回る相手に、のらりくらりやって、無難な負け方を選ぶよりはよっぽどましだ。


ここでテーマとなるのは“スタミナ”。こんな風な書き方をすると、圧倒的にヤマハがスタミナで関東学院を凌駕したように感じられることでしょう。しかし、スタミナ面で若い学生が社会人チーム圧倒されるというのもおかしな話です。

でも、ラグビーにおけるスタミナや体力とは“走力”だけを指すものではない。もしかしたら、その部分だけとると関東学院の方が、ヤマハを上回るのではないか。

後半の15分でガス欠した理由は他に何かあるはず。それは、体をぶつけ合う、そしてそれによって奪われるスタミナをなのかもしれない。

いつも学生チームが社会人チームと対する時、モール攻撃でその体力が削がれていく。今日のヤマハも前半から劣勢でありながら、その部分では抜かりなかった。

社会人(プロチーム)は、学生とやるときに、走り合いっこにもちこまない。あくまでも自分の土俵に引きずり込むスタイルで戦う。おそらく、相手のスタイルで真っ向勝負しても社会人の方に分があることは間違いないだろうが、その辺はプロの勝負に対するシビアな姿勢なのかもしれない。昨年トヨタが早稲田に敗れたのは、相手の土俵で戦ってしまったことも、大波乱を演出してしまったひとつの理由だと私は思っている。

先週のトップリーグファイナルのファイナルも少し似たように面持ちがあった。スタミナという部分だけではないのですが、体力に上回る東芝がサントリーを破り3連覇を達成した。


でも、私は日本人に合う、そして日本ラグビーが世界に対抗する為のスタイルは、敗れたサントリーや関東学院の方に隠されているのだと思う。

モールやセットプレーの重圧は、体重がものをいってくるので日本人が世界で勝負するのは難しい。


接点の回数が増えるのはいい。ただ、その時間を極力短くする。時間が長ければ長いほど体力を奪われ続けていくだろうから。そして、ボールを動かし続けることにより、相手の走力面でのスタミナを消費させる。

先程、そのNHKの“サンデースポーツ”で先日、日本代表のヘッドコーチに就任したカーワン氏のインタビューを聞けた(なんで春口監督やのにカーワンやとHC?)。

その中で彼は「日本らしいスタイル」とという言葉を何度も発していた。無理に体格や言葉も違う国のスタイルに合わせることはないと。日本には日本の“売り”があるはずだと。

これは、サッカー日本代表のオシム監督も全く同様なことを言っている。

なぜ、自分たちのいい所が山ほどあるのに、人の真似事ばかりするのかと。


今、日本フットボール界の最大のテーマは“らしさの追求”にあるのかもしれない。

いや、フットボールだけには限らない。

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posted by uzura176 |23:50 | ラグビー | コメント(0) | トラックバック(2)
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2007年01月26日

地に堕ちた王者と日本のエース。でもこのままでは終わらない。

ラグビートップリーグの最終節が終わり、早2週間。

ラグビーファン、いや関西のラグビーファンとして受け入れがたい事実からの現実逃避のために、あえてその話には触れないようにしていました。

プレーオフにあたるマイクロソフトカップに4チームに、関西のチーム名は見当たらない。全てが愛知のトヨタ自動車より東のチームが名を連ねた。

1位 東芝ブレイザーズ
2位 サントリーサンゴリアス
3位 ヤマハ発動機ジュビロ
4位 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

トップリーグが始まるまでは、ヤマハ、トヨタは西リーグ所属となっていたが、冷静にその所在地ちや地域性を考えてみると、それは単なるチーム数のバランスを計っただけのものがわかる。

高校は西高東低。大学は西低東高。がここ数年のラグビーファンの中では定説だった。

社会人やトップリーグでは、神戸製鋼の存在が、そんな地域格差を意識させない唯一の砦のようなものだった。が、上位4チームの名を改めて見るとどれだけ神戸製鋼におんぶに抱っこだったかを思い知らされる。

その神戸製鋼と同じく本拠を神戸に置く、名門且つライバルでもあるワールド今季のトップリーグで最下位に沈み、来季からトップチャレンジリーグへの降格が決まった。来年は関西のラグビーファンの大イベント“神戸ダービー”が見られない。


今年の大学選手権の決勝は、当然の如く関東の大学同士の対決。その試合は地域という括りが気にならないほどの熱戦だった。本当にいいゲームも観させてもらった。

だったら、トップリーグもそんなことにこだわらず、レベルの高いラグビーを満喫すればいい、と言われてしまうかもしれない。でも、プロスポーツはその地域性が大きいと私は考えている。それがあるからこそプロリーグと言っても過言ではない。単にその競技を高いレベルで争うだけことだけがプロスポーツない。地域と地域の闘いでもある。その要素を排除したプロリーグどれほどの魅力があるのだろうか。

だからこそ、関西2チームの体たらくを残念に思うし、悔しくならないのだ。


愚痴ってばっかりでは仕方ないので、少し振り返ってみたい。当然、神戸製鋼に焦点を当てようと思うのだが、私もシーズンでその試合を3試合しか観ていないので大きなことは言えない。

ただ、その対戦相手の東芝やサントリー(今季の1位2位)とは、ちょっとやそっとでは埋まらないであろう差を感じてしまった。得点差だけ見れば接戦なのですが…90年代から最先端のラグビーを展開し続けてきた神鋼。だが、トップリーグ元年の初代優勝チームとはいえ、その面影はない。むしろ、過去の産物からの脱却にこまねいているようにすら見えた。

その一番の要因は“世代交代”かもしれない。社会人リーグを7連覇している時だって、次々と大学の有力選手がそのラグビーに憧れ神鋼の門を叩いた。そして、常に選手の循環が成され、しかも年々そのレベルも上がっていった。7連覇の中でいつ頃がピークだったかは人それぞれの考え方があるだろうが、私は個人の力量だけでみれば後期だったように思う。

今、その強き時代を知る者は、元木選手、大畑選手、八橋選手、伊藤剛臣選手にFWの第一列といったところしか残っていない。が、その選手たちがまだまだ主力であるし、若手選手をプレーや言葉で鼓舞するのを観ていると、何か寂しくもある。ちょっとしたミスで、顔が強張る若手選手をよく見かけた。7連覇時代に入ってきた選手(元木選手や堀越選手)は自信満々どころか、ミスしても取り返してやるくらいのふてぶてしい態度だった。今の選手たちはその王朝時代の伝統にのまれていやしないか。自分たちで新しい時代を築くくらいの気持ちがなければ、これからも衰退の一途を辿る。

そして、昨今フットボール(サッカーやアメフトでも)で求められる“運動量”や“持久力”が劣っている。これは、現代ラグビーの中では致命傷である。ラグビーの試合80分を常に全力で走る、戦い抜くということは、強豪国の代表でも難しい。それが、ラグビーの過酷さでもある。だから、どのチームもペース配分やゲームのリズムを掴む事が大事である。

極端なことを言ってしまえば、神鋼はその配分が上手すぎる。それは、全力で走る(動ける)時間が短いことをさすし、チーム全体の体力が欠如していることを現しているのではないか。東芝やサントリーは、出し惜しみなく80分走れるくらいの自信があるように感じる。だから、少々思い切った配分でプレーできる。体力が精神的なゆとりまで生んでいる。この差は勝負を分ける要素として決定的だと思う。それは、ここ数年の神鋼ファンであれば皆感じていることでしょう。

ただ、神鋼伝統のパスワークやハンドリング技術はいまだに生きている。全てが劣っているわけではない。ラグビーの原点回帰が今このチームに求められている。基礎体力なくして、華麗な展開ラグビーは成立しない。

来年は、逞しくなった神鋼を観たい。いやこのチーム、彼らは、それをする義務があるくらい思っている。


そして、最終戦でアキレス腱断裂という大怪我を負った大畑選手。神鋼に限らず、日本ラグビーのエースの負傷は、ラグビーファン皆の心を痛めた。今年の夏のW杯に間に合うかというのかというのが気になる。幸いにも、手術は成功し、6月辺りの復帰にめどがたったようです。肩の手術もしたようで痛々しい格好になっていましたが…2度のW杯を経験し、ラグビー大国でもそのスピードが話題になった彼は、どんなに若手が育とうともその存在感はなくてはならないもの。トライ世界記録をもつ男が、桜のジャージを着ないわけにはいかない。

彼は「怪我前よりグレードアップして帰って来る」という頼もしい言葉を言った。少し、軽い雰囲気のあった男が、本当の強さを持って復帰するような気がする。


神戸製鋼、そして大畑選手の復活を私は信じている。

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posted by uzura176 |23:54 | ラグビー | コメント(2) | トラックバック(1)
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2007年01月18日

今さらながら大学選手権決勝回顧

NFLのプレーオフにばかり心を奪われ、ラグビーの大学選手権決勝を振り返っていませんでした。今さらながらではありますが、自分の復習もかねてプレイバック。

まず、これは私が応援していた関東学院が優勝したから言うわけではないが、ここ数年の大学ラグビーの試合の中でも、屈指の好試合だったと思っています。ここ何年かは、一強の時代が続いていたので、決勝戦でも大差になったり、前半で勝負が決してしまうような年が多かった。今年は4強に関西勢が食い込んできたこともあり、各大学の実力差が拮抗していた。決勝に限らず、接戦が多かったのは、ファンにとっては喜ばしいことだと思います。


私が予想した展開は半分当たって、半分は外れたという感じでしょうか。

関東学院が勝つには、もっともっとFW戦に固執することが条件だと思っていましたが、早稲田のお株を奪うBKへの展開ラグビーを見せてくれた。早稲田のBK陣の守備が悪かったというわけではないが、虚を突かれた雰囲気はあった。

特に、前半戦にあれだけの走り合いに持ち込む関東学院を予想した人は少ないだろう。持久力的は早稲田に分があるので、あの展開で最後まで持つか持たないかは、原口監督にとっても賭けだったと思う。

これはFWにも言えることだが、関東の選手は相手を抜くことより、その後のラックや集散に重きを置いていた。

しかも、そのラックでの争いに無類の強さを感じた。早稲田の第3列も走れるチームではあるが、関東学院は同じ人数、もしくは人数で劣っていても、奪取する場面が多々みられた。私は未経験者なので、あのラック内で何が行われているかというのはわからないが、おそらく関東の選手の技術力と1cmでも体をボールの前に出すという執念が上回ったのだろう。

高校ラグビーやトップリーグを見ていて、ラグビー界もサッカー界の潮流と同じように、走ることや体力がものをいう競技になりつつあると考えていた。でも、ラグビーの原点には、接点(体をぶつけ合う局面)で負けないことが重要であることを、この試合を通じて再認識させられた。


早稲田の敗因は、ラインアウト(セットプレー)の不安定さにあったという意見が大半を占めているようです。確かに、現代ラグビーではラインアウトはより確実にとれるルール設定になっているので、50%を切るような獲得率はかなり低いと思う。そこでのターンオーバーが早稲田のリズムを崩す原因にもなったし、後半はタッチに蹴りだしたい場面で苦しまみれの展開も見られた。

ただ、そのミスだけが早稲田がリズムに乗れなかった原因だとは思えない。FWの主力選手に怪我人が出たこともそうだろうし、相手の攻め方をつかめなかったこともそうだろう。

でも、決定的なミスは、このゲームに挑む心構えだったような気がする。決勝の前評判は圧倒的に早稲田だった。それは早稲田の選手にも耳に入っていたことだろう。その周りの声に、選手やチームが浮き足立った面があったのではないか。3連覇という大目標があっても、それを達成するのは容易だと考えてはいなかったか。そして、昨年大金星を挙げた日本選手権に気持ちが行ってしまっていたのかもしれない。

関東学院は選手権で尻上がりに調子を上げていたし、10年連続の決勝ともなれば地力も確かだ。ラインアウトの不調は予期できないにしろ、ある程度劣勢になることも予想できたはず。

序盤戦で、関東学院が一気の攻勢をかけ連続トライを奪った場面でも、早稲田の選手の表情は呆然としたものだった。“こんなはずではない”と。実力的には充分逆転できるのに、頭の切り替えが遅れた。早稲田が勢いに乗り始めたのは、ある意味開き直ってからだろう。試合前から、ああいう劣勢の展開を想定していれば、もっと違った展開も見られたのかもしれない。

とまぁ、結果論でしかないことばかり言っているが、試合終盤の早稲田の怒涛の攻めを見ていると、関東学院を応援していた私は冷や冷やモンでした。最初からあんな捨て身のラグビーを展開していたらと思うと、ゾッとします(おそらく関東のFWは最後までもたなかったと思います)。あれだけ質の高いラグビーをするチームが負けてしまうのだから、ラグビーもやはりメンタルスポーツなのでしょう。

それにしても、3連覇がこんなにも高い壁だなんて…あの早稲田ですら駄目なんですから。そう考えると、それを達成した同志社、そしてその3年間全てにチームの主力として活躍した平尾誠二という選手は只者ではなかったということでしょう。高校、大学、社会人全てで結果を残してきた彼は正に生きる伝説。


試合後の関東学院原口監督のインタビューは聞き応えのあるものでした。「スターはいらない、雑草でも花が咲くんです」なんてことは、自分のやってきたことに自信がない人には言えない言葉だろう。その後の「次はサントリーを倒しますか」は、彼の負けん気の強さの現われでもあるのでしょう。この人がいる限りは、関東学院は弱くならんなぁ…

個人的には、早稲田のSH矢富選手の涙が印象的でした。4年生とか3連覇ではなく、単純に負けたことが悔しいという感じでした。慰めに来たチームメイトを振り払っていたのにはビックリ。負けず嫌いどころではないんでしょうね。彼は、これからの日本ラグビーを背負っていく逸材(あれだけサイズのあるSHは日本では稀です)なのでこの敗戦を糧にしてほしい。


久しぶり大学ラグビーで心躍るゲームを観ることができた。「関西、関西」とばかり言っていた自分が馬鹿のように思えてきます。いい試合に地域は関係ない。

ほんまにええ試合やった。

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posted by uzura176 |03:17 | ラグビー | コメント(8) | トラックバック(1)
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2007年01月12日

明日はラグビー大学日本一決定戦

明日はラグビー大学選手権決勝。

私の中では、2日に我が関西勢の大体大と京産大が敗れた時点で、今年の大学ラグビーは終了と考えていた。でも、やっぱり大学の頂点を決める一戦を見ないなんて、あまりにも惜し過ぎる。

決勝のカードは、早稲田VS関東学院。なんと6年連続で同一カード。平尾誠二率いる同志社以来の3連覇を目指す早稲田と、10年連続選手権決勝に駒を進めた関東学院の闘いは、大学ラグビー界の至高の一戦。どちらも、全国の有力選手を集めていると非難する声も聞かれるが、そんな理由だけでこの快挙を達成できるはずがない。

前評判は、やはりスター軍団早稲田に分があるようです。ただ、今シーズンも何試合か観ましたが、清宮監督率いる昨年までの絶対的な強さや安定感には欠けるようにも思います。私は、関東学院に肩入れして見ようかと思っています。


今回は、2日の準決勝を参考にしながらゲーム展開を予想していきたい。大体大と京産大はスタイルが違えど、実力は均衡しています。そういう意味では準決勝2試合が決勝に進んだ両チームの指標にもなるのではないかと。

ちなみに、準決勝のカードとスコアは、関東学院VS大体大は34-3、早稲田VS京産大が55-12。どちらも実力通り、大差のスコアとなりました(関西人として、悔しいことこの上ないですが)。

ただ、同じような大差の勝利とはいえ、内容は関東学院の方が圧倒的に良かったように思う。関東学院は、FW戦でも大体大を圧倒していた。大体大は伝統的に強力FWを売りにしているので、関東学院は相手の長所すらも消していたことになる。そして、解説者の人が何度も言っていた“接点の強さ”。ひとつひとつのタックルはもちろん、ラックのような密集での技術力が大体大を凌駕した。後は、セットプレーでの安定感も見逃せない。ラインアウトに関しては、ターンオーバーは考え辛い。


片や、早稲田は格下とも言える京産大相手(京産関係者の方、ごめんなさい)に大苦戦。特に前半は、打倒関東を掲げる筆者に奇跡を予感させるほどの内容でした。京産大の泥臭いFW戦にお付き合い。早稲田伝統のピッチのサイドは広く使う展開ラグビーをさせてもらえなかった。

だが、考えようによっては、横綱早稲田が相手のお得意スタイルを受けたともとれる。ノーサイド直前のペナルティにゲームを通して劣勢だったスクラムをあえて選んだのは、その表れだろう。あえて、自分のたちのパターンに持っていかず、相手を倒す。そこに今の早稲田の強さがあるのかもしれない。もし、全員が即代表に選出されてもおかしくないバックス陣が、縦横無尽に走っていれば、この点差では済まなかっただろう。


明日の闘いは、関東学院が早稲田の良さを消すラグビーをしにいくだろう。京産大のゲームプランが大いに役に立つはず。3年連続同じ相手に負けるわけにはいかないので、なりふり構わぬラグビーを展開すると予想しています。原口監督はそれプラス更なる秘策も考えていそう。

早稲田は、準決勝のように相手の土俵で戦うのか、それとも自分のスタイルに引きずり込みにいくのか、見物である。最後の最後は、走りまくるラグビーで栄光を勝ち取りにいくような気がしています。

先日、早稲田は清宮前監督が現在率いているサントリー(トップリーグ2位)と練習を行ったらしい。いわば、出稽古のようなものでしょうか。しかも相手が相手なので、かなり実のあるリハーサルになったことだろう。また、早稲田がひとつ有利になる材料になったような気がする。


早稲田の優位は動かない。ただ、関東学院FWが早稲田FWとの消耗戦に勝った時(逆になる場合も大いにありえますが)、勝機を見出せるような気がする。

なんにせよ、明日が待ち遠しい。

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posted by uzura176 |22:49 | ラグビー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年01月07日

花園決勝の見所。名勝負になる予感あり。

明日、いやもう今日です。近鉄花園ラグビー場で、全国高校ラグビー大会決勝戦が行われる。

昨年はもう少し高校ラグビーのことを書いていたのですが、今年は著者の正月ボケのせいで決勝当日だけになってしまいました。

今年は応援していた京都成章と大阪桐蔭が、元日の3回戦で共に敗れ去ったショックをここまで引きずってしまいました。と、わけのわからん言い訳をしております。


決勝のカードは、東海大仰星高校VS東福岡高校の横綱対決となりました。決勝がAシード対決になるのは、かなり久しぶりのような気がします。ここ10年辺りは、Aシード対Bシードの決勝戦がほとんどだったように記憶しています。そういう意味では、高校ラグビーファンが待ちに待ったカードが実現したように思います。今大会は波乱の少ない、順当な結果に収まった傾向にあるようです。

しかも、この両チームは前評判に違わぬ力を発揮し、圧倒的な攻撃力で勝ち進んできました。ここ数年の高校ラグビーの主流は、ディフェンス力に重きを置かれていたので、これは新しい時代の到来を予感させる。

両チームの勝ち上がりのスコアを見ただけでも、その凄まじい攻撃力は窺える。


準決勝まで4試合全て50点以上を奪った(史上初)東福岡高校は、個々の能力がず抜けている。特にFWの第3列の走力がこのチームの礎になっている。横のサイズがあるにも関わらず、無尽蔵な体力を誇りラックや集散では他チームを圧倒していた。この得点力は個々の突破力よりも、マイボールを保持し続けられる強さにあるような気がする。


片や東海大仰星の売りは、同じFWでも第1列の強さと重さ。なんと、3人の平均体重は悠に100kgオーバー。FW8人の平均も100kg弱と大学や社会人チーム級の重量FWを擁する。重量FWは仰星の伝統でもありますが、ここまででかいのは高校ラグビーではお目にかかれない。しかも、この大型選手たちがラインに入るとBK陣に負けないくらいのハンドリング技術をもっているのだから驚きだ。普段からボールを触る練習もしっかりしているのでしょう。

それに加え、バックス陣もタレント揃い。特にSO山中選手の個人技は高校生レベルにない。大型SOでありながら、スピード、テクニック、キック力全てが洗練されている。平尾誠二の再来と言っても過言ではない。大学の間にフル代表に呼ばれることは確実でしょう(関西に残ってほしいなぁ)。彼だけでなく決定力のある選手が揃っているので、FW依存型のチームではないことは確かだ。


でも結局の所、勝負のあやは“守備力”にあると思っている。というよりも、どれだけ守備をしなくて済む状況を作るか。どちらのチームも圧倒的な力で相手をねじ伏せてきた感があるので、そのディフェンス力が未知数な部分も多い。速い集散を売りにしている東福岡は相手にボールを渡すこと自体が少ないし、相手ゴール前ではその重さを存分に活かすことのできる仰星はターンオーバーが少ない。両者とも相手に攻め立てられる時間がほとんどといってなかった。

逆に言えば、今までの試合のようにディフェンスの時間が短い方に分がある。ボール保持率の高さが、勝敗の鍵を握るのではないか。

両チームとも縦と横のバランスが優れた展開ラグビーで得点積み重ねてきた。ただ、高校生レベルでその鮮やかなスタイルはミスを誘発しやすい。明日は、天気も微妙だ。そのミスは相手のボールポゼッションを増やすことにつながる。自分たちのスタイルを貫くか、それともボール保持に主眼に置いた消極的なラグビーをするのか。私はその部分に注目してみてみたい。個人的には、仰星が後者のスタイル(モールや密集サイドをつくFW戦)にもちこむような気がしています。

後、ポイントとなるのは、セットプレーと反則。私は仰星戦しか観ていないのですが、今までの試合ではスクラムで相手ボールを奪う場面も見られた。逆にラインアウトではマイボールを失う場面が目立ち、セットプレーの出来が勝負を大きく左右しそう。そして、仰星はFW戦での反則(ペナルティ)が非常に目立つ。唯一とも言える弱点らしい弱点。密集戦に無類の強さを誇る東福岡だけに、仰星は自らの反則でペースを乱す恐れもある。


仰星のゲームしか観ていないので、仰星中心に書きましたが、力は五分五分と考えています。東福岡悲願の初優勝も見てみたいし、関西人として8年続く京阪高校の優勝が途切れてほしくない気持ちもある(決勝進出も合わせると11年連続。今年で12年連続は確定ですね)。春の選抜大会決勝では31対15で仰星が勝利したが(今年はこの2校が抜けていたということでしょう)、その差はさらに縮んだという専門家も多いようです。

今年の決勝は高校ラグビー史上に残る、レベルの高い戦いになること間違いなし。今まで興味がなかった人にも是非とも観てほしいと思います。


決勝とは関係ないのですが、毎年毎年長崎の高校は良いチームが出てくる。昨年の長崎北陽台の継続ラグビーに魅了されたが、今年の長崎北高校も公立で唯一のベスト8進出。準々決勝の仰星戦でも、ラグビー=体格ではないことを印象付けてくれた。全てのチームの試合をみたわけではないが、私が独断と偏見で選ぶ、最も印象に残ったチームです。

目立たないですが、長崎って、高校スポーツのレベルが非常に高い。しかも、地元の選手だけで全国の舞台で対等に渡り合うのだから、スポーツ熱の高さを窺える。


最後に、明日の決勝は14:00から全国ネットの生中継。解説は平尾誠二氏。おそらく仰星監督の傍らには大畑選手。

そして、ゲストには芸人の中川家の2人。経験者だけあって、ラグビーの話をしている時の表情は少年のようです。5年連続花園のハイライト番組パーソナリティを務めていて、彼らの一言一言にはラグビーに対する想いが詰まっています。弟の礼二氏の「僕は弱いチームにいたから、大差で負けているチームの子の辛さが痛いほどわかるねん」という言葉は、名選手や解説者では中々出てこないものです。ゲームもそうですが、豪華な放送席にも注目です。


見逃したらアカン!

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posted by uzura176 |01:00 | ラグビー | コメント(6) | トラックバック(0)
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2006年12月28日

ラグビーファンにとって1月は楽しみでもあり正念場でもある

今年も残るところ後5日、いやあえて12月の残り5日とさせてもらおう。

当然、12月が終わると1月。その1月に最も最盛期を迎える競技といえばラグビー、と勝手に思い込んでおります。ラグビーファンにとって1月は、正月気分に浸る暇もない。

全国高校ラグビー大会(花園)に大学選手権にトップリーグのプレーオフ。全てがこの1月に佳境を迎える。


全国の高校ラガーメンにとって、花園は夢の舞台であることは誰もが知っている。でも、その次の目標と言えば、花園での年越しである。年末から開幕するので、ベスト16に残らない限りは、花園で正月を迎えることができない。当たり前だが、花園での年越しなくして、全国制覇はないのだ。元旦に行われる8試合は、サッカーの天皇杯と同じように、その日にラグビーをやれる幸せに浸りながらプレーできる。高校ラガーメン冥利に尽きるとは言い過ぎなのかな。

今年、私が注目しているチームは、一昨年の覇者啓光学園を破ってきた大阪桐蔭と昨年の覇者伏見工業を倒して全国への切符を手に入れた京都成章。どちらも力があるチームなので、府大会決勝の快挙で満足するたまではない(両チームともBシードなのかな?)。勢いに乗って全国制覇を狙ってほしい。いや、まずは花園で年越しでした。

優勝候補筆頭の東海大仰星は、府大会の代表決定戦で、テレビの画面を通しても伝わってくるほど、素行(詳しくは書きませんが)が目立ったので、正直応援できません。滅茶苦茶強いチームだと思いますが、だからこそラガーメンらしく紳士たる態度で試合に臨んでほしい。本当は地元なので応援したいんです…


そして、1月2日は大学選手権のベスト4。フットボーラー(サッカーも)の聖地・国立競技場での2試合。しかも、この日の試合は、毎年のようにNHKさんが2試合連続でLIVE中継。ラグビーファンにはたまらない1日です。

だが、毎年この日のために辛い想いもしている。おそらく、全国のほとんどがそうだと思うのですが、2日といえば、百貨店や服屋が店開きでバーゲン初日なんです。私もセコイ人間なので、1円でも安く服を手に入れたいのですが(皆さんそうだと思いますが)、2日は家のテレビに噛り付かなければならない。なんだったら、ラグビーの前に箱根駅伝の往路だ。よくよく考えてみると、ここ十数年冬のバーゲンに行った事がない。昨日も、“去年バーゲン行こうって誘ったのに「ラグビーが…」と断られた”というお叱りを受けた所です。

更に今年は、東高西低甚だしい大学ラグビー界にあって、なんと今年は関西から大工大と京産大という2大学がベスト4に進んだのだ。長らくラグビーを見続けてきたがこんなことは初めてだ。相手は絶対王者早稲田と長年大学ラグビー界を支えてきた関東学院大。勝てる確率は、どちらも一桁であることには違いないが、関西ラグビーファンとしては奇跡を信じるしかない。

あぁ、やっぱり今年もバーゲンはおあずけだ…スポーツオタクは犠牲にするものも多い…


そして、トップリーグのプレーオフ(マイクロソフトカップ)も1月から始まる。こんなところにまで企業名をねじ込む当たり、まだまだ企業スポーツの粋を脱していないような気もするのだが、もう気にしないでプレーオフって言い張ってやろうと思います。

今年は東京の2チーム、東芝ブレイブルーパスとサントリーサンゴリアス(結局ここにも企業名が…プロ野球を参考にしたのかな)がつっ走って、早々とプレーオフ進出を決めた。残る2枠を神戸、ヤマハ、三洋、トヨタが争う。この4チームは勝ち点1差でひしめいているので横一線と言ってもいいだろう。

もちろん私は、この4つの中で唯一の関西チームでもある神戸を応援する。いや、関西のチームそう倒れなんて、絶対に許されない(勝手にラグビーご当地だと思い込んでいますので)。

それにしても、プレーオフの開催地はまだ発表されていないのか…今年は順位の高いチームにホームゲームアドバンテージを与えるということ?もしそうだったら、1位と2位は東京のチームだから関西では行われないのかもしれない。

それは、困る…だって、神戸がプレーオフに進出したら応援に行こうと思っているのに…

面白いもので、先程バーゲンを断られたと愚痴っていた子は、偶然にも開幕戦の神戸VSサントリー戦を観ていて「サントリーにリベンジしたい」なんて言い始めたんです。基本的にはリーグ戦は各チーム1回しか当たらないのに「次サントリーとやるのはいつ?」なんて無茶を言います。「可能性があるのはプレーオフやけど、それでも当たる可能性は低いで」と教えてあげたら、「大丈夫、もう1回チャンスはくるはず。そのときは応援行くで!」とわけのわからん自信まで見せ付けてくれます。っていうか、いつから神戸ファンになったんや?っていうか、ラグビー好きなん?

そこまで言うのなら、そうなった時は付き合おうと思っていたのですが、開催地すら未定では、身動きとれません。協会の人、はっきりしておくれ。


とまぁ、自分勝手なラグビー論を書き綴ってしまいました。あっ、ラグビーらしい話ゼロでしたね…

そして、1月はNFLのプレーオフの時期でもある。フットボール馬鹿にはこの時期は非常にハードです。

同じ日に両方見ると頭の切り替えが難しいです。同じ楕円球でフットボールなのにルールや戦術が嫌ってほど違いますから。


でも、なんだかんだ言いながらも1月のスポーツシーンは、スポーツ馬鹿を熱くさせてくれる。

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posted by uzura176 |12:17 | ラグビー | コメント(0) | トラックバック(1)
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2006年11月23日

早慶戦はいつも人のハートを鷲掴みにしよる

今日はスポーツ観戦三昧。30分後にアメフトを観なければならないので、慌てて書かしてもらおう。


先程ノーサイドの笛が吹かれた、伝統の一戦、ラグビーの早慶戦。もちろん、終わりたてホヤホヤの試合の結果報告なんて野暮なことはしません。楽しみにしている人も多いことでしょうし。

早慶戦は、ラグビーファンであれば、観ることが義務であるかのようなカードです。在校生や卒業生やらで、秩父宮もパンパンでした(それも恒例ですが)。私もその義務を遂行しているまでなのだが、面白くない気持ちもある。

生まれも育ちも関西の私にとっては、そりゃそうです。ましてや、高校ラグビーは関西の方が強いもんだから、大学ラグビーが関東ばかり盛り上がるのを悔しい気持ちで一杯になるのも無理はない。もうただの焼きもち以外の何者でもない。ええ歳こいてみっともないのはわかっているんですが…

今日だって、冷めた目線で観てやろうと決めていました。

でも、やっぱり無理やった…そういえば、去年も同じこと言いながらもテレビの前で叫んどったな…どっちの卒業生でもないのに…

なんで、早慶戦やアメフトの関京戦のような伝統の一戦では、ここまで心揺さぶられるのだろう。もう、私のようなスポーツ馬鹿には麻薬です。

それは、スポーツがどれだけ選手たちのメンタルひとつで、観る側の心へ影響するかを物語っている。ましてや、ラグビーやアメフトのような激しいコンタクトがある競技では尚更です。ほんまにこの試合で死んでもいい、くらいの勢いでタックルしているように見える。


正直な所、早稲田と慶応、そして関学と京大は実力差がある。客観的な予想をすれば、9対1くらいのものであろう。でも、心の中では何かを期待してしまう。そして、試合が始まってみるとそんな実力差を超越した戦いを観ることができる。

今日の試合だって、実力が劣るはずの慶応の選手たちの眼が弱者のそれではない。むしろ、日本代表経験を持つ選手を揃える早稲田相手に自信すら窺わせる。よくよく考えてみれば、慶応伝統の“タイガータックル”は、相手にのまれている選手ができる賜物ではない。いや、早稲田戦までは、あの激しいタックルは封印しているのかとも感じてしまうくらいです。

結果をわからないようにすると言った手前、試合内容のことを全然触れることができなかった。今さらながら失敗したかなとも思う。

個人的には、昨年の大差になった試合の方が心打たれた(今年は昨年より接戦になったとだけ書いておこう)。あの試合の慶応のタックルの激しさといったら、1年たった今でも消えないくらいですから。

早稲田の次の相手は、これまた長年のライバル明治。早明戦を忘れるなと怒られますよね。昨年は試合前も試合後も白旗を上げていた明治だが、今年は好調らしいので意地を見せてくれそう。

こうも伝統一戦が続くと観る方も大変です。

そして、また日本選手権でこのカードを観れる可能性も高い。今回見逃した方はそのチャンスを是非ともものにして下さい。ラグビーを全く知らない方でも充分楽しめると思いますよ。

そういえば、先週関西リーグの同志社対京産大の試合を観た(結果は8年ぶりに京産大の勝利)。関西の1位2位を毎年争う屈指のカードなのだが、悲しいかな今日の早慶戦と比べるとまるで次元が違いました。

今年も関東の壁は高そうです…ちなみに前回関西の大学が日本一になってから20年以上が過ぎた。

でも、諦めん!って強がるしかない… 

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posted by uzura176 |19:03 | ラグビー | コメント(2) | トラックバック(0)
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2006年11月14日

大番狂わせはこうして起こった。でも絶対王者の価値は変わらない。

昨日は、長々とやってしまいましたが、今日こそは啓光学園VS大阪桐蔭のゲームを振り返りる。

啓光が敗れるという波乱劇があったことは、昨日の通りです。啓光ファンの方には申し訳ないが、この番狂わせに至った要因について掘り下げていきたい。

まず、最初に確認しておきたいことは、今年の啓光が弱くはなかったということ。4連覇をした各年のチームよりは、個人技、成熟度、体格では劣るのかもしれない。ただ、啓光伝統のディフェンスも健在だったし、セットプレーの安定感もあった。敗れたチームに言うのはなんだが、充分全国制覇を狙えるレベルにあったと思う。昨年のように5連覇へのプレッシャーがない分、今年のチームには期待していたのだが…

特に、相手選手の動きとボールを殺すタックルは芸術品と言ってもいい過。1人目が足元に食らいつき、すぐさま2人目が相手にダウンボールをさせないようにボールへ絡みつく。タックスやディフェンス面では、その日出場していた6チームの中でも群を抜いていた。


それでも敗れたのには、訳があるはず。大阪桐蔭のラグビーが素晴らしかったの一言で片付いてしまうのだが、今回は啓光中心で考えていく。おり探しになってしまうのですが…


まず一番に挙げたいのは、花園名物の“風”。全国大会の舞台で、府予選の決勝をやってしまうのもどうかと思うのですが、これも昔からの伝統と言ってしまえばそれまでです。

全国大会の常連でもあり、花園を熟知しているはずの啓光がその“風”を味方につけられなかったことを以外に思う人も多いでしょう。でも、いつも全国大会で風を味方につける啓光とは違っていた。その日の風が強烈なものだったこともあるし、まだ今年のメンバーは花園経験が浅かったというのもあるかもしれない。なんにせよ、風に対する意識が高かったのは相手大阪桐蔭だった。

なぜ、ここまで風にこだわるかというと、ラグビーは数ある屋外競技の中でも、風が勝負のあやを分ける時が多い。陣取りゲームなので、圧倒的に向かい風のチームは不利になるわけだ。風の影響は、高く蹴り上げたキックの時だけではない(もちろん、その時の影響が一番大きい)。たった、数メートルとなりの選手へパスをするのにも影響がある。楕円のボールは、球体のボールより空気抵抗を受けやすい。しかも楕円球であるがゆえに、サッカーのようにグランダーのパスは出すことができない。楕円球の奥深さは、転がる時の予測できないバウンドだけではないのだ。

そして、この風がゲームプランを大きく左右する。先程説明した通り、戦力が均衡しているチーム同士では、追い風のチームが圧倒的にゲームを支配する。

ほとんどの場合、生駒山から吹き抜けてくる風の方向は決まっている。そしてその風が、横風にならないように花園競技場は設計されている(と私は思い込んでいる)。だから、前後半で双方の立場が全くと言っていい程ひっくり返る。前半風上を選んだチームは先行逃げ切りを狙い、後半風上を選んだチームは追い込み差し切りを狙う。30分(高校ラグビーでは)の風上タイムだが、その時間の長さは、前半か後半かだけでなく、展開や疲労度によって大きく変わってくる。それも、ラグビーの面白さのひとつです。


この試合では、啓光が前半風上、大阪桐蔭が後半風上でした。どちらかというと啓光は全国の舞台でも、このパターンを選んでいるような気がします(コイントスに勝った場合)。そういう意味では、王者の必勝パターンだったとも言える。

ただ、この試合前半を終わった段階で8対0。もしかしたら、啓光のゲームプランとしては最低2トライ差くらいを見込んでいたのかもしれない。思い通りに進んでいない焦りから、後半らしくないプレーが見えたようにも見えた。

更に悪いことに、この日はかなりの強風だったのだが、前半30分より後半に、明らかに風が強くなったのだ。風という自然の要素はこれだから恐い。同じ30分の時間を与えられているからといって平等ではない。この日の生駒の神様、花園の神様、ラグビーの神様(そんなものいるのかどうか知りませんが)は、大阪桐蔭に味方したのかもしれない。スポーツの話をしていて、“勝利の女神”は一番使ってはいけないような気もするのだが、昨日はそれを感じずにはいられなかった。そして、後半のラインアウトのスローインさえままならないレベルの強風に達した時点で、啓光側には嫌な予感が現実になることを感じてしまったのではないか。

それは逆も言える。大阪桐蔭はこれで勝てる芽が出たと。風ひとつでこれだけメンタリティーに影響を及ぼす。それもラグビーであって、高校スポーツなんです。

ちなみに、大阪桐蔭の監督さんは試合後のインタビューで「今日は前半我慢すれば後半にチャンスが来る」と試合前から選手に言っていたそうです。結果論なのかもしれませんが、ガッチリと作戦も当たったのでしょう。


2つ目に、体の大きさ。

昨年の全国大会で負けた時も書いたのですが、啓光は年々、小型のチームにシフトチェンジしている。今年もまた、小さいチームを作ってきた。15年前を思い出すと、もっとFWの攻撃にこだわった無骨なラグビーを展開していた(ドライビングモールは今や啓光の代名詞)。

体格がものを言う世界で、潮流と逆行しているのかもしれない。ただ、確固たる立場を構築しているにもかかわらず、更なる進化を遂げようとする姿勢には頭が下がる。

私立校で全国一の知名度であれば、ナンボでも将来有望な大型選手を引っ張ってくることもできる。でも、あえてそれをしない。私は、学生スポーツで常勝校というのは、どうも苦手です。反感びいきもあるのですが、何かアマスポーツ、学生の良さを感じられない。

でも啓光だけは別なんです。常勝チームでありながら、あぐらをかかない。もしかしたら、勝つこと以上に難しいことなのかもしれない。

そして、体格や体重に固執しないラグビーは、日本ラグビーになにかを訴えているような気がしてならない。日本人らしいラグビーで、しかも世界と渡り合えるラグビー。言葉では簡単だが、その道は果てしなく険しい。ただ啓光を見ていると、日本協会や日本代表よりもそのビジョンがしっかりしているように思う。


今回、ラグビード素人が冴えない分析をした。ラグビーはもっともっと奥深いものです。でも、ラグビーに興味のない人が少しでも関心を持ってくれたらこれ幸いです。

啓光学園は負けた。

伝統の傷をつけたのかもしれない。単に弱かっただけなのかもしれない。

ただ、私は彼らをかっこよく思えてならない。

私にとって日本ラグビーは桜じゃない。ロイヤルブルーの方が相応しい。

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posted by uzura176 |23:42 | ラグビー | コメント(0) | トラックバック(0)
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