2009年09月09日

アレン・アイバーソンの出す”アンサー”はいかに?

      何故この男には運がないんだ……

不遇の男である。

A・Iことアレン・アイバーソン(デトロイト・ピストンズ)。
今の彼には、この言葉がぴったりと当てはまってしまう……
数年前までは、“ポストMJ(マイケル・ジョーダン)”とまで謳われた彼が、今苦境に喘いでいる。

身長が183cm(実際はそんなにはないらしい)の彼は、NBAファンの私に限らず、日本人ファンには偉大かつ心揺さぶられるプレーヤーである。

人気だけではない。
得点王4回、シーズンMVP1回、2000年からオールスターに10回連続出場(しかもそのほとんどがファン投票)。
2000-2001年シーズンには、チーム(フィラデルフィア・シクサーズ)をファイナルまで導いた。
しかし、まだチャンピオンズリングを手に入れることはできていない……
高校時代はアメフトプレーヤーとしても数々の記録をもつ。
数々の栄光と記録、そしてあのプレイスタイルの記憶。
すべてが超1流であることを証明している。

今年34歳の彼にファンはなにを求めるのだろう。
波乱万丈のNBA生活の中でも、彼にとって今季は進退を賭けた年になるのかもしれない。

昨季のファイナルから早3か月。
このシーズンオフ、各チーム補強やドラフトやトレードで、着々と来季に向けてのチーム作りが進んでいる。
ビンス・カーターやシャキール・オニールなど大物も、移籍市場を賑わせている。
そしてもう、各チームの来季のスタメンや戦術は固まりつつある。
 

       行き先が決まらない苦しみ

しかしである。
これだけ移籍市場が動くさなか、A・Iの立場はまだ宙ブラリンの状況である。
皮肉なもので、NBA人生初のFA権を得た今季、彼にはまだ移籍先が決まっていない。
デトロイトに残留という可能性は限りなくないに等しい。
ピストンズは、彼と同じポジションで同じスタイルのベン・ゴードンをブルズから獲得し、A・Iは戦力外、は言い過ぎだが、お払い箱状態にある。

もうひとつネックになっているのは、彼の年俸。
全盛期に比べればかなり抑えられたものになっているが、サラリーキャップ制が採用されているNBAでは、彼の給与は決して安いものとは言えない。

そしてもうひとつ。
多くのチームが彼を獲得したがらない理由のひとつに彼のプレイスタイルがある。
ここ数年のチャンピオンチームは、チーム力や総合力でその栄光を手にしてきた。
昨年チャンピオンチームのレイカーズのコービー・ブライアントでさえ、今やチームの得点リーダーという役割ではなく、チームを引っ張る真のリーダーに変貌している。

それに引き替え、A・Iといえば、未だそのプレイスタイルがいい意味でも悪い意味でも全盛期のままなのである(ある意味この年齢であの1on1をやり続けることは凄いのですが)。
13年間、彼がチャンピオンリングを手にしていないということは、“彼のような選手がいるとチームは優勝できない”ということを暗にほのめかしているようなものなのかもしれない。
だから、彼を欲しがるチームが少ない。
これは、ある意味必然であるのかもしれない。


     彼をみつめるファンの気持ちは複雑だ

ただ、ファンにとってはこんな悔しいことはない。
確かに、勝利も優勝も大切だ。
“結果がすべてではない”なんて甘っちょろいことは言いたくない。
でも、彼の見せてきたプレー、そして心意気(背の低いものが高いものに立ち向かう)やその姿勢を、“結果が出ないから”という一言ではどうしても片付けたくない。
それに誰よりも勝利を欲しているのは、彼自身であることをみんなわかっている。
それは13年間であれだけの成績を収めながら、一度もリングを掴んでいない彼だから尚更であろう。


彼の残りのバスケット人生は少ない。
プレイスタイルや体格、そして怪我の多さを考えると、ジョーダンやシャックのような年齢までというわけにはいかないだろう。
喉から手が出るほど欲しいチャンピオンリングを、彼は残りの現役生活の中で手に入れることができるのだろうか……

そこには、多くのハードルがある。
まずは、彼のプレイスタイルを変える必要性。
そして、チャンピオンを狙えることのできるチームへの移籍。
そして、ベンチプレーヤーであることをのむ必要性。
どれも、ファンからすればあまり観たくない彼の姿である。
でも、理想と現実を天秤にかけると、彼が変わらなければならない点は多い。


       彼の人気にあやかりたいチームは多い

実は彼の獲得に名乗りを挙げているチームがないわけではない。
むしろ、虎視眈々と彼を獲得しようとしているチームは少なくない。
だが、そのどのチームも決して優勝争いに絡んでくるようなチームではない。
唯一可能性があるのは、マイアミヒートくらいだろうか。
そして、そんな弱小チームたちでさえ、彼をベンチからスタートなどの条件や安めのサラリーを彼に飲むように迫っているような状況である。
ちなみに、現時点の最有力候補はメンフィス・グリグリーズらしい(昨年の成績でいえばウェスタンカンファレンス・サウスウエストでダントツの最下位……)

彼を獲得しようとするのにはわけがある。
だって、彼の人気は未だ絶大なものだから。
いわば、“優勝も狙えない”“チームの人気もイマイチ”のチームたちが、彼を客寄せパンダとして彼を獲得しようとしているのである。

こんな悲しいことはないし、由々しき事態だと思う。
だが、これが今の彼に付きつけられた現実であり、現状である。


       それでも皆彼の闘う姿を望んでいる

私は彼のどんな姿が観たいのか…… わからなくなってきた。
もちろん、彼には一度はあのトロフィーを掲げる姿をこの目に焼き付けたい。
でも、それはベンチスターターの彼でもないし、チームメイトに合わすことに腐心している彼ではない。
全盛期のようにまではいかないが、大男たちに立ち向かい、そして華麗にかわし、そしてフロアに叩きつけられても何事もなかったように立ち上がる彼の姿。
いい意味でも悪い意味でもエゴイストの彼。
そう、背中でそしてプレーでチームメイトを引っ張り、闘う姿を彼が引退するまで見続けたい。

おそらく、こんな感傷論に浸っていては、彼がチャンピオンになる姿を観ることはできないのだろう。

でもそれでもいい。
媚びて、スタイルや生き方を変えた彼の姿は見たくない。
私にとって彼はヒーローだから。


       その答えは彼が決めること

“The Answer”(彼のニックネーム)
彼の答えはどこにあるのだろうか?

今はわからない。
ただ、私は最後まで彼の雄姿を見続けたい。
それがどんな答えであれ……

A・Iに言いたい。
君のことを認めないファンはいるだろう。
でも、君のことを嫌いなファンはいない。
少なくとも私は会ったことがない。

君の明るい未来をみんな望んでいるんだ!

彼の残り現役人生に幸あれ。

posted by uzura176 |23:52 | バスケットボール | コメント(0) | トラックバック(1)
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2009-09-10 21:38 | 続きを読む
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