2006年10月05日

"アニキ”に勝るとも劣らないタフな男がNFLにはいる。

プロアスリートたるもの、休まずプレーすることが最低限にして最高に難しいノルマだ。


これを実践できているものは、一握りしかいない。常に極限状態でプレーし、怪我と隣り合わせであれば、それも致し方ない。


プロ野球では、“アニキ”こと金本選手がフルイニング連続出場の世界記録をいまだ更新中。もう1000試合を越えてしまった。彼のプレーをみていると、この記録は途絶えることがないような気すらしてくる。鉄人、いや超人。どのチームのファンでも、彼に畏敬の念を抱くことだろう。


そして、アメリカのNFLにも“アニキ”に負けず劣らずタフな男がいる。いや、競技が違うのだから比較すること自体ナンセンスなのはわかっている。ただ、金本選手とどうしてもダブってしまうのだ。


その男の名はブレッド・ファーブ。グリーンベイ・パッカーズのクォーターバック(以下QB)。全米で彼の名を知らないものは、まずいない。そんな有名人をこれ見よがしに紹介するのも気がひけるのですが…

彼はNFLで245試合連続先発出場記録を金本選手と同様記録更新中です。

えっ!たったそれだけ?とお思いの方もいることでしょう。でもこれって、えげつない記録なんです。なんせ2位の選手の記録がこれの半分程度なんですから。

そして、NFLのシーズンは1シーズンでたった16試合。プレーオフでスーパーボウルまで進出しても19試合。245試合ということは何年出場し続けているんや…って考えて頂くとその記録の凄さがわかって頂けるのではないでしょうか。


数字だけではピンとこないかもしれません。

ただ、アメフトにおけるQBというポジションが、実に大変な仕事であることは言うまでもない。野球で言えば、投手と捕手と4番打者を足したようなものです(なんだったら3塁コーチも加えてもいい)。

正しくチームの柱で、チームメイトの信頼を勝ち取っていないものには務まらない。逆を言えば、相手チーム(選手)にとっては、QBを潰すこと=勝利、の方程式が成り立ってしまう。

アメフトは90%のプレーがQBにボールが手渡される(スナップされる)所から始まる。そのQBがパスしたり味方に手渡す前に潰してしまえば、その攻撃は成り立たなくなってしまう。

だからこそ、相手守備陣のほとんどはQBに襲い掛かることだけを考えていると言っても過言ではない。

NFLの選手と言えば、2mや150kgなんてのは当たり前、そんな奴らが一斉に襲い掛かってくるのだ。

もちろん味方が守ってくれるのだが、それは絶対ではない。QBがタックル(QBサック)を受ける時は、ほとんどが無防備な状態(投球ホームに入っているので)。危険どころか命がけのポジションです。怪我が少ないはずがない。


彼は一時期、痛み止めを服用し過ぎで、選手生命が絶たれかけた時もある。そんなことは他の競技では中々考えられないことです。壮絶なアメフト人生の中で、この偉大な記録が更新され続けていることは言うまでもない。


そして彼は、ただ連続先発出場記録を持つだけの選手ではない。QBとして輝かしい実績や記録も数々持っている。もちろんチャンピオンズリングも持っているし、3年連続シーズンMVPなんて、未だ破られていない記録もある。


そして、何より彼は全米中から愛されている。こんなことを書いていると自分の背中がむず痒くなるが、事実なのだからそう書かざるえない。アメリカ人「ファーブは大っ嫌い」って言う人がいたらお目にかかりたいものです。

彼の人生の物語は、そこらのドラマよりも泣ける。波乱万丈なんて言葉では片付けられない(紹介しきれません)。そんなドラマチックな面も、ファンが彼に惹かれる要因のひとつかもしれない。

もしかしたら、どんな記録よりも、彼にとってはファンにから愛され続けることが財産なのかもしれない。


そんな彼も今年37歳(金本選手と一緒かな?なんか因縁を感じてしまいます)。ドラフトでは高い評価を受けていなかったのも“アニキ”と似ています。そんな彼も、昨年あたりから引退を囁かれています。

彼の所属するグリーンベイ・パッカーズは今年も戦力が整わず苦しい戦いになることは否めません。彼の限界説も後を絶たない。

それでも、グリーンベイの人々は彼を支持し続ける。彼はもう1アスリートの域を出て、グリーンベイの誇りともなっているから。彼が自ら身を引くまで絶対彼のことを見捨てることはない。

もしかしたら、今シーズンで彼のNFL人生は終焉を迎えるのかもしれない。

だからこそ、彼のプレーを目に焼き付けておかねばと思う。

アメリカの“アニキ”は、アメリカの“英雄”でもある。

posted by uzura176 |22:47 | アメフト | コメント(4) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/uzura176/tb_ping/120
この記事に対するトラックバック一覧
10月10日のおすすめ 【おすすめエントリー集】

祝!ホークス第二ステージ進出と投手陣への苦言。 【ブログ】ナイターとビールとちゃぶ台  昭和男の独り言 スがPOの第2ステージへ駒を進めた。昨年もPOで涙を飲んだホークスに筆者がエールを送る。 三浦淳宏〜「男」は義務を果たせるか。〜 【ブログ】日本には、Jリーグがある。 1への移籍が噂されながらも、ヴィッセル神戸に残った三浦アツに感じた「男」の意地。

2006-10-12 12:27 | 続きを読む
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
Re:"アニキ”に勝るとも劣らないタフな男がNFLにはいる。

こんにちは。

第4週のパッカーズvsイーグルス、見ました(アップしようと思いつつ、ついついNFLよりも人気がないというかメディアにひどい扱いを受けているテニスのアップに必死になっています/笑)。

ファーヴのこと、放送で解説の後藤完夫氏も「僕も愛しています」と、愛の告白をしていたのが笑えました(笑)。

パッカーズのオフェンス陣を強化すれば、まだまだファーヴもやっていけるような気がしないでもないんですけど、今年は本当にプレーオフ進出も難しいですよね。

連続先発出場など、記録のために来季もやったりなんかしないかなぁ、などと思ったりもしますが、本人は個人記録よりもチームの勝利や、SB進出&制覇が第一でしょうか。

試合の最後でイーグルスのディフェンスにハードヒット食らって頭か首かを痛めたようで心配です。

posted by takezoh | 2006-10-05 23:23

Re:takezohさん

NFLにお詳しいtakezohさんにはちょっと物足りなかったと思います。

後藤さんはちょくちょく解説を忘れてただのアメフト馬鹿になる時がありますよね。でも、それがいちゃってほど伝わってくるから誰も文句が言えない。

テニスもフェデラーが初来日らしいんでtakezohさんはまた忙しい日々をお過ごしなんだと思います。

パッカーズに関してはかなり厳しいですよね。少なくとも今年POに行く可能性は2桁%はないと思います。少なくともあのオフェンスラインではファーブが今回のような怪我をしないか心配です。

もうちょいグリーンベイのフロントはしっかりしないと、ファーブにおんぶに抱っこじゃ、彼が辞めた後、49ersのようになりそうで心配です。

私はファーブの豪腕はまだまだいけると思っていますが、今年のようなチームであれば彼は来年ピッチに立たないのではないかと。

有終の美ってわけにはいかないようですね。

posted by uzura176 | 2006-10-06 00:12

Re:"アニキ”に勝るとも劣らないタフな男がNFLにはいる。

はじめまして。

>もうちょいグリーンベイのフロントはしっかりしないと、ファーブにおんぶに抱っこじゃ、彼が辞めた後、49ersのようになりそうで心配です。

ファーブが最近インターセプトが多いといわれますが、
DF陣が大量点取られ、距離を稼げないRBなら
投げるしかないのに
ファーブが悪く言われる。

ファーブがいるうちにGBは補強しないと
本当に49ersのようになってしまうと思います。

NBAのシカゴブルズのように
一度落ちてしまうと再建には
時間がかかります。

ではまたきます。

posted by べんとうころころ | 2006-10-20 12:15

Reべんとうころころさん

こちらこそはじめまして。

アメリカのスポーツ(特にアメフト)はスタッツが大きく取り上げられますから、ちょっとかわいそうな気もします。インターセプトってもちろんQBのミスって場合が多いんでしょうけど、他の要因もいっぱいありますしね。パッカーズはWRが心持たないだけでなくラインのパスプロもかなりしんどいですから、ファーブも大変でしょう。ブロンコスのオフェンスラインだったらファーブは今でもかなりの数字を残すんじゃないでしょうか。

ファーブが現役でいる間は、パッカーズがまた昔の輝きを取り戻すことはなさそうですね。今シーズンの試合を見たところかなりの重症だと感じてしまいました…ファーブファンとしては辛いです。

ちなみ、今年のシカゴブルズはかなり期待できそうですよ。ここ数年、若手が育っていて、しかも今年はFAで大黒柱が入りました。ファイナルとまではいいませんが、かなりのところまでいくかもしれません。

むさっ苦しいところですが、またお待ちしています。

posted by uzura176 | 2006-10-22 03:11

コメントする