2008年07月30日
日曜日に行われたナイキ・ハーフマラソンの前々日に記者会見が行われ、加納、嶋原らも出席した。その際に記者たちから非常に興味深い質問が出た。
「なぜ、あなた方以外の日本人選手は出場しないのか?」
「なぜ、日本人選手はあまり海外レースに出場しないのか?」
私も常々、思っていたことだったが、アメリカの記者から質問されると、急に現実味が増してくるから不思議だ。
両選手は、「ほかのチームの事は良く分からないが、チームの監督の意向なのではないだろうか。私たちの監督は、世界のトップ選手と走ることが、最大の経験になると考えている」というようなことを話していた。
NYロードランナーズのディレクター、メアリーは力のある選手を集めて、レースを開催する事に情熱を燃やしている。国籍、人種などは一切こだわらない。過去に、何度も日本人選手をNYシティマラソンに誘っているが、「エキデンがあるから来られないのよね」とこぼす。だからこそ、セカンドウィンドを始め、日本人選手が10kmのロードレースや今回のハーフマラソンに出場してくれる事が本当にうれしいようだ。
海外レース出場の賛否はチーム、そして選手個人によって異なるだろう。だが、嶋原選手の「何度か一緒に走ることで、どういう走りをする選手なのか分かるようになるんです」という言葉に耳を傾ける必要がある。大阪・世界陸上で6位入賞している彼女の言葉には、力がある。
フルマラソンであれば、準備にある一定の時間がかかり、また失敗が許されないというプレッシャーなどもあるだろう。だが、ハーフであれば練習の一環として参加することもできると思う。
2006年から開催されているNYのハーフマラソンは、一人でも多くの日本人選手に経験してほしい、そう思える大会だ。
写真:10位入賞の嶋原選手
posted by Oikawa |13:14 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月30日
先月末に行われた陸上のジャマイカ選手権のドーピング検査の結果、オリンピック代表選手の中で、陽性反応を示した選手がいるというニュースが報道された。ニュースによると「大物選手ではない」とのこと。
これが氷山の一角の出来事なのか、組織ぐるみのことなのか非常に興味深い。ちなみに、ジャマイカの陸上界に詳しい人によると、ジャマイカには大きな陸上クラブがいくつかあり、権力争いが激しいらしい。今回の事がその争いから生まれたのであれば、その根は深いように思う。
マリオン・ジョーンズ、ジャスティン・ガトリンといったオリンピックのスター選手が相次いで陽性反応を示したため、アメリカの陸上界にはダークな印象がある方が多い方もいるだろう。全米陸上の際に、ヨーロッパの記者から「彼らをクリーンにできないのかい?」とかなりきつい言い方をされたが、薬物使用に関しては、一国ではなく、陸上界全体で取り組むべき問題のように感じる。
アメリカ陸連やアメリカドーピング機関、アメリカ五輪委員会は、「クリーンなスポーツの再生」を目指して、協力して様々なプロジェクトを行っているが、浸透にはまだまだ時間がかかりそうだ。
北京五輪でも多くの検査が実施されるはずだが、試合前の抜き打ち検査も含め、厳しい検査、そして違反者には厳罰を科してほしい。
posted by Oikawa |10:18 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月30日
日曜日にNYで行われたナイキハーフマラソンでセカンドウィンドの加納が3位、嶋原が10位に入った。
「おなかの調子があまりよくなかったし、調子自体、下がり気味だった」と加納はレース後に話したが、スタートから積極的に引っ張り、自らレースを作り上げた。その姿勢には、NYロードランナーズのディレクターやTVの解説者からも賞賛の声が上がった。
北京五輪代表のデレバやペレスと互角に戦った加納だが、最後は、スピードの差が出てしまい、トップのデレバと12秒差、2位のペレスに5秒差の1時間10分31秒で3位。ハイペースにつかず、自分のペースで堅実に走りきった嶋原は1時間13分41秒で10位。
特筆したいのは、今回のコースについて。
スタートから9キロほどは起伏の厳しいセントラルパーク内を走るため、通常のコースよりも1分ほど優勝タイムが遅くなっている。普段からクロカンなども練習に取り入れている成果が出たのではないか。
月曜日にNYからメイン州に向かった二人は、この後、10kmのレースに出場する。その後、加納、嶋原共に秋のマラソンに向けて練習に入る。
結果
1位 1時間10分19秒 キャサリン・デレバ(ケニア)
2位 1時間10分26秒 マダイ・ペレス(メキシコ)
3位 1時間10分31秒 加納由里(セカンドウィンドAC)
10位 1時間13分41秒 嶋原清子(セカンドウィンドAC)
posted by Oikawa |09:15 |
大阪・世界陸上 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月24日
全米の休養日の際に、アメリカチームのリレーコーチ、ブルックス・ジョンソンと話をする機会があった。大阪でリレー4種目で金メダル独占をしたが、北京でもその再現を当然ながら目論んでいる。駒も揃っているため選手を選ぶのも一苦労と、まさに「うれしい悲鳴」をあげている。
本来は選手発表までリレーのオーダーなどはメディアに教えてはいけないのだが、「アメリカ人記者じゃないから」とこっそりと教えてくれた。男女の4×100mリレー、マイル共にゾクゾクするようなメンバーばかり。大阪のタイムを上回れるのかも楽しみだ。
その際に、ふと「アメリカは駒が揃っていていいですね」とこぼしたら、「日本だってメダルを取れる。なぜそんな風に後ろ向きなんだ!」と注意というか叱責された。そして、去年の大阪での日本チームの記録と、アテネ五輪の優勝タイムを今、この場で比較してみろ、とも言われた。
その2つの記録を比較すると
アテネ五輪 4×100mリレー
金 38秒07 イギリス
銀 38秒09 アメリカ
銅 38秒23 ナイジェリア
4位 38秒49 日本
大阪世界陸上 4×100mリレー
金 37秒78 アメリカ
銀 37秒89 ジャマイカ
銅 37秒90 イギリス
4位 37秒99 ブラジル
5位 38秒03 日本
机上の計算では、大阪・世界陸上の日本チームは、アテネ五輪の優勝チームをタイム的に上回っている。また、タイムだけを単純比較すると、大阪での日本チームは、ヘルシンキ世界陸上(1位フランス:38秒08)、パリ世界陸上(1位アメリカ:38秒06)、エドモントン世界陸上(1位南アフリカ:38秒47)をも上回っている。
もちろん、アメリカやジャマイカの選手たちの走力、バトンパスの技術なども以前よりも上がってきているため、北京で日本がメダル圏内とは言い難い。だが、勝負は、いつ、何が起こるか分からない。ジョンソンコーチは「最初からムリだと決め付けるな」ということを言いたかったのだろう。
個人的には、日本の4継チームのメダルの可能性は高いと思う。もし日本がメダルをとったら、ブルックス・ジョンソンはこう言うだろう。
「ほら、言ったとおりだろう」
写真:全米の際に、選手やコーチのサインを集めていた少年。
posted by Oikawa |19:11 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月23日
日本選手権の女子10000mをFlotrackで観戦した。全米の女子10000mの女の戦いもすごかったけれど、日本女子もすごい!ライブではもっとすごかったのだろうな、とちょっと残念。
この映像は、日本在住のアメリカ人の方が撮影し、Flotrackに投稿したものだが、長距離を良く知っている方らしく、表現が面白い。例えば、残り3人になったときに「Anybody's race(誰が勝つか分からないレース)」とか、「観客は今日、Boxing Matchのようなレースを期待していたはずだが、その通りのレース展開になった、など取材で使えそうな言葉が盛りだくさん。
TVを見逃した方、必見です。
posted by Oikawa |16:45 |
北京五輪 |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2008年07月23日
話題が古くなってしまうけれど、全米の翌日の空港でのヒトコマ。
夕方の便を待っていた女子100mハードル3位のダウン・ハーパー、男子110mハードルのデイヴィッド・オリバー、女子100m2位のトリ・エドワード、男子100mのリロイ・ディクソンなどが、空港のラウンジやカフェでくつろいでいた。
全米を競技場で、そしてテレビで観戦した人たちは、選手を見かけると「北京でもがんばれ!」「昨日はいい走りだったぞ!」などと声援を送っていた。子供たちは、帽子やTシャツにサインをしてもらおうと奔走。子供たちに「サインください!」とねだられ、選手たちは本当にうれしそうにサインや記念撮影に応じていた。選手たちは、名前の上に自分の種目と2008という数字を書き込んでいた。オリンピックに出場する名誉をかみしめながら、書いたのではないだろうか。
驚いたのは、惜しくも3位には入れなかったが、決勝に進出した選手にも声をかけるファンがいた点。3位に入れなければ負け、ではなく、決勝に進出し、自己ベストを出したことを評価する点に、アメリカのファンの質の高さが伺えた。そういった声援を受けたのが、男子400mハードルのフェリックス・サンチェスのガールフレンド。デイビスは女子100mハードルの選手で「彼と一緒に北京に」と話していたが、残念ながら5位に終わった。「いい走りができたから満足。夜の便で自宅に帰って、明朝6時の飛行機でローマに行くの」と笑顔。決勝での走りを称えるファンの声援を背に、飛行機に向かった。
写真:膝の怪我を乗り越え、女子100mハードル3位に入ったハーパー
posted by Oikawa |14:27 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月19日
今回の全米陸上では、本当にたくさんの貴重な出会いがあった。大阪でのほんの些細な出来事がきっかけで、今回も助けてくれた陸連のドクター、内緒で北京のリレーメンバーを教えてくれた大御所コーチ、そのほか、本来ならば大会中は難しいはずの取材もなぜかすんなり受け入れてくれたコーチ陣。わずか2週間だったが、今までで最も実の多い取材となった。
そのほか、選手の家族とも接することができた。写真は、前々回紹介したデイヴィッド・ペインのご両親。帰りの空港のトイレで会い、デイビッドの話に花が咲いた。大阪での活躍、そして北京のことで話は尽きなかった。
女子200mで3位に入ったマーシャベット・フッカーのお父さんとは、競技場のセキュリティー・ゲートの前で会った。インターネット接続のパスがほしいと主張するお父さんとボランティアがもめていたのを助けたのがきっかけだった。元バスケの選手だったお父さんの話は、マーシャベット本人の話よりも面白かった(笑)
選手、コーチ、代理人、家族、そして彼らの友人などから、本当にたくさんのサポートやアドバイスを受けることができた。彼らに対する感謝を決して忘れず、謙虚に進んでいきたい。
写真:大阪・世界陸上の110mハードル3位のペインのご両親。北京での再会を約束した。
posted by Oikawa |19:29 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月15日
アメリカの陸上チームの代表が発表されたが、やり投げのブリュー・グリアが入っていたのには驚いた。
昨年まで全米8連覇を成し遂げていたが、今年は春先から肩を痛めており、本人いわく、「まともに戦える状態じゃない」。医者にも「こんな状態で全米に行くなんて、もっとひどくなるから止めておけ」とドクターストップをかけられていたが、強行出場した。
去年は、「怪我なしで投げられるのが、こんなに楽で面白いなんて知らなかった」と笑顔だった。確か1本目でアメリカ記録となる91m29を投げ、さっさと消え去ってしまい、報道陣を慌てさせていたような記憶がある。大阪では86m21で3位。国際大会で初のメダルを獲得している。
「肩が痛くて、全然投げられる状態じゃなかった。馬がいたけど、捕まえられなかったよ。みんな、がっかりしなくていいよ。これで今季は治療にあてられるから。僕のためにハッピーになってくれ。じゃー、来年会おうねー。来年はベルリンだねー」
唖然とする私とFlotrackのマークにこんな言葉を残してそそくさと立ち去ったグリア。怪我はひどそうだが、北京は出場するだろう。1本でも良いから、満足のいく投擲をしてほしい。
posted by Oikawa |17:41 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月15日
北京五輪のアメリカ代表が決定した。総勢126選手という大所帯。チームとしての目標は、「メダル獲得数で他国に負けないこと」。メダル20~25個くらいが狙いか。
写真:日系人の母を持つ10種競技のブライアン・クレイ(中)
posted by Oikawa |05:27 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月14日
※全米陸上の行われたユージーンは『陸上の街』とも呼ばれている。
※『最も厳しい代表選考会の本拠地』
※『ここで勝負できるレベルにいる人は、幸運だ』(意訳しすぎ?)
ユージーンの空港の壁の看板には、こんな言葉がズラリと並んでいた。飛行機を降り立った時には、「ああ、これからオリンピックの選考会なんだ」と心が躍ったが、帰りには「代表になれなかった選手は、どんな気持ちでこれをみたんだろう・・・」と心が痛くなった。
でも、皆、もう次に向かって動き出している。アメリカの選手は、本当にタフ。
posted by Oikawa |09:03 |
北京五輪 |
コメント(0) |
トラックバック(0)