2008年01月06日
箱根駅伝が終わった。
アメリカ在住なので、残念ながら現場取材はおろか、テレビ観戦もできない。だが、幸運なことにインターネットラジオを聴くことができた。
中継を一言で書くと、「驚き」だった。ラジオのリスナーは耳から受ける情報だけがすべてである。しかし、中継アナウンサーの叫び声で、正直何を言っているのか良く分からない。また過剰な演出が多く、何を伝えたいのか理解に苦しんだ。必要な情報が得られず、イライラが募った。
今回は残念ながら3校の選手が体調不良や怪我のために棄権してしまった。聴いている側としては、「どの大学の選手が、どの地点で、なぜ棄権してしまったのか」が知りたい情報である。だが、アナウンサーは「ああ、一体どうしたと言うのでしょう」的な、煽るようなコメントばかり。
ひたすら淡々と事実のみを伝えてほしい、などという堅苦しいことは言わない。だが、必要な情報すら伝えず、自分の感情に流されるのはいかがなものだろうか。
ラジオ放送の唯一の救いは、ゲストが冷静に状況判断してコメントしていたことだろう。彼らの落ち着いた一言一言は、リスナーにも選手にも伝わったはずだ。
スポーツを伝えるのは難しい。感情を抑えつつも、臨場感を出さなければならないのだから。しかし、スポーツを伝えるということは、自分の感情の押し付けるのではなく、必要な情報を的確に伝えることだと改めて痛感させられた。自戒を込めて。
posted by Oikawa |11:14 |
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2007年12月31日
元旦から連日、駅伝が開催されている。
数年前から、日本男子長距離陣が世界の場で活躍できないのは「箱根駅伝」のせいではないか、という意見がある。果たして箱根駅伝はマイナス部分だけなのだろうか。
確かに、箱根駅伝で活躍し、大学卒業後の活躍を期待された選手が伸びていないというのは事実である。4年間の過酷な走りこみのせいで実業団で伸びないというのも、ある意味、当たっている。
だが、箱根で学生は本当に多くのことを学ぶ。その一つが、「背負って走る」ということ。家族や友人、恩師などの期待はもちろんだが、同じチームで苦楽を共にしてきたチームメイトの名前が書かれ、汗がしみこんだ襷をかけて走るというのは、日本代表になるのと同じくらいプレッシャーなのではないだろうか。チームの想いを背負って走るというのは、走った者にしか分からない重みだろう。
世界陸上の際に、女子1万mで連覇を果たしたディババが「お腹が痛かったけれど、国のために頑張った。世界大会でなく、エチオピアのユニフォームを着ていなかったら、途中でやめていたと思う」と話したが、箱根を走る学生も同じ心境なのではないか。襷を持っていなかったら、母校のユニフォームを着ていなかったら…。
若い時にそういった「背負う」つらさ、大変さを感じられるのは幸せだと思う。陸上競技のほかの種目の選手は経験したくても経験できないことである。
明日、箱根を走る学生には「背負う」重みを感じてほしい。そして、箱根にとどまらず、その経験をいつの日か世界で生かしてほしい。箱根を経験したからこそ世界でも走れる、ということを。
posted by Oikawa |22:38 |
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2007年11月08日
9ヵ月になったばかりの愛娘アイラちゃんの応援を背に、ラドクリフがニューヨークを駆け抜け、見事に復帰マラソンで優勝した。北京で日本勢のライバルの一人になることは間違いない。
詳細は、スポナビのコラムをお読みください。
posted by Oikawa |21:16 |
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2007年11月04日
ニューヨークシティマラソンの前日、ニューヨークではアメリカ男子マラソンのオリンピック選考会が行われた。これまでは、2月頃に単独で選考レースが行われていたが、今年からアメリカを代表するマラソンレースの前日に選考会を開催することに。ちなみに女子は4月のボストンマラソンの前日に行われる。
優勝したのは、マラソンがこれで2レース目となったライアン・ホール(25才)。27キロからスパートしそのまま独走し、2時間9分02秒の好タイムでで北京行きを決めた。アップダウンが激しく、リズムのつかみにくいセントラルパークのコースで、2時間10分をきったのは大いに評価できる。北京では日本選手の強敵になるかもしれない。2位にはデーサン・リッツェンハイン、3位にはブライアン・セルが入り、元世界最高記録保持者のハリド・ハヌーシは4位に終わった。
悲しいニュースが会見場に走ったのは、北京行きを決めた3選手の喜びの記者会見も終わりに近づいた頃だった。ブライアン・セルが「オリンピックをずっと夢見ていたので、本当にうれしい、人生で最高の瞬間だ。生まれたばかりの娘のおかげ」と男泣きにくれたわずか後のことだ。
記者の一人が「ライアン・シェイが棄権したが、仲間としてどう思うか」という質問に、ニューヨークロードランナーの広報が「その話はここでは辞めよう」と制止したときだった。メディアルームでTVを見ていた記者たちは、ライアン・シェイが9キロ地点で、発作のような症状を起こし、ただならぬ状態で病院に運ばれたこと知っていたが、走っていた3選手はもちろん知らなかったため、その質問に不思議そうな表情に。
3選手を代表し、ライアン・ホールが「レースのためにハードな練習をしてきているので、最後まで走れなかったのは残念…」と無難な答えをしたのも当然のこと。
それから数分後、レースディレクターのマリー・ウィッテンバーグが泣き腫らした表情で会見場に現れ、「ライアン・シェイが先ほど病院で亡くなりました」と声を絞り出すと、3選手は放心状態に陥り、3位のブライアン・セルは泣き崩れた。優勝したライアン・ホールと奥さんは、亡くなったライアン・シェイと夏に結婚したばかりの妻と4人でゴール後に喜びを分かち合う約束をしていたため、しばらくの間、状況が理解できなかったようだ。
アテネ五輪で銀メダルを獲得したメブ・ケフレジキはシェイの練習仲間の一人で、この日も一緒に朝食をとったという。自分が五輪を逃した悔しさよりも、友人を亡くしたショックの方がはるかに大きく、ニュースを聞くと肩を震わせ、シェイについて語っていた。メブだけではなく、多くのトップ選手がコロラドなどで一緒に合宿をし、切磋琢磨しあってきた同士なため、そのショックは計り知れない。
将来ある選手を失ってしまったこと、そしてレース中にこのような痛ましく悲しい出来事が起こったことが残念でならない。
ライアン・シェイ選手のご冥福をお祈りしたい。
posted by Oikawa |14:52 |
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2007年11月03日
日曜日に行われるニューヨークシティマラソンに先立ち、月曜日から毎日、有力選手の記者会見が行われている。金曜日には、車椅子レースに参加する副島、土田の両選手が記者会見に参加した。記者会見では、ボストンやベルリンでのゴールシーンの映像などを含めて紹介が行われた。
副島正純:大分で良くなかったので、モチベーションは下がり気味ですが、せっかく呼んでもらったので楽しみたい。選手層も高いし、レベルが高く厳しいレースになると思う。(そういったレースで)どれくらいできるか確認したい。全部出し切って楽しめれば。トップで戻ってきたいし、新記録も狙っている。
土田和歌子:ニューヨークは初めてなのでコースが分からないので、不利だと思うけれど、今の自分の力が世界でどれくらい通用するのか。上位を目指したいと思う。(大分に続き2週連続のレースとなるが)タフな事だと思うけれど、チャレンジした選手がいるので、自分もできると思う。
車椅子ランナーは、ほかのランナーよりも一足先にスタートする。世界各国から37000人ものランナーが走るレースで、日本人ランナーがトップで戻ってくるのを見られるか。
posted by Oikawa |05:43 |
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2007年10月31日
今週の日曜日に行われるNYシティマラソンに、日本からも何人かのエリート車椅子ランナーが出場する。
4月のボストンマラソン、9月末のベルリンマラソンで優勝した副島正純、同じくボストンマラソンで優勝した土田和歌子、そして安岡チョークらだ。
3選手とも初のニューヨークシティマラソンとなるが、優勝候補の一人として名を連ねる。先週末に大分国際車椅子マラソンでレースしたばかりの3選手には、難所と言われる30キロからのアップダウンをどう乗り切るか、が大きなポイントになるだろう。
写真:大阪の世界陸上、男子1500mより
posted by Oikawa |16:48 |
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2007年10月18日
マリオン・ジョーンズの薬物使用の告白に関して、。ローリン・ウィリアムスが所属事務所を通してコメントを出した。
ローリンはテグ国際の後、3週間ほどオフになり、シカゴやロスの友人を訪ねると話していたが、『マリオン事件』のため、気が休まることはないだろう。多くの記者がローリンのコメントを欲しがったため、このような形で発表することに。
英語で、かなり長めだが、ローリンの人柄、そしてきちんとした考え方が感じられる文章だ。
posted by Oikawa |11:38 |
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2007年10月17日
今年のニューヨークシティマラソンは、ポーラ・ラドクリフが産後からの復帰レースとして参戦する。来年の北京を控え、どんなレースを見せるのか期待が集まる。ちなみに、ニューヨークはほかの海外マラソンと比べ、30キロ以降のダラダラとしたアップダウンがきついコースなので、タイムではなく勝負重視の走りになるはず。でも、少なくとも、2時間25分を切るレースを見せてほしい。
去年、ラドクリフは『アベベ・ビキラ賞』を受賞した。その際に、初マラソンに挑戦したランス・アームストロングの予想タイムについて、楽しそうに話していた。また、「夫が走るんだけど、自分のレースよりもドキドキするわ」とも。休養を経て、そして母となった彼女の走りに注目が集まる。
写真:NYシティマラソンのレースディレクターと
posted by Oikawa |00:15 |
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2007年10月12日
今夏の世界陸上では、世界記録がひとつも誕生しなかった。それは、今の選手の力が劣っているからではなく、薬物を使用しているトップ選手が少ないから、ではないだろうか。
例えば、アリソン・フェリックス。彼女は今回、はじめて200mで22秒を切ったけれど、彼女がどんなに厳しい練習を積んでも、フローレンス・ジョイナーの作った21秒34という記録を破るのは不可能だと思う。
同じく女子400mのサンヤ・リチャーズ。ゴールデンリーグ全勝を果たしたリチャーズの自己ベストと世界記録の差は1秒以上。来季からフェリックスが400mに本格参戦するが、48秒前半で走れば立派で、サブ48秒、世界記録の47秒60なんて、これも難しい記録だ。
冷戦時代は、アメリカ対旧東側諸国の争いがオリンピックなどの国際大会にも持ち込まれ、それが薬物使用に拍車をかけたと思われる。某メーカーでは「Impossible is nothing」などというキャッチコピーを掲げているけれど、当時作られた記録を破るのは、「不可能」というか「神業」に近いと思う。
ひとつずつ記録を挙げたらキリがないほど、「疑惑に満ちた」記録が溢れている陸上界。そういった乗り越えられない壁を目の前に、今の選手は、健気にも「アンチ・ドーピング」を声高に訴え、色々な活動をしている。世界記録を出すこと、金メダルをとることだけが目標なのではない、というかのように。
薬物使用の疑惑のある選手、過去に出場停止になった選手は、今回のジョーンズの告白を機に、スッパリと引退してほしい。それが、浄化への第一歩。
posted by Oikawa |18:24 |
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2007年10月10日
スプリント界の元女王マリオン・ジョーンズが薬物使用を告白した。これによって、シドニー五輪で彼女が獲得した金メダル3つ、銅メダル2つは剥奪される可能性が高くなった。
アメリカ選手の何人かに今回のマリオン・ジョーンズ、そして現在、出場停止中のジャスティン・ガトリンの薬物使用について聞いてみたが…反応は人それぞれ。
「誰でも間違いを犯すからね・・・」
「使っている選手は卑怯だし、検査機関ももっとしっかり検査してほしい」
話していて分かったのは、皆、マリオンやジャスティンが使っていたのを知っていた、という点。練習して強くなった体と、薬によって大きく、強くなった体は明らかに違う。前者は、素人が見ても分かるほど不自然な体つきになる。薬物使用をしていた選手と、現在、活躍しているアメリカ選手と比べれば、火を見るよりも明らかだ。
気の毒なのは、シドニーでマリオンと一緒に400mリレーを走ったメンバーだ。彼女たちのメダルの色も、マリオンの薬物使用のせいで曇ってしまう…。
今も、アメリカを含め、多くの国で疑惑を持たれている選手が存在する。陸上だけではない。サッカーも、野球も、だ。
現状を見ると、100%クリーンにするのは不可能だけど、今回の『マリオン・ジョーンズ事件』をきっかけに、選手のモラルが高まることを期待したい。
posted by Oikawa |19:55 |
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