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ロンドン世界陸上:祖母に捧げる金メダル(女子100m金メダル、トリ・ボウイ)

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「おばあちゃんは、きっとどこかで見てくれていると思う」  悲願の金メダルを勝ち取ったトリ・ボウイはうっすらと涙を浮かべてそう話した。  北京世界陸上で100m銅メダル、昨年のリオ五輪は100m銀、200m銅メダルだった。 「今回はどうしても金がほしい」  全米選手権の翌日、同じ飛行機になった時、何度もそう繰り返していた。 「ロンドンでは100mに絞るつもり。100mで金がとりたいの」  5月にダイヤモンドリーグのユージーンで21秒77の今季世界最高を出しており、200mの方が適性も金メダルのチャンスもあるように思われた。「私は100mでもやれるのに」そう思っていた。    トリがまだ2歳になる前に、生活苦に陥った母親はトリとその姉を孤児院に預けた。彼女たちの状況を知って、必死に探し回り、迎えに行ったのが父方の祖母だった。その後、たくさんの親戚に囲まれて、ちょっと甘えん坊でおてんばに育ったが、陸上の才能が見出されて進学、その後、プロになった。  北京世界陸上の時にこんなことを言っていた。「レース前におばあちゃんと電話で話したんだけど、『忘れ物しないようにね』って言われた。もうこんなに大人なのに、信じらんないでしょう」と笑っていた。  北京、そしてリオのメダルを一番喜んでくれたのはおばあちゃんだった。しかし、今年1月に初めてトリと旅行をした後に、静かに息を引き取った。 「おばあちゃんは、きっとどこかで見ていてくれたと思う」   最後の一押しをしてくれたのは、ハードな練習と祖母への気持ちだったのだろうか。



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及川彩子(オイカワアヤコ):NY在住ライター。オリンピックスポーツ、野球、サッカー、女子ゴルフなどを取材。雑誌、新聞、ウェブサイトなどに執筆。「月刊陸上」、「スポナビ」、「Number」、「スポルティーバ」、「サッカーダイジェスト」などに寄稿。NYシティマラソンの伴走者を描いた作品で2006年度さいたま市スポーツ文学賞大賞受賞。
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