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自分の弱さに打ち克つ:ブリーアン・タイセン・イートン(7種競技)

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ポートランドの世界室内での写真

 今大会で注目していた選手の1人が7種競技のブリーアン・タイセン・イートン(カナダ)。10種競技の世界記録保持者、アシュトン・イートンの妻である。  オレゴン大学でアシュトンと出会い、2012年ロンドン五輪は一緒に出場。2013年の7月に結婚し、同年のモスクワ世界陸上、北京世界陸上ではアシュトンが金、ブリーアンが銀という結果を出している。完璧なカップル、そう思っている人も少なくないはずだ。    最初の印象はあまり良くなかった。ブリーアンは数年前まで「私の方が(アシュトンよりも)混成競技を長くやっている。経験は私の方が長い」とか、「私の方が技術力が高い」とアシュトンと比較されることを嫌っていて、なんだか負けん気の強い選手だなと感じたのを覚えている。  彼女の弱さに気づいたのは昨年の北京世界陸上だった。優勝候補の大本命で臨んだのに初日に自滅。2日目はなんとか持ちこたえたが、自己ベストにもシーズンベストにも’大きく及ばず2位に終わった。ミックスゾーンに現れたブリーアンは憔悴しきっていた。負けた悔しさよりも自滅した自分に失望しているように見えた。 「初日が終わった後、号泣してほとんど眠ることができなかった」と話していた。  北京の後には3ヶ月ほど鬱っぽくなり、スポーツ心理学者に様々なメンタルトレーニングを施してもらったという。「心配事や弱みなどを全部ひたすら書き出し、どうしたら解決できるのかを考えてもらった」と話す。

 リオ五輪の7種競技の初日、ブリーアンは悪いサイクルにはまっていた。100mHと走高跳びは悪くはなかったが、砲丸投げと200mで自己ベストに遠く及ばず。いつもの悪いパターンにはまって、また泣き出すのではないかと心配した。しかし今日はそんな心配をよそに清々しい表情で現れた。 「昨日は『ベストを尽くしてあの結果だったんだから仕方ないや』って思った。波長があわない1日だったなぁ、ってそれだけ。4年間頑張ってきたんだから、ここで無駄にするわけにはいかないと奮起した。銅メダルには満足」と笑顔だった。    アシュトンと一緒にリオ五輪で金メダルを目標に戦ってきた。今日は一番欲しい色のメダルには手が届かなかったけれど、得たものも大きかった。 「今までの弱い自分に打ち克ったと思う」  ブリーアンはこれからもっともっと強くなる。彼女の新たなチャプターは今日、リオで始まった。       



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及川彩子(オイカワアヤコ):NY在住ライター。オリンピックスポーツ、野球、サッカー、女子ゴルフなどを取材。雑誌、新聞、ウェブサイトなどに執筆。「月刊陸上」、「スポナビ」、「Number」、「スポルティーバ」、「サッカーダイジェスト」などに寄稿。NYシティマラソンの伴走者を描いた作品で2006年度さいたま市スポーツ文学賞大賞受賞。
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