2009年07月23日

百田さんは、僕らの知らないところでプロレス界に貢献していると思う。

「プロレスとは、桃源郷なり」  /  桃太郎

      「力道山の息子」


 力道山の息子である百田光雄さんが、NOAHに辞表を提出し、退団した。
三沢さんの死を乗り越えて、新しい船出を誓ったはずなのに、いきなりの下船
である。 リング上のことだけを考えたなら、百田光雄というプロレスラーの
退団はそんなに大きな出来事ではない。 でも、興行会社としてのNOAHに
とっては、重要な人物を失ったのではないかと思う。
 口の悪い人は百田さんのことを「力道山の息子なだけの人」なんて言う。
確かにプロレスラーとしての実績に大したものはないし「力道山の息子」以外
の紹介の仕方も思い浮かばない。 だけど、ただの息子なだけなら、60歳を
過ぎてまでリングに上がれるわけがない。 リングに上がり続けられるには、
それなりの理由があるはずだ。 それは営業力なのだと思う。
 プロレスラーは人気を売る商売である。 試合に勝つこと、チャンピォンに
なることと同じくらい、チケットを売る力があることが大切だ。 チケットを
たくさん売るために、看板となるレスラーはモテる男でなくちゃならない。
新日本プロレスが棚橋弘至をエースにしているのは、棚橋が一番の人気選手で
あるからだ。 後藤洋央紀がエースになるためには、試合に勝つだけじゃなく、
棚橋よりもモテる男にならなくてはならない。 真壁刀義や矢野通がなかなか
チャンピォンになれないのも、中西学がたった1ヶ月の中継ぎ王者終わるのも、
彼らが看板ではチケットが売れないからなのだ。
 「力道山の息子」という名刺は、チケットを売りさばくための武器になる。
初対面の人がいたなら「力道山の息子です。今度プロレス見に来てください」
とすぐに営業につなげることができる。 棚橋を知らない人はたくさんいるが、
力道山を知らない人はそんなにはいない。 60代・70代の人たちにとって、
力道山はヒーローだった。 ヒーローの息子に会えたなら、チケットも買って
みたくなる。 家族の分までもと買っちゃいたくなる。
 プロレスファンにとって、百田さんはそんなに大したプロレスラーじゃない。
でも、ファンでない人にとっては「力道山の息子と会った」は、ちょっとした
事件なのだ。 NOAHの会場には、百田さんを通じて得たお客さんも少なく
ないのではないか。 その「ファンでないお客さん」はこれからもNOAHの
チケットを買い続けてくれるのだろうか。
百田さんは、僕らの知らないところで
プロレス界に貢献していると思う。
このまま消えさせてしまったら、プロレス界の損失だよ。
 だからね、今度はまた、全日本プロレスに戻って欲しいんだよね。
 全日本のリングで引退試合もやろうよ。

posted by upro |05:53 | 桃太郎 | コメント(0) |
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2009年07月20日

今年の夏の主役を、田中は狙っているのである。

「プロレスとは、桃源郷なり」  /  桃太郎

     「田中、棄権しろ」


 新日本プロレスの「G1クライマックス」に、ゼロワンの田中将斗の出場が
決まった。 7/5の後楽園ホール大会に乱入し、棚橋弘至を襲ったことから、
田中のG1出場は予想されていたことだったが、ちょっと驚いた。 だって、
同じ時期にゼロワンでは「火祭り」が開催されており、田中には4連覇の偉業
達成がかかっているのだから。
 「火祭り」は7/25に開幕し、優勝戦は8/8の後楽園ホールで行われる。
「G1クライマックス」は8/7に開幕し、8/16の両国国技館が最終戦だ。
ゼロワンは8/7に興行は入っていないので、日程がカブっているのは8/8
だけということになる。 この日、新日本は大阪府立体育会館で興行がある。
 今年のG1は全8大会が行われることになっていて、出場選手は各ブロック
7名だ。 つまり公式戦は6試合することになり、最終戦を除いた7大会の間
に1日の休みはある。 たぶん、田中は8/8が公式戦ナシの日で、ゼロワン
の後楽園大会に出るのだろう。 G1の隙間をぬって、火祭りの優勝戦に出る。
とんでもない強行軍だ。
 田中の日程を整理してみると、8/7がG1開幕戦で広島サンプラザで試合、
8/8はゼロワンの後楽園大会で火祭りの優勝戦、8/9はG1の大阪大会に
出ることになる。 しかも8/9は開始時間が15時だから、朝一番には東京
を出発しなければならない。 もし、新日本がイジワルして、開幕戦の相手に
ジャイアント・バーナードなんかをぶつけてきたら、壊されちゃって、G1の
白星配給係にされちゃうかもしれないよ。 田中、大ピンチだよ。
 二兎を追う者は一兎をも得ずと言う。 田中は棚橋に照準を定めたのだから、
火祭りは棄権してもいいと思う。 田中の枠には、金本浩二あたりに出てもら
えば、お客さんも納得してくれるだろう。 田中も前座に出てで顔を見せれば
いいし、金本のセコンドにつけば、将来への種まきにもなる。
 あるいは、田中が火祭りの優勝戦に出られなければいいのだから、予選落ち
しちゃえばいいのかな。 でも、同じブロックにいるのが、崔領二、関本大介、
黒田哲広、マグニチュード岸和田だからなあ。 この面々を相手に勝ち上がれ
ないようじゃ、そもそもG1に出る資格なんてない。 出るなら勝つしかない。
 結局、田中は僕の心配しているとおり、火祭りにもちゃんと出て、G1にも
出るのだろう。 ファンが無理だと思うことをやり通すのも、プロレスラーの
アピールの仕方だ。 一兎も得ずに終わるかも知れなくても、挑戦したことは
記録と記憶に残る。
今年の夏の主役を、
田中は狙っているのである。
 僕はもともと新日派だから、田中が主役になることなど望んでいない。
 おい、田中、やっぱり棄権しろ。

posted by upro |01:10 | 桃太郎 | コメント(0) |
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2009年07月08日

ハッスルを続けるには、ハッスルを終わらせなければならない。

「プロレスとは、桃源郷なり」  /  桃太郎

        「ゾル大佐」


 仮面ライダーに出てきた「ゾル大佐」って知ってる? ライダーシリーズに
初めて出てきたショッカーの幹部怪人で、ナチスの軍人みたいなキャラだ。
ライダーとの一騎打ちでは、さすが幹部らしく「ライダーキック」をはね返し
たりもした。 ところが「ライダーパンチ」で、あっさり倒されちゃうんだ。
子どもの頃には「キックをはね返したのに、パンチで負けちゃうの?」なんて
思ったものだが、今ならわかる。 ドロップキックより、アゴを打ち抜くスト
レートの方が効くもんね。 深いよなあ、仮面ライダー。
 このゾル大佐の後は、天本英世さん演じる「死神博士」が登場し、ライダー
と新しいストーリーを繰り広げる。 ゾル大佐は仮面ライダーシリーズの序幕
を務めた名悪役だった。 新日本プロレスで言うなら、タイガー・ジェット・
シンみたいなものかな。 そう言えば、ちょっと似てるか。
 実は、藤岡弘さんが演じた旧1号ライダーのクールでは、幹部の怪人は出て
こない。 ゾル大佐と闘っていたライダーは、藤岡さんの後を務めた2号ライ
ダーだったのだ。 そのあとの死神博士は1号、2号のダブルライダーを相手
にして闘い、更にその次に出てくる「地獄大使」は新1号ライダーのライバル
となる。 ライダーサイドの主役が変わるたびに、幹部怪人の方も一新する。
毎週、新しい怪人を登場させ、ライダーさえも交代させ、そのたびにライバル
の幹部怪人も代える。 そこまでして、新鮮なカードを作り続けたから、熱し
やすく冷めやすい、子どもたちのハートを掴み続けることができたんだと思う。
大変だったね、仮面ライダー。
 2004年に始まったハッスルも6年目に突入した。 スタートした頃とは
メンバーも随分と変わった。 ハッスル軍のライダーも、橋本ライダー、小川
ライダー、HGライダー、坂田ライダー、ボノライダーと引き継がれて、今は
マグナムライダーのシリーズになっている。 ところが、モンスター軍の幹部
怪人はずっと変わっていない。 高田総統というゾル大佐が、マイナーチェン
ジもせずに居座り続けている。 これじゃ、いくら辛抱強い大人だって飽きて
きちゃう。 ハッスルは、そろそろ高田総統を始末しなければならないのだ。
「モンスター軍、万歳!!」とか言って、派手に爆死するシーンが見たいよね。
 7/26、両国国技館で開催される「ハッスルエイド2009」では、最終
戦争(アルマゲドン)が起きると予告されている。 僕の嗅覚が正しければ、
ここで高田総統は死ぬのだろう。 そしてハッスルエイドの後には、新しい悪
の組織と、新しいライダーとの間で、新しいハッスルが始まる。 そこには、
もう、モンスターKもアン・ジョー司令長官も、もちろんインリン様もいない。
見たことのない世界観のハッスルが、僕らの前にその姿を現すのだろう。
 ハッスルを続けるには、
 ハッスルを終わらせなければならない。
 長すぎた序章が、やっと終わる・・のか?

posted by upro |05:12 | 桃太郎 | コメント(0) |
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2009年07月04日

40歳になった船木は、20歳の自分にも勝つことはできない。

「プロレスとは、桃源郷なり」  /  桃太郎

      「プロレスマン」


 朝、テレビを見ていたら、ビッグカメラに出没する「ナゾのピアノマン」の
ことを取り上げていた。 毎日、楽器売り場に現れ、電子ピアノを弾く男性が
いるのだそうだ。 身なりはホームレス風なのだが、その指先が奏でる美しい
メロディーは、売り場を別空間へと変えてしまう。 通りかかる人の足を止め、
視線を釘付ける。 今日も男は、誰に頼まれたわけでもないのに、ひとり電子
ピアノを弾き、人々を楽しませている。
 ナゾのピアノマンは、真野和男さんという方で77歳。 平成13年頃から
毎日、ビッグカメラの楽器売り場に通っているのらしい。 もともと音楽関係
の仕事をしていたのだが、48歳のときに重いぜんそくを患い、八丈島で療養
生活を送った。 60代半ばになって東京に戻ってから、音楽への情熱が蘇り、
電子ピアノを弾く生活を始めたのらしい。 お店の迷惑になることを心配して、
1店舗には1時間半くらいまでと決め、午前中はベスト電器の新宿高島屋店、
午後はビックカメラの有楽町店本館、夕方はビックカメラの新宿西口店に出没
する。 興味のある人は、ぜひ見に行ってみてよね。
 どうして、そんなにピアノがうまいんですか。 問いに真野さんは答えた。
「毎日4~6時間も弾くんですよ。そりゃうまくなりますよ」
 確かに、そりゃそうだ。 でも、1日に4~6時間も弾くことが凄いのだ。
それだけ音楽が好きだということだ。 根っからの「ピアノマン」なのである。
 8/30、全日本プロレスの両国国技館大会で、船木誠勝がプロレス復帰を
果たすことになった。 武藤敬司は会見で、船木のことを「オレ以上に天才と
言われてた男」と表現したが、確かに15歳でデビューしたときから、船木は
ずっと注目され、期待されてきた。 新日本プロレスは、アントニオ猪木から
前田日明、高田延彦へと引き継がれ、そのあとは船木がを支えるのだと思って
いた。 だが、船木は、新生UWFに移籍し、藤原組を経て、パンクラスへと
流れて行った。 ヒクソン・グレイシーに敗れてからは、リングからも去って
しまった。
 船木にはプロレスラーとしての高い素質があった。 武藤よりも、橋本真也
よりも、棚橋弘至よりもあったと思う。 しかし、船木は「プロレスマン」で
はない。 毎日プロレスのことを考えていられるほど、プロレスが好きなわけ
じゃなかった。 20年前には武藤が一目置くほどの天才であっても、その頃
の貯金が今も残っているわけがない。
 40歳になった船木は、
 20歳の自分にも勝つことはできない。
 僕らはきっと、失望させられちゃうのだろう。
 船木は、純粋なプロレスでは勝負すべきでない。
 プロレスマンの武藤には、もう勝てやしないよ。

posted by upro |09:25 | 桃太郎 | コメント(0) |
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