2009年05月22日

強い者が勝つ、それで良いじゃないか。

「ストロングスタイル」 / 大鉄


新日本に参戦した大森隆男の試合がワールドプロレスリングで放映された
のを観た時、新日本の選手の中では体は大きいし、華もあるし、近いうち
にIWGPヘビー級戦線に加わってくるのではないか、と思ったものだ。
ところが、実際にはもう一人のワイルドチャイルド、中西学があれよあれよ
という間に新王者となってしまった。

ところで、今回のタイトル移動はプロレスファンの間では「サプライズ」
と受け取られているようだ。週刊プロレスの論調もそうだったので、ファン
の一般的な受け止め方がそうだと考えて良いだろう。確かに、元々試合自体
が急遽組まれたカードで、それが更にタイトルマッチとなり、そしてタイトル
移動となったのだから、そういう意味では確かにサプライズかも知れない。
しかし、中西が棚橋に勝つことがそんなに驚きか?

186cm、120kgのアマレス元オリンピック日本代表と、181cm、
101kgの学生プロレス出身者の対戦だったら、前者の勝利を予想する
方が自然だろう。実際、過去の対戦でも中西の方が分が良い。
しかも今回棚橋の方は、後藤との防衛戦から僅か中2日、その間に森嶋
とも対戦している。普通に考えれば棚橋の方が圧倒的に不利だ。
中西の勝利を「予想通り」と受け取るファンがもっと多くても良いような
気がする。

試しに、両者の入場シーンとコールの場面の映像だけを、プロレスをよく
知らない5歳の息子に見せて「これからこの2人が戦うんだけど、どっちが
勝つと思う?」と訊いてみた。すると、「最初に最初から裸で出てきた方
(中西のこと)」と即答。予想していた答えではあったが、間髪入れずに
即答とまでは思っていなかった。理由を訊いてみると「最初から裸で出て
来た人の方が、筋肉モリモリで凄いから」との答え。普段、仮面ライダーを
はじめとするヒーロー物に夢中な息子のことなので、ルックスがヒーロー
っぽい棚橋が勝つと予想するのでは、という気も若干していたのだが、
5歳児は意外とリアリストだった。

私自身も含めてだが、今のプロレスファンは余計な情報を持ち過ぎている
のかも知れない。たくさんの情報を集めて、詳しくなったつもりでいても、
その実は逆に目が曇ってしまっただけなんじゃないか?有りもしないもの
が見えた気になって、肝心なものが見えなくなってはいないだろうか?
先入観を持たない5歳児にとって当たり前に見える光景が、ファンの目には
奇妙に映るのだとすれば、プロレスはもう大衆娯楽には戻れないだろう。
特殊なファンだけが楽しめる、マニアックなものにしかならない。

強い者が勝つ、それで良いじゃないか。
中西は棚橋より強い、だから勝った。それだけのことだ。
棚橋の防衛を予想していた多くのファンは、棚橋の方が中西よりも強いと
信じていたのだろうか?強さとは関係の無い理由で、棚橋が防衛するに
違いないと思い込んでいたんじゃないか?

ストロングスタイルとは本来、どういう技を使うかとか、どんなリズムで
攻めるかとか、そんな「スタイル」の話ではなく、「強い者が勝つ。勝つ
ために強くなる」という基本的な思想だった筈だ。観客の目を意識した
「ショーマンスタイル」と対立する概念として理解されていたものだ。

プロなのだから観客を満足させることは重要だ。「魅せる技術」も必要
だろう。しかし、観客が強さを評価せずに、魅せる技術だけを評価する
ようになっては本末転倒だ。ストロングスタイルが失われてしまったのは
ファンの側ではないのか?

強い者が勝つ。単純明快で誰にでも理解しやすいコンセプトだ。
我々ファンにとって大切なのは、この単純なコンセプトを否定しないという
ことだ。長年の経験によってプロレスの見方がひねくれてしまったファンに、
いまさら5歳児の心でプロレスを観ろといっても無理な話だ。しかし、その
ひねくれた観点を満足させることだけを求めるのは、素直な心でプロレスを
観る、新しいファンを排除することに繋がってしまう。
今回は、中西の強さと勝利を素直に称えようじゃないか。テレビ中継を観る
限りでは、当日の後楽園の観客は概ねそういうムードだったようだ。
喜ばしいことだ。

棚橋も十分強さを見せてくれていた。
強いもの同士が戦い、より強い者が勝った。素直にそう思える、良い試合
だった。棚橋の希望が通り、リターンマッチが決まったようだが、棚橋が
取り返すにしろ、中西が防衛するにしろ、次も「強い者が勝った」と素直
に思える試合をやって欲しい。ウチの息子が見ても納得するような。

posted by upro |05:47 | 大鉄 | コメント(0) |
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年05月21日

二足のわらじだ、アラヤーマン。

「プロレスとは、桃源郷なり」  /  桃太郎

      「アラヤーマン」


 全日本プロレスの荒谷望誉が、7/26の後楽園ホール大会をもって現役を
引退すると発表した。 引退の理由は「歳」だという。 会見では「気持ちは
まだまだやっていきたいのですが、ひとりの父親として考え、このような結論
に至りました」とも語っている。
 荒谷は中学校を卒業してすぐに大相撲入りしたのだが、2年余りで廃業。
その後、オリエンタルプロレスでプロレスデビュー、IWAジャパン、WAR
と渡り歩き、2000年からは全日本のリングで活躍していた。 WARの頃
からエース候補として期待されていたのだが、優しい性格なのか、なかなか殻
を破れず、結局、ダメな中年キャラに収まってしまった。 そして、このたび
引退である。 もったいないよなあ、本当にもったいない。
 荒谷は、185センチ、120キロの恵まれたカラダを持っている。 その
巨体で殴り合い、ぶつかり合い、リングサイドで暴れまくれば、プロレスラー
としてはまず合格だ。 小さいレスラーには、華麗な飛び技や、難易度の高い
フィニッシュホールドが必要だが、巨漢レスラーはシンプルに闘うだけでいい。
その分、大怪我する可能性も少ない。 全日本という将来性のある団体に所属
もしてるのに、どうしてやめちゃうのかね。 本当に残念だよ。
 荒谷には、嫁さんと娘がいる。 ダメな中年キャラを演じるのが嫌になった
のかも知れない。 満足な収入が得られてないせいかも知れない。 たぶん、
荒谷がプロレスを辞める理由は、プロレスが嫌いになったわけじゃなく、家族
のことが原因なんだと思う。 家族の将来を思ってリングを去ろうとしている
のだ。 僕はそう思う。
 もし、僕の感じているとおりなら、荒谷は「二足のわらじ」を履けばいい。
別の仕事を持ちながら、年に数回の両国国技館大会だけに出場するのだ。
 荒谷が引退後にどんな職業に就くのかはわからないが、現役のプロレスラー
でいることは、決してマイナスにはなるまい。 営業職や接客業ならツカミに
なるし、その他の仕事でも同僚との話題には事欠かない。 武藤敬司の名刺が
武器になることもある。 逆に、全日本にとっても、荒谷を通してチケットが
売れるという利点がある。 荒谷が、プロレスファンでない人を会場に導いて
くれるかも知れないのだ。 ただし、そのためには、荒谷をダメな中年キャラ
にしておいてはいけない。 嫁さんや娘が自慢できるような、荒谷自身が胸を
張って券売できるような、格好いいキャラに変更しなくてはならない。 武藤
社長は、自分のことばかりじゃなく、荒谷のことも、ちょっとは考えてやって
くれないものかね。 もったいないよ。
 荒谷望誉は引退し、生まれ変わる。
 二足のわらじだ、アラヤーマン。

posted by upro |05:39 | 桃太郎 | コメント(0) |
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年05月21日

ちょっと不謹慎なことを言いますが、一つの団体としてはちょっと人数が多くなりすぎた感じもします。

「プロレス彩強伝説 117」 /彩

       「帝王学」


 グローバルタッグを通して、三沢は潮崎に「プロレス帝王学」を伝授しまし
た。今回のタッグチームの編成を通して、次代エースは潮崎である、と感じ
たのではないでしょうか。

 過去、プロレス帝王学をたたき込まれた選手。
 馬場は若き三沢に。猪木は若き武藤に。
 しかし、プロレスの歴史は成熟した次代エースを団体のエースまで育てあ
げることができませんでした。

 三沢は全日本を飛び出しNOAHへ。
 武藤は新日本を飛び出し全日本へ。
 ともに新天地で社長となりプロレス界東西の正横綱という地位を確立しま
した。

 となると、NOAHの潮崎も?と考えてしまいます。
 過去、SWS旗揚げとともに全日本から天龍同盟が飛び出しました。
 長州ジャパンプロレス一派が新日本から全日本に新天地を求めました。
 前田UWFが新日本を飛び出し、独立しました。

 10年に一度プロレス界には大激震が襲うと言います。NOAHが旗揚げした
のが2000年。団体として成熟しつつあるのがNOAH。力皇、ヨネらが不穏な
動きをしているように見えますが、所属選手も多すぎて一つの興行に入りき
らない人数にもなりつつあります。激震が起こりつつある予感がします。

 かたや新日本には中西政権が10年遅く訪れました。
 G1を第三世代でいち早く制覇してからやはり10年、私は中西のベルト姿を
見たときにどうして今までとれなかったのだろうとほんとに思いました。

 NOAHの王者は秋山、新日本の王者が中西。
 第三世代最後の巻き返しが始まります。中邑も棚橋も潮崎も負けてる場合
ではないですね。三沢も武藤も30歳では完全にエースで団体の顔でしたから。

 ここ1,2年でプロレス界の新陳代謝が一気に行われる気がしますね。
 NOAHでは潮崎がエースとして君臨しているのか、はたまた大量離脱が起こるか。
ちょっと不謹慎なことを言いますが、
一つの団体としてはちょっと
人数が多くなりすぎた感じもします。
 でも、新日本はたぶん今とあまり変わらない気がしますね。棚橋vs永田とか
まだやってそうだし。

posted by upro |05:35 | | コメント(0) |
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年05月21日

チャンピオンベルトって、細菌型?それともウイルス型?

「細菌とウイルス」  /  薬


私は薬剤師である。
薬のことに関しては、ちょっとだけ詳しいつもり。

驚異の新型インフルエンザ。ついに世界中で流行が始まってしまいました。
報道を見ていると、細菌とウイルスとを混同している方が多いみたいです。
細菌(いわゆる菌)は、それ自体がひとつの細胞ですので生きています。
ウイルスはアミノ酸とタンパク質から出来ていますから、生きているとは
言えません。大きさを比べると、ウイルスの方がずっと小さいです。

細菌の方は生きているわけですから自分で増殖できます。酵母とかキノコ
とか腸内細菌とかみんな細菌ですので、温度とか湿度とか条件さえ整って
いれば勝手に生きていきます。勝手に増殖もしていきます。感染ですが、
大腸菌とかサルモネラ菌とかを例に挙げますが、人から人へ感染するイメー
ジじゃなくって、食べ物とかの中で生きている細菌を、生物が取り込んで
感染してしまいます。

一方、ウイルスの方は自分では生きていくことが出来ないので、生物の細
胞内に入って増殖します。その生物がヒトであったりトリであったりブタ
であったりするわけです。宿主(やどぬし)という言葉がときどき出てき
ますが、我々はウイルスに細胞という宿を貸してあげるだけです。そして、
宿に飽きたら別の宿を探して旅立っていくんです。感染するときは生物か
ら生物がほとんどです。咳などで飛び散った空気を介して感染することも
あります。次の宿主に移るときに変異することもあって、元の姿からは変
わっていってしまいます。変異しちゃったらもう元には戻らないわけです
から、そのウイルスはワクチンも効きません。変異していくことがあるの
がウイルス治療の大変なところなのです。

ところで、
チャンピオンベルトって、
細菌型?それともウイルス型?

細菌型は、生きているわけだから、チャンピオンになったレスラーの中で、
そのベルトは勝手に生きていきます。ベルトは勝手に自分で価値を高めて
いきます。挑戦者はそのベルトに感染したいから挑戦する。そして、チャ
ンピオンが変わっても、ベルト自身の価値はそのまま生きている。

一方、ウイルス型のベルトは自分では生きられない。常に宿主を探して、
そのチャンピオンに生かされていく。宿に飽きたら別のチャンピオンへと
旅立っていく。そしてまた、別のチャンピオンに変異して生かされていく。

秋山の中で生きているチャンピオンベルト。
三沢や小橋に感染してた頃の価値によって重く輝いている。
高山や力皇や丸藤に感染してた頃の色も見えるよ。
今はたまたま秋山の元に戻ってきただけ。
再び価値を高め、今までのチャンピオンのところに感染することだって大い
に考えられるんだよね。

中西を宿主として生かされているチャンピオンベルト。
猪木も藤波も長州も、蝶野も橋本も武藤も、
高田も高山も天龍も、ベイダーもノートンもレスナーも、
藤田も安田もボブサップも、みーんな巻いていたんだけど、
もう変異しちゃってるみたいで、元のベルトの価値は見えないんだよね。

新日って、もう猪木の頃の姿には戻ることはできないってことなんだろうなぁ。 

posted by upro |05:32 | | コメント(0) |
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年05月09日

勝手に表彰式~グローバルタッグ

「プロレス彩強伝説 117」 /彩

   「勝手に表彰式~グローバルタッグ」


 3月にグローバルタッグの予想を行いましたが、三沢組vs健介組の優勝決
定戦まではあてたものの、残念ながら優勝を外してしまったのですが、今年も
グレードの高いリーグ戦を展開していただいたので新シリーズ「勝手に表彰式」
を行います。

[優勝] 三沢光晴・潮崎豪
 おめでとうございます。これは私が決めることではありません。

[殊勲賞] 佐々木健介、森嶋猛
 日本のプロレス界に久々にウオリアーズ級のサプライズタッグが誕生しまし
た。秋山、小橋組も復活するようですし、しばらく組んでほしい。

[敢闘賞]バイソン・スミス、齋藤彰俊
 WBCの日本二連覇って言うのもすごいですが、期待されてそれなりの成績
を残すってすごいことだと思います。

[技能賞]秋山準、谷口周平
 武道館の最後の技って伝説の「秋山クラッチ?」って思ったのですが。しば
らくはシングルに専念ですね。

[ベストバウト]三沢光晴、潮崎豪 vs 佐々木健介、森嶋猛
 武道館にいたのですが、健介組優勝支持が周りの雰囲気でした。でも、あ
れだけつぶされても起き上がる潮崎はすごいと思いました。ムーンサルトは
武藤とも小橋とも違う新時代を感じさせます。

 でも残念だったのは主催者発表で9000人の観客。
 今年最高のマッチメークだと思ったのですが集客が伸びなかったのですね。
ファンのニーズって難しいですね。

posted by upro |08:12 | | コメント(0) |
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加