2012年02月06日
「プロレスとは、桃源郷なり」 / 桃太郎
「あるコトないコト」
僕は内田康夫センセの浅見光彦シリーズが大好きだ。 今までにほとんどの
作品を読み終えていて、今では年に1、2冊しか読むことができないのだが、
先日、まだ読んでいない本を手にすることになって、しばらく楽しんだ。
10年くらい前に、浅見光彦シリーズを読みあさっていた頃、僕は浅見光彦
みたいになっていた。 もちろん、あんなにカッコよくないけれど、何か身の
回りで起きる出来事に対し、冷静に誠実に対処していた。 結構、さわやかに
「いいひと」を演じていたと思う。 あの頃の僕は、浅見光彦だった。
ところが最近の僕は、ずっと丹波文七である。 3ヶ月前、近所の図書館に
夢枕獏先生の「餓狼伝」がそろっているのを知り、一気読みし始めたのだ。
読み進んでいるうちに、丹波文七になり、巽真になり、松尾象山にもなった。
指で目をえぐったり、キンタマを握り潰したりする気分で、日常生活を送って
いた。 負のオーラも出てたと思う。 怖いねえ。
憧れのモデルを提示されると、人はそれになろうとする。 新日本プロレス
の上野毛道場に、アントニオ猪木の肖像画があった頃、ヤングライオンたちは
みな、燃える闘魂を宿していた。 何百回もスクワットしたり、取り憑かれた
ようにサンドバッグを蹴ったり、汗みどろになって関節をとりあったりができ
たのは、アントニオ猪木のようになろうとしていたからだ。 ヤングライオン
だけじゃない。 当時は、多くの少年が猪木に憧れ、猪木になろうとした。
部屋に猪木のポスターを貼り、毎日、腕立て伏せやら、スクワットをしてた。
みんな、アントニオ猪木になりきって、生活していたんだ。
新日本の道場には、もう猪木さんの肖像画はない。 2007年にIGFが
旗揚げしたときに、撤去されている。 もう、アントニオ猪木とは、決別する
んだと決めてのことだった。 でも、ブシロードの木谷高明社長の部屋には、
今でも猪木さんのフィギュアとかがありそうな気がする。 そのギャップは、
いったいどのように埋められるのだろうか。
新日本の弱みは、アントニオ猪木に替わる「理想のプロレスラー像」を提示
できていないところにある。 新日本=猪木のイメージを払拭するためには、
理想像の「上書き保存」が必要なのだ。 それができてないから、猪木ファン
であるはずの木谷社長が新日本を買ってしまった。 こりゃ、えらいことだ。
木谷社長は、新日本をWWEみたいに大きくしたいと思っている。 だけど、
その一方で、猪木の頃の新日本を忘れてもいない。 近い将来、IGFと絡む
ことになっちゃうんじゃないのかなあ、と心配している。
新日本の道場に、
猪木さんの肖像画が戻ってきたりして。
あるかも知れないよ~。
posted by upro |18:49 |
桃太郎 |
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2012年01月12日
「プロレスとは、桃源郷なり」 / 桃太郎
「ルールを捨てろ」
元気ですか!!大晦日!!のメインイベントで、石井慧はエメリヤーエンコ・
ヒョードルに敗れた。 1ラウンド2分34秒、パンチで顔面を打ち抜かれて
のKO負け。 鼻の骨も折られた。 ただの負けではない。 全くいいところ
のない完敗。 何もできなかった。
果たして、これでよかったんだろうか。 ヒョードルとしては楽勝の試合で、
高額のギャラももらえて十分満足だろうね。 石井も負けたことは悔しいが、
大晦日のメインを務められてよかったと思っているかも。 主催者は石井には
もうちょっと頑張って欲しかったが、早く終わったおかげでカウントダウンに
間に合って、結果オーライだと喜んでいるかも知れない。 ファンはどうなん
だろう。 ヒョードルの強さが見られて満足した人もいるのだろうが、僕には
どうにも期待はずれで、もうちょっと何とかならんものかと、ため息が出た。
あんなに実力差があるのなら、ハンデをつけてもよかったんじゃないのか。
例えば、胴衣着用のジャケットマッチにして、拳による顔面への打撃は禁止に
するとか。 それでもヒョードルが勝ったんだろうけど、もっとスリリングで
面白い試合になったはずだ。 石井の持ち味が発揮できるし、それを切り返す
ヒョードルの技術だって見られたかも知れない。 万が一、石井が勝つような
ことになっても、それはハンデのせいなわけだから、ヒョードルの顔にキズが
つくわけではない。 DREAMルールで勝負したから、あんなにも圧勝で、
あんなにも完敗の試合になってしまった。
ヒョードルvs石井は、DREAMルールでやる必要があったのだろうか。
DREAMの興行なのだから、DREAMルールでやるのは当たり前のことだ。
でも、あの日の興行には、IGFルールマッチもあったし、キックボクシング
マッチもあった。 長島☆自演乙☆雄一郎vs菊野克紀なんか、1ラウンド目は
3分間のキックルール、2ラウンド目が5分間のDREAMルールで行われた。
大晦日のお祭り的興行で、IGFとの相乗りだったからできたことでもあるが、
その自由さをヒョードルvs石井にも活かしてよかったんじゃないだろうか。
ヒョードルにとっても、石井にとっても、つまらない試合になった。
そもそも、総合格闘技って何なのだろうね。 胴衣を着用したり、拳による
顔面攻撃を禁じても、それは総合的な格闘技と言えるだろう。
DREAMは、DREAMルールを
捨てた方が成功すると思う。
各選手の経歴や戦績を見て、ルールディレクターが、そのつどルールを
考える。 そうした方が選手の魅力を引き出せるんじゃないのかな。
まあ、そんなのは競技団体じゃないけどね。
じゃなくてもいいじゃん。
posted by upro |14:27 |
桃太郎 |
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2012年01月05日
「プロレスとは、桃源郷なり」 / 桃太郎
「桃太郎の選ぶ、2011年プロレス大賞」
プロレス新時代の幕開けを感じるほど、若きスターたちがたくさん出現した
2011年は静かに幕を下ろした。 昨年を振り返ってみて僕のプロレス大賞
を選んでみたいと思う。 なお、僕の見ている範囲で、僕の嗜好で決めるので
異論もあろうことと思いますが、そのあたりのことは大目に見てくださいな。
それじゃ、始めるよ~。
まずは、敢闘賞、殊勲賞、技能賞の発表です。
<敢闘賞:永田裕志>
新日本プロレスのニュージャパンカップ、全日本プロレスのチャンピオン
カーニバルでW優勝した。 アンチエイジングを掲げて、プロレス界全体を
盛り上げた。 永田の試合にはハズレがない。 今、一番信頼できる選手。
次点:棚橋弘至 IWGPヘビーのベルトを今年だけで10回も防衛した。
<殊勲賞:秋山準>
11年ぶりに古巣、全日本プロレスのチャンピオンカーニバルに出場した。
諏訪魔から三冠ヘビーのベルトを奪取し、NOAHのリングで防衛戦を実現
した。 今年は、NOAHの選手を相手に防衛戦をして欲しい。
次点:飯伏幸太 IWGPジュニアベルトを奪取、デヴィットに2連勝した。
<技能賞:MVP>
TTB、プレイメーカー、イリバーシブルクライシスと、オリジナルホー
ルドを次々と披露してくれた。 IWGPインターコンチネンタルのベルト
が受け入れられたのは、MVPのおかげだったと思う。
次点:藤波辰爾 69歳のマスカラス相手に名勝負を見せてくれた、凄い。
続きまして、新人賞、最優秀タッグ賞、年間最高試合賞の発表です。
<新人賞:愛川ゆず季>
グラレスラーなる言葉を作り出し、プロレスだけでなく、グラビアやTV
ドラマでも活躍した。 ドラマ「ここが噂のエル・パラシオ」は、プロレス
ファンの新規開拓に大きく貢献したと思う。 エルパラ、最高。
次点:橋本大地 デビューしたばかりなのに、蝶野、武藤、高山と対戦した。
<最優秀タッグ賞:ジャイアント・バーナード&カール・アンダーソン組>
NOAHのGHCタッグベルトも手にした、パーフェクトなタッグチーム。
今年は、全日本プロレスに乗り込んで、世界タッグのベルトも獲って欲しい。
バッド・インテンションズ、イチバーン!
次点:武藤敬司・小橋建太組 ぜひとも、今年も見たいタッグチーム。
<年間最高試合賞:桜庭和志・柴田勝頼vs鈴川真一・澤田敦士>
最近は全く見られなくなった、ヒリヒリするプロレスを見せてくれた。
お互いを立て合う馴れ合いの対抗戦が多い中、メンツを潰し合う真剣勝負が
繰り広げられた。こういうのが僕の好きなプロレスなのさ。
次点:ジェロム・レ・バンナvs鈴川真一 K-1ファイターの底力を見せた。
最優秀選手賞にいく前に、恒例の残念賞の発表です。
<残念賞:武藤敬司、田上明>
ふたりともにリーダーシップが全く感じられなかった。 プロレス界は今、
力強いリーダーを求めている。 三沢光晴さん、橋本真也さんがいなくなった
以上、このふたりがやるしかない。 ふたりの立場なら、やろうと思えば何で
もできるはずだ。 プロレス界全体の復興を目指して欲しい。
それでは最後に、最優秀選手賞を発表します!
<最優秀選手賞:ジェロム・レ・バンナ>
IGFに参戦し、鈴川真一、藤田和之、ジョシュ・バーネットを倒した。
プロレス界のチャンピオンで一番強さを感じさせる男。 バンナがチャンプで
うれしい。 強くないチャンプなんていらないのだ。
次点:ロッシー小川 女子プロレスの希望、スターダムを作ってくれた。
こんな結果になってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
2011年は、主役交代の一年だったかな。
posted by upro |19:09 |
桃太郎 |
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2011年09月22日
■ プロレスとは、桃源郷なり ■ 桃太郎
「DREAM改革案」
最近はプロレス人気より更に、格闘技人気が下火らしい。 僕もPRIDE
の頃は、毎回PPVを買ってドキドキしながら見ていたものだが、今では全然
見なくなった。 PRIDEは消滅したが、日本のMMAはDREAMに引き
継がれた。 PRIDEで活躍した外国人選手たちもUFCで頑張っている。
でも僕は、PRIDEもUFCも全然面白いと思わない。 見たいと思わない。
たぶん、みんなもそう思ってるんじゃないのかなあ。
そもそも「格闘技」なんて面白いものじゃないのだ。 格闘技というだけで
人気のコンテンツになるのなら、柔道だって、レスリングだって、もっと人気
になっているはず。 人気がないのは、試合内容が素人にとって退屈でわかり
にくいから。 子どもやお年寄りや、女性でも楽しめるわかりやすさがなけれ
ば、お金をジャカジャカ稼げる人気のビジネスになんかならない。 MMAは
競技として洗練されていくにつれ、素人にはわかりにくい、つまらないショー
になってしまった。
と言っても、改革案がないわけではない。 僕は2つの案を思いついた。
ひとつは、わかりやすい試合、面白い試合をするということ。 KOやタップ
で決着する試合を増やし、判定決着を減らすのだ。 DREAMは、競技化を
進めてしまったがために、基本的に同じクラスの選手同士しか対戦しない。
これをやめる。 同じ階級の選手で闘うのはタイトルマッチだけにして、ワン
マッチはいつも階級の違う選手同士を対戦させるのだ。 当然、重い方が有利
だから、一本勝ちの可能性は高まる。 その代償として、制限時間内に決着が
つかなかったら場合は、軽量選手の勝ちにする。 このことでまず「判定」と
いう、つまらない結末をなくしてしまうのだ。 判定の内容に納得がいかない、
あのモヤモヤ感も消し去ることができる。
併せて、タイトルマッチをメインイベントでやらないことも提案したい。
タイトルマッチは同じ階級の選手でやらなきゃならないから、判定決着になる
こともある。 興行のメインが、膠着状態ばかりの試合になって、判定で決着
したら、イベントとしては最悪である。 そんな試合を見るためにカネ払った
んじゃねーぞっ、とヤジも飛ぶ。 だから、タイトルマッチはセミまでにして、
メインは大味な一本勝ちで決まりそうなカードを組むのだ。 お金に困ってる
有名プロレスラーを起用して、一発でKOしちゃうとかがいいな。 プロレス
ファンの僕が言うのもヘンだけど・・。
ふたつめの案は「お金を賭ける」ことである。 お客さんが勝つと思う方に
お金を賭ける。 お金を賭けたら、そりゃ盛り上がるよね。 お客さんも真剣
勝負だから。 で、当選者にはお金じゃなく、グッズとか次回大会のチケット
を配れば、主催者側もホクホクでしょ。 これって、違法か?
いい試合をしてれば、お客さんが集まるなんて幻想だ。
面白くなけりゃ、ビジネスにはならない。
posted by upro |22:52 |
桃太郎 |
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2011年04月18日
「プロレスとは、桃源郷なり」 / 桃太郎
「テンガロン・ハット」
全日本プロレスの「2011チャンピオンカーニバル」は、新日本プロレス
の永田裕志が優勝した。 優勝決定戦で永田の対戦相手になったのは、最終日
に鈴木みのるを倒した真田聖也だった。 デビュー4年余りの新星なのだが、
これが何ともダメダメ君で・・。 もっと盛り上がるはずだった優勝決定戦は、
消化試合みたいな結末になった。
真田はまだプロレスラーとして半人前だ。 自分のフィニッシュホールドを
キレイに決めることすらできていない。 鈴木を破ったドラゴンスープレック
スはクラッチがはずれて流れちゃってたし、前日の太陽ケア戦でもジャーマン
からのレッグロールクラッチを巧く回転できず、不完全な形のフィニッシュに
なった。 まだキャリア4年だから無理もないのだが、自分のフィニッシュホー
ルドをきちんと決められない男が、興行のメインを締められるわけがない。
真田が永田に勝つシーンなんて、誰もイメージできなかっただろうし、鈴木が
優勝戦に出た方がよかったのに・・と感じた人は多かったと思う。 どうして
鈴木は最後の最後で真田に負けてしまったのだろうか。 負けるはずなどない
相手だったのに・・。
ふと、思い出したことがある。 随分前のことになるが、1981年12月
8日のことだ。 その日は、新日本の蔵前国技館大会があり、メインはアント
ニオ猪木・藤波辰巳vsS.ハンセン・R.ボックだった。 ハンセンが新日本
を離脱するラストマッチの日だ。 ハンセンはコールのときにいつものように
「ウィーッ!」とやったあと、黒いテンガロン・ハットを思い切り観客席に投
げ込んだ。 まるで空飛ぶ円盤のように回転しながら、はるか遠くまで飛んで
いったテンガロンハット。 新日本ファンに対する、ハンセンからのサヨナラ
だった。
真田が優勝決定戦に進出したことは、僕にとって謎である。 もし、全日本
が真田を持ち上げようとしていたのなら、真田には「秘密兵器」みたいな技が
用意されてなきゃおかしい。 解説席に座ってた武藤社長の得意技を混ぜたり
して、試合に彩りを添えなければならない。 そういう工夫が、最終日の試合
には全く見られなかった。 ひょっとして、真田にとっても、自分が優勝戦に
出ることは予想外の出来事で、心の準備をする間もなく永田と対戦することに
なったのではないか。 そして、そんな予定外の仕掛けをした鈴木には、そう
せざるをえない理由があったのではないかと思う。 自分がメインをとっては
いけない事情があった。
鈴木は、全日本を離脱する気なのかもしれないなあ。
真田聖也が、テンガロン・ハットに見えた日。
posted by upro |22:28 |
桃太郎 |
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