2009年10月03日

体育会系のプロレスラーを見ながらも、その中に文化的なセンスを求めている。

「プロレスとは、桃源郷なり」  /  桃太郎

       「文化系男子」


 サッカーファンやプロ野球ファンの応援を見ていると、みんな一緒になって
手拍子したり、飛び上がったりしてる。 風船を飛ばしたり、旗を振ったり、
大声で歌ったり。 プレーヤー同様に組織的に応援してる。 一方、プロレス
ファンの応援って、せいぜい床板を踏み鳴らすくらいでおとなしいものだ。
一時期、プロレス会場でウェーブが流行ったりもしたが、長続きはしなかった。
ああいうのって、プロレスファンの嗜好とは、ちょっと違うんだよね。
 プロレスがドームで開催されても、僕らは組織的に応援したりはしない。
箱の問題じゃないのだ。 プロレスの観戦はスポーツやコンサートの楽しみ方
とは違って、どちらかと言えば、映画や演劇を見てる様子に近い。 目と耳を
とがらせ、においをかぐように観戦する。 隣りに座っている人の存在なんて
どうでもよくなるくらいに集中する。 全身全霊で感じ取っているのだ。
 ふと思う。 プロレスラーって、他人の試合をどのように見ているのだろう。
僕らと同じように、五感を研ぎ澄ましながら見ているのだろうか。 髪の毛の
先っちょをピピピと立てて、感じているのだろうか。 いいや、とてもそうは
思えない。 だって、彼らは僕たちとは人種が違うのだ。 きっと、中西学が
客席にいたら、ポップコーンでも喰って、ビール飲んで、大声でヤジりながら
プロレスを見るのだろう。 それが体育会系の観戦スタイル。 僕たち文化系
とは仕様が全然違っている。
 プロレスファンの大多数は文化系だと思う。 文化系の僕らが、バリバリの
体育会系のぶつかり合いを見て喜んでるのだから、不思議である。 自分には
ないものを求めているのかとも思ったのだが、決してそういうわけでもない。
筋骨隆々の選手がいても、試合内容がしょっぱかったら、全然評価されない。
体育会系のプロレスラーを見ながらも、
その中に文化的なセンスを求めている。
プロレスって、本当に奇妙なジャンルだと思う。
 ジャイアント馬場さんは絵を描くのが好きだったというし、アントニオ猪木
さんは詩集を出したり、映画にも出演した。 やはり、一流のプロレスラーに
なるには、文化系のエッセンスが必要なのかも知れない。 そういう視点から
見たなら、昨年、画家のロジャー・ミカサさんと現代美術展を開いた中邑真輔
なんかは、この先、僕らを満足させる名プロレスラーになる可能性はある。
ある日、中邑の中で、プロレスと美術が一緒になったとき、単調なヒザ蹴りに
過ぎない「ボマイェ」が、彫刻のような、絵画のような、映画のワンシーンの
ような伝達力で、僕らの五感を痺れさせる。 そんな日も来るかも知れない。
 ただ、中邑の書く絵は、とってもわかりにくいんだけどね。
 プロレス以上に。

posted by upro |23:58 | 桃太郎 | コメント(0) |
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