2009年06月19日

中邑は、今の自分が過去の象徴となってしまっていることを自覚するべきだ。

「過去か未来か」 / 大鉄


福田前首相が辞任したころだったと思うが、あるコラムニストが次のような
事を書いていたのを読んだことがある。
「日本の政治家にとって、最終的なゴールは首相ではなく元首相になること
だ。」

確かに、言い得て妙だと思ったものだ。
元首相は現首相ほど責任を追及されることも無く、かといって政治家として
のステータスは首相の時と比べて大して下がることがない。えらそうな顔を
して無責任に言いたいことが言える絶好のポジションだ。森さんなんか正に
そんな感じに見える。あれだけ支持率の低い首相だったのに、辞めた後は
すっかり大物気取りじゃないか。
安倍さんや福田さんが、あんなに簡単に首相の座を下りたのも、元首相の方
が居心地の良いポジションだからだという訳だ。

でも、元首相達が影響力を保っていたとしても、次の首相候補として推せる
かというと、それは別の話だ。候補として名前が挙がったとたんに、首相と
しての実績がどうだったか問われてしまうに違いない。過去の存在でいるから
こそステータスが保たれている訳で、未来を託せるかどうかという話になると
一気に立場は弱くなる。

実は民主党にだって元首相はいる。羽田さんだ。
でも彼は、自民党の元首相達ほど影響力を持っているようには見えない。
民主党にとっては、そこが大事なところだ。未だに政権をとった事がない、
というのが民主党の最大のセールスポイントなのだから。もし、元首相の
羽田さんが先頭に立って率いているような党だったら、政権交代によって
種々の問題が解決する、などと主張するのは難しくなるはずだ。「この前
羽田さんが首相だったときはどうだったの?」とつっこまれてしまう。
民主党が目指すのは、あくまでも新しい政治であって、羽田政権の再現で
あってはならないのだ。

プロレス界においても、新しい時代を切り開くための戦いは、未だトップを
とった事のない選手によって仕掛けられなくてはならない。
長州にしろ天龍にしろ、3番手以下の存在だった選手がトップを目指したから
こそ、革命としてのリアリティーがあった。世代闘争にしたって、下の世代
がトップをとった後では戦いが成立しない。トップ経験者同士の戦いでは、
ただの権力争いにしかならないし、どちらが勝っても新しい時代の幕開けは
期待できない。

中邑真輔は、もう既にトップを経験してしまっている。
CHAOSが何を主張してもイマイチ説得力を持たないのは、実は仕方のない
ことなのだ。何をやりたいのかよく分からないが、何であるにせよ「前に
お前がトップだったときにやれば良かっただろう」と言われたら終わりだ。
矢野達と組んだ中邑は、かつて野党から与党に返り咲くために、社会党と
組んだ自民党のようなものだ。自分がトップに返り咲くために主義主張は
二の次になっている。

中邑は他人に噛み付いている場合ではない。
トップ経験者である中邑には、革命も世代闘争も仕掛けることは出来ない
のだ。今彼がするべきことは、過去の自分を検証し、その問題点を全て
洗い出した上で、自ら解決したことを万人に示すということだ。
この前中邑がトップだった時期がバラ色の時代だったなどとは誰も思って
いない。誰もその時代に戻ることなど望んでいない。

中邑は、今の自分が過去の象徴となって
しまっていることを自覚するべきだ。
未来の象徴となりたければ、先ず自分が生まれ変わらなくては
ならない。ヒールになれば生まれ変われるなどという簡単な話ではない。
とりあえず、道場で体から鍛えなおせ。

自民党の森さんみたいに、過去の人としてポジションを築いた方が幸せに
なれるかも知れないけどね。

posted by upro |23:26 | 大鉄 | コメント(0) |
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