2009年01月13日
田村も、桜庭も、ベストを尽くしたことは確かである。
「プロレスとは、桃源郷なり」 / 桃太郎 「ベストマッチ」 昨年末のダイナマイトで、ついに田村潔司vs桜庭和志のカードが実現した。 2002年に田村がPRIDEのリングに上がったときから、ファンがずっと 待ちこがれていたカードだ。 UWFインターナショナルにいた頃からの因縁 があるふたり。 しかし、なぜ、この試合が今になって実現したのだろうか。 答えは簡単である。 田村がオファーを受けたからだ。 桜庭はいつだって OKだったと思う。 今回、たまたま田村がやる気になったから、この試合は 実現した。 僕はふたりの姿勢に、格闘家としての価値観の違いを感じた。 田村はこのカードをとても大事にしていたのだと思う。 だから、安売りす るわけじゃなく、いいタイミングで実現したいと考えていた。 最高の舞台、 最高のコンディション、最高のシチュエーションで対戦したかった。 だが、 いつまでも待っているわけにはいかない。 もうふたりは、40歳になろうと しているのだ。 今後、これ以上の機会はないだろう。 そう判断して田村は、 今回のオファーを受け入れたんだろう。 たぶん、そうだよ。 一方の桜庭にとっては、今は決していい時期ではなかったはずだ。 6月の メルヴィン・マヌーフ戦では強烈な蹴りをくらい、ブロックした腕を折られて いる。 ちゃんとブロックしたはずなのに、その腕を折られたのだ。 桜庭は 精神的にも傷ついていたと思う。 弱気になって「オレもそろそろ引退かな」 なんて、考えたこともあったかも知れない。 折られた腕を治しながら、傷つ いた自信も回復させる。 そして、もう一度、闘魂に火を点けるのだ。 それ だけのことをするのに、6ヶ月という期間は少し短か過ぎたのかもしれない。 田村戦に出てきた桜庭のコンディションは、万全ではなかった。 素人の僕に でも感じるくらい、体調は悪かった。 田村は満を持して、この試合に臨んできた。 それが田村のプライドだ。 リング上で最高の試合を見せる。 それができないのなら、オファーを断る。 そうやって、いつもいい試合を見せてきた。 桜庭はオファーを全部受ける。 いつ何時、誰の挑戦でも受けるというのが 桜庭のモットーだ。 決して、逃げたりはしない。 残念ながら、ふたりのリズムは食い違っていた。 桜庭は今回のオファーを 断るべきだったし、田村も桜庭の現状を思いやるべきだった。 試合後に桜庭は、田村に再戦を求めた。 田村もOKしたように見えた。 でも、もうふたりに、これ以上のシチュエーションなど来ない。 人生最大の シュートチャンスに、空振りしちゃったのだ。 もう、次のパスはない。 田村も、桜庭も、 ベストを尽くしたことは確かである。 ベストを尽くしたから、ベストマッチにならなかった。
posted by upro |23:05 |
桃太郎 |
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