2008年07月03日

今、あの「ダーッ」を再現できる選手は、どこにも見つからない、どこにもいない。

「プロレスとは、桃源郷なり」  /  桃太郎

      「IGF観戦記」


 6/23、IGF札幌大会を観戦したんだけど。 相変わらずプロレス下手
な選手ばかりがやってきて、プロレス興行とは思えない試合が多かった。
 プロレスの試合は、終盤に向かって段々と盛り上がっていく。 スピード感
と熱気が最高潮に達したときに、フィニッシュホールドがやってくる。 そう
いうものだ。 IGFには、そんなプロレスのイロハすらも頭にない選手が来
ている。 相撲出身の若翔洋とか、キックボクサーのモンターニャ・シウバ、
柔道家のタカ・クノウ、何をやってたのかもわからないダニー・イグアス。
こんな連中を集めて、プロレスらしい試合なんてできるわけがない。
 プロレスはできなくても興行はできる。 今のところIGFはプロレス団体
というよりはイベント会社のようである。 道場もないし、所属選手もいない。
お客さんもプロレスを見に来てるというより、IGFのイベントを見物に来て
いる感じだ。 イベント会社としてなら、スポンサーもついてるし黒字ならば
それでいい。 背広組のサイモンさんは、現状でも満足なのかも知れない。
だが、プロレスラーとして生き、世間から評価されてきた猪木さんにとっては
どうなんだろうかね。 絶対に満足なんかしていない。 そう思いたい。
 ああ、現役時代のイノキがいればいいのに。 イノキがいれば、若翔洋とも、
モンターニャ・シウバとも、タカ・クノウとも名勝負ができるだろう。 何を
やってたのかわからないダニー・イグアスとは、壮絶なケンカマッチでもやる
かも知れない。 そう考えてみると、IGFに必要なのはイノキのような男が、
ただひとりだけなのだ。 たったひとりのプロがいればいい。
 僕が薦めるなら永田裕志、鈴木みのる、船木誠勝なんだけど、猪木さんから
してみたら、新団体に40歳の男たちなんていらないのかも知れない。 それ
なら中邑真輔か、柴田勝頼あたりになるのだけど、残念ながら彼らにはイノキ
のような殺気がない。 イザとなったら目ン玉をくり抜くぐらいの気迫がなけ
りゃ、イノキプロレスを実践することはできない。 相手の人生を踏み台する
くらいの気持ちがなけりゃダメだ。 そういう視点で見ると、格闘技に出てる
選手の方が、ハングリーで凶暴で魅力的に見えてくる。 桜庭和志を容赦せず
にKOしたメルヴィン・マヌーフや、勝つためには反則もやる秋山成勲の方が、
小川直也やジョシュ・バーネットより、よっぽどプロレスラーに思えてくる。
 イノキプロレスは、明るく楽しいものではない。 猪木が現役時代にやって
いた「ダーッ」は、切なくてやりきれない気持ちを吹っ切るような「ダーッ」
だった。 まるで、武士が相手の首をはねたあとに、襲ってくる虚しさを祓う
かのように吠えていた。
今、あの「ダーッ」を再現できる選手は、
どこにも見つからない、どこにもいない。
 猪木さんの苦悩は、まだまだ続くのだろう。
 光の見えない札幌大会だった。

posted by 桃太郎 |04:40 | 桃太郎 |
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