2008年02月16日

左サイドバックの育成にむけて -加持が左サイドバック?

岡田監督は東アジア選手権に向けての練習で本来右サイドバックの加地を左サイドで試したという報道があった。このニュースは自分にとって興味深い。

というのも、今の日本代表に足りないポジションは左サイドバックだと考察していたからだ。

今回の東アジア選手権でサイドバックとして以下のメンバーが招集された。
 3 駒野 友一 ジュビロ磐田
 5 安田  理大 ガンバ大阪 ※追加招集
21 加地  亮 ガンバ大阪
25 内田 篤人 鹿島アントラーズ

このメンバーの中で、常時左として出場しているのは追加招集された安田ただ一人。あとは駒野がある程度左サイドでも出場しているといったところか。

これを見てわかる通り、今の日本代表に足りないのは左サイドバックなのではないだろうか。アジアカップの日本代表でも左サイドは本職ではない今野が担当していたりと、このポジションの層が薄いことを伺わせている。

ではなぜ左サイドバックを出来る選手が少ないのか、それはやはり左利きが絶対的に少ない要因が大きい。特にプロのレベルではクロスなどの攻撃のみならず、クリアやボール奪取において左サイドバックが左足を使う機会が多いと考えられ、他のポジション以上に左足が使えないと致命傷になると予想される。

しかしながら、左利きの人の割合は全体の10%前後と言われている。よって左サイドバックのレベル向上のためには右利きの人をコンバートして左足が蹴れるようにしなけらばならない。

イタリア代表で世界最高の左サイドバックと言われていたマルディーニも元来は右利きだったが、全盛期の左足の精度は世界レベルだった。またイタリア代表で元々右サイドの選手だったザンブロッタは2002年ユベントス在籍中に左サイドバックにコンバートされ、現在では右足でも左足でもほとんど変わらないボールを蹴れることが出来る。

そして、日本代表の左サイドバックを長い間やってきた都並さんも、元々右利きの選手で別のポジションからコンバートされた後に左足が蹴れるようになった。そのときのエピソードを詳しく紹介したい。


初めてサイドバックをやったのは高校一年生の時だ。それまでは右ウイングだったが、練習試合でたまたま左サイドバックが空いていたことがあった。当時ユースの監督だった相川亮一さんが誰かできるやつがいないかと言った時に真っ先に手を上げたのが僕だった。
フォワードは当時3年生の選手がやっていて、僕には出番がなかった。サイドバックなんて一回もやったことがなかったけど、僕にとって出番がもらえるならポジションはどこでもかまわなかった。

やってみると、これが悪くない。まわりも「都並サイドバックいけるじゃん」などと言ってくれる。切り替えの早い僕は監督に「僕はサイドバックをやるんですね?、それでいいんですね?と確認すると、すぐにフォワードの資料を片付けてディフェンダーの勉強をし始めた。

あのままフォワードにこだわっていたら僕に芽が出たかどうかはわからない。

サイドバックの基礎を叩き込んでくれたのは代表の森考慈監督だ。元々右利きの僕が左でセンタリングを上げれるようになったのは森監督の徹底した練習のおかげだ。都並流勝つためのサッカーより、一部改)

(これ以外では、例えば相馬直樹さんも元々右利きだったが左サイドにコンバートされ左も使えるようになったタイプだったと記憶してます。)

このようにして今の代表においても左サイドバックに向いていそうな選手を積極的にコンバートしていく必要もあるのではないだろうか?。推測ではあるが元々右利きであっても、体の回転する向きの得意不得意、効き目(目にも右利きと左利きがある)などの体の特性によっては左サイドにコンバートされても十分に力を発揮することができるタイプが存在すると思われる。

加持が左サイドバックも担当することになるかどうかはわからないが、今後も積極的なコンバートを含めて左サイドバックの育成に期待したい。



 ところで最近、こんな本を見つけました。
1週間で右も左も自由自在-両足キッカーを目指せ 米山隆一

著者の米山隆一さんというかたは元ヴェルディの選手でして、現在は大学の監督をやっていらっしゃるそうです。
この本は非常に丁寧に逆足で蹴る際に注意しなければならないことを解説してくれているので、お勧めです(映像DVD付き)


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posted by uncolpodivento |08:00 | サッカー日本代表 | コメント(13) | トラックバック(0)
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2008年02月15日

サッカー日本代表よ、世界の異端児たれ - 大木武が考える日本サッカーの日本化

自分が今のサッカー日本代表で注目しているのは大木武コーチだ。

自分が大木武さんに持っているイメージ、それは異端児。そして剛胆な発言の中に真実を射抜く鋭さを持っている。

サッカー批評2007年35号より発言を抜粋(一部改)
「日本代表が高度経済成長を成し遂げられた理由は、勤勉さとか言うわけでしょ。組織力がある、俊敏性だってスピードだってある。だったら戦術どうのこうの言うよりさ、そうしたところを生かしていこうよ」

「フィジカルで勝てない黒人選手に1対1でかなわなかったら1対2にすればいい。よく協会の話にコンタクトプレーに弱いって話になるけど、じゃ当てなきゃいいって発想にならないのかな?当たるくらいならパスで逃げろよと、そして逃げてもう一回受けろよと。そうすると簡単に答えがでてきちゃう気がするんだけどな。」

「長い距離を走れなければスモールスペースでやればいい。背が大きくないのでロングボールを蹴られたらやられるというなら、前からプレスをかければいい。簡単だと思うんだけどな、俺だけかな?、そんな単純に考えている奴は」

大木武さんのサッカーは、セリエAで監督を務めていたズデネク・ゼーマンの影響が大きいことで有名だ。ゼーマンはあの守備重視のイタリアの中で4-3-3の超攻撃サッカーを掲げた異端児で、常に攻撃的に振る舞う高い理想を持ったサッカー哲学はゼーマニズムとも呼ばれていた(attacking phaseより)。

大木武さんが指揮を執ったヴァンフォーレ甲府での4-3-3の攻撃的布陣、「クローズ」と呼ばれるサイドに密集を作り細かいパスで局面を打開するサッカーはこのゼーマニズムを彷彿させる。この大木武さんの考えが、今後どの程度日本代表に取り入れられるのかは興味深い。

ただ、大木武さんの標榜しているゼーマニズムは例えるならとてつもなく濃いエスプレッソだ、日本代表がこれを原液のままでは飲みこむことはできないだろう。これをどの程度薄めて、そしてどのような味付けをして日本代表に飲み込ませるかが、今後の岡田監督の課題だと考えている。もしそれができたならサッカー日本代表は、世界の異端児として独自のスタイルができあがるのではないかと思う。

日本で最も理想主義サッカーの思想を持つ大木武と、日本で最も現実主義サッカーの思想を持つ岡田武史、この2人がいかなる化学反応を起こすか楽しみだ。

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posted by uncolpodivento |12:00 | サッカー日本代表 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年02月15日

ジーコの怪我予防の提言 -前十字靭帯損傷を防ぐために

前十字靭帯の怪我はサッカー選手にとっては大きな怪我だ。最近では家長がこの怪我をしてしまい、残念ながら北京オリンピック出場に黄色信号が灯ってしまった。

これをなんとか予防する方法はないのだろうか?これに関してジーコが興味深い提言をしていたのでその記事を引用したい。(その記事をそのまま引用すると読みにくいので一部改変した)

http://zico.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_d1c1.html

膝の故障   
[2006.12.04]

最近、意外と多くの選手達が特に膝の故障が原因でピッチから長期間遠のいている。膝の故障とはほとんどが前十字靭帯の裂傷である。

この、怪我を避けるにはどうしたら良いのか?私の意見を言うと、将来に於いてのフィジカルトレーニングでは選手にピッチに倒れる練習方法も取り入れなくてはならないだろう。転んで怪我をする確立が高ければ他に道は無い。例えば良い例を挙げると柔道があるが、相手の攻撃で怪我をしないように自分を守る練習である。理想ではシーズンの試合数を減らし試合間隔を広げてその間に選手が休養できる事だ。だがそれは不可能である。この世界の現状だと選手は映画のスタントマンみたいにならなければいけない。


http://zico.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_f0a6.html

涙・・そして十字靭帯
[2007.03.13]

これはあくまでも私個人の意見であるが、選手がバランスを失い転倒する際、自然に怪我をしない為のリアクションをとれれば(例えば柔道の受け身の様な)その頻度はかなり減るのではないか。これは、自爆又は相手との接触、いずれにせよ瞬時の反応を身につけていなければならないが。それに関し私がまだ現役の頃のエピソードがある。

以前皆さんに書いた別のコラムで登場した当時私たちのフィジカルコーチだったフェルナンド・ソアレス氏がある日突然「今日は特別メニューとして皆に空手の極意を身につけてもらうぞ」と言い出した時には選手は大ウケだった。
しかしあの時は冗談であった事が今日、真面目に検討する価値があるのではないかなどと考えてしまう。
あの受け身の動作を身につけていれば・・・・。何故私が十字靭帯に関してこれほどこだわるかというと、私自身85年に同じ怪我をしており当時は選手生命を断念せざるを得ないかとまで追い詰められた経験をしているからだ。
もちろん今日のスポーツ医学の進歩により治療、リハビリで以前に比べると格段早く復帰出来る様に なった。
つくづく残念に思うのはあの頃に現在のケアーの技術があれば私が今でも毎日のように行っている投薬、補強運動、筋トレ、体重の管理等の努力は半減しただろうにという事だ。
只々、愛する草サッカーでプレーする為に・・・・。


ジーコが書いているように、近年のスポーツ医学は目覚ましく進歩した。元フランス代表のロベール・ピレス の靭帯手術を執刀した医師は「現在の技術があれば、ファンバステンは早くに引退しないですんだ」と言っていた。

しかし、これらはあくまでも起こってしまった後の対処策。起こる前に怪我防止策を考えなければならない。柔道を練習に組み込むことが本当にこうした怪我予防になるかどうかは自分にはわかならない。でも日本で生まれた柔道にそんな利点があるなら、日本発の怪我予防策として世界のサッカー界にアピールすることができるのではないだろうか? JFAの取り組みで今のところ靭帯の怪我防止策という話は聞いたことがない、JFAはジーコの提言を真剣に考えてもいいのではないだろうか。


サッカー選手がサッカーをできずに苦しむのはこれ以上見たくはない。

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posted by uncolpodivento |00:18 | 怪我 | コメント(3) | トラックバック(1)
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