2008年10月27日
フットサルFリーグのセントラル開催@国立代々木競技場第一体育館
9月30日から10月19日まで行われたFIFAフットサルワールドカップ2008ブラジル大会。日本は、1次リーグで敗退したものの、キューバとソロモン諸島から勝ち点を上げ、次に繋がる結果を残しました。同じグループのブラジルとロシアが最終成績で1位と4位ということからしても、価値ある戦いだったと言えるでしょう。アジアから出場したイランが2次リーグに進出していますので、次は、2次リーグへ駒を進め、ぜひ4強を目指して欲しいと思います。 その日本代表が凱旋して、Fリーグもいよいよ再開されました。ワールドカップ開催のため、約2ヶ月間中断していたFリーグですが、再開初戦は、国立代々木競技場第一体育館。開幕戦と同じ舞台です。Fリーグ創設から2年目を向かえた今年の開幕戦では、昨年の記念すべき最初のオープニングマッチというお祭りムードもなく、入場者数も昨年の7割ほどに減りましたが、ワールドカップでの戦いの余韻を残してのセントラル開催は、過去最大の入場者数を第1日目に記録するなど、熱気に包まれました。しかし、中断前の8月31日(第7節)の各会場の入場者数は、決して多くはありませんでした。 <第7節 8月31日> 浦安 1,658人 名古屋 1,956人 大阪 1,469人 小田原 804人 ※4試合平均 1,471人 4会場平均では、1,471人。まだまだ観客動員に課題を残す結果でした。日本代表クラスの選手たちも、リーグ創設の勢いに乗った昨年の結果よりも、今年どれだけお客さんを呼び込めるかが勝負だ、と報道などではコメントしていましたが、中断を予期して昨年よりも2ヶ月早く開幕した今年のシーズンでの、これまでの動員実績を見ても、またまだ結果を残せる状態にはなっていません。 しかし、ワールドカップでの戦いを受けての期待感がそうさせたのか、また、日本の世界における力の証明がそうさせたのか、何れにしても、今回のセントラル開催は、過去最高の入場者数を記録したのです。初めての1日4試合というファンにはお得なカーディングでもありました。ただし、2日間の日程の中で、課題も見え隠れしたことは間違いありません。 以下は、昨年と今年の国立代々木競技場第一体育館で行われたセントラル開催での観客動員実績です。 <2007-08シーズン> 9月23日(開幕戦) 第1試合 6,639人 第2試合 7,068人 9月24日(開幕戦) 第1試合 5,479人 第2試合 6,157人 ※開幕戦平均 6,335人 1月12日(第16節) 第1試合 3,103人 第2試合 3,597人 1月13日(第16節) 第1試合 2,495人 第2試合 3,103人 2月16日(第21節) 第1試合 2,588人 第2試合 2,952人 2月17日(第21節) 第1試合 3,224人 ※開幕戦を除く8試合平均 3,077人 第2試合 3,557人 ※全12試合平均 4,163人 <2008-09シーズン> 7月12日(開幕戦) 第1試合 3,433人 第2試合 3,750人 7月13日(開幕戦) 第1試合 4,329人 第2試合 4,730人 ※開幕戦平均 4,060人 10月25日(第8節) 第1試合 3,025人 第2試合 4,717人 第3試合 6,127人 第4試合 7,081人 10月26日(第9節) 第1試合 2,514人 第2試合 3,433人 第3試合 4,278人 ※開幕戦を除く8試合平均 4,487人 第4試合 4,728人 ※全12試合平均 4,345人 国立代々木競技場第一体育館で行われた12試合づつの平均値を見ると、その差は300程度ですが、開幕戦だけの比較では、2,300人ものマイナスでした。しかし、開幕戦以外の8試合を見ると、約1,500人もプラスでした。 昨年の開幕戦では、リーグ創設の勢いというか、ご祝儀相場的な上澄みがあったのでしょう。そのことから考えると、今年の4,000人という実績は、ひとつのバロメーターになるように思います。つまり、セントラル開催では、4,000人を安定して動員できるようになれば、リーグ全体の戦績やカーディング次第では、5,000も見えてくるし、また6,000人超えを狙える、ということが言えます。今回のセントラル開催では、1日4試合ということで、第1試合の開始時間が早かったこと、また、4試合の中で、リーグ上位チームの出場が後半2試合だったこともあり、第1試合と第4試合との間に倍近い差が出たことが、1日の平均値を下げていますので、そのことを差し引くと、25日は6,000人前後、26日は4,000人強というところが、動員力としての数値になるように思われます。そのことからすると、ワールドカップ効果なのか、興行価値としては、1,000人から1,500人程度の規模で向上している、とも考えられます。逆に見ると、1,000人から1,500人という動員の上積み分は、コアファンではないが、Fリーグに注目しつつある潜在的なファン層であるとも言えますので、今後、これらの人たちを如何にコアファンとして取り込んでいくかが、Fリーグの課題のひとつとなる気がします。 実際に、観客席を見てみると、親子連れの子供たちや、チームなど団体で来場している小学生や中学生も見受けられましたが、大半は、大人でした。カップルや、友達同士で来ている20代から30代前半くらいの人たちが非常に目に付きました。中には、一人で来場している人もかなり多かったように見受けられました。男女別に見ると、やはり男性の割合は多いものの、女性も3割以上いたと思います。Jリーグでは、観客に対する調査を定期的に行っていますが、新規のファン開拓という意味合いでは、このセントラル開催の場を利用して、こうした来場者の属性を見極めていくことが、コアファン開拓のためにも必要だと考えます。大人の来場が多いということは、今後のファン拡大には期待がもてる、ということでもあると思います。ただし、JリーグファンがFリーグも同時に応援しているのか、フットサルに限ったファンなのか、または、サッカー全般を見るのが好き、という一般的なサッカーファンなのかは、詳しく検証すべきポイントだと思います。 中には、日頃、全くサッカーは見ないが、インドアスポーツとしてフットサルに興味を持っている人たちもいるような気がします。バスケットボールやハンドボールファンにも、全く違和感なくフットサルは楽しめるからです。足を使うか手を使うかの違いを除けば、ゴールやコートラインはハンドボールにそっくりですし、チームファウルがあるところや、レフェリーの動きを見ていると、バスケットボールに共通する部分もあります。コートサイズはフットサルの方が多少大きいサイズですが、今回は設置されていなかったアリーナレベルの客席があれば、より臨場感のある楽しみ方が出来ると思いますし、それは、バスケットボールやハンドボールと全く同じように、テレビジョンサイズのインドアスポーツとして見ることが出来ます。以前、インドアスポーツの協働の可能性について取り上げたことがありましたが、バスケットボールファンやハンドボールファンは、フットサルを見ても、十分に楽しめることは間違いありません。逆に、フットサルファンが、バスケットボールやハンドボールのファンになる可能性は、非常に高いように思います。複数のスポーツを取り入れているJクラブもいくつかありますが、プロスポーツ球団の経営の中で、フットサルチームとバスケットボール、ハンドボールなどのチームが連携して、ファンの獲得や試合会場の活用を協働事業として取り組むようになれば、ひとつのアリーナが、より多様な魅力を生み出す興行機会を作り出せるようにもなるでしょう。ファンと選手の距離が近いこと、だからこそ臨場感が高まりやすいこと、そして、インドア特有のさまざまなエンタテイメント性を盛り込めることなど、共通するイベント要素は、たくさんあるように思います。 Fリーグは、来季から10チームになります。北海道と東京府中の2チームが加入してきます。現在、レギュラーシーズンでの観客動員は、独自のアリーナを持つ名古屋は2,000人を超える時もありますが、1,500人というところが平均値ではないでしょうか?。ただし、この数値も、上位のチームが1,800前後の動員を安定して保っているからで、1,000人強程度の試合もかなり多いようです。プロバスケットボールの独立リーグ、bjリーグのレギュラーシーズンの平均値と比較すると700~800程度の差がありますが、これも3年、4年とリーグが実績を重ねていけば、直ぐに追いつくように思います。先に述べたように、フットサルには、大人のファン層を掴む潜在力があるように思うからです。バスケットボールは、観客層としては、まだまだ中・高校生が多いようです。企業スポーツによるリーグ運営が歴史を作ってきたことが、そのひとつの要因かもしれません。興行的な動員策よりも、地域貢献や福利厚生的な意味合いが強かったからでしょう。その点から言うと、フットサルは、プロまたはクラブチームの参加によるリーグ創設から始まっています。Jリーグのサッカーのプロとしての位置付けが浸透していることもありますので、最初からフットサルを応援するファンの人たちの意識が違っていたのかもしれません。 セントラル開催で獲得した約4,000人規模のファン層を如何に各チームのホームゲームに引き寄せていくか?。そして、セントラル開催で開拓したプラス1,500人規模の新規ファンを、如何に固有のファンとして囲い込んでいくか?。こうした課題の解決策を、中・長期的な視点で見出していくことで、Fリーグは、確実にホームアリーナを満員にしていける潜在力を持つようになると思います。まずは、2年目の今シーズンの年間を通した実績が、どのようなものになっていくのか、注目しながらFリーグの試合も楽しみたいと思います。
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posted by umekichihouse |07:45 |
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