2008年10月09日

JBLの新星「リンク栃木プレックス」の開幕戦テレビ中継より、あれこれ・・・②

前回に続き、JBL新規参入チームのリンク栃木ブレックスの、開幕戦テレビ中継から気付いた点を、ひとつフォーカスしたいと思います。今回は、試合会場となった宇都宮市体育館の施設利用状況や施設環境、そしてそれを前提とした球団の経営シュミレーションの予測を取り上げたいと思います。

まずは、宇都宮市体育館の施設利用状況や施設環境について・・・。

ホームゲーム18試合中6試合を行う宇都宮市体育館は、私は実際に訪問したこともなく、また公開されている資料にも詳しい内容が記載されていないので、あくまでもテレビ中継画面から読み取った内容を基にして推測すると、客席数は、国立代々木競技場第二体育館と同じ程度ではないかと思います。もちろん、仮設したであろう一部アリーナ席も含みます。約3,200席程度ではないでしょうか。内、約2,400席は2Fスタンド席で、約800席は、アリーナ席という推測です。またまたその内、200席程度は、片方のゴール裏のスペースに設置した仮設アリーナ席です。通常の地方都市にある体育館としては、2Fスタンド席がアリーナを中心にして四方にある分、広い方だという気がします。よって、2Fスタンド席が2,400で、アリーナ席が800という規模は、興行としては、かなり効率的といえるものだと思います。何故ならば、アリーナ席は客単価を高めに設定できるため、全客席数に対して、1/3前後の割合で設定できるとすると、入場料収入の予測が計算しやいのです。アリーナ席は、チームや選手個人を応援するファンによってチケット販売が計画しやすいからです。一方で、2Fスタンド席は、満員のアリーナ席を四方から見渡せることにより、アリーナ席の熱狂振りが試合コートと一体となって見えるため、もし、たまたま来場した人であっても、リピーターを作り出しやすい環境を作りやすくなります。アリーナ席が800席程度の規模だと、満員という会場の雰囲気が、2Fスタンド席まで伝わるため、会場全体の演出効果が得られやすくもなります。もし、アリーナ席が200~300席以下で、3,000席以上ものスタンド席がある設定だとすると、2Fから見下ろすアリーナ全体の雰囲気は、非常に質素なものにしか見えないでしょう。試合会場の客席構造ひとつ取っても、プロ興行の施設としては、さまざまに効果波及する重要な要素となるのです。欲を言えば、4,000~5,000席規模であれば、小学生以下の子供を対象としたキッスクラブの会員を増やして、スタンド席内に専用のエリアを設けることも可能になるかもしれない、と考えました。(しかしこの場合、比例してアリーナ席の規模が増やせないと、設定バランスが悪くなる弊害も生じるので、注意か必要ですが・・・。)

ただし、客席規模を考える中で、満員の客席から、スコアボードがどの程度の見え方で視認できるのか、ということが気になりました。私も、特にインドアボールゲームのイベントや大会では、スコアボードの設定位置やその環境に注意を払います。このことは、会場の設営を担当する人や、または、競技の運営を担当する人の役割だと決め付けているケースがよくありますが、それは大きな間違いです。ゲームは、特にバスケットボールなどの時間経過が重要な要素となる場合は、得点経過と時間経過の状況が、まず、コート上の選手の位置から、次に、チームベンチから、そしてすべての観客の位置から、確実に視認できなければ、試合を行う意味がなくなります。テレビで見ていれば、CGにより画面上で表示されますが、会場現場では、コート近辺に設置されるべきスコアボードが、唯一の表示となります。また、移動式のスコアボードの場合、設置位置は調整できるものの、高さまでは考えていない場合も多く見られます。特に、アリーナ面に客席を多く設定する場合は、客席そのものにより、スコアボードが見切れてしまう場合もあります。つまり、2Fの客席から視界を遮ることのない高さで、しかも、会場のすべての位置から、スコアボードの表示が肉眼で確認できる適性なアリーナ面からの高さを、計算の上で見極める必要があります。テレビ画面で見る限り、ほぼ床面と同じ高さでの設定に見受けられましたが、果たしてどうだったでしょうか?。客席が満杯になることで、観客の頭でスコアボードが見切れているケースもよくあります。
次に、一方のゴール裏の2Fスタンド上に設置してあった大型ビデオスクリーンについてです。大型映像装置は、試合演出をより効果的にするためにも、非常に効果的な装置となることは言うまでもありません。スポンサーメリットを作り出す上でも、CM放映やPRビデオの放映にも活用できますし、ライブスタッツデータの表示や、テレビ中継がある際には、映像分岐によって、ハイライトシーンやスローシーンを映し出すことも可能になります。また、前述のスコアボードの設置に問題がある時にでも、スコアボードデータを、ライブスタッツデータと一緒に配信することも可能であり、微妙に時間表示は遅れますが、ほぼリアルタイム表示が出来ることになります。つまり、エンタテイメント性と、競技の進行に、非常に役立つツールであることは間違いないのです。ただし、bjリーグでも最近は改善されてきましたが、客席内に仮設でビデオスクリーンを設置するのはどうかと思います。客席内に仮設設置する場合、液晶やLEDによるスクリーン装置だと、重量の問題から、客席の耐加重構造によっては設置できない場合があり、その代替として、背後からの投射型スクリーンを用いるケースをよく目にします。そのエリアの照明をダウンすれば、見えることは見えるようになるのですが、これには、前回述べたような会場全体の照明環境に悪循環をもたらします。スクリーンを設置するエリアのみ暗くする照明システムはほとんどないため、客席エリア全体を暗くすることになるでしょう。それは、元々のアリーナ照明の照度が低い場合、会場全体をより暗くしてしまうことになるのです。テレビで観た暗い感じというのは、このことにも起因しているのかもしれません。設置スペースの周辺の客席を潰してしまうことも含めて、試合興行全体としての価値をどのように捉えているのか、私は疑問に思いました。

施設利用状況としての第三番目のポイントは、試合コートの設定についてです。ほとんどどの体育館にも言える事なのですが、まず、備品として体育館にあるゴール設備が古い、ということです。2点あり、ひとつは、前記のスコアボードにも関連するのですが、ショットクロックの設置パターンです。24秒ルールは、バスケットボールというスポーツの進行上、重要なルール要素です。その時間経過を示すショットクロックが、全部とは言わないまでも、2/3の客席からは視認できるものが、本来は望ましいのですが、ゴールのタイプによっては、コート上からの視認に問題がないだけ、という程度のものが多いのです。国際バスケットボール連盟、FIBAの基準では、FIBA主催大会は3面もしくは4面の表示面が付いたショットクロックの使用が義務付けられています。もちろん、そこまでの設備は必要なくとも、観客サービスをより向上させていくためには、このような設備の充実も、本当は必要なことだと思います。ちなみに、bjリーグは、自前の用意において、複数の表示面のあるショットクロックを使用しているチームが多く見られます。エンタテイメント性という言葉の意味を、観客サービスとしての設備の用意、という観点にまで及ぼし、キチンと理解していることの現われかもしれません。大いに見習うところだと思います。

また、ゴール設備で致命的なのが、古いタイプの機材は、エンドラインからゴールの支柱のパッド全面の位置まで、FIBAルール通りの2mの距離がないことです。これは、古いルールに沿った構造であるためですが、例え競技に支障はなくても、テレビカメラを通して見ると、ベンチ側のエンドライン沿いに設置してある広告看板が、ゴールの支柱によって見切れている場合もあれます。広告看板は、ルール通りにエンドラインから2mの位置に設置されているのですが、ゴールの支柱の位置が約1.2~1.3mの位置にあるため、その影響を受けてしまうのです。古いタイプのゴールは、バックボードを支えるバーの強度や構造の問題から、そのように作られているので仕方ないのですが、そろそろ耐久年数を迎えるものもあると聞きますので、プロ興行の利用を前提として、bjリーグも含めて、その辺から興行施設の改善を検討してもらえるように、施設を管理する行政機関などに申し入れできないものかと、私は常に思っているところです。

さて、次は、前述の観客席規模を前提とした、入場料収入機会に関する検証から、球団の経営シュミレーションの予測について、全く机上の空論ですが、私の独断を述べたいと思います。先の観客席規模をチケット販売単価に照らし合わせると、下記のようになります。あくまでも、私的検証なので、考え方としてご覧ください。

◇1試合当りの入場料収入シュミレーション
   ・BB席 @10,000円 X   10席 =  100,000円
   ・CS席 @ 6,000円 X   40席 =  240,000円
   ・BA席 @ 2,500円 X  150席 =3,750,000円(単価は平均値)
   ・1F席  @ 2,000円 X  650席 =1,300,000円(同上)
   ・2F席  @ 1,500円 X2,400席 =3,600,000円(同上)
   ※全席を販売した総額 約900万円
   ※全席の90%を販売有効席とした場合: 約810万円
   ※上記の75%を販売目標値とした場合: 約600万円(Gross)
   ※同上の数値の80%を販売ネットとした場合: 約480万円(Net)
     (消費税、販売手数料、コストを除いた収入額)

◇全18試合のホームゲームにおける入場料収入
   480万円 X 18試合 = 8,640万円(Net)
   ※Gross換算 1億800万円(Gross)

◇入場料収入を収入全体比45%とした場合の球団収入規模推測
   1億800万円 ÷ 45% = 2億4,000万円(Gross)

◇1試合当りの興行原価シュミレーション(対Net販売収入)
   ・原価率45%とした場合: 約220万円が興行コスト上限額
    (約260万円が球団収入)

入場料収入の販売目標値を75%としたのは、他のホームゲームの12会場の規模が、宇都宮市体育館よりも少ない場合もあることや、未販売の1月以降の販売状況を敢えて低く考えたからです。あくまでも、現状の完売状態でのままでの予測が好ましいのですが、堅実な線での予測数値にしてみました。

上記シュミレーションから、現状の完売の状態が継続すれば、あくまでもスポンサー収入が理想どおりの規模としての前提ですが、総収入は3億円を超える規模になります。75%規模において、また、すべての試合会場の客席規模が3,300席と見込んでのシュミレーションだと、上記の通り、2億4,000万円前後の経営規模となるわけです。この数値が、適性かどうかの判断は、Jリーグなどと同様に、人件費等のコストの規模や配分によるので分かりませんが、興行原価を見る限り、試合会場の使用料金の程度にもよりますが、まずまずの規模ではないかと考えます。会場使用料が、プロ興行単価適用で何の減免措置もないとすると、70~80万円ほど違ってくるかも知れません。

posted by umekichihouse |06:47 | バスケットボール | コメント(0) | トラックバック(0)
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