ぶんきち日記

アメリカと欧州、日本が範とすべき選手育成モデルはどこにあるのか? Vol.5

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14歳でプロ契約!?・・・・・クラブが若手選手たちを発掘

1999年の世界ジュニア選手権(U-18)でアメリカを打ち破り優勝。そこからスペインの黄金期が始まり、2006年に日本で開催された世界選手権では見事に世界制覇。欧州でも2009年、2011年とユーロバスケットを連覇。今年のユーロバスケットも制しています。オリンピックでも2008年の北京、そして2012年のロンドンと、アメリカに敗れはするも連続で銀メダルを獲得し、世界のトップクラスの座を不動のものにしているスペインの、選手育成の土台はどこにあるのか。 それは代表の中核を成す主力メンバーたちのプロフィールから窺い知ることができます。いまやNBAのオールスターの常連となったパウ・ガソルは、16歳でビッククラブのFCバルセロナのユースチームにスカウトされ、18歳で既にトップチームに昇格。ここからスターダムにのし上がることになります。ガソルの弟、マルク・ガソルもFCバルセロナのジュニアチームからトップチームに昇格し、その後、兄同様にNBA入りを果たしています。また、フアン・カルロス・ナバーロもFCバルセロナのユースチームから17歳でトップチームに昇格。1999年の世界ジュニア選手権ではMVPを獲得。2000年のシドニー五輪では、19歳でフル代表デビューしています。このように、代表チームの中核を成す選手たちは、何れもサッカーで有名なビッククラブ、特に、FCバルセロナやレアル・マドリードのユースチームから、10代後半にはトップチームに昇格を果たし、代表入り、そしてNBAへと歩みを進めているのです。2014年に地元開催となったFIBAワールドカップでは、12名中4名がレアル所属選手であることも、そのことを明示しているでしょう。2014年時のスペイン代表メンバーと所属チームは以下の通りです。 セルヒオ・ロドリゲス(レアル・マドリード) セルヒオ・リュル(レアル・マドリード) ルディ・フェルナンデス(レアル・マドリード) フェリペ・レジェス(レアル・マドリード) フアン・カルロス・ナバーロ(FCバルセロナ) アレックス・アブリネス(FCバルセロナ) リッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ) ※FCバルセロナ ホセ・マヌエル・カルデロン(ニューヨーク・ニックス) ※タウ・セラミカデ パウ・ガソル(シカゴ・ブルズ) ※FCバルセロナ マルク・ガソル(メンフィス・グリズリーズ) ※FCバルセロナ セルジ・イバカ(オクラホマシティ・サンダー) ※マンレサ ビクトル・クラベール(ポートランド・トレイルブレイザーズ) ※バレンシアBC 12名中、4名がレアル・マドリード所属。FCバルセロナからは、NBA入りする前の所属を含めると、5名となります。2強以外のプロクラブのユースチームからトップ昇格し、そしてNBA入りの道を掴んでいる選手も含めると、スペインの場合は、10代前半から半ばまでにプロクラブの下部組織で成長し、そして10代後半にはトップチームでプロデビューしていくのが選手育成の土台であるように思います。 象徴的なのは、2005年に史上最年少の14歳11ヶ月24日でプロデビューを果たしたリッキー・ルビオでしょう。彼がプロクラブの下部組織のチームに入ったのは、13歳の時。スペイン・カタルーニャ州バダローナを本拠地とするプロバスケットボールチームでした。その後、トップチームに昇格しプロデビュー、17歳でFCバルセロナに移籍し、2008年の北京オリンピックでのフル代表メンバーに選出されます。そして、アメリカとの決勝では、スターターとしてコートに立ち、負けはしたものの、世界の注目を集めました。ちなみに、スターターとしてこの決勝の舞台を踏んだ年齢も史上最年少記録だそうです。現在はNBAに活躍の舞台を移し、2012年にはオールルーキーチームの1stチームに選出されるなど、まだまだ進化を続いているようですね。 サッカーが象徴的ですが、特にスペインでは、ビッククラブを中心とした、ユースチーム時代からのプロクラブでのキャリアが育成の土台になっているようです。それだけ、ユース世代の育成の窓口として、プロクラブの存在が大きい、ということなのでしょう。そして、代表メンバーに名を連ねる選手たちは、10代後半の年代にはトップチームに昇格しプロデビューを果たしています。遅くとも18歳。サッカーでは18歳で選手として完成しなければ大成しない、とも言われていますが、バスケットボールも同じようです。ちなみに、欧州では、アンダーエイジ世代の欧州選手権が毎年開催されています。これは、世界5大陸の中で唯一であり、欧州全体としてユース世代の強化に取り組んでいる、とも言える試みです。本来は2年に一度の開催ですが、年代を途切れさせない、という育成の本筋がそこにはあるように思いますし、それが欧州躍進の根底にあるものなのではないでしょうか。

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今  昌司 / Masashi KON

専修大学法学部卒。広告会社数社で営業、スポーツ事業などを歴任。ナイキジャパンではイベントマネジャーとしてイベント業務、伊藤忠商事ではNBAの日本国内業務、主にスポンサーシップ業務を担当。各社勤務を経て、2002年よりスポーツ分野に特化したプランニング業務やイベントオペレーション業務を主としたフリーランスプランナーとして活動中(現在)。その他、2013年より2年間、帝京大学経済学部経営学科で非常勤講師、各所でスポーツマネジメント関連の臨時講師などを務め、2016年より亜細亜大学経営学部ホスピタリティマネジメント学科で非常勤講師を兼務している。スポーツビジネス全般に、スポンサー、広告会社、スポーツ組織、メディア等の様々な視点で実務に携わってきた経験から、「現場感覚」「現場視点」「現場思考」を大切にすることをモットーにしている。
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