2008年09月09日

「パラリンピックの魅力と現実」その1 ~まず知ること!

北京オリンピックの興奮もそろそろ落ち着いたと思っていたら、9月6日から、身体障害者による世界最高峰のスポーツ大会、パラリンピックが開幕しました。開催都市は、オリンピックと同じ、中国・北京。17日まで、12日間に渡り、20競技、なんと472種目で熱戦が展開されます。日本からも、160人を超える選手団が参加しており、既に、メダル獲得のニュースも飛び込んでいます。しかし、オリンピックの302種目の1.5倍以上の種目で、世界の頂点が争われるパラリンピックは、世の中的にはあまり話題になりません。テレビ放送そのものが、ほとんどないことが最大の要因だと思います。NHKと民放で、合計930時間以上ものテレビ放送を行ったオリンピックに比べ、パラリンピックは、NHKによる毎日のハイライト放送があるのみです。1日50分間のハイライトが、NHK教育テレビで夜の10時過ぎから放送され、その再放送がNHK総合で朝の10時から放送される、というのがすべてです。NHK衛星第一放送ではもちろん、民放では、ニュース報道以外、全く中継されることはありません。

2016年、東京はオリンピックを開催すべく動いています。その結論は、来年秋に下されます。先日の正式候補地決定の際には、東京の実施計画案に対する評価は1位ということでした。しかし、都民、日本国民の中では、まだまだ十分な歓迎ムードは生まれていないのではないでしょうか。私個人としては、ぜひやってほしい。しかし、今回のパラリンピックの扱いを見ていると、本当に東京でオリンピックをやっていいのか?、と考えさせられました。今回の北京から、オリンピックとパラリンピックは、同じ組織委員会により運営されています。北京市そして中国は、社会主義国であり、国威発揚のためなら、全人民を動員できる力があります。北京オリンピックでの人海戦術による大会運営の姿は、まさにそれを物語っていました。同じ事を東京で行うことは不可能です。都民や国民、みんなが協力して、みんなが力を合わせなければ、この2つの大会を、同じ運営組織で運営するのは、相当な負担を強いられるのではないでしょうか。それを克服し、掲げられたスローガンのように、日本だからできるオリンピック、を成し遂げるためにこそ、パラリンピックの魅力と現実を、もっと知ることが必要なのではないでしょうか?。

パラリンピックとは、Paraplegic(半身不随)とOlympicとの造語に始まります。それが、視覚や聴覚障害の人など半身不随以外の人たちも参加するようになり、1985年に、Parallel(平行)とOlympicの造語となり、「もうひとつのオリンピック」という意味を持つことになります。TBSテレビの朝の情報番組、「朝ズバ!」のメインキャスターである“みのもんた”さんは、オリンピック期間中でさえ、「北京オリンピック・パラリンピック」と、2つの大会を一緒に言葉にし続けていました。前記の造語の変遷から見ると、まさにみのさんの言葉は、パラリンピックの存在意義を、明確に表現していることなのです。「もうひとつのオリンピック」という言葉は、非常に重い意味を持つものだと思います。同じく1985年には、国際オリンピック委員会(IOC)も、国際パラリンピック委員会(IPC)に対して、正式にオリンピックの呼称を使用することに同意しています。そして、1988年から、オリンピック開催都市とパラリンピック開催都市は、同じ都市にすることが決まります。ソウル大会です。更に、2000年のシドニー大会の時、オリンピック開催都市は、パラリンピックも開催することが、正式に義務付けられました。2001年には、2008年の夏季大会と2010の冬季大会からは、オリンピックの大会運営を担う組織委員会が、パラリンピックも運営することになり、同じ組織委員会が2つの大会の大会運営を担うことも決定されたのです。その最初の大会が、今回の北京、ということです。

体に障害を持つ人たちのスポーツに対する情熱は、健常者のそれとは、全く違う次元にあることを、選手たちの日常の姿を見ていると強く感じます。競技力の向上とか、勝つこととか、という次元ではなく、生きるために・・・、という強い信念を感じるのです。だから、私のような一人のスポーツファンとして、選手たちならば同じアスリートとして、パラリンピックに出場している選手たちから学ぶことは、言葉で語れないほど、底が深く、たくさんあると思います。

2000年夏、さいたま新都心に開館したさいたまスーパーアリーナの開館記念として、アメリカやスペインの男子バスケットボール代表チームを招聘し、国際大会が行われました。その記念すべきコートに、車椅子バスケット日本代表の選手たちが招待されたのです。シドニーパラリンピックに出場する面々です。車椅子バスケットをテーマにしたマンガ「リアル」の作者である井上武彦氏の協力によって実現したものですが、運営に携わっていた一人として、私は、彼らの誘導と対応に当りました。私の頭の中には、車椅子の人たちをどうしたら安全に誘導できるか、ということしかありませんでした。しかし、現実に彼らを見て、私の考えは全く間違っていたことを思い知らされたのです。彼らは、車椅子を自分の体の一部として操り、一般の人たち以上の運動センスを持つアスリートたちでした。余計な心配ばかりする私は、少し恥ずかしい思いをしたことを覚えています。今回、日本選手団の主将を務める京谷選手も、その中にいました。コート上で、彼らが一人ひとり紹介される姿からは、日本代表としてのオーラがしっかり感じられました。オリンピック出場を逃した男子バスケットボール日本代表も大会には参加していましたが、その存在感の違いは、全く比較にならないものだったのです。Jリーグ創設時のプロサッカー選手が、不運から車椅子の生活となり、やがて車椅子バスケットボールに、世界への挑戦の舞台を求めました。ワールドカップに夢を馳せるサッカー時代の仲間の姿を見て、「俺も日の丸をつけて世界と戦ってやる」。その思いは、北京でも生きています。参加するだけではありません。金を取るために、彼らは北京で戦っているのです。京谷選手のことです。

そして、今月3日。スカパー!で、大会終了後の録画放送ですが、車椅子バスケットのテレビ放送が決まりました。

posted by umekichihouse |02:43 | オリンピック | コメント(4) | トラックバック(0)
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「パラリンピックの魅力と現実」その1 ~まず知ること!

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私の友人にも障害者がいます
彼は.全盲です 鍼灸医です.その彼が 私に
卓球をしようと言いました ラージボールと言うのですか.
「お前には負け無いよ」と言うのです.
私は嘘だろう.未だ実現はしておりませんが
そんなバカな.と思いました が彼の言葉の自信には
恐怖を感じました.
パラリンピックはそんな方々のもっと卓越したアスリート達の競技です.神憑りの域に居る方達の競技です
そんな感激の場を何故もっと広く知らしめないのか
不思議です.視聴率という事でかたずけるのなら
メディアはその役割を果たしているとは思えません
自分達の都合のいい報道しかしていないとしか思えません そんな中で私たちは暮らしているのです
世の中.良くなる筈が有りません.

posted by 千葉健一 | 2008-09-18 01:26

「パラリンピックの魅力と現実」その1 ~まず知ること!

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以前から日本の選手が沢山メダルを獲得しているなあ!
ぐらしか認識がなく、テレビでもあまり見たことがありませんでした。
9月6日付けの毎日新聞「余禄」で、パラリンピックの起源が前回のロンドンオリンピック大会1984年の開会式の日、ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院で戦傷者による障害をもつ患者16人によるアーチェリー大会が開かれ、このささやかな病院内運動会がパラリンピックの起源と書かれていました。
この記事を読んで以来パラリンピックに興味を抱くようになりました。またスペシャルオリンピックスの存在を知り尚一層興味深く考えるようになりました。
巨大化しプロ化していくオリンピックにその行く末に大きな不安があります。知的身体的に障害を持つかたがたのスポーツへの情熱をサポートしていくことが地球の平和や環境改善への道につながるのではないかと思います。
国を挙げての応援をしたいものです。

posted by 清助 | 2008-09-18 00:56

「パラリンピックの魅力と現実」その1 ~まず知ること!

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パラリンピック感動しました。
障がいを抱えながら直向に努力する姿、我々も頑張らなきゃ・・と。
しかしもうひとつの障がい者国際スポーツ組織、スペシャルオリンピックスの存在を知ってほしい。
これはIOC国際オリンピック委員会認可の組織で、知的発達障がい者のオリンピックです。
オリンピック・パラリンピックと同じように4年に一度世界大会(夏季・冬季)が開かれています。
昨年10月、中国は上海で夏季世界大会が開催されましたが、中国はオリンピックの前哨戦と位置づけ、8万人収容の上海スタジアムをメイン会場に大成功でした。
来年の2月には冬季世界大会がアメリカはアイダホ州ボイジーで開催されます。
パラリンピック以上にメディアで取り上げられない環境です。
皆さん是非スペシャルオリンピックス(SO)の存在もお願い致します。

posted by SONコーチより | 2008-09-18 00:09

「パラリンピックの魅力と現実」その1 ~まず知ること!

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日本でのテレビ放送が、そんなに少ないとは・・・。私は、ロンドンに住んでいますが、イギリスではBBCの中の一つのチャンネルで24時間放送、日中はBBC2でライブを含む放送、夜7時からハイライトと、大方の競技を見ることができます。もちろん、イギリスの選手中心です。開会式もライブ放送でした。毎日、熱戦が観れてよかったです。でも、残念ながら、男子バスケットは、日本とイギリスが違うグループなので、予選の間は日本の試合は観れなさそうです。

posted by えりざべす | 2008-09-09 08:06

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