2008年08月30日
日本のスポーツアリーナ “BEST 10” !!
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長年、スポーツイベントのスポンサーシップやオペレーション業務に関わってきた中で、とにかく、いつも思うことがあります。施設の問題です。古い、使いにくい、利用規定が厳しい、融通が利かない、などなど・・・。日本にあるスポーツアリーナ、つまりは大半が“体育館”ですが、地域住民の健康とスポーツ活動の促進を促していくための施設として・・・云々。もはや聞き飽きたセリフですが、公共施設としての体育館は、行政が管轄しますから、その運営施策も、行政の倫理観や価値観で決められているケースがほとんどです。利用する人の立場や、貸し切りでイベントを行おうとしている人たちの利便性は、すべてとは言いませんが、ほとんど無視したルール作りになっています。加えて、周辺住民に対する配慮を前提として、夜の何時以降は車輌の出入りは禁止とか、設営や撤去の都合で深夜の時間帯を利用させているにもかかわらず、音を出してはいけない、とか・・・。スポーツイベントやコンサートなどの興行の利用を対象として、通常より高い利用料金を設定しているのにもかかわらず、興行を実施する際には、あれこれと規制をかけたり、何かというと課金対象にしてしまいます。随分と悪口が多いと思う方もいるでしょうが、これが、現実です。そんな中で、イベントの運営や設営に携わっている人たちは、悪戦苦闘しながらも、立派にイベントを成し遂げている毎日なのです。 そんな中で、私は、常に、「理想的なスポーツアリーナ施設はないものか?」ということを考えています。実際に利用実績がある施設に関しては、良い点や悪い点が明確に理解できていますが、無数にある全国の施設を検証するためには、膨大なお金と時間を使いますので、実際に見に行くことは到底不可能です。そこで、ある程度の規模の国際大会やスポーツイベントの開催実績を元に、資料ベースですが、3,000席以上の既存客席を有する施設の中で“これは!”というスポーツアリーナをピックアップし、全部で67施設を検証してみました。既存の施設環境もさることながら、実際に、国際大会レベルのスポーツイベントのオペレーション計画に対応できるのか否か、また、運営コスト面も考慮して、仮設工事の必要度合いの低いことや、アリーナから適切な時間的距離の位置に、適切な宿泊施設があることなど、イベント運営上の具体的な検証ポイントを、その評価基準として検証しています。 個人的な独断と偏見ですが、その中のベスト10の施設を下記にご紹介してみます。ただし、ベスト10とは言いましたが、順位は付けません。上位10施設という観点でご覧ください。国際大会などのスポーツイベントで、開催会場に関してお考えの方がいらっしゃいましたら、余談のつもりで見てください。(記載している観客席数は、バスケットやバレーなどのボールゲーム実施時のアリーナ設定を前提としたものです。) 1.<北海道札幌市 北海道立総合体育センター ※通称 きたえーる> アリーナ面積:3,886㎡, アリーナサイズ:84mX50m, 観客席数:5,872席(仮設1000席追加可能) 2.<三重県伊勢市 三重県営サンアリーナ> アリーナ面積:3,489㎡, アリーナサイズ:83mX48m, 観客席数:7,160席 3.<愛知県名古屋市 日本ガイシホール ※ネーミングライツ導入中> アリーナ面積:3,646㎡, アリーナサイズ:84mX49m, 観客席数:7,000席 4.<大阪府大阪市 大阪市中央体育館> アリーナ面積:3,580㎡, アリーナサイズ:77mX46m, 観客席数:7,322席 5.<広島県広島市 広島県立総合体育館 ※通称 広島グリーンアリーナ> アリーナ面積:3,500㎡, アリーナサイズ:80mX48m, 観客席数:6,738席 6.<神奈川県横浜市 横浜アリーナ> アリーナ面積:8,000㎡, アリーナサイズ:114mX78m, 観客席数:14,000席 7.<埼玉県さいたま市 さいたまスーパーアリーナ> アリーナ面積:6,175㎡, アリーナサイズ:95mX65m, 観客席数:21,197席(アリーナモード使用時) 8.<東京都渋谷区 国立代々木競技場第1体育館> アリーナ面積:4,002㎡, アリーナサイズ:95mX47m, 観客席数:9,079席(仮設2000席追加可能) 9.<大阪府大阪市 大阪城ホール> アリーナ面積:3,500㎡, アリーナサイズ:83mX48m, 観客席数:10,956席 10.<福岡県福岡市 マリンメッセ福岡> アリーナ面積:8,000㎡, アリーナサイズ:100mX80m, 観客席数:7,400席 上記を選出した理由をご説明するために、基本的な検証ポイントについて、まずは述べさせていただきます。 第1に、競技スペースとなるメインアリーナの広さです。ルールに沿ったコートスペースと、その急変の競技運営スペース、そして、可動席や仮設席によるアリーナ席の十分な設置スペースなどを考慮すると、最低レベルでも3,500㎡前後の広さは必要となります。アリーナ席の規模が大きければ、その広さは拡大します。アリーナの縦と横の長さについては、少なくとも、80mX50m前後のサイズは必要です。特に、短辺のサイズが小さいと、競技運営に障害が生じる場合がありますので、最低でも47-48mは必要となるでしょう。(可動席の設置方法にもよります。) 第2は、観客席の規模ですが、一般販売可能座席数が、その全体の数値の70%で4,000席になる規模でないと、興行収入の確保という点で影響します。また、大会運営上、約1,000~1,200席が、テーブル設置席となるプレス席やコメンタリーポジション(テーブル設置のために倍の席数を使用)、来賓席、選手席、関係者席等の確保のために必要となりますし、また、テレビ放送制作上、カメラポジションのスペースの確保のために必要になります。つまり、総座席数が、最低レベルでも7,000席前後ないと、必要な一般座席数が確保できないのです。 第3は、第2のポイントで述べた7,000席前後の客席数規模の施設では、アリーナ面のコンディションが、木製フロアであることが必要条件となります。もちろん、競技コートとして、そのまま使用できる品質であることはもちろんです。特に、バスケットボールでは、厳密にフロアの仕様条件が、国際連盟の規定で定められています。ただし、このポイントでは、10,000席以上のレベルの大規模施設では、無視できます。何故ならば、座席規模が大きいことで、興行収入規模の拡大も期待でき、そこでの拡大分を、仮設フロアの設置費用として使えるからです。よって、10,000席以上の施設では、適正な木製フロアが常設されていることは必要条件とはしません。 第4は、メインアリーナ内の照明照度の適性具合です。テレビ放送を前提として、国際レベルでは、1,800~2,000ルクスの照度がアリーナ全面平均で確保できることが常識になっています。 第5は、空調設備の能力です。単に観客席エリアだけではなく、フロア面にも適切に空調効果があるような空調システムでなければなりません。アリーナ内で、空気が循環せず、満員の状況の中で、想定以上に室内温度が上昇するケースはよくあります。満員の状態での能力検証が必要です。 第6は、施設全体としての電気設備の容量規模です。臨時電源の規模はもちろんですが、空調設備使用時には、電気使用量は拡大しますので、それによって運営上、臨時で使用する電気容量に影響が出ることは避けなければなりません。EPSという配電盤装置の位置も、競技運営に支障のない位置にあるのが理想です。 第7は、メインアリーナ周辺のバックヤード内の諸室環境です。必要な部屋数や各諸室の広さの状況、更衣室内のシャワー設備やトイレ設備の有無など、まずは、競技運営に必要な施設環境が整っているか否か、ということです。その点でも、仮設を必要とする場合は、第3のポイントと同様に、10,000席以上の大規模施設以外は、マイナスポイントです。 第8は、メディア関連施設やテレビ放送関連施設用の諸室、スペースを適正な場所に確保できるか、ということです。かなり重要な要件で、メディアワークルーム等は、来場するメディアの数にもよりますが、250~300㎡の規模の部屋は必要ですし、テレビ中継車の駐車位置も普通車で10台前後分のスペースが、会場施設に隣接して必要です。メインアリーナ付近になければ、会議室が集中して配置してある会議棟などの隣接施設の利用も考慮できます。また、剣道や柔道で使用する武道場内を仮設利用する場合もあります。 第9は、VIPなどに対するサービス施設であるホスピタリティスペースの確保です。第8のポイントで挙げた諸室の半分程度のスペースで十分ですが、飲食を伴いますので、利用規約の確認も必要です。 第10は、通信設備の問題です。ブロードバンド回線での通信は、いまや、必要不可欠なコミュニケーションインフラですので、既存設備として、光通信回線の基礎設備の有無が課題です。特に、導入が遅れている地方の施設は、現地の通信会社にも確認の上、仮設工事の必要性も含めて、詳細なチェックが必要でしょう。 以上の10ポイントの検証課題を精査して、すべてに満足できる内容を得られなくても、一部の仮設や臨時対策にて、課題を解決できる範疇にあると考えられるレベルの施設が、上記に挙げた10の施設です。 ただし、「三重県営サンアリーナ」に関しては、来年、新体操世界選手権の開催を控えている、ということもあり、施設の内容は素晴らしいので、期待値を込めて取り上げましたが、ひとつ重大な課題があります。アリーナの近隣に、適切な宿泊施設が少ないということと、空港からの移動距離がかなりある、ということです。国際大会の場合、選手が宿泊する施設から試合会場や練習会場までの時間的な移動距離は、大型バスにて、約20分前後が限界と考えます。渋滞を考慮しても最大で30分圏内に、それらの施設がないと、競技進行上の問題や、何よりも選手の負担が増加されます。空港からの距離については、車で約1時間圏内であることが通常です。こうした点で考えると、大都市圏の場合は、さほど問題は生じませんが、どうしても地方都市の場合は、宿泊施設や輸送の問題で、神経質な課題が浮上するのが常です。 最後に、上記に取り上げる客席規模に満たないけれど、施設や設備内容が充実していて、お勧めの施設を、7会場、下記にご紹介します。トップリーグなどのリーグ戦開催には、非常に適した施設だと思います。 1.<群馬県前橋市 群馬県総合スポーツセンター ぐんまアリーナ> 5,433席 2.<愛知県豊田市 スカイホール豊田> 4,450席 3.<岐阜県岐阜市 岐阜メモリアルセンター で愛ドーム> 4,564席 4.<大阪府大阪市 舞洲アリーナ> 5,820席 5.<兵庫県神戸市 グリーンアリーナ神戸> 4,852席 6.<兵庫県神戸市 神戸ポートアイランドホール> 5,464席 7.<鹿児島県鹿児島市 鹿児島アリーナ> 4,200席
posted by umekichihouse |08:57 |
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長年、スポーツイベントのスポンサーシップやオペレーション業務に関わってきた中で、とにかく、いつも思うことがあります。施設の問題です。古い、使いにくい、利用規定が厳しい、融通が利かない、などなど・・・。日本にあるスポーツアリーナ、つまりは大半が“体育館”ですが、地域住民の健康とスポーツ活動の促進を促していくための施設として・・・云々。もはや聞き飽きたセリフですが、公共施設としての体育館は、行政が管轄しますから、その運営施策も、行政の倫理観や価値観で決められているケースがほとんどです。利用する人の立場や、貸し切りでイベントを行おうとしている人たちの利便性は、すべてとは言いませんが、ほとんど無視したルール作りになっています。加えて、周辺住民に対する配慮を前提として、夜の何時以降は車輌の出入りは禁止とか、設営や撤去の都合で深夜の時間帯を利用させているにもかかわらず、音を出してはいけない、とか・・・。スポーツイベントやコンサートなどの興行の利用を対象として、通常より高い利用料金を設定しているのにもかかわらず、興行を実施する際には、あれこれと規制をかけたり、何かというと課金対象にしてしまいます。随分と悪口が多いと思う方もいるでしょうが、これが、現実です。そんな中で、イベントの運営や設営に携わっている人たちは、悪戦苦闘しながらも、立派にイベントを成し遂げている毎日なのです。
そんな中で、私は、常に、「理想的なスポーツアリーナ施設はないものか?」ということを考えています。実際に利用実績がある施設に関しては、良い点や悪い点が明確に理解できていますが、無数にある全国の施設を検証するためには、膨大なお金と時間を使いますので、実際に見に行くことは到底不可能です。そこで、ある程度の規模の国際大会やスポーツイベントの開催実績を元に、資料ベースですが、3,000席以上の既存客席を有する施設の中で“これは!”というスポーツアリーナをピックアップし、全部で67施設を検証してみました。既存の施設環境もさることながら、実際に、国際大会レベルのスポーツイベントのオペレーション計画に対応できるのか否か、また、運営コスト面も考慮して、仮設工事の必要度合いの低いことや、アリーナから適切な時間的距離の位置に、適切な宿泊施設があることなど、イベント運営上の具体的な検証ポイントを、その評価基準として検証しています。
個人的な独断と偏見ですが、その中のベスト10の施設を下記にご紹介してみます。ただし、ベスト10とは言いましたが、順位は付けません。上位10施設という観点でご覧ください。国際大会などのスポーツイベントで、開催会場に関してお考えの方がいらっしゃいましたら、余談のつもりで見てください。(記載している観客席数は、バスケットやバレーなどのボールゲーム実施時のアリーナ設定を前提としたものです。)

